- 原産:メキシコ
- 科:キジカクシ(Asparagaceae)
- 亜科:リュウゼツラン(Agavoideae)
- 属:アガベ/リュウゼツラン(Agave)
- 種:ササノユキ(victoriae-reginae)
- 別名:笹の雪/アガベ・ビクトリアレジーナ/クイーンビクトリア・アガベ(Queen Victoria agave)/ロイヤル・アガベ(royal agave)
- 花の色:黄色●緑色●
- 葉の色:緑色●白色〇
- 分類:一稔性(一回結実性)
- 草丈:約30~70cm
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ササノユキ(笹の雪)とは!?
ササノユキ(笹の雪)は学名Agave victoriae-reginae、別名では「アガベ・ビクトリアレジーナ」や「クイーンビクトリア・アガベ(Queen Victoria agave)」等とも呼ばれるメキシコ原産の一稔性(一回結実性)です。
ササノユキ(笹の雪)の語源(由来)
- 属名のAgaveは古代ギリシャ語で「高貴で輝かしい」を意味する「ἀγαυός」からきています。
- 種小名のvictoriae-reginaeはイギリスのビクトリア女王(1819-1901)への献名です。
ササノユキ(笹の雪)の特徴(魅力)
- ササノユキ(笹の雪)は厚みのある葉の形と、稜(物の角、多面体においては隣り合う二つの面が交わり出来る直線)に白色の線分(班)が入る個性的な葉色、球状にまとまるコンパクトな草姿が魅力の多肉植物です。
- 葉は小ぶりで厚みがあり長さは約10~22cm、幅は約3.5~5cmの大きさになります。
- 株には葉が非常に密につき、成熟した株には最大500個の葉がつくことがあります。
- 葉は先端部分にのみ黒色(暗褐色)の棘を1~3本もちます。
- 葉は稜(物の角、多面体においては隣り合う二つの面が交わり出来る直線)に規則正しくつく白色の線分があり多面体の様な印象を与えます。
- 株は成熟すると高さ400mの花茎を伸ばして生涯に一度だけ花を咲かせ枯れる一稔性(一回結実性)です。
- 一稔性(一回結実性)とは何年も花をつけずに成長した後に、最後に花を咲かせて枯れる植物です。
- 株は成熟すると親株の周りに子株をつくります。
- ササノユキ(笹の雪)は他のアガベと比べて子株が出来にくいため種で増やされることがおおいです。
- ササノユキ(笹の雪)は乾燥に強く長期間の干ばつに耐える一方で湿度の高い環境を苦手にしています。
- 湿度の高い環境では真菌(フザリウム等)や細菌(エルウィニア等)の影響をうけやすく根腐れや斑点病などの病気にかかりやすくなります。
ササノユキ(笹の雪)の高さは約30(~70)cm、幅は約40(~60)cm、草姿はロゼット状、球状に葉を密につけます。葉は多肉質、葉色は灰緑色(~青緑色)で稜に白色の筋が入る、葉身の大きさは長さ約10(~22)cm、幅約3.5(~5)cm、葉身の形は剣形もしくは披針形、縁部分に棘は無く先端に1~3個の暗色の棘があります。花序は総状花序、花茎は長さ最大400cm、花は黄色もしくは緑色、形は漏斗形です。
ササノユキ(笹の雪)の園芸品種の紹介
- コンパクタ(agave victoriae-reginae subsp. swobodae ‘Compacta’)はササノユキの亜種のスワボダエ種の園芸品種です。コンパクタの名前からも分かる通り矮性品種で、一般的な種と比べて、小ぶりな葉が密にギュッと詰まったコンパクトな草姿をしています。
- バスタマンテ(agave victoriae-reginae ‘Bustamante’)はメキシコのバスタマンテ地方に自生する植物です。個々の葉の幅が狭く稜に沿って均一に線分が入り、大株に成長します。
- ファステカ・キャニオン(agave victoriae-reginae ‘huasteca canyon’)はメキシコのモンテレイにあるファステカ渓谷に由来する植物です。一般的なササノユキと比べて葉の稜の白色の線分が太い所が特徴で、球状にまとまった直径約50cmの美しい姿が魅力です。
- ポーキュパイン(agave victoriae-reginae ‘porcupine’)は成長が非常に緩やかで、高さ幅ともに30cm程度までにしかならず、鉢植えなどでも育てやすい魅力的な園芸品種です。
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アガベ(リュウゼツラン)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アガベ(リュウゼツラン)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ササノユキ(笹の雪)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ササノユキ(笹の雪)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。
土壌の土質
ササノユキ(笹の雪)は湿度の高い環境を嫌います。何故なら根腐れや腐敗などを引き起こし生育不良や枯れる原因となるからです。そのため、水捌けを悪くする粘土質な土壌や、蒸れる原因となる有機物が多く入る土壌などは避けた方が良いでしょう。基本的には通気性がよく適度に有機物が入る砂壌土もしくは、通気性や排水性に優れた砂土で育てましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。サボテンや多肉植物などに向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌ですが、乾燥を好む植物には蒸れてしまうためあまり適さないかもしれません。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和するか、土を入れ替えましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 黒っぽい土の場合は保水性が高く夏場蒸れる原因ともなるため、必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和した方がよいかもしれません。
鉢土づくり
ササノユキ(笹の雪)は成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。屋内で観葉植物として育てる場合は日のよく当たる窓際、もしくは植物育成ライト等を活用しましょう。
ササノユキ(笹の雪)は他の多肉植物と同様に多湿環境を嫌うため、サボテンの培養土や多肉植物の培養土等を利用すると良いでしょう。自作する場合は通気性が良い培養土をつくります。腐葉土等の堆肥が多いと夏に蒸れる原因にもなるためやや少なめにいれます。
- 川砂+ボラ土(小粒)+赤玉土+腐葉土=3:3:3:1
- 軽石(小粒)+ボラ土+バーミキュライト=5:3:2
水やりの仕方
地植え
ササノユキ(笹の雪)は乾燥に強いため、地植えしている場合は乾燥が極端に続く場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし雨が長く降らず、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ササノユキ(笹の雪)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土が乾燥して数日たってから、もしくは葉にシワがよったり変色するようなら、鉢底から溢れるほど水をたっぷり与えると良いでしょう。目安の頻度は月に2~3回(冬場は1回)です。常に湿った土壌を嫌うため乾燥と湿潤のメリハリをしっかりつけて水やりをおこないましょう。
肥料の与え方
ササノユキ(笹の雪)は多くの肥料を必要としませんが、健康な成長や葉の色付きを美しくするため春の成長期に肥料を与えましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期は成長が活発な春に与えます。
- 肥料の種類は緩効性肥料もしくは液肥を選びましょう。
- 緩効性肥料を与える場合は規定された量より半分ほど減らした量を起き肥しましょう。
- 液肥を与える場合は規定された希釈よりも薄めに液肥をつくり、月に1度のペースで水やりの際に一緒に与えると良いでしょう。
剪定のやり方
ササノユキ(笹の雪)は定期的な剪定を必要としません。基本的には葉の先端にある危険な棘をハサミで取り除いたり、損傷したり枯れた葉を取り除くだけです。
ササノユキ(笹の雪)の剪定の仕方
- 葉の先端にある棘は危険なため必要に応じてカットします。
- 全体を観察して【枯れた葉・損傷した葉・病気の葉】を探します。
- 【枯れた葉・損傷した葉・病気の葉】が一部分のみである場合はハサミを使って健康な部分まで切り戻します。
- 【枯れた葉・損傷した葉・病気の葉】が全体的に広がっている場合は根元からハサミや鋸を使い間引き剪定しましょう。
夏越しする方法
ササノユキ(笹の雪)は夏の暑さに耐えますが、多湿を苦手にしており、特に暑さと多湿のストレスが組み合わさる高温多湿を苦手にしています。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
ササノユキ(笹の雪)の夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動して、地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てるといいでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌が砂質で排水性が高く乾燥しやすい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- 周辺より地面が高い場所
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり通気性がいい場所
- 周り壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると日当たりや風通しが悪くなり湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:7b~11a
ササノユキ(笹の雪)は軽い霜であれば耐えられる事もあり、株が成熟してくると耐寒性が上がることがありますが、基本的には霜の降りる地域では対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。そのため必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
ササノユキ(笹の雪)の冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理するか、不織布等をかけて霜から株を守ります。
挿し木や株分けで増やす
ササノユキ(笹の雪)は株が成熟すると親株の周りに子株を沢山生産します。子株が十分に大きくなった段階で、子株と親株と切り離し、植え直して増やすことが可能です。
播種で増やす
ササノユキ(笹の雪)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約25度
発芽日数:
発芽条件:
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ササノユキ(笹の雪)の病気
- 根腐れ病
ササノユキ(笹の雪)の害虫
- アザミウマ