- 原産:地中海沿岸
- 科:イネ(Poaceae)
- 属:ウサギノオ/ラグラス(Lagurus)
- 種:ウサギノオ(ovatus)
- 別名:ウザキノオ(hare’s-tail)/ハレズテール・グラス(hare’s-tail grass)/バニーテール(bunnytail)/バニーテール・グラス(bunny tail grass)
- 開花時期:4月~8月
- 花の色:黄色●緑色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草
- 草丈:約10~50cm
- 誕生花:5月31日
- 花言葉:感謝/弾む心/私を信じて
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ラグラス(ウサギノオ)とは!?
ラグラス(ウサギノオ)は学名Lagurus ovatus、別名では「ハレズテール・グラス(hare’s-tail grass)」や「バニーテール(bunnytail)」とも呼ばれる地中海沿岸が原産の一年草です。
ラグラス(ウサギノオ)の語源(由来)
- 属名のLagurusはギリシャ語で「野ウサギ」を意味する「lagos」と、ギリシャ語で「尻尾」を意味する「oura」の2語からきており、うさぎの尻尾の様な花の形に由来します。
- 種小名のovatusはラテン語で「卵」を意味しており、花の形に由来します。
ラグラス(ウサギノオ)の特徴(魅力)
- ラグラス(ウサギノオ)は春から夏にかけて開花するうさぎの尻尾の様なふわふわした花を鑑賞もしくは収穫して切り花やドライフラワーとして楽しむ目的で育てられる植物です。
- 草姿は根元から多数の茎(稈)が出る叢生型です。
- 茎(稈)や花は風にそよぎ優美な雰囲気をつくります。
- 花はイネ科特有の小穂が多数集まり「うさぎの尻尾」や「卵」に例えられる可愛らしい花を咲かせます。
- 花穂の長さは約1.5~5cmの大きさです。
- 花穂はうさぎの尻尾の様なふんわりした柔らかな手触りがあります。
- 花は植物の上で緑色から豊かな黄褐色へと乾きドライフラワーとなるため、長く楽しめます。
- ラグラス(ウサギノオ)は花穂が緑色の時に収穫して、切り花として楽しまれることもあります。
- 花瓶の中の日持ちは約5日~7日です。
- ラグラス(ウサギノオ)はドライフラワーの花材として人気の植物です。
- ドライフラワーにした後はフラワーアレンジメント等に利用されます。
- 青い穂の時に収穫して着色液に漬ければブリザーブドフラワーとして様々な色のドライフラワーとして楽しむ事が出来ます。
- 一年草のため花が終わると枯れていきます。
ラグラス(ウサギノオ)の草丈は10~50cm、草姿は叢生型(根元から多くの茎が出て茂る)で、稈(イネ科植物を主とした茎)は直立します。葉序は根生葉もしくは互生葉序、稈を包むように葉鞘があり、葉色は緑色、葉身は披針形です。花序は円錐花序、円錐花序は長さ約1.5(~5)cm、円錐花序は小穂が円錐状に多数集まり、小穂は長さ約0.7(~1)cmの大きさがあります。
ラグラス(ウサギノオ)の切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
ラグラス(ウサギノオ)のドライフラワーの楽しみ方
- 収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花の見栄えが良いものを選びます。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法で乾燥させます。
- 乾燥させたら型崩れを防止するため専用のスプレーをかけましょう。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
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ラグラス(ウサギノオ)のプリザーブドフラワーの作り方
ラグラスは、花や茎を漬け込むタイプの溶液でもプリザーブドフラワーを作成する事が出来ますが、ラグラスは吸い上げタイプのプリザーブドフラワー溶液(リーフ液・Mysty)でも作成する事が出来ます。
吸い上げタイプのプリザーブドフラワー溶液のいい所は、漬け込みタイプと比べて作業工程が少なく、切り花感覚でプリザーブドフラワーをつくる事が出来て、また茎も残るためフラワーアレンジメントなどにも使いやすい所が魅力です。
溶液の種類:Mysty(ブランチー)/リーフ液
必要な道具:コップ等(切り花と溶液を入れる)/ハサミ/キッチンペーパー
- 新鮮な花を準備しましょう。
- 新鮮な花ほど水分と溶液の置換が上手くいくため、庭から花を収穫してつくる場合は朝または夕方に花を収穫します。
- 既に切り花になっているものは水揚げを行い、花材に水分を上げてから使用しましょう。
- 花ごとの水揚げ方法については切り花の種類と水揚げ方法からご覧ください。
- 作業場を整えます。
- 作業中は溶液が飛び散り床や台が汚れる事が考えられるため、作業する場所は新聞紙などを敷いて床・台を保護しましょう。
- 花材の下準備をします。
- 花や茎葉の種類に応じて水揚げがしやすいように下処理(水切り・根元割りなど)を行いましょう。
- 詳しくは切り花の種類と水揚げ方法からご覧下さい。
- 花や茎葉の種類に応じて水揚げがしやすいように下処理(水切り・根元割りなど)を行いましょう。
- 容器の中に着色液を入れて花材を挿します。
- 容器の中に花材の切り口が浸かる程度の量の溶液を入れます。
- 花材の切り口を溶液の中に浸します。
- 花材が溶液を吸い上げて溶液が減ってきたら、その都度少しずつ溶液を継ぎ足しましょう。
- 溶液を多めに入れると、時間とともに溶液の中の水分が蒸発して濃度が高くなり、溶液の吸い上げが悪くなったりするため、少量でやり繰りした方がよいでしょう。
- 着色する時間は環境などによっても変わりますが数日です。
- 着色が終了したら。
- 花材の着色が終わったら着色液から花材を取り出して着色液に浸っていた部分を綺麗にしましょう。綺麗にする方法は切り口付近を拭くか洗うか切り取りましょう。
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ラグラス(ウサギノオ)の園芸品種の紹介
ラグラス(ウサギノオ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ラグラス(ウサギノオ)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。
土壌の土質
ラグラス(ウサギノオ)は通気性がよく有機物が適度に入る土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、雨の後もジメジメした状態が続く排水性の悪い土壌は生育不良を引き起こす原因となるため、水捌けの悪い粘土質な土壌は避けましょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、水捌けのよい砂壌土から壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ラグラス(ウサギノオ)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
ラグラス(ウサギノオ)は培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ラグラス(ウサギノオ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ラグラス(ウサギノオ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ラグラス(ウサギノオ)は栄養の乏しい土壌で問題なく育つ事が出来ます。逆に栄養が多過ぎる土壌では茎葉が多くなり花の品質が低下する傾向にあります。
基本的に肥料は必要としませんが、鉢植えで育てる場合は栄養が足りなくなる場合があるため、必要に応じて2週間に1度の頻度で水やりの際に液肥を与える事が出来ます。
剪定のやり方
ラグラス(ウサギノオ)の剪定は不要です。
夏越しする方法
ラグラス(ウサギノオ)は夏の暑さに強く夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
強い霜の降りない地域であれば屋外での越冬も可能ですが、強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
ラグラス(ウサギノオ)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:7日~14日
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ラグラス(ウサギノオ)の病気
ラグラス(ウサギノオ)の害虫