
- 原産:中国/チベット
- 科:モクセイ(Oleaceae)
- 属:ジャスミン(Jasminum)
- 種:オウバイ(Jasminum nudiflorum)
- 別名:黄梅/ウィンター・ジャスミン(winter jasmine)/迎春花
- 品種斑入りオウバイ(Jasminum nudiflorum ‘Variegated’)
- 開花時期:3月~4月
- 花の色:黄色
- 葉の色:緑色・クリーム色(白色)
- 香り:
- 生活形:落葉低木
- 樹高:約100~300cm
- 誕生花:1月22日/2月20日/3月6日
- 花言葉:期待/恩恵/控えめな美
- 用途:カラーリーフ/枝垂れる植物/ツル植物/景観植物/切り花
- 購入方法:斑入りオウバイを楽天で購入
■斑入りオウバイの特徴
- 学名:Jasminum nudiflorum ‘Variegated’
- 開花時期:3月~4月
- 花の色:黄色
- 葉の色:緑色・クリーム色(白色)
- 樹高:約100~300cm
- カラーリーフ:葉の色は緑色を基調として、縁部分に幅広の白色(クリーム色)の覆輪が入ります。そのため、見る人に明るさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
■オウバイ(黄梅)とは!?

オウバイ(学名: Jasminum nudiflorum)は、別名で「ウィンター・ジャスミン(winter jasmine)」「迎春花」とも呼ばれるモクセイ科ジャスミン属(ソケイ属)に分類される落葉低木の種です。
オウバイ(黄梅)の原産地は中国、チベットで、自生地は岩場や林縁、茂みなどです。
■オウバイ(黄梅)の語源(由来)
- Jasminumの語源:ペルシャ語で「神からの贈り物」を意味すると言われている「yasmin」からきています。これは、アラビア語とヘブライ語でジャスミンを指す「yāsamīn」となり、これがヨーロッパに伝わり現在の学名に採用されました。
- nudiflorumの語源:ラテン語の「裸」を意味する「nudus」と、ラテン語で花を意味する「flos」の2語の合成語です。これは、本種の開花期が冬の落葉期にあり、枝を覆う葉はなく、花が直接咲いてる様子に由来しています。
- オウバイ(黄梅):本種の花が【黄色】で【梅】のような花を咲かせることに由来します。
- 迎春花:春を迎える花を意味しており、本種が旧正月の時期に開花することに由来します。
■オウバイ(黄梅)の特徴(魅力)

- 形態:樹高は約100~300cm、生育型は【分枝型】【匍匐型】【ツル型】の性質があります。茎は基本的に柔軟で弧状に湾曲する傾向があり、ブッシュ状に茂ったり、また地面を這うことが多いですが、新梢を他物に引っ掛けてツルのように登攀することもあります。葉は三出複葉、小葉は楕円形・披針形、色は緑色です。花序は腋生の単生で、花冠は高杯形、裂片は通常6枚(5~7枚)、色は黄色の単色です。
- ライフサイクル:生活形は落葉低木の多年生です。
- 春:早春から春にかけて、葉のない枝に花が咲きます。開花が進み、暖かくなってくると葉芽も展開し、枝も伸長しだします。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、枝は分枝を繰り返し、弧状に湾曲しながら長く伸びます。
- 秋:生育がやや緩慢になり、花芽が形成されます。
- 冬:休眠期に入り葉は全て落ちます。
- 近縁種との比較:近縁種のジャスミンと比べて、開花期が早春から春と早いです。開花は落葉期にあり、葉のない枝に直接咲きます。花序は葉腋に単生し、他の多くのジャスミンと違い集散花序を形成しません。花の色は鮮やかな黄色で、無香または微香で、他のジャスミンのような強烈な香りはありません。
- 花の装飾性:本種は、春の訪れを知らせるように一斉に開花する黄色の花が魅力です。この花は、株を覆い尽くすように咲き誇るため、非常に華やかな花姿となり、また鮮やかな黄色が光を反射し周囲をパッと明るくして、心理的にもポジティブで元気な気持ちにさせます。そのため、活発で元気な雰囲気を感じさせるお庭などによく合うでしょう。
- カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、品種により白色(クリーム色)の斑入りも見られます。そのため、品種を選べば明るさを感じさせるカラーリーフとしても楽しむことができます。
- 地被植物:本種は、生育型が匍匐型または分枝型で、マウンド状に盛り上がりながら地表を覆うことが出来ます。そのため、地面や岩場などを覆う地被植物として利用するのにおすすめです。
- 枝垂れ植物:本種は枝が比較的柔軟で枝垂れる性質があるため、岩壁などの壁面を枝垂れさせて被覆することが出来ます。これらの仕立て方で、人工物などが植物に覆われていく様は、優美な雰囲気を醸し出すだけでなく、時の流れや、自然の脅威や荒廃を演出するのにも一役買います。
- スタンダード仕立て:本種は枝が比較的柔軟なため、基本的に自立しませんが、支柱を用いて、主枝を幹のように垂直に立てることができます。この主幹から、側枝を伸ばし、弧状に枝垂れさせることで【柳の木】のような優美な樹形に仕立てることが出来ます。
- エスパリエ仕立て:主に果樹などで用いられる手法で、垂直な壁面やフェンスに沿って枝を平面的に誘引して、幾何学的あるいは絵画で見られるような魅力的な樹形に仕立てる方法です。本種をこの方法で仕立てる場合は、事前に壁面にワイヤーを張るか、格子(トレリスなど)を設置し、そこに枝を誘引し、麻紐などで固定します。
■オウバイの生活形と形態

●生活形・茎の形態
- 生活形:落葉低木
- 全長:約100~300cm
- 生育型:主軸が不明瞭で分枝が多い【分枝型】、または地面を這うように茎が伸びる【匍匐型】、また新梢を他物に引っ掛け【ツル型】として成長することもあります。
- 分枝:斜上に伸びた枝は、途中で湾曲しながら枝垂れます。地表では這うように伸び、壁面では枝垂れます。
- 茎の断面:若い茎は断面が四角形をしていますが、成熟すると円形になります。
- 茎の毛:無毛
- 茎の性質:茎は成熟すると木質化します。
- 茎の色:一般的に緑色・濃緑色ですが、木質化した茎の色は赤褐色・灰褐色・灰白色です。
●葉の形態
- 葉序:対生
- 葉柄:有柄
- 葉身の概形:1枚の葉の中に複数の小葉が集まる複葉で、葉軸の左右に2枚の小葉と、頂点に頂小葉がある【3出複葉】です。
- 小葉の数:約3枚
- 小葉の長さ:約1~2.5cm※頂小葉が最も大きい
- 小葉の概形:楕円形・披針形
- 小葉の縁部分:全縁
- 葉脈:羽状脈
- 葉の色:緑色
- 備考:落葉性で冬に葉は全て落ちます。
●花の形態
- 花序:腋生に単生します。
- 花:花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えています。
- 萼:5~6枚の萼片が基部で合着し、裂片の形は線形または針形で長く伸びる【合片萼】です。
- 花冠:花冠の分類は高杯形花冠、花冠の直径は約2~2.5cm、花冠筒部は細長い筒状、花冠裂片は花冠筒部からほぼ水平に開出します。花冠筒部の形は細長い円柱形、色は黄色です。花冠裂片の数は通常6枚(5~7枚)、裂片の形は広楕円形・楕円形、裂片の色は黄色です。
- 雄蕊:2本
- 雌蕊:1本(子房上位)
●果実・種子の形態
- 果実の分類:果皮が柔らかく多肉多汁の【液果】です。
- 液果の概形:球形・長球形
- 液果は色: 暗紫色・黒色
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■オウバイ(黄梅)の園芸品種を紹介
●斑入りオウバイ
学名:Jasminum nudiflorum ‘Variegated’
開花時期:3月~4月
花の色:黄色
葉の色:緑色・クリーム色(白色)
樹高:約100~300cm
カラーリーフ:葉の色は緑色を基調として、縁部分に幅広の白色(クリーム色)の覆輪が入ります。そのため、見る人に明るさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
■ジャスミン属(ソケイ属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■オウバイ(黄梅)の育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:温暖湿潤気候・亜熱帯湿林
- 原産地:中国、チベット
- 自生地:岩場や林縁、茂みなど
- 気候:主に温暖湿潤気候・亜寒帯冬季少雨気候・温帯冬季少雨気候に属します。
- 温暖湿潤気候:夏の気温は高温になり、冬の気温も比較的温暖です。降水量は中程度です。
- 亜寒帯冬季少雨気候(Dwa・Dwb):夏の気温は比較的温暖になり、冬(最寒月)の平均気温は-3℃未満となります。降水(積雪)量が極めて少なくて乾燥しています。
- 温帯冬季少雨気候(Cwa):夏の気温は最暖月の平均気温が22度以上、冬場の気温は-3℃以上と比較的温暖です。降水量は、夏の最も雨の多い月と冬の最も雨の少ない月の降水量の差が10倍以上になります。
- 日照:日向・半日陰
- 土壌:主にカンビソル(Cambisols)・ルビソル(Luvisols)・レゴソル(Regosol)などが分布します。
- カンビソル:土壌形成の初期段階にあり、土壌層の分化が弱く明瞭な集積層はないが、母材の風化によって生じた変質層があります。母材によって性質は異なりますが、土壌は一般的に通気性と保水性のバランスが適度に保たれています。有機物もそこそこ存在し、適度な肥沃度を持つため農地としても利用されています。
- ルビソル:下層に粘土が集積し、この集積層の粘土は陽イオン交換容量が高く、塩基飽和度50%以上あります。そのため、肥沃度が高い傾向がある。土壌は表層が適度な通気性を持ち、下層の粘土で良好な保水性を兼ね備えています。カルシウムやマグネシウムなどの養分を保持する力が強く、肥沃度も高い傾向にあります。
- レゴソル:母材が砂または非固結岩屑土からなり、風化が弱く層位の発達がほとんど見られない。土壌は基本的に砂礫質であるため通気性・排水性は非常に高いです。一方で、水を留める力がないため保水性が極めて低いです。有機物も少なく、保肥力・肥沃度ともに低いです。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
オウバイ(黄梅)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌(砂土から埴壌土)に適応します。ただし、一定の湿潤環境を好むため、直ぐに乾くような土壌、過湿が続くような土壌も避けた方が良いです。日照条件・周囲の水捌け具合などを考慮して、土質は水捌けのよい【砂壌土・壌土】に調節すると良いでしょう。
- 肥沃さ:有機物をしっかりと含む肥沃な土壌を好みます。腐葉土などの有機物を入れることで、土壌の団粒化が促されて物理性(通気性・排水性・保水性)が向上したり、陽イオン交換容量が高くなり保肥力が向上したり、植物が必要とする栄養分を含有するため成長を補助したりする効果が期待出来ます。そのため、土壌の状態にもよりますが土色などを見て肥沃さが足りないと感じたら【腐葉土・完熟牛糞堆肥】などを2~3割程度を目安に混ぜこみましょう。
- pH:pHは6.0~7.0の弱酸性から中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を土壌全体に混和しておきましょう。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
オウバイ(黄梅)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
●培養土
オウバイ(黄梅)の培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:本種の自生地は岩場や林縁、茂みなどにあり、土壌は適度に湿潤で通気性と排水性が高く、有機物が堆積し腐植層が厚めです。そのため、通気性・排水性・保水性をバランスよく整えて、堆肥をしっかり入れた培養土を作りましょう。また本種は弱酸性から中性の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 無機質の用土:通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などを6割~7割を目安に配合します。土粒は基本的に小粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性の低下や植物の生育不良の原因となるため避けてください。
- 有機質の用土:腐葉土などの堆肥を全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、堆肥が栄養素を含有しているため植物の栄養補給に寄与したり、微生物の働きを促進して土質を改善したりします。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を培養土全体に混和しておきましょう。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 保水性の高い配合:赤玉土(小粒)5割+バーミキュライト1割+腐葉土4割+元肥適量
- 培養土が長持ちする配合:日向土(細粒)5割+ピートモス(酸度調整済)4割+くん炭1割+元肥適量
- 肥沃な配合:赤玉土6割+腐葉土2割+完熟牛糞堆肥2割+元肥適量
水やりの仕方
オウバイ(黄梅)は、自生地が岩場や林縁、茂みなどにあり、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。また生育期に十分な水分を得ることで、株は大きく成長します。本種は耐乾性も比較的高いですが、水切れで葉が落ちやすく、花数にも悪影響を及ぼします。そのため、水やりの頻度には十分な注意が必要です。
●栽培環境での違い
- 地植え:基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、根系が未発達で株が定着していなかったり、高温や強光で乾燥しやすい夏の季節だったり、雨が降らず土壌が乾燥していたり、土壌が砂質で乾燥しやすい状態にあったりする場合は、必要に応じて水やりが必要となるでしょう。
- 鉢植え:地植えと比べて、土の容量が限られるため乾燥がかなり早いです。そのため、定期的な水やりが必要となります。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。朝の涼しい時間帯に土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えることが基本ですが、夏場は乾燥が早く、水切れして株が弱りやすいため、土壌や株の状態を見ながら、必要に応じて夕方にも水を与えましょう。ただし、真昼の高温時に水やりを行うと、鉢内で水温が上昇して高温多湿による蒸れや酸欠状態で根を傷めることがあるため避けてください。
- 秋の水やり:生育がやや緩慢になりますが、生育期間中です。土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 冬の水やり:休眠期は殆ど水分を吸収しないため、水やりの頻度を大きく減らします。この時期に水分が多いと根腐れを引き起こす原因になります。ただし、土壌が完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後を目安に、必要に応じて水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、夏の昼の高温時に水を与えると、鉢内の温度上昇と共に湿度が上がり、根が酸欠状態(蒸れ)に陥り、根腐れや生理障害を起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、夜間に土壌が過湿状態になり、病原菌(真菌)の繁殖や呼吸の邪魔となり、根腐れを引き起こす原因になったり、過剰な水分で徒長し株姿が乱れる原因にもなります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいです。ただし例外として、水切れで植物が萎れている場合は、時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。また必要に応じて涼しい日陰に鉢植えを移動させましょう。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
オウバイ(黄梅)は、栄養の少ない環境で育てることも可能ですが、健康な成長を促進し豊富な花を咲かせるために、土壌を肥沃にして、十分な肥料(栄養)を与えることがとても大切です。
そのため、土壌の状態(色や膨軟性など)を見て堆肥を投入したり、生育期間中も追肥を施すと良いでしょう。
●栽培環境での違い
- 地植え:腐葉土や堆肥が十分にすき込まれた、一定の肥沃さがある土壌であれば、肥料が無くても栽培可能です。ただし追肥により株が大きくなり花付きもよくなるため、地植えであっても生育期間中は追肥をした方が良いでしょう。
- 鉢植え:土の量が限られており、養分も流出しやすいため追肥が必要です。必要に応じて植付け時に元肥を施してあげるとよいでしょう。注意することは、窒素成分の多い肥料を使わないことです。 窒素過多の土壌は、茎葉を茂らせて花数を減らす原因になります。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土を再利用する場合は、日光消毒などをした上で、新しい培養土または腐葉土を2割から3割を混ぜて再利用する。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または花付きを良くするためにリン酸が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る緩効性肥料などを選ぶと良いでしょう。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春から秋に追肥を施します。ただし、真夏は強いストレスを受けて株が衰退しているため追肥を控えます。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランス良く入る肥料、またはリン酸が多く入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約10~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
オウバイ(黄梅)は剪定せずに育てることも出来ますが、より健康で美しい株を維持し、開花を促すために剪定が推奨されます。例えば、剪定により、枝の流れが一定になり美しい樹形となります。また株の大きさが一定に保って通行人の邪魔になることを防げます。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
●剪定方法
- スタンダード仕立て(枝垂れ形)に仕立てる:柳の木のような、幹から枝が枝垂れる樹形を作成します。
- 幼苗(若木)の仕立て:本種の枝は柔軟で倒れやすいため、苗のそばに支柱を立てて垂直に誘引します。この枝は、成熟すると木質化し、太くなって頑強になり自立するようになります。
- 成木の仕立て:主軸(幹)から発生する側枝を剪定して樹形を整えます。
- 剪定時期:基本的に開花後の【3月~4月】に剪定を行います。他の季節に剪定することも可能ですが、花芽を切って翌年の開花に悪影響を与えるため、極端に樹形を乱す枝を限定的に剪定する程度におさめましょう。
- 枯れ枝の除去:株を観察し、枯れた枝・折れた枝・病気の枝を根元から剪定して取り除きます。
- 樹形を整える①:株を観察して、樹形を著しく乱す枝(徒長枝・立ち枝・逆さ枝など)を探します。これらの枝を、その枝の根元から【間引き剪定】して取り除きます。ただし、その枝を剪定した時に樹形を大きく乱すと考えられる場合は残します。
- 樹形を整える②:株全体の枝を観察して、1本の側枝に分枝の多い枝を探します。側枝に分枝が多いと、枝同士が混み合い、乱雑なイメージを与えるため、分枝の数は1~3本にまとめます。本種は、枝が弧を描き外側(下側)に流れるため、この流れを崩さないように、見た目のよい枝(分枝)を残して剪定(切り替え剪定)します。優美に湾曲する枝を残し、不要な枝は、枝分かれしてる場所の0.5cm程度上で剪定してください。
- 地被植物に仕立てる:本種は匍匐型に成長する性質があるため、地面や壁面を覆う地被植物として利用することができます。
- 剪定時期:基本的に開花後の【3月~4月】に剪定を行います。他の季節に剪定することも可能ですが、花芽を切って翌年の開花に悪影響を与えるため、極端に樹形を乱す枝を限定的に剪定する程度におさめましょう。
- 枯れ枝の除去:株を観察し、枯れた枝・折れた枝・病気の枝を根元から剪定して取り除きます。
- 樹形を整える:不要な枝を根元から剪定して、日当たり風通しを改善したり、成長範囲を一定に制御します。歩行者の邪魔になっていたり、決めていた範囲から逸出している枝は根元から剪定しましょう。
挿し木や株分けで増やす
オウバイ(黄梅)は挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。










