プリザーブドフラワー(Preserved flowers)とは、英語では「保存された花」という意味があり、生花を長く保存する方法全般(ドライフラワー等)を指しています。一方の日本では、花や茎葉を特殊な液で脱水や着色をして、花の腐敗と色褪せを防ぎ、長く鑑賞出来るようにしたものを一般的にプリザーブドフラワーと呼んでいます。
プリザーブドフラワーは生花を思わせる花色と質感、何年にもわたり同じ姿を保ち続ける美しい花姿から、切り花やドライフラワーのいいとこどりをしたような魅力をもっています。またプリザーブドフラワーは生花のような美しさと保存性の高さからフラワーアレンジメントの花材としても非常に人気が高く、スワッグにされたり花かごアレンジメントにされインテリアとして長く飾られ楽しまれます。
ここでは、プリザーブドフラワーを作る時に悩みがちな特殊な液の選び方、必要な道具、特殊な液ごとに違うプリザーブドフラワーの作り方などを紹介しています。またその他にもプリザーブドフラワーを保存する時の注意点やアレンジメントの仕方などを紹介しているため、よければこのページをブックマークして何度も見て貰えると嬉しいです( •̀ᴗ•́ )و
プリザーブドフラワーの作成に必要な物
プリザーブドフラワーの液(加工液・着色液など)
プリザーブドフラワーの液とは、一般的に生花の脱水・脱色・着色・保存・洗浄に使われる特殊な溶液です。一般的には、上記の役割をもった脱水液と着色液の2種類の溶液が使われています。※特殊溶液によっては脱水液の工程が省略され1個の特殊溶液でプリザーブドフラワーが作られる事もあります。
脱水液
脱水液とは、花の中の水分と色を抜く目的で使われる溶液です。一般的にアルコールが主成分になっており、水分とアルコールが置き換わる事で脱水されて、同時に脱色もされます。また脱水液は着色後のベタつき等をとる目的で洗浄に利用されることもあります。
着色液
着色液とは、花の中の水分と色素を着色液に置き換えて着色・保存をする目的で使われる特殊な溶液です。一般的には脱水液で花が脱水・脱色された後に利用されます。
プリザーブドフラワーの液の種類
らくらくプリザ液
らくらくプリザ液とは、脱水の工程が省力された一工程タイプのプリザーブドフラワー溶液です。当然、一工程で済むため二・三工程が必要なプリザーブドフラワー溶液よりも加工が簡単で扱いやすく初心者にも扱いやすくなっています。またらくらくプリザ液は、プリザ液Bよりも安く経済的にもお得になっています。
らくらくプリザ液は、二・三工程が必要なプリザーブドフラワー溶液と比べると、色が抜けにくいなどの理由で扱える花の種類が制限されており、また通常のプリザ液よりも溶液の色の数が少なめです。また溶液の中に浸けておく時間も長くなる傾向にあります。
らくらくプリザ液は複数回使えますが、繰り返し使うに従って 着色が悪くなったり色が変わる事があります。必要に応じて溶液は継ぎ足しを行ったり新しい加工液に交換するといいでしょう。
らくらくプリザ液は溶剤と水性の2種類の溶液があります。溶剤タイプは花の色が濃く仕上がり定着が良い所が特徴です。水性は色が薄く自然な感じに仕上がりますが溶剤よりも定着が弱く紫外線にも弱めです。
おすすめの花材:バラ/アスター/カーネーション/ガーベラ/デンファレ/アジサイ等
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プリザ液(プリザ液A・プリザ液B)
プリザ液A・Bは、プリザ液A(脱水液)とプリザB液(着色液)の2種類があり二・三工程かけて作られるプリザーブドフラワーの溶液です。脱水(脱色)・着色・洗浄の三工程をしっかり分けて行うため、一工程タイプの溶液よりも幅広い花材に対応しています。そのため、色んな花のプリザーブドフラワーに挑戦しやすいです。またプリザ液A・Bは色も非常に豊富にあり、混色も出来るため好みの色を作る事が可能です。
プリザ液A・Bは、らくらくプリザ液と比べると工程が多いため面倒と感じる場合があります。また着色に使うプリザ液Bは、1回で完遂するらくらくプリザ液よりもお高くなっています。
プリザ液A(脱水液)とプリザB液(着色液)は、どちらも複数回使えますが、繰り返し使うに従って脱水液は脱水力が落ちたり、加工液は着色が悪くなったり色が変わる事があります。必要に応じて脱水液は新しい液に交換したり、加工液は継ぎ足しを行ったり新しい加工液に交換するといいでしょう。
らくらくプリザ液は溶剤と水性の2種類の溶液があります。溶剤タイプは花の色が濃く仕上がり定着が良い所が特徴です。水性は色が薄く自然な感じに仕上がりますが溶剤よりも定着が弱く紫外線にも弱めです。
おすすめの花材:プリザーブドフラワーにおすすめの花材
Mysty
Mystyは、二液タイプと一液タイプ(ブランチー)の2種類のプリザーブドフラワー溶液があります。二液タイプは脱水液と加工液の2種類の溶液を使い2工程でプリザーブドフラワーが作られます。一液タイプ(ブランチー)はリーフ液のように切り花感覚で枝物や葉物がプリザーブドフラワーになります。
脱水液・加工液どちらも複数回使えますが、繰り返し使うに従って脱水液は脱水力が落ちたり、加工液は着色が悪くなったり色が変わる事があります。必要に応じて脱水液は新しい液に交換したり、加工液は継ぎ足しを行ったり新しい加工液に交換するといいでしょう。
二液タイプにおすすめの花材:バラ/デンファレ/カーネーション/トルコキキョウ/サンダーソニア/アジサイ等(幅広い植物に使えます)
一液タイプにおすすめの花材:枝物/葉物(水揚げの悪い植物には向きません)
リーフ液
リーフ液とは、切り花を生ける感覚でプリザーブドフラワーが作成出来る溶液です。作り方が非常にシンプルなため初めての人でも理解して取り組みやすく、また溶液は継ぎ足しながら少量ずつ使うため無駄になりにくい所も魅力です。また他のプリザーブドフラワーのように漬け込まずに切り花のまま作成するため、出来上がりがより本物の花(切り花)のようになります。
リーフ液はその名前からも分かる通り、基本的には葉物に使うプリザーブドフラワー溶液です。一部の花でも使えますが、かすみ草のような小さな花やイネ科の花等に限られます。
おすすめの花材:カエデ/かすみ草/ゲーラックス/シダ/スターチス/スマイラックス/ソリダコ/フウセントウワタ/ヘデラ/ユーカリ/イネ科全般(アワ・ラグラス・エコログサ・ススキ・スモークグラス)
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一液くん
一液くんは、脱水の工程が省力された一工程タイプのプリザーブドフラワー溶液です。当然、一工程で済むため二・三工程が必要なプリザーブドフラワー溶液よりも加工が簡単で扱いやすく初心者にも扱いやすくなっています。
一液くんQ&Aでは、溶液を2回目・3回目と使い回すと溶液の中に植物組織水が混じり一液くんの成分自体が薄くなるとされています。そのため2回目以降は溶液に浸す時間を長くしないと綺麗な色が出なかったり、一回目のようないい状態でのプリザーブドフラワーの作成が困難になるとされています。使い回しを行う場合は、溶液をそれほど必要としない植物を選んだり、溶液を2割~5割足すようにすると比較的に上手くいきやすいようです。
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プリザーブドフラワーに必要な道具
プリザーブドフラワー溶液を準備したら、それに必要な道具を準備しましょう。溶液によって作業工程が変わるため、必要な道具も変わってきます。ここでは溶液ごと必要な道具を紹介していきます。
漬け込みタイプに必要な道具
溶液の種類:プリザ液(プリザ液A・プリザ液B)/Mysty(通常タイプ)/らくらくプリザ液/一液くん
- 蓋付き容器2~3個
- 蓋付き容器は脱色・着色・洗浄(脱水・洗浄不要な場合もある)の工程にそれぞれ必要なため2~3個準備しておくとよいでしょう。花は一気に入れるとムラが出来て失敗しやすいため、大きいものを準備するのではなく、1個1個の花材の大きさに合わせて準備します。蓋がない容器で作業すると溶液が蒸発するため注意が必要です。
- アルミホイル
- アルミホイルは溶液に花材を浸す際に上から抑えるものとして利用します。アルミホイルがない場合はキッチンペーパー等を代用することもできます。
- ハサミ
- ハサミは花の下処理を行う際に使用します。
- ピンセット
- 基本的に溶液に直接手を触れないようにするため、溶液と花材を扱う際はピンセットを使って作業します。溶液に花材を漬け込んだり、溶液から花材を出して乾かしたり、様々な場面で使用します。
- ゴム手袋
- 溶液を扱う際は、溶液に触れないようにゴム手袋を着用して作業しましょう。
- 新聞紙
- 作業する際に台や床に敷いて置いて、溶液が飛び散った際の汚れ防止として使用します。
- トレイ
- 溶液から出した花材を置く場所として利用します。
- キッチンペーパー
- 溶液から取り出した花材の液を切るときや、トレイの上に敷く時などに利用します。
- 網・猫よけシート等
- トレイの上に置いて、花材を乾燥させる時に利用します。花を立てれる状態で乾かすと花材が型崩れしにくく綺麗に仕上がりやすいです。
水揚げタイプに必要な道具
溶液の種類:リーフ液/Mysty
- 縦長の容器
- 縦長の容器は、容器の中に溶液を入れて、そこに花材を切り花のように立てる目的で使います。溶液は少しずつ入れ継ぎ足していくため、溶液の減りが分かる透明の溶液が良いでしょう。
- ハサミ
- ハサミは花の下処理などを行う際に使用します。
- キッチンペーパー
- 溶液から取り出した花材の液を切るとき等に利用します。
花材の選び方
プリザーブドフラワーに使う花材を選ぶ際に注意する事は「花の鮮度」と「花弁の厚み」と「散りにくさ」の3つ、さらに使うプリザーブドフラワーの溶液によっては「小花」がいい場合があります。それを踏まえて花材を選ぶとよいでしょう。
花の鮮度
花の鮮度は、プリザーブドフラワーの加工後の出来栄えに大きな影響を与えます。何故なら新鮮な花材は水揚げが良く水分と脱水液・加工液との置換が上手くいきますが、鮮度の悪い花材は水揚げが悪いため水分と脱水液・加工液との置換が上手くいかず綺麗な色が出にくくなるためです。また花が完全に咲ききっていたり傷んでいると花弁が落ちる等して損傷しやすかったり、花が萎れていたり傷がついていると仕上がりも綺麗になりくかったりします。そのため鮮度のいい花材を選ぶことは非常に重要です。
鮮度のいい花材の特徴
- 花部分
- 花弁に張りがある
- 花色が良い
- 花弁の一部が乾燥していない
- 花弁が茶色く変色していない
- 花弁の先端や基部が透けたようになっていない
- 花弁に傷等の傷みがない
- 花が6〜7分咲きで今から花開こうとしている
- 花の種類によっては10分咲きの方がよい場合もあります
- 萼(花を保護・支える働きがあります)
- 萼が茶色く変色していない
- 同じ花と比べて萼の形が崩れていない
- 葉
- 葉にシャキッとした張りがあり色ツヤ良く瑞々しい印象がある
- 枯れた葉がない
- 切り花の場合は水揚げとのバランスが悪いと葉が枯れる事もあります
- 葉が変色していない
- 茎
- 茎に張りがあり瑞々しい印象を感じる
- 茎に傷みや変色がない
花弁の厚み・散りにくさ
花を選ぶ際は、花弁が厚く散りにくい種類を選ぶ事が重要です。何故なら花弁が薄いと加工中に花弁が破損して出来栄えが悪くなったり、また花弁が散ってしまうと外観に大きな悪影響をおよぼすからです。そのため、出来るだけ花の種類だけじゃなく品種にも気をつけて選んで上げると良いかもしれません。
プリザーブドフラワーにおすすめの花材
- 花類
- アワ
- エキノプス
- エノコログサ
- カーネーション
- ガーベラ
- かすみ草
- ガマ
- カラー
- キビ(スモークグラス)
- クリスマスローズ
- ケイトウ
- コムギ
- サンダーソニア
- ジニア(八重咲き)
- シンビジウム
- スカビオサ
- ススキ
- スターチス
- セルリア
- セントレーア
- センニチコウ
- ソリダコ
- ダリア
- チドリソウ
- デルフィニウム
- ナデシコ(テマリソウ)
- チューリップ
- デンファレ
- トルコキキョウ
- バラ
- ヒカゲノカズラ
- ピスタキア(カイノキ)
- ヒペリカム
- ヒマラヤスギ(シダーローズ)
- ひまわり
- ブーゲンビリア
- フィリカ
- ブルースター
- ボタン(シャクヤク)
- マリーゴールド
- ラグラス(うさぎのお)
- ラン
- リンドウ
- ルクリア
- ルナリア
- 果実
- 柑橘類(レモン等)
- ブロッコリー
- パイン(花パイン)
- フウセントウワタ
- 葉物
- アジアンタム
- アスパラガス
- エアープランツ
- カエデ
- クサナギカズラ(スマイラックス)
- ゲイラックス
- コガネヒバ
- シラタマノキ(レモンリーフ)
- パセリ
- ハボタン
- ピトスポラム
- ヒポエステス
- ポプラ
- モス(苔)
プリザーブドフラワーの作り方
プリザーブドフラワーを作るために必要な溶液や道具、花材の準備が出来たら、ブリザーブドフラワーの作成を初めて行きましょう。作り方は使う溶液や使う花の種類で変わりますが、ここではプリザーブドフラワーの溶液ごとに分けて作り方を紹介していきます。
漬け込みタイプ3工程
溶液の種類:プリザ液(プリザ液A・プリザ液B)/Mysty(通常タイプ)
- 新鮮な花を準備しましょう。
- 新鮮な花ほど水分と溶液の置換が上手くいくため、庭から花を収穫してつくる場合は朝または夕方に花を収穫します。
- 既に切り花になっているものは水揚げを行い、花材に水分を上げてから使用しましょう。
- 花ごとの水揚げ方法については切り花の種類と水揚げ方法からご覧ください。
- 作業場を整えます。
- 作業中は溶液が飛び散り床や台が汚れたり、溶剤の強い臭いが部屋に充満する事が考えられます。
- 作業する場所は新聞紙などを敷いて床・台を保護しましょう。
- 溶剤系の溶液を使う場合は窓を空ける等して換気をよくしておきましょう。
- 花材の下準備をします。
- 大きな花の場合は一輪だけ漬け込む事になるため、花とのバランスを見ながら花の下から数センチ(約2~3cm)で切りましょう。※花は短くした方が溶液に入れやすいメリットがあります。
- 小さな花の場合は房状に何個か花を漬け込む事になるため、容器の大きさとバランスを見ながら、花を何個か付けて花茎を切りましょう。
- 容器の中に脱水液を入れて花材を漬け込みます。
- 脱水液は花が完全に漬け込む事が出来る量を入れて下さい。
- 花材をピンセットで掴み溶液の中に浸し入れて、優しく左右に振りながら花弁の間にも溶液が入るようにします。
- 花が浮き上がる場合は、花の上から落し蓋の要領でアルミホイル・キッチンペーパー・ラップ等を被せましょう。
- 蓋をして直射日光の当たらない当たらない場所に保管します。
- 脱水・脱色する時間は花の大きさ等によって変わるため一概ではありませんが数時間から数日です。花や萼の色素が抜けて完全に白色または白っぽくなってきたら準備OKのサインです。
- さらに脱水・脱色してより白色にしたい場合、または仕上がりをよくしたい場合は、漬け込む時間を長くしたり、もう一度新しい脱水液に浸す事もできます。白色の花が欲しい時、薄い色の花色をつくりたい時などにおすすめです。
- 容器の中に着色液を入れて花材を漬け込みます。
- 容器の中に花材が完全に漬け込む事が出来る量の着色液を入れます。
- 脱水液の中にある花材をピンセットで取り出して、花材をキッチンペーパーの上などに置いて軽く脱水液を切ります。
- 脱色された花材をピンセットで摘んだまま、着色液の中に浸しましょう。
- ピンセットで軽く抑えて花弁の間にある空気を抜きます。
- 花が浮き上がる場合は、花の上から落し蓋の要領でアルミホイル・キッチンペーパー・ラップ等を被せましょう。
- 蓋をして直射日光の当たらない当たらない場所に保管します。
- 着色する時間は花の種類等によって変わるため一概ではありませんが半日から数日です。浸す時間が短いと色が薄くなったり色ムラが出来たり縮んで変形したりするため注意してください。
- 洗浄(しない場合もあります)
- 洗浄は花材の表面にある着色液のベタつきをとる目的で行われます。洗浄工程を省いて、そのまま乾燥に入る場合もあります。
- 容器の中に脱水液を入れます。
- 着色液の中から花材をピンセットで取り出して、軽く着色液を落とした後に、脱水液の中につけます。
- 花材をピンセットで摘んだまま優しく左右に動かして着色液を落としましょう。
- 花材を乾燥させます。
- 花材を乾燥させる場所を用意しましょう。
- トレイの上にキッチンペーパーを敷いて、その上に網または猫よけシートなどを置きましょう。
- 洗浄工程をしている場合は脱水液、洗浄工程をしていない場合は着色液の中から花材をピンセットで取り出して、網または猫よけシートの上に、花材を上向きに並べましょう。
- 乾燥させる時間は花材の種類・温度・湿度・風当たりによっても変わりますが数日から数週間かかります。
- 花材が乾燥してベタつきも無くなったら完成です。
漬け込みタイプ1工程
- 新鮮な花を準備しましょう。
- 新鮮な花ほど水分と溶液の置換が上手くいくため、庭から花を収穫してつくる場合は朝または夕方に花を収穫します。
- 既に切り花になっているものは水揚げを行い、花材に水分を上げてから使用しましょう。
- 花ごとの水揚げ方法については切り花の種類と水揚げ方法からご覧ください。
- 作業場を整えます。
- 作業中は溶液が飛び散り床や台が汚れたり、溶剤の強い臭いが部屋に充満する事が考えられます。
- 作業する場所は新聞紙などを敷いて床・台を保護しましょう。
- 溶剤系の溶液を使う場合は窓を空ける等して換気をよくしておきましょう。
- 花材の下準備をします。
- 大きな花の場合は一輪だけ漬け込む事になるため、花とのバランスを見ながら花の下から数センチ(約2~3cm)で切りましょう。※花は短くした方が溶液に入れやすいメリットがあります。
- 小さな花の場合は房状に何個か花を漬け込む事になるため、容器の大きさとバランスを見ながら、花を何個か付けて花茎を切りましょう。
- 容器の中に着色液を入れて花材を漬け込みます。
- 容器の中に花材が完全に漬け込む事が出来る量の着色液を入れます。
- 花材をピンセットで掴み、着色液の中に完全に花材を浸し入れましょう。
- ピンセットで軽く抑えて花弁の間にある空気を抜きます。
- 花が浮き上がる場合は、花の上から落し蓋の要領でアルミホイル・キッチンペーパー・ラップ等を被せましょう。
- 蓋をして直射日光の当たらない当たらない場所に保管します。
- 着色する時間は花の大きさや色抜けのしやすさ等によって変わるため一概ではありませんが、脱色工程がない分、長くなりがちで数日かかります。
- 花材が着色されたら取り出しますが、浸す時間が短いと色が薄くなったり色ムラが出来たり縮んで変形したりするため注意してください。
- 花材を乾燥させます。
- 花材を乾燥させる場所を用意しましょう。
- トレイの上にキッチンペーパーを敷いて、その上に網または猫よけシートなどを置きましょう。
- 着色液の中から花材をピンセットで取り出して、網または猫よけシートの上に、花材を上向きに並べましょう。
- 乾燥させる時間は花材の種類・温度・湿度・風当たりによっても変わりますが数日から数週間かかります。
- 花材が乾燥してベタつきも無くなったら完成です。
吸い上げタイプ
- 新鮮な花を準備しましょう。
- 新鮮な花ほど水分と溶液の置換が上手くいくため、庭から花を収穫してつくる場合は朝または夕方に花を収穫します。
- 既に切り花になっているものは水揚げを行い、花材に水分を上げてから使用しましょう。
- 花ごとの水揚げ方法については切り花の種類と水揚げ方法からご覧ください。
- 作業場を整えます。
- 作業中は溶液が飛び散り床や台が汚れる事が考えられるため、作業する場所は新聞紙などを敷いて床・台を保護しましょう。
- 花材の下準備をします。
- 花や茎葉の種類に応じて水揚げがしやすいように下処理(水切り・根元割りなど)を行いましょう。
- 詳しくは切り花の種類と水揚げ方法からご覧下さい。
- 花や茎葉の種類に応じて水揚げがしやすいように下処理(水切り・根元割りなど)を行いましょう。
- 容器の中に着色液を入れて花材を挿します。
- 容器の中に花材の切り口が浸かる程度の量の溶液を入れます。
- 花材の切り口を溶液の中に浸します。
- 花材が溶液を吸い上げて溶液が減ってきたら、その都度少しずつ溶液を継ぎ足しましょう。
- 溶液を多めに入れると、時間とともに溶液の中の水分が蒸発して濃度が高くなり、溶液の吸い上げが悪くなったりするため、少量でやり繰りした方がよいでしょう。
- 着色する時間は植物の種類や環境などによっても変わりますが数日から数週間です。
- 着色が終了したら。
- 花材の着色が終わったら着色液から花材を取り出して着色液に浸っていた部分を綺麗にしましょう。綺麗にする方法は切り口付近を拭くか洗うか切り取りましょう。
プリザーブドフラワーを保存する時に注意する事
プリザーブドフラワーは、一般的なイメージでは、花の形や色が何年も何十年も変わることなく、そのままの姿でずっと楽しめるイメージがありますが、実際は年月が経つと共に劣化していき花が色褪せたり触ると簡単にボロボロと崩れたりするします。そのため保管状況などによっては数年ごとに新しいものに交換する必要があります。
プリザーブドフラワーの寿命は、湿気が少ないヨーロッパではプリザーブドフラワーが腐敗しにくく約10年保つと言われています。一方の日本では、湿気が多い環境のためプリザーブドフラワーの寿命はよくて5年ほど、適切な管理がされてない場合は1~2年で劣化してダメになることもあります。
そのためプリザーブドフラワーを上手に作った後も、適切な管理を行い保存する事が大切です。プリザーブドフラワーを管理する際に気をつける点は「湿度」「直射日光」「衝撃」の3点あります。湿度・直射日光・汚れの3点に気をつけて管理していれば長くプリザーブドフラワーを楽しむ事が出来るでしょう。
湿度
プリザーブドフラワーは湿度が30~50%、温度が18~25℃の環境が良いとされています。何故なら湿度が高い環境では、花にカビが生えてきてしまい腐敗したり、また花から溶液が染み出てきて花色が変色して劣化する原因となるからです。
湿度は、密閉された部屋や雨の後、観葉植物への水やり、汗や呼吸など様々な要因で高まります。湿度が高くなってきたら、窓を解放して換気したり、エアコンで除湿して部屋の湿度を下げるようにしましょう。
直射日光
プリザーブドフラワーは直射日光を避けた場所に飾って下さい。何故なら、直射日光(紫外線)が当たると花が劣化してしまう原因となり、花弁にひび割れが入ったり、花が色褪せる原因になるからです。
プリザーブドフラワーを長く鑑賞して楽しみたい場合は、直射日光が当たるような場所(窓側など)は避けた方がよいでしょう。
衝撃
プリザーブドフラワーは衝撃に弱いため基本的に触れずに管理しましょう。飾っていると、どうしてもホコリで汚れる事があります。その場合は毛先の柔らかなチークブラシやドライヤーの弱風で取り除くようにしましょう。
プリザーブドフラワーを処分するタイミング
プリザーブドフラワーを大切に管理していても、いつかは処分しないといけないタイミングが来ます。幾つかのチェック項目があるため、それに該当する場合は、古いプリザーブドフラワーを処分して新しいプリザーブドフラワーに交換してあげると良いかもしれません。
- 花が色褪せて古臭い印象を与ている
- アンティークな印象を与える事もあるため、お部屋のイメージに合わせて処分を検討すると良いかもしれません。またらくらくプリザ液Bに、色褪せた花を入れると花色が復活する事もあります。
- 花にカビが生えて腐敗が進んでいる
- 一部分であればその部分を取り除いて湿度の低い環境で飾る事も出来ますが、カビが広がっている場合は捨てて新しい物と交換した方が良いかもしれません。
- 花弁の一部が破損している
- 修繕できる場合は、その部分をハサミで切って形を整えたり、また破損した花弁を取り除きましょう。修繕しても外観が著しく悪い場合は新しい物と交換した方が良いかもしれません。
- 花を触るとボロボロと崩れる
- 花の寿命が来ています。修繕は難しいため新しい物と交換した方が良いでしょう。
プリザーブドフラワーを長期保存するコツ
プリザーブドフラワーが「湿度」「直射日光」「衝撃」に弱い事は紹介しましたが、これらから花を保護して花を長期間楽しむ方法があります。
プリザーブドフラワーを長期間楽しむ方法は「ケースに入れる」または「コーティング剤を使用する」方法がおすすめです。
ケースに入れる
プリザーブドフラワーは基本的に透明なケースに入れて飾られている事が多く、お店などに売っている場合も必ずと言っていいほど透明なケースにプリザーブドフラワーが入っています。
プリザーブドフラワーをケースに入れるメリットは「温度・湿度から花を守る」「花にホコリがつかない」「紫外線から花を守る(UVカットケース)」の3点があります。プリザーブドフラワーの花の寿命を短くする原因である「温度・湿度」「直射日光(紫外線)」「ホコリがつかない(衝撃を与える掃除が不要)」が解決されるため花を長期間に渡り楽しめます。
ただしケースに入れてしまうと作り物感が強く出てしまうため、飾る際の好みが分かれる所です。
コーティング剤を使用する
コーティング剤とは、プリザーブドフラワーの強度を増す目的、花弁が外れるのを防ぐ目的、湿気を遮り変色や腐敗を防ぐ目的、色移りを防ぐ目的などで使用されるものです。
コーティング剤には「フラワーグラスコート剤」「フラワーアクアコート剤」「フラワーソフトコート剤」「フラワーハードコート剤」の4つがあります。
- フラワーグラスコート剤
- 陶器のように硬質で光沢のある仕上がりになり、花弁が外れる事を防ぎます。硬質ですが、やや衝撃に弱いため扱いには注意が必要になります。
- フラワーアクアコート剤
- 花の質感をしっかり残しながら、花の強度を高め、花弁が外れる事 を防ぎます。
- フラワーソフトコート剤
- ビニールでコーティングしたような柔らかな質感を残しながら、花弁に強度を出します。花に強度が出るため、頻繁に触れる事が予想される場所(アクセサリー)等にもプリザーブドフラワーが使えるようになります。
- フラワーハードコート剤
- プラスチックでコーティングしたように花弁が固くなり強度を出して光沢のある仕上がりになります。
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プリザーブドフラワーをアレンジメントする
プリザーブドフラワーは作って終わりではありません。そこからアレンジメントする事ではじめて美しい作品になります。例えば、花束のようにスワッグをつくり花瓶に飾ったり、フラワーリースにして壁にかけてみたり、アクセサリーとして身に付けてみたり、単体でプリザーブドフラワーを飾るよりもアレンジメントして飾った方が間違いなく華やかな印象を与える飾りとなります。
ここでは、プリザーブドフラワーのアレンジメントの種類と楽しみ方などを紹介しています。
ハーバリウム
ハーバリウム(Herbarium)とは、英語では「植物標本」を意味しており、植物の研究で使用するために、紙に植物を貼り付けて乾燥させたり、アルコールやその他の防腐剤と一緒に植物を箱に入れたりして、長期保存される植物標本の事をさしています。
日本でのハーバリウムは、透明なボトルの中に花材とオイルを入れて密閉したお洒落な雑貨をさしており、インテリアの一部としてお部屋の中に飾られて楽しまれています。ハーバリウムは現代的な標本を思わせますが、ハーバリウムオイルの中でプリザーブドフラワーの寿命が伸びるわけではありません。むしろ、ハーバリウムの寿命は半年から一年と短めで、花の色が失われたり、オイルが濁ったりしてきます。プリザーブドフラワーの寿命を伸ばす目的であれば、単に透明ケースに入れてプリザーブドフラワーを飾る方が良いかもしれません。
ハーバリウムの作り方
- 必要な物を準備します。
- 透明なボトル・ハーバリウムオイル・プリザーブドフラワー・ピンセット・ハサミ・ワイヤー
- 花材の下準備
- プリザーブドフラワーを必要な大きさにハサミでカットします。
- 一本の花材で作りたい場合はボトルの底から肩部分、斜めに配置出来る長さにカットするとよいでしょう。
- かすみ草など小さな花を束にしたい場合は茎を短めにカットしてワイヤーなどでくくりましょう。
- ボトルに何本かの花材を入れたい場合はバランスを見ながら茎をカットします。
- プリザーブドフラワーを必要な大きさにハサミでカットします。
- ボトルに花材を入れる
- ピンセットを使いボトルの中に花材をバランスよく入れていき、オイルを注いだ後も花材が出来るだけ崩れないようにしましょう。
- ボトルの中にオイルを注ぎます
- 花材が崩れないように、ボトルを斜めに傾けてボトルの壁を伝うようにオイルを入れていきましょう。
- オイルの大部分が入ったらボトルを縦に戻しオイルを注ぎ、ボトルの肩上までオイルがきたら完成です。
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スワッグ
スワッグ(SWAG)とは、ドイツ語で「壁飾り」を意味しており、ドライフラワーやプリザーブドフラワーを束ねて花束のような形にして、壁にかけて飾るものです。スワッグの使い方としては、壁にスワッグを下向きにかけて飾るのが普通ですが、別にかしこまる必要はありません。花瓶にさして普通の花のように飾ったり、無造作にテーブルに置いて飾ったりと、花材や自分にあった方法で楽しむ事が出来るところが魅力です。
スワッグはドライフラワーを中心に作られる事が多いですが、生花のような色味を出すためにプリザーブドフラワーを混ぜて作られることもあります。作り方は「土台になる花材」に「ボリュームのある花材」をバランスを見ながら重ねて、最後に「アクセントになる花材」を加えて、麻紐やリボン等でまとめます。※詳しい作り方については下記のリンクからご覧下さい。
花かご
フラワーバスケットとは、草原で摘んできた沢山の草花を花かごの中に放り込んだように作られるフラワーアレンジメントです。花かごから花が溢れるように配置されるため、華やかな雰囲気を作り出し、また花かごにセットされているため安定感がありテーブルや台等に無造作に置いて飾れる所が魅力です。※詳しい作り方については下記のリンクからご覧下さい。
フラワーリース
フラワーリース(flower wreath)とは、花・実・葉・茎をリング状の形になるように装飾して作られる花輪です。フラワーリースは主に壁やドアなどに飾られてインテリアとして楽しまれており、またスタンドを使って立てかけられたり、吊り下げられて飾られる事もあります。
フラワーリースは、ドライフラワーでも作られますが、色味を足すためにプリザーブドフラワーを入れたり、自然と乾燥していくような生花を入れたりする事も出来ます。作り方も様々あり、ツル状に花材を巻いたり、フローラルフォームに差し込んだり、土台にグルーガン(樹脂)で止めたり、花材に合わせて作られます。※詳しい作り方については下記のリンクからご覧下さい。
アクセサリー
アクセサリーとは、身を飾りお洒落するための装飾品(ネックレス・ピアスなど)です。一見すると、破損しやすいプリザーブドフラワーとは無縁なイメージがありますが、プリザーブドフラワーで作ったアクセサリーは普通のアクセサリーと比べて可愛らしい印象を与えたり華やかな印象を与える効果があります。またコーティングをしておけば衝撃にも強くなるため、破損しにくく長く使えます。
プリザーブドフラワーのアクセサリーは、プリザーブドフラワーの付け根に接着剤を付けてアクセサリーパーツ(指輪なら台座付きのリング)にくっつけるだけで完成します。ただし、プリザーブドフラワーは触れた時に破損しやすいため、フラワーソフトコート剤で事前にコーティングしておき衝撃に強くしておいた方が良いかもしれません。
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レイアウト
レイアウトとは、配置・配列を意味しており、所定の範囲内で物を効果的に配置する事を意味します。
プリザーブドフラワーのレイアウトは、配置や配色のバランスを考えながら自分なりに花材などを配置して、お洒落なインテリアとして楽しめるように作られる飾りです。
箱庭
箱庭とは、小さな箱の中にミニチュアの植物や人形、建物などを配置して、絵画的に景観を立体的に表現する方法です。またプラモデルを効果的に見せる手段として用いられる事が多いジオラマとも似ています。
プリザーブドフラワーの箱庭では、植物をそのまま使用できるため、イングリッシュガーデンや日本庭園、アニメや物語に出てくるような幻想的なお庭などを表現するのに向いています。時間はかかりますが、花材だけではなく粘土や木の皮など様々な素材を利用して、理想のお庭を作るのは楽しい作業になるため、一度作り出すと時間を忘れ作業に没頭出来ちゃいます。
プリザーブドフラワーをプロから購入する
プリザーブドフラワーは、特殊溶液や必要な道具が多く揃えるのが面倒と感じたり、揃えた後も何週間もかけてプリザーブドフラワーを作るのが面倒と感じたり難しいと感じる場合があります。
そういう時はプロの人に任せてショップで購入するのも良いかもしれません。ショップで購入すると既に綺麗なケースに入っており、長期間楽しめるようにしてあったり、またしっかりアレンジメントもされているためギフトで贈りやすかったりもします。
プリザーブドフラワーが欲しい、でも作るのは難しそうだ、と考えている場合は専門のプリザーブドフラワーショップで購入するのを検討するのも良いかもしれません。
ベルビーフルールはプリザーブドフラワーを専門に扱うプロのプリザーブドフラワーショップです。新作のプリザーブドフラワーを常に生み出しており、ショップを覗くだけでも新しい発見やアイデアが貰えます。アレンジメントの種類も豊富でカテゴリーにわけて様々な商品が販売されており、また一個一個のプリザーブドフラワーは専門のプロが作っているため、手作り感とは違う洗練された魅力があります。
値段は材料費や手間暇がかかるプリザーブドフラワーなだけに、1000~50000円台とやや高価なものが多いです。しかし【直射日光】【湿気】【衝撃】などに気をつけて飾ったり、ケースに入れるなどして大切に飾れば何年にも渡り楽しむ事が出来ます。自分でプリザーブドフラワーを作る自信がない、洗練されたプリザーブドフラワーが欲しい、ギフトで大切な人に贈りたい、と考えている人は購入を検討してみるのもよいでしょう。
\ベルビーフルールで作成されているアレンジメントのカテゴリー/