- 原産:中央ヨーロッパ/西アジア
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:ネモローサ(Salvia nemorosa)
- 別名:ウッドランドセージ(woodland sage)/バルカンクラリー(Balkan clary)
- 品種:シュヴェレンブルク(Salvia nemorosa ‘schwellenburg’)
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:赤色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約40~50cm
- 誕生花:10月5日/11月5日/12月18日
- 花言葉:知恵/尊敬/家族愛/良い家族/燃える思い
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サルビア(シュヴェレンブルク)とは!?
サルビア(シュヴェレンブルク)は、一般的なネモローサ種とは一線を画す円錐状のボリュームある花穂をが特徴的な園芸品種です。花は赤紫色の小花が節毎に複数つき輪散花序をつくり、輪散花序の花穂が円錐状に集まるため、ふさふさとしたボリュームある花姿を作り出します。
ふさふさと柔らかな印象を与える花姿と、上品で可愛らしい雰囲気も作る赤紫色の花色は、上品なロマンチックガーデンや、フェミニンな雰囲気があるエレガントガーデンなどによく合うでしょう。
サルビア(ネモローサ)とは!?
サルビア(ネモローサ)は学名Salvia nemorosa、別名では「ウッドランドセージ(woodland sage)」や「バルカンクラリー(Balkan clary)」等とも呼ばれる中央ヨーロッパおよび西アジア原産の多年草です。
サルビア(ネモローサ)の語源(由来)
- 属名のSalviaの語源は、ラテン語で「安全」「健康」「安心」を意味する「salvus」や、ラテン語で「賢者(sage)」を意味する「salvia」や、ラテン語で「安全にする」「健康にする」等を意味する「salvere」等からきています。
- 種小名のnemorosaはラテン語で「森の」「森林性の」を意味しており、自生地に由来しています。
サルビア(ネモローサ)の特徴(魅力)
- サルビア(ネモローサ)は、シャープでかっこいい印象を与える細く長く伸びる花穂、茎が直立に伸びる行儀の良い成長習慣、長命で丈夫なためとても育てやすい所などが特徴的な植物です。
- 草姿はドーム状、茎は殆ど横に倒れることなく垂直に伸びるため、雑多な印象を与えず洗練された雰囲気を作ります。
- そのため、花壇の中で立体感を出す目的で利用されたりします。
- 葉の形は槍のような形をしており表面に皺がよります。
- 花はシソ科でよく見られる唇形花、唇形花は節毎に複数の花が付くためフサフサとした外観になり、また花穂は細く長いためシャープでカッコ良い印象を与える花姿となります。
- 品種によっては、花を支える萼も、花弁と同様に綺麗に色付いていて美しい外観をしています。そのため、本物の花が落ちた後も、長く花(萼)を楽しむ事が可能です。
- 花は蜜源として蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。そのため、開花期間中は蜜を求めて花の周りを花蜂や蝶々がよく飛び回っています。
- サルビア(ネモローサ)の仕立て方には「小道の縁取り」等があります。
- 小道の縁取りとは、小道の外縁に沿って、または小道の外縁を作るように、草丈の低い植物を並べて植えて、外縁のデザインを作る方法です。お庭の中に統一感やリズムを作り、美しい景観を作り出す事が出来ます。
- サルビア(ネモローサ)は小道の縁取りにとても向いています。何故なら、草姿が直立で行儀がよく、草丈も低く抑えられているからです。
- 小道の縁取りとは、小道の外縁に沿って、または小道の外縁を作るように、草丈の低い植物を並べて植えて、外縁のデザインを作る方法です。お庭の中に統一感やリズムを作り、美しい景観を作り出す事が出来ます。
- サルビア(ネモローサ)は、とても丈夫なため育てやすく、また長命なためお庭の中で長く楽しむ事が出来ます。
サルビア(ネモローサ)の草丈は約30(~80)cm、草姿はドーム状、茎は直立、分枝は直立または斜上します。茎の色は緑色、白粉を帯びて白緑色になる事もあります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~10)cm、葉身の形は披針形または卵形、葉のふち部分に鋸歯があります。葉の表面には皺(シワ)がよります。
花序は輪散花序、輪散花序は各節に複数の花が付きます。萼は筒状、萼の色は緑色または花弁と同様に色があります。花冠は唇形花、唇形花は上唇と下唇があり、上唇は棒状で湾曲しながら立ち上がり、下唇は広く円状で裂片が3個、花冠の色は青色・紫色・桃色・白色があります。
サルビア(ネモローサ)の園芸品種の紹介
サルビアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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サルビア(シュヴェレンブルク)の育て方
花壇の土づくり
日当り
サルビア(シュヴェレンブルク)は、日光が六時間以上当たる日向から、三時間から五時間程度の半日影までで育てる事が出来ます。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
サルビア(シュヴェレンブルク)は、通気性と排水性が良く、適度に保水性のある肥沃な土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく、腐葉土がしっかり入る肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サルビア(シュヴェレンブルク)は、日光が六時間以上当たる日向から、三時間から五時間程度の半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
サルビア(シュヴェレンブルク)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
サルビア(シュヴェレンブルク)は、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。 ただし、何時までも水分が停滞するジメジメした環境は根腐れを引き起こす原因となるため、土質や水やりの頻度には注意が必要です。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりは、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
サルビア(シュヴェレンブルク)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合は、必要に応じて春に堆肥を入れて、春と秋に肥料を与えましょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 株分けや植え替えを行う時に土壌改良して植え直しても問題ありません。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
追肥の与え方
- 追肥は春と秋の生育期間中に与えます。
- 追肥は肥効が緩やかで長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
剪定のやり方
サルビア(シュヴェレンブルク)の剪定は、開花期間中または花後に行う「花がら摘み」と、越冬後の春に行う枯れた茎葉の「切り戻し剪定」です。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。花がら摘みの目的は、「病気の予防」「こぼれ種を防ぐ」「エネルギーの損失を抑える」「外観を整える」事にあります。
花がら摘みを行う事で、新しい花(蕾)や葉(芽)に栄養が回り、次の花が咲きやすくなったり、開花期間が延長されたりします。また花がらを摘む事で、腐敗した物が好きな灰色カビ病などの病気が予防出来たり、外観が良くなったりもします。
花がら摘みのやり方
サルビアの花がら摘みのやり方は、乾燥して色褪せたり外観が崩れた花を、花穂の下または葉の上の部分からハサミで剪定する事です。また外観を整えたい場合は、更に下から剪定する事も可能です。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎ茎を途中で剪定して形を整える剪定方法です。切り戻し剪定の目的は「外観を整える目的」「日当たり改善」「風通し改善」「蒸れ防止」「病害虫予防」「生産性の高い新しい成長を促す」「茎の数を増やす」などの目的があります。
切り戻し剪定のやり方
サルビアの剪定は新しい成長が始まる前の早春に行います。冬の間に枯れた茎を、枯れた茎の根元からハサミで剪定して取り除きます。枯れた茎を取り除く事で、株元に日が当たり成長を促進します。また邪魔な茎が取り除かれる事で、新芽が伸び伸び成長する空間を作る事が出来ます。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
サルビア(シュヴェレンブルク)は、耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。 春からの成長に備えて株の周囲に穴を掘り寒肥(配合肥料)を入れたり、腐葉土を入れるかマルチングして上げるといいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
サルビア(ネモローサ)は挿し木や株分けによって増やす事ができます。
挿し木の方法
- サルビア(ネモローサ)の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂の長さ約7~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう
株分け手順
- サルビア(ネモローサ)の株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 株から少し土を落として根と芽の位置を確認します。
- 根に数個の芽を残すようにしてナイフやハサミ等を使い個々に切り分けましょう。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えます。
播種で増やす
サルビア(ネモローサ)の種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約7~14日
発芽条件:好光性種子
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 発芽には光が必要なため土は被せない、または薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。