- 原産:メキシコ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:パテンス(Salvia patens)
- 別名:ゲンチアンセージ(gentian sage)/スプレッディングセージ(spreading sage)
- 品種:ホワイトトロフィー(Salvia patens ‘white trophye’)
- 開花時期:6月~10月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約75cm
- 誕生花:10月5日/11月5日/12月18日
- 花言葉:知恵/尊敬/家族愛/良い家族/燃える思い
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サルビア(ホワイトトロフィー)とは!?
サルビア(ホワイトトロフィー)は、天使や神殿を思わせるような純白の美しい花を咲かせる園芸品種です。白色は、神様の色として扱われていたり、神聖な儀式でよく使われいるため、妖精の住処を思わせるようなフェアリーガーデンや、荘厳な雰囲気をつくるギリシャ庭園などによくあいます。
サルビア(パテンス)とは!?
サルビア(パテンス)は学名Salvia patens、別名では「ゲンチアンセージ(gentian sage)」や「スプレッディングセージ(spreading sage)」等とも呼ばれるメキシコが原産の多年草です。
サルビア(パテンス)の語源(由来)
- 属名のSalviaの語源は、ラテン語で「安全」「健康」「安心」を意味する「salvus」や、ラテン語で「賢者(sage)」を意味する「salvia」や、ラテン語で「安全にする」「健康にする」等を意味する「salvere」等からきています。
- 種小名のpatensはラテン語で「開出した」「ひろがった」を意味しており、花の形に由来します。
サルビア(パテンス)の特徴(魅力)
- サルビア(パテンス)は、他のサルビアと比べて一個一個の花が大きいため存在感が強く、また節と節の間に大きな空間があるため個々の花が強調される花姿をしています。
- 花はオウムの嘴を思わせるような湾曲する花の形をしており個性的な雰囲気を作り出します。
- 草姿は直立で、茎は殆ど横に倒れることなく垂直に伸びるため、雑多な印象を与えず洗練された雰囲気を作ります。
- 葉の形は披針形や卵形が多いですが、しばしば葉の基部が横に広がり鉾形になる事があります。
- 花はシソ科でよく見られる唇形花、唇形花は節に一個または複数の花が付くため、花が節を囲うような外観になります。
- 花序は輪散花序、輪散花序は節ごとに花が付きますが、節間の間隔が大きく開いているため、一個一個の花の形が強調されています。
- 花(唇形花)は、長さが5cmに達する事があり、他のサルビアと比べると巨大です。また花の形は上唇が湾曲するためオウムの嘴のような個性的な外観をつくります。
サルビア(パテンス)の草丈は約30(~90)cm、草姿は直立、茎は直立、分枝は少ない傾向があり直立または斜上します。茎の色は緑色、白色の毛が生えます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の形は披針形・卵形・鉾形(葉の縁部分が横に広がる)、葉のふち部分に鋸歯があります。また葉の表面には皺(シワ)があり、白色の毛が生えます。
花序は総状花序または輪散花序、輪散花序は長さ約15(~30)cm、各節に1個または複数の花が付きます。萼は鐘形、萼の色は緑色です。花冠の長さ約5cm、花冠の形は唇形花、唇形花は上唇と下唇があり、上唇は上向きに弧状に湾曲して、下唇は広く裂片が3個(中央部が浅く裂ける)、花冠の色は青色・紫色・白色があります。
サルビア(パテンス)の園芸品種の紹介
サルビアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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サルビア(ホワイトトロフィー)の育て方
花壇の土づくり
日当り
サルビア(ホワイトトロフィー)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の暑さが非常に厳しい地域では、暑さ・強光・乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こす事があるため、午後の日差しを避けた方が良い場合もあります。 そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは、午後から日陰になる半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
サルビア(ホワイトトロフィー)は、通気性と排水性が良く、適度に保水性のある肥沃な土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がとてもよく、腐葉土がしっかり入る肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サルビア(ホワイトトロフィー)は、日光が六時間以上当たる日向から、三時間から五時間程度の半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
サルビア(ホワイトトロフィー)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
サルビア(ホワイトトロフィー)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
サルビア(ホワイトトロフィー)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
サルビア(ホワイトトロフィー)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合は、必要に応じて春に堆肥を入れて、春と秋に肥料を与えましょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 株分けや植え替えを行う時に土壌改良して植え直しても問題ありません。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
追肥の与え方
- 追肥は春と秋の生育期間中に与えます。
- 追肥は肥効が緩やかで長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
剪定のやり方
サルビア(ホワイトトロフィー)の剪定は、開花期間中または花後に行う「花がら摘み」と、また草姿が乱れた時や茎が枯れた時等に「切り戻し剪定」を行います。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。花がら摘みの目的は、「病気の予防」「こぼれ種を防ぐ」「エネルギーの損失を抑える」「外観を整える」事にあります。
花がら摘みを行う事で、新しい花(蕾)や葉(芽)に栄養が回り、次の花が咲きやすくなったり、開花期間が延長されたりします。また花がらを摘む事で、腐敗した物が好きな灰色カビ病などの病気が予防出来たり、外観が良くなったりもします。
花がら摘みのやり方
サルビア(ホワイトトロフィー)の花がら摘みのやり方は、乾燥して色褪せたり外観が崩れた花を、花穂の下または葉の上の部分からハサミで剪定する事です。また外観を整えたい場合は、更に下から剪定する事も可能です。
夏越しする方法
サルビア(ホワイトトロフィー)は夏の暑さに耐えますが、多湿が続くと根腐れなどを引き起こして株が弱ったり枯れる事があります。特に暑さと多湿が組み合わさる高温多湿は、複合ストレスと真菌などの病原菌の影響で株が弱りやすいため注意が必要です。
夏越し対策
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない軒下などの場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は難しいですが、長雨が続く場合は花壇に雨避けを作ったり、雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 日光がよく当たる場所
- 太陽の直射日光が6時間以上当たる場所が理想です。日当たりの悪い場所では土壌がいつまでも乾燥せず、ジメジメとした環境が続き、病気になりやすくなります。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。水捌けの悪い土壌では、水分が何時までもほじされてしまいジメジメした環境が続き、根腐れを引き起こしやすくなります。
- 多湿を改善しましょう
- 風通しのよい場所で管理しましょう。周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると、空気が停滞してしまい、湿気が溜まり、真菌(カビ)などが繁殖して病気になりやすくなります。風通しよく改善しましょう。
- 春からの強い成長で、茎葉が繁茂して、日当たり・風通しが悪くなっている場合は切り戻し剪定を行いましょう。※切り戻し剪定に関しては剪定の方法からご覧下さい。
- 泥跳ね対策を行う
- 泥はね対策として、バークチップを株元に敷きましょう。土壌には沢山の菌や細菌がいて、植物に悪影響を与える病原菌も存在します。激しい雨で、泥が跳ねて、病原菌がついた泥が葉につくと、病原菌が気孔から入ったり、また弱い部分から腐食させて病気を引き起こす可能性があります。大切な株を守るために対策しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
サルビア(ホワイトトロフィー)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで越冬させる事が可能です。ただし長く霜が続いたり、強い霜が降りると枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
サルビア(パテンス)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- サルビア(パテンス)の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂の長さ約7~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう
播種で増やす
サルビア(パテンス)の種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約7~14日
発芽条件:好光性種子
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 発芽には光が必要なため土は被せない、または薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
サルビア(パテンス)の病気
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- 根腐れ病
サルビア(パテンス)の害虫
- アブラムシ
- ハダニ