- 原産:中央アジア/北アフリカ/地中海沿岸
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:スクラレア(Salvia sclarea)
- 英名:クラリーセージ(clary sage)
- 別名:サルビア・スクラレア
- 品種:バチカンホワイト(Salvia sclarea ‘vatican white’)
- 開花時期:6月~7月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:二年草/短命多年草
- 草丈:約60~120cm
- 誕生花:10月5日/11月5日/12月18日
- 花言葉:澄んだ/透明な
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クラリーセージ(バチカンホワイト)とは!?
クラリーセージ(バチカンホワイト)は、多花性の性質があり、沢山の白色の花が円錐状に集まりボリュームよく咲く園芸品種です。白色は古くから神事や神様の色として使用してきました、そのため神聖な雰囲気や清浄な印象を与える事があります。従って、ギリシャ神話を想像させるギリシャ庭園や、上品で清潔感のあるエレガントガーデン等によくあいます。
クラリーセージとは!?
クラリーセージは学名Salvia sclarea、別名では「サルビア・スクラレア」とも呼ばれる中央アジアおよび北アフリカ、地中海沿岸が原産の二年草もしくは短命の多年草です。
クラリーセージの語源(由来)
- 属名のSalviaの語源は、ラテン語で「安全」「健康」「安心」を意味する「salvus」や、ラテン語で「賢者(sage)」を意味する「salvia」や、ラテン語で「安全にする」「健康にする」等を意味する「salvere」等からきています。
- 種小名のsclareaは、ラテン語で「明るい」「清潔な」を意味しており、恐らく明るさや清潔感を感じさせる花の色からきています。
クラリーセージの特徴(魅力)
- クラリーセージは、一般的に観賞用として花や苞が楽しまれていますが、その他にも植物から精油をとる目的で栽培されたり、以前は食用ハーブとしても利用されていました。
- 草姿はロゼット状、ロゼット状は基部から放射状に葉を広げて、花を咲かせる茎を直立に伸ばします。
- 葉は基部のロゼット葉が最も大きく最大30cmに達する事があり、葉には皺が強くよります。
- 葉はミントや干し草等に例えられる香りがあり、ハーブとして生のまま、または調理した後に食べられていました。現在は食べられる事は少なくなったようです。
- またワインやビール等の原料として用いられていた歴史もあります。
- 花は観賞用としても優れており、花を支えている苞(葉が変形した物)と花(唇形花)が観賞されます。
- 花序は輪散円錐花序、輪散円錐花序は円錐状に輪散花序が並んでいるため非常にボリュームのある花姿をしており、また輪散花序は節ごとに花が複数つき、花には花弁のような美しい苞があるため、非常に魅力的な花姿をつくります。
- 花(唇形花)は上唇が弧状に湾曲するため、オウムの嘴のような個性的な外観の花形をつくります。
- 植物からは「酢酸リナリル」「リナロール」「酢酸ゲラニル」等の精油が採れるため商業的にも栽培されています。
- クラリーセージの香りは「鎮静作用」「抗不安作用」「鎮痛作用」等があるため、気分を落ち着けてリラックスしたり、痛みの軽減に繋がる等の効果が期待出来るようです。
クラリーセージの草丈は約60(~120)cm、草姿はロゼット状、茎は直立、花序で分岐します。茎の色は緑色、茎は太く、断面は四角形です。
葉序は根生葉(基部)または対生葉序(茎葉)、葉色は緑色、葉身の長さは根生葉で最大30cm、葉身の形は心形(基部が凹み先端が尖る)または卵形、葉のふち部分に鋸歯があり、葉の表面には皺(シワ)がよります。
花序は輪散花序または輪散円錐花序、輪散花序は各節に2(~6)個の花が付き、輪散円錐花序は輪散花序が円錐状に何本も伸びます。苞の形は卵形、苞の色は一般的に花と同色、節ごとに一個つきます。萼は鐘形、萼の色は緑色または赤紫色です。花冠は唇形花、唇形花は上唇と下唇があり、上唇は直立して弧状に湾曲して、下唇は広く円形、花冠の色は白色・桃色・紫色があります。
果実は分離果(1個の雌蕊が複数の子房を持っており、熟すと各心皮に離れて縦に割れ各部が分離する果実をいいます。分離した果実は分果と呼ばれます)で、分離果は4個の分果になります。
クラリーセージの園芸品種の紹介
サルビアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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クラリーセージの育て方
花壇の土づくり
日当り
クラリーセージ(バチカンホワイト)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が六時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が三時間から五時間までの半日影迄で育てる事が可能です。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
クラリーセージ(バチカンホワイト)は、通気性と排水性が良く、適度に保水性のある肥沃な土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がとてもよく、腐葉土がしっかり入る肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
クラリーセージ(バチカンホワイト)は、日光が六時間以上当たる日向から、三時間から五時間程度の半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
クラリーセージ(バチカンホワイト)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
クラリーセージ(バチカンホワイト)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
クラリーセージ(バチカンホワイト)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
夏越しする方法
クラリーセージ(バチカンホワイト)は夏の暑さに耐えますが多湿を苦手にしており、根腐れしたり腐敗する原因になる事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
播種で増やす
クラリーセージの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約7日~21日
発芽条件:好光性種子
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 発芽には光が必要なため土は被せない、または薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。