- 原産:メキシコ/グアテマラ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:エレガンス(Salvia elegans)
- 英名:パイナップルセージ(pineapple sage)
- 別名:サルビア・エレガンス/タンジェリン セージ(tangerine sage)
- 品種:タンジェリン(Salvia elegans ‘tangerine’)
- 開花時期:9月~11月(霜のない地域では春まで咲く事もある)
- 花の色:赤色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約70cm
- 誕生花:10月5日/11月5日/12月18日
- 花言葉:知恵/尊敬/家族愛/良い家族/燃える思い
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
パイナップルセージ(タンジェリン)とは!?
パイナップルセージ(タンジェリン)は、一般的なパイナップルの香りではなく、葉に柑橘類を思わせるような香りがあります。また草丈が成熟しても70cmに程度にしかならないため、小さな花壇の中や鉢植えでも育てやすくなっており、一般的な種よりも早く開花する性質があるため、早めに花が楽しめる所が魅力です。
パイナップルセージとは!?
パイナップルセージは学名Salvia elegans、別名では「サルビア・エレガンス」や「タンジェリン セージ(tangerine sage)」等とも呼ばれるメキシコおよびグアテマラが原産の多年草です。
パイナップルセージの語源(由来)
- 属名のSalviaの語源は、ラテン語で「安全」「健康」「安心」を意味する「salvus」や、ラテン語で「賢者(sage)」を意味する「salvia」や、ラテン語で「安全にする」「健康にする」等を意味する「salvere」等からきています。
- 種小名のelegansはラテン語で「優美な」を意味します。
- 英名のパイナップルセージの由来は、葉を傷つけた時に「パイナップル」を思わせるような香りが広がる所からきています。
パイナップルセージの特徴(魅力)
- パイナップルセージは、葉にパイナップルを思わせるような爽やかでフルーティーな香りがあり、香りの良い葉は収穫されてサラダに入れたりハーブティーにしたりして楽しまれます。また、秋に咲く真っ赤な花は色が濃く、上品な雰囲気をつくるため、装飾的にも魅力的な植物です。
- 草姿はブッシュ状、茎は直立または斜上するためドーム状の外観になる傾向が高いです。
- 葉は傷付けた時に「パイナップル」を想像させるような爽やかでフルーティーな香りが広がります。そのため、ガーデンファーニチャーの近くに置いて、葉の香りを楽しむのも良いかもしれません。
- 葉は食用になるため、若くて柔らかな新鮮な葉を収穫した後に生のままサラダに入れたり、ジュースに入れて飾られたり、乾燥させてハーブティーとして飲まれることもあります。
- 葉の色は一般的に緑色ですが、幾つかの品種では黄色の葉色もあるため、明るく爽やかな雰囲気をつくるカラーリーフとして楽しむことも可能です。
- 花序は輪散花序、輪散花序は各節に複数の花がつきます。節と節の間が少しひらいているため一個一個の花が目立ち、気品のある雰囲気をつくります。
- 濃い赤色は「情熱的」「大人の女性」を連想させる色です。そのため、女性的でフェミニンな印象を与えるエレガントガーデンや、ラグジュアリーな印象を与えるお庭を作りたい時などおすすめの色です。
- 花は蜜源として蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。そのため、開花期間中は蜜を求めて花の周りを元気に飛び回る花蜂や、優雅に翔ぶ蝶々を観察する事が出来ます。
パイナップルセージの草丈は約100(~150)cm、草姿はブッシュ状、茎は直立または斜上するためドーム状の外観をつくります。茎の色は緑色、白色の毛が生えます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさ長さ約4(~10)cm、葉身の形は卵形、葉のふち部分に鋸歯があります。
花序は輪散花序、輪散花序は各節に複数の花が付きます。萼は鐘形、萼の色は緑色、花冠の長さは約2(~3)cm、花冠の形は唇形花(2唇形)、花冠の色は赤色です。
パイナップルセージの園芸品種の紹介
サルビアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
パイナップルセージ(タンジェリン)の育て方
花壇の土づくり
日当り
パイナップルセージ(タンジェリン)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が六時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が三時間から五時間までの半日影迄で育てる事が可能です。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
パイナップルセージ(タンジェリン)は、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物の入る肥沃な土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
パイナップルセージ(タンジェリン)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が六時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が三時間から五時間までの半日影迄で育てる事が可能です。
培養土
パイナップルセージ(タンジェリン)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
楽天で人気の高い培養土を購入する
- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
パイナップルセージ(タンジェリン)は基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。乾燥すると葉が変形したり、落葉したりしやすくなるため、土壌の状態を見ながら、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。 ただし、何時までも水分が停滞するジメジメした環境は根腐れを引き起こす原因となるため、土質や水やりの頻度には注意が必要です。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりは、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
パイナップルセージ(タンジェリン)は、 ある程度の肥沃な土壌で育てていれば肥料を必要としません。土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合は、必要に応じて堆肥を入れたり、春に肥料を与えましょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 株分けや植え替えを行う時に土壌改良して植え直しても問題ありません。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
追肥の与え方
- 追肥は成長の始まる春に与えます。
- 追肥は肥効が緩やかで長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を一度だけ施します。
剪定のやり方
パイナップルセージ(タンジェリン)の剪定には「春の剪定」「晩春の剪定」があります。
春の剪定
春の剪定とは、冬の間に枯れた茎を根元から剪定して取り除き、古い枝も根元付近まで強く切り戻します。枯れた茎や古い茎を剪定して取り除く事で、新芽に光が当たり生産性の高い茎の成長が促進されます。
晩春の剪定
晩春の剪定とは、春に勢いよく伸びた茎を半分に切り戻すことです。切り戻しを行う事で、茎が分枝して茎数が増えるため高さが抑えられて外観も整えられます。また茎の数が増えるため花の数も増えやすいです。
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
パイナップルセージ(タンジェリン)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地や平地であれば地植えで越冬させる事が出来ます。ただし霜が続いたり、強い霜が降りると枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要です。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。