ニチニチソウは属の中に約8種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は、マダガスカル固有のニチニチソウとその園芸品種です。
ニチニチソウ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
目次
ニチニチソウの特徴や園芸品種


- 原産:マダガスカル
- 学名:Catharanthus roseus
- 草丈:約15~100cm
- 分類:多年草/亜低木
- 開花時期:5月~11月(理想的な環境では周年)
- 花色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:弱い
- 誕生花:7月30日
- 花言葉:友情/生涯の友情/楽しい思い出
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/枝垂れる植物
- 購入方法:ニチニチソウを楽天で購入
ニチニチソウとは!?
ニチニチソウは学名Catharanthus roseus、別名では「ビンカ」や「カタランサス・ロゼウス」とも呼ばれる多年草もしくは亜低木です。原産地はマダガスカル、自生地は海岸沿いの砂地などにあります。野生では焼畑農業などが原因で絶滅危惧種になっていますが、世界では広く栽培されており、熱帯地域などでは栽培されていたものが野生に帰化している事もあるようです。
ニチニチソウの語源(由来)
- 属名のCatharanthusは古代ギリシア語で「キレイ」を意味する「καθαρoς(katharós)」と、古代ギリシア語で「花」を意味する「ἄνθος(anthos)」の2語で構成されており、花の綺麗さに由来します。
- 種小名のroseusはラテン語で「ピンク」「バラ色」を意味しており、花の色に由来しています。
- ニチニチソウは、一個一個の花の寿命が短命で、花が日に日に移り変わる姿から、名前の由来がきています。
- ビンカの名前の由来は、ニチニチソウが元々はビンカ属(Vinca)に合った事からきており、現在も流通名でビンカと呼ばれる事があります。
ニチニチソウの特徴(魅力)
- ニチニチソウは、開花期間の長さや、丸みを帯びる可愛らしい花の形、光が反射する光沢のある葉色、直立や匍匐する多様性のある草姿などが特徴の植物です。
- そのため園芸では、お庭の中で長く花を楽しみたい人や、花壇の縁どりやハンギング仕立てなどで花を楽しみたい人、安価で種子でも増やせるため大量植栽して花壇を彩りたい人などに好まれます。
- 草姿は直立またはマット状に広がる性質があり、園芸品種の場合は多くの場合で茎が匍匐します。そのため地被植物として利用されたり、ハンギング仕立てで鉢植えやハンギングバスケットなどに植えられる事が多いです。
葉は光を強く反射して光沢があります。そのため、花よりも目立つ傾向があります。
- 開花期間がとても長く、理想的な環境では周年、通常は春から晩秋まで夏も休みなく花が咲きます。そのため長く花を楽しみたい人におすすめの植物です。
- 花は腋性、茎の頂部の葉腋から花を次々と咲かせます。ただし一個一個の花の寿命が短めです。
- 花は咲き終わると自ら落ちるセルフクリーニングの性質があります。そのため、花がら摘みが基本的に不要で、管理が楽です。
- ニチニチソウは薬用植物として栽培される事もあり「漢方」に使われたり、幾つかの成分が「糖尿病」や「がん」の治療に使われています。
- しかし、全草に有毒なアルカロイドを含んでおり、素人が間違えて摂取した場合、嘔吐・下痢・胃の痙攣・全身麻痺等を引き起こし、最悪の場合は死に至る事もあります。そのため、基本的に食べられません。
- ニチニチソウの仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「花壇の縁取り」「ハンギング仕立て」「大量植栽」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- 花壇の縁取りとは、花壇の外縁に沿って、または花壇の外縁を作るように、草丈の低い植物を並べて植えて、花壇外縁のデザインを作る方法です。花壇の中に統一感やリズムを作り、美しい景観を作り出す事が出来ます。
- ハンギング仕立てとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて上や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。
ニチニチソウは品種によっては茎が匍匐して枝垂れる習慣があります。そのため、鉢植えやハンギングバスケットに植えると、茎葉が縁部分から溢れるように枝垂れ下垂して、人工的な壁面を茎葉が覆い隠し、ナチュラルな美しい見た目を作り出します。
- 大量植栽とは、お庭や花壇などの一定の範囲に大量に植物を植えて、景観を美しくする目的で行われる仕立て方です。
ニチニチソウは、苗が安価で求めやすく、種から育てる事が出来るため、大量植栽を行いやすい植物です。
- ニチニチソウは自生地が砂の多い場所にあり、乾燥や栄養の少ない土壌に強いです。そのため、環境を整えてあげれば放ったらかしでも育てる事が出来ます。
- ただし、冬の寒さにとても弱いです。そのため、霜の降りる環境で冬越しさせる場合は冬越し対策が必要になります。
ニチニチソウの草丈は約15(~100)cm、草姿は直立またはマット状に広がる。茎は直立または匍匐か匍匐した後に立ち上がる。茎の色は若い時は緑色または赤みを帯び、茎が成熟すると赤褐色から灰褐色に変化します。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約2.5(~9)cm、葉身の幅は約1(~3.5)cm、葉身の形は楕円形または長楕円形、葉の表面に強い光沢があります。
花序は腋性、腋性は上部の茎に花がつく傾向があります。花冠の長さ約2.5(~3)cm、花冠の直径は2(~5)cm、花冠の形は高杯形、高杯形は筒部が長く先端が皿状に開き裂片は5個、花冠の色は赤色・桃色・紫色・白色です。
果実は袋果(1枚の心皮からなり、成熟すると果皮は乾燥して、癒合してできた縫合線から縦に裂けて種子を放出します)です。袋果は長さが約2(~4)cm、形は細長い円筒型です。
ニチニチソウの園芸品種
園芸シリーズ
![]() モネ・シリーズは北島園芸さんのオリジナルのニチニチソウです。JAPANフラワーセレクションではベストフラワー(優秀賞)を受賞しており、花の中心部が暗色になるクラシカルな花色が特徴です。株は高さがやや不均一になる傾向があるようですが、自然風の仕上がりになります。また横へと広がる傾向があるため地被植物などに使いやすいようです。 | ![]() フェアリースター・シリーズは、花が非常に多花性で、直径約2~2.5cmの極小輪の可愛らしい花を次々と咲かせます。そのため、花は株を覆うように咲き美しい花姿が楽しめます。花は花弁が細くシャープなため、花の形が風車のようなカッコイイ外観をしています。また病気に強いため初心者でも育てやすい所が魅力です。 |
![]() スターカイト・シリーズは、タキイ種苗育成のニチニチソウのシリーズです。草姿が半直立、茎の分枝が多いため茎葉が密になり、コンパクトに成長します。花は小輪多花性で、株を覆うように沢山の花を咲かせるため、華やかな花姿が楽しめる所も魅力です。 | ![]() タイタン・シリーズは、種子から育てることが出来るため大量植栽しやすく、草姿や花の大きさなどの均一性が高いため高品質の苗を作りやすい所が魅力です。開花は早咲き性があるため、普通よりも早くから花を楽しむ事が出来ます。花の大きさはパシフィカよりも一回り大きいため、遠くから見ても存在感があり豪華な花姿が楽しめます。またシリーズの中には複色を含めて様々な花色があるため、お庭の雰囲気に合わせて品種が選べる所も魅力です。 |
![]() 天使のビンカ(エンジェル・シリーズ)は、耐暑性に優れるため夏の間も次々と花が咲き、花は半八重咲きするため華やかな雰囲気を演出する魅力的なシリーズです。シリーズの中には花の色に合わせて「ホワイト」「アプリコット」「ローズ」があるため、お庭の雰囲気に合わせて品種が選べます。 | ![]() 夏花火・シリーズは、花の大きさが直径2~3cmと小振りで可愛らしい外観をしており、株を覆うように花が沢山咲く、小輪多花性の性質を持っています。また葉も普通のニチニチソウと比べて小さいため野暮ったい印象を与えにくく緻密で、草姿はドーム状で茎が暴れにくく、綺麗にまとまるため洗練された雰囲気のお庭にとても使いやすい園芸シリーズです。 |
![]() ミラ・シリーズは、半八重咲きする華やかな花姿が魅力的な北島園芸オリジナルのニチニチソウの園芸シリーズです。 | ![]() 万葉の美・シリーズは、花の中に掠れたような搾り模様が入り、花の裂片が大きめで華やかな花姿をしている所が特徴です。そのため、高級な着物を想像させる魅力的なシリーズです。シリーズの中には花の色に合わせて「藍染め絞り」「わらべ絞り」「うす化粧」などがあるため、お庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来ます。 |
![]() ミニナツ・シリーズは、花の大きさが直径2cmと極小輪で可愛らしい外観をしており、株を覆うように花が沢山咲く、小輪多花性の性質を持っています。また日本の高温多湿にも強く、病気にかかりにくいため初心者でも育てやすい園芸シリーズです。 |
その他の品種
![]() プリンセスチュチュレッドは、花弁の縁部分に不規則な切れ込みが入り、花弁が波打ちます。そのため、花の形がフリルドレスのような外観をしており、優雅な雰囲気を演出します。花の色は赤ピンク色と白色、花弁の縁部分に白色の覆輪が入ります。赤ピンク色と白色の二色は、可愛らしさと上品さを演出する事が出来るため、ロマンチックガーデンなどにおすすめの品種です。 | ![]() ブラックベリーは、花の色が鮮やかな紫色から濃い紫色をしています。そのため、上品さや優雅さをテーマにするエレガントガーデンや、深い闇や魔法の力を想像させるミステリアスなテーマガーデンなどにおすすめの品種です。 |
![]() シラユキヒメは北島園芸さんのオリジナルのニチニチソウです。花弁の形が細くシャープなため、花の形が風車のようなカッコイイ外観をしています。花の色は白色、白色は、光を最も反射するため明るい印象を与えたり、また汚れのない清潔な印象を与えたりします。そのため、明るく輝くような雰囲気のお庭や、清潔感のある洗練された雰囲気のお庭などを作りたい時におすすめの品種です。 | ![]() ポルカドット・ピンクは北島園芸さんのオリジナルのニチニチソウです。花の色が桃色または紫色と白色の二色で、花の基部に白色の班が入るため、花の中に丸い模様が現れます。桃色(紫色)と白色の二色は桃色(紫色)の可愛らしさと上品さ、白色の清潔感が組み合わさるため、ロマンチックガーデンやエレガントガーデンなどによく合います。 |
![]() ナツザクラは、花の色が桃色と白色の二色で、花の側面から側面へと彩度が段階的に変化してグラデーションのようになります。薄い桃色は、可愛らしい印象やふんわりとした優しい雰囲気をつくるため、心が癒される様な優しい雰囲気のお庭や、甘くロマンチックな雰囲気のお庭などによくあう品種になります。 |