- 原産:南アメリカ
- 科:ナス(Solanaceae)
- 属:ペチュニア/ツクバネアサガオ(Petunia)
- 別名:ツクバネアサガオ
- 品種:さくらさくら・シリーズ
- 開花時期:4月~11月
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約10~30cm
- 株張り:約
- 誕生花:5月18日/7月22日/8月16日/9月25日
- 花言葉:心が和む/心の平安/決して諦めない/あなたと一緒なら心が安らぐ
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/種から育てる植物
- 購入方法:ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)とは!?
- さくらさくら・シリーズは園芸研究家の杉井明美さんが育成したペチュニアの園芸シリーズです。
- 従来のペチュニアは降雨などを苦手にしていたため、露地栽培をすると梅雨時期などに多湿で株が弱る傾向にありましたが、さくらさくらは病害・虫害が殆どなく丈夫なため露地栽培がやりやすくなっています。
- また、さくらさくらは匍匐性に地面を広がっていく性質があるため地面を覆う美しい花絨毯になり、ランドスケープ・ペチュニアとして利用できます。
- 花は夜間・曇り・雨天は花弁が閉じる性質があるため、降雨による花弁の傷みが少なく見た目の美しさを長く保つことが出来ます。
- 花の形は花弁の切れ込みが深く先端が突形になるため、桜の花のような可愛らしい見た目をしています。
- 夏の高温期でも生育が殆ど衰えず、また冬もマイナス十度まで耐える事が出来ます。そのため、初心者でも育てやすく、2~3年は花が楽しめるとされています。
- 栽培時は健康な成長と開花のために他のペチュニアよりもたくさんの肥料を求めるため、肥料切れに注意が必要です。
- さくらさくらはジャパンフラワーセレクション(2006-2007)のガーデニング部門(花壇苗)で、ベスト・フラワー(優秀賞)とニューバリュー特別賞を受賞した品種になります。
さくらさくら・シリーズの品種
ペチュニアとは!?
ペチュニアの学名はPetunia、別名では「ツクバネアサガオ」等とも呼ばれる南アメリカが原産の多年草です。
ペチュニアは属の中に約20種がありますが、園芸で栽培されているのは原種ではなく交雑種になります。ペチュニアの交配は1834年にヨーロッパでPetunia axillarisとPetunia integrifolia (syn. Petunia violacea)が交配されたのが始まりと言われており、1800年代後半になると日本・ドイツ・イギリス・アメリカ等でペチュニアの品種改良が進んで、花の形や色などがことなる多様な品種が生み出されています。
ペチュニアの語源(由来)
- 属名のPetuniaの由来は、グアラニー語の「pety」からきており、そこからポルトガル語で「タバコ」を意味する「petum」、同様にフランス語で「タバコ」を意味する「petun」となり、最後に現在の「Petunia」に変化しています。
ペチュニアの特徴(魅力)
- ペチュニアの特徴は、開花期間が春から晩秋頃までと長いためお庭の中を花で長く彩る事ができる所、花の形や色が多様にあるため好みに合わせて品種選びができる所、種から育てる事が出来たり苗も安かったりするため大量植栽して花壇を覆いやすい所、草姿がドーム状または匍匐性のため仕立て方を選べる所、茎や葉には腺毛が生えているため触るとベトベトしている所などにあります。
- 園芸では、花を鑑賞する目的で栽培されており、花の形や色が多様なため、お庭の雰囲気や好みに合わせて好みの品種が選べます。
- 草姿はドーム状に盛り上がるか匍匐性に広がる性質があり、性質は交配された原種の性質等によって変わります。例えば、サフィニアはサントリーの駐在員がペチュニアの原種を数系統持ち帰り、品種改良を繰り返した事で、これまでになかった匍匐性の性質を獲得しました。
- 草丈は約15~45cm、株張りは約15~150cm、茎の表面には腺毛があるため茎の色は白色を帯びる事があり、茎の色は若い時は緑色または白緑色、木質化すると黄色味を帯びて淡褐色になります。
- ※腺毛は特殊な液体を溜め込んでいて、少しずつ液体を分泌しています。腺毛は触ると簡単に壊れて液体を放出するため、茎を触ると沢山の液体が指につきベタベタとした質感を感じさせます。野生では、ハキリアリから自らを守る為にべとつく液体を分泌していると考えられており、ベタベタとした液体でアリを動けなくしているとされています。
- 葉序は対生葉序または互生葉序(開花前と開花後で変わることも多い)、葉柄は有りまたは無柄、葉身の形は楕円形・卵形・披針形・菱形、葉には白色の腺毛が生えているため葉の色は白緑色を帯びる事があり、葉の色は緑色です。
- 葉の色は普通は緑色をしていますが、ホワイトメモリーズ等の一部の品種は葉の中に班が入るため、カラーリーフとして楽しまれる事もあります。※品種に関してはペチュニアの主な種と園芸品種のリンクからご覧下さい。
- 開花期間は春から晩秋頃ですが、最も沢山の花が咲くのは晩春から初夏頃になります。
- 花序は腋生、花径は約1.5~14cm、花の構成は萼(5個)・花冠(漏斗形)・雄蕊(5本)・雌蕊(1本)です。
- 萼:萼の数は5個あり輪生する。萼の形は線形または倒披針形、萼の色は緑色です。
- 花冠:花冠な漏斗形で5個の花弁が合着しており、下部から上部にかけて漏斗状に広がり、花弁の縁部分には5個の切れ込みが入り、切れ込みの深さは品種で変化する。色は多様で殆ど全ての色があります。
- 主な用途
- ペチュニアは、開花期間がとても長くて、花付きがよく株を覆うように沢山の花を咲かせる性質があることから観賞用として利用されます。観賞の仕方に関しては花壇に並べたり鉢植えの中で楽しまれることはもちろんのこと、地被植物・ハンギング仕立て・寄せ植えの素材として利用されることもあります。
- 被覆植物とは、草丈がそこまで高くならずに、茎葉が横へと広がる性質があるため地面を被覆しやすい植物の事です。ペチュニアは草姿が匍匐性またはドーム状に広がる性質があるため、沢山の苗を準備しなくても地面を覆いやすいです。ただし花は雨に弱いため、雨に比較的に耐性のある品種を選んだ方がよいでしょう。
- ハンギングとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて下や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。ペチュニアは、草姿が品種によって差がありますが、匍匐性の性質があるペチュニアであれば上から下へと下垂する優美な草姿と美しい花姿が楽しめます。
- 寄せ植えとは、鉢の中や花壇の中に異なる種類の植物を密植するように植えて、狭い空間の中に形と色の変化を作り、美しくデザインする植栽方法です。寄せ植えはデザインによってお庭の雰囲気に統一性を出したり、季節を感じさせたりする事が出来ます。
- 栽培時の注意点
- ペチュニアを育てる際に注意することは「降雨」「過湿」などです。
- 降雨とは、雨が降ることです。ペチュニアは降雨により花に水がかかると、花弁に染みが出来たり、萎れたり、傷んだりして鑑賞価値を失います。また降雨が土に当たると泥水が跳ねて、茎葉にかかることがあります。茎葉にかかる泥水には真菌や細菌等の病原菌が潜んでおり、気孔等から侵入して病気を引き起こし、茎葉を腐敗させて枯れさせることがあります。そのため、雨に強い品種を選んだり、マルチング資材を利用して泥跳ね対策を行うことが大切になるでしょう。
- 過湿とは、土壌の中の水分が多い状態です。主な原因は土壌の排水性が悪かったり、水やりを頻繁に行う等にあります。過湿を嫌う植物は根腐れや腐敗などを引き起こしやすい傾向にあるため、土壌の通気性・排水性を高めたり、水やりの頻度を考える必要があります
ペチュニアの歴史
- 1767年
- フランスの植物学者・探検家・医師のPhilibert Commerson(1727-1773)が、南米のウルグアイで白花のPetunia axillarisを発見して、ヨーロッパに伝えました。
- 1831年
- 南米からヨーロッパにPetunia integrifolia (syn. Petunia violacea)がもたらされました。
- 1834年
- ヨーロッパでPetunia axillarisとPetunia integrifolia (syn. Petunia violacea)が交配されて交雑種のPetunia × hybridaが作出されました。現在栽培されているペチュニアは、この交雑種が起源になっていると考えられています。
- 1800年代後半
- 日本・ドイツ・イギリス・アメリカ等でペチュニアの品種改良が進み、花の形や色などがことなる多様な品種が生み出され初めます。
- 1931年
- 世界に先駆けてサカタのタネが、それまで困難だった八重咲き100%のF1品種を発表しました。その際、F1ペチュニアのビクトリアミックスはオール アメリカセレクションズで入賞を果たしています。
- 1989年
- サントリーと京成バラ園芸は共同で「サフィニア」を作出しました。サフィニアは日本の気候に適応出来るように品種改良されており、栄養繁殖系で種子を殆ど作らないため株が弱りにくく花数が多くなる傾向にあります。サフィニアの発表後は優れた特性から高い評価を受け、急速に普及して、1990年代から起こるガーデニングブームの火付け役にもなります。
- 1995年
- キリンビール株式会社アグリバイオカンパニーがウェーブ(キリン ウェーブ)を作出しました。同年にはパープルウェーブがアメリカのAll-America Selectionsで、手入れの容易さ・優れた連続開花性・風雨に耐える優れた耐候性・病気の少なさ等が評価されAAS Winners(優勝)となっています。
ペチュニアの園芸分類
花のサイズ
名称 | 花のサイズ |
---|---|
極小輪 | 5cm未満 |
小輪 | 5~6cm |
大輪 | 7~8cm |
巨大輪 | 9~14cm |
花の形
一重咲き
一重咲きは花弁が一列に並ぶ。
八重咲き
八重咲きは花弁が二列以上に並ぶ。花弁の量と密により、粗・中・密に分類されています。
花弁(裂片)の先端の形状
花弁(裂片)の先端の形状の違いにより、鋭形・突形・円形・切形・凹形がある。
花弁の切れ込み
花弁の切れ込みは、花弁の合着部分に切れ込みが入る事です。切れ込みの深さにより極弱・弱・中・強がある。
花弁の波打ち
花弁の波打ちは、縁部分が不規則に上下してる品種です。波打ちの強弱により弱・中・強がある。
花の班の入り方
ベイン
ベインは花の脈に沿って二次色が入ります。脈の対比や数によって明瞭度の強弱がある。
覆輪(ピコティー)
覆輪(ピコティー)は、花の縁部分に沿うように二次色が入ります。覆輪の幅により大・中・小がある。
モーン
モーンは、花弁の喉部(基部)の二次色が入ります。喉部の二次色の範囲には大・中・小がある。
スター
スターは、花弁の中央脈または癒合部に沿って二次色が入ります。二次色の範囲には大・中・小がある。
不規則
不規則は、花の中に不規則な二次色が入ります。
ペチュニアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
環境
ペチュニアは、雨ざらしの場所で栽培すると、花が雨により傷んで鑑賞価値が下がったり、泥はねで泥水が茎や葉にかかり真菌や細菌が植物の中に侵入して病気にかかり腐敗して枯れてしまったり、土壌が長雨で浸水してしまい根が呼吸出来なくなり根腐れを引き起こす事も多いです。
対策
- 花が雨で傷みにくい品種を選ぶと良いでしょう。例えば、花のサイズが小さめの品種は雨に強い傾向があります。また雨に耐性のある品種もあるため、それを選択しましょう。
- 泥はねをさせないために、マルチング資材を利用しましょう。ココピートやバークチップ等がおすすめです。
- 土壌が浸水するような場所、周りから雨水が集まってくるような場所で栽培する場合はレイズベットを作ったり、岩を積んでロックガーデンのようにしてみたり、高畝を作ると良いでしょう。周りより高い場所に苗を植えることで、排水性が高まり根腐れを防げます。
土壌の土質
ペチュニアは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。ある程度の水分を保った土壌で、最もよく成長しますが、水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植付け間隔
- 苗の植付け間隔は20~30cm程度です。ただし、匍匐性の性質がある品種を植える場合は苗を50cm以上離して植え付けた方が良いでしょう。
- 植え付け方法
- 植付け方法は標準植えで行います。苗(根鉢)の1.5~2倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除き、標準植えで植え付けを行いましょう。
水やりの仕方
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)は、一般的な植物と同様に乾燥と湿潤の繰り返しを好みます。
土壌の中で乾燥と湿潤を繰り返すことで、植物の根は水を求めて深くまで張るようになります。根張りがしっかりとした株は、栄養と水分の吸収力が高まり株が大きく丈夫に育つため、水分の管理はとても大切です。
ペチュニアは、過湿状態が続いたり、茎・葉・花に水がかかり長く水滴が残ることを嫌います。過湿状態が続き土壌がジメジメしていると根が呼吸出来なくなり根腐れを引き起こしたり、また茎・葉・花に水がかかり水滴が長く残ると真菌性の病気にかかりやすくなります。これらの病気にかかると株が弱ったり枯れたりするため、水やりの頻度や与え方には十分な注意が必要でしょう。
水やりの頻度と与え方
- 水やりのタイミングは、土壌の表面が2cm程度乾いてきたら行うといいでしょう。乾燥の確認方法は、土の色の変化を見たり、土の中に指を入れて確認する方法等があります。不安な場合はサスティーを利用すると良いでしょう。
- 水やりの頻度は季節や気候・周囲の環境・土質によっても左右されるため一概ではありません。土壌の状態をみながら水やりを繰り返して、少しづつ掴んでいくと良いでしょう。
- 水やりのやり方は、葉や花に水がかからないように、茎葉を避けながら株元に水を与えるようにしましょう。
肥料の与え方
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)は、株を大きく成長させて、持続的な開花を促すために、生育期間中は肥料をしっかり与える事が大切になります。
土壌の栄養が足りなくなると、葉の色が薄くなり光合成がしっかり出来なくなったり、株の成長が衰えたり、 花の数が減ったりして見応えがなくなることがあります。そのため、肥料切れには注意してください。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 春から初夏と秋から晩秋にかけて行います。真夏は株の元気が無くなる傾向にあり、根に負担をかける事もあるため控えた方が良いでしょう。
- 肥料の選び方
- 元肥は肥効が緩やかに出る緩効性肥料を選びます。
- 追肥は液肥または化成肥料(固形肥料)がおすすめです。
- 肥料の成分はリン酸が多めに入る山型肥料を選びましょう。
- 元肥の与え方
- 植え付け時に、用土の中に混ぜ込んで使います。使用する肥料の使い方に合わせて、規定された分量で規定された場所に混ぜ込んで使いましょう。
- 追肥の与え方
- 液体肥料を与える場合は、規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 化成肥料(固形肥料)を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)の剪定は、花がら摘みを行います。花がら摘みをする事で、次の花の蕾に栄養が回りたくさんの花を咲かせることができます。
摘芯とは!?
摘芯とは、成長の早い段階で、植物の成長点を指で摘むかハサミを使い切り取って頂芽の成長を止めて、脇芽の成長を促し分枝を促す方法です。
摘芯のメリット
- 茎の数が増えてふさふさとボリュームのある草姿になる。
- 草丈が抑えられるためコンパクトに管理出来る。
- 茎の数が増えるため、花の数が増える。
摘芯のデメリット
- 開花が遅くなる事があります。
- エネルギーが分散されるため、花の大きさが小さくなる傾向があります。
- 茎の数が増えて繁茂するため多湿になる可能性があります。
摘芯のやり方
摘芯のやり方は、成長が始まる春頃に、株の成長を見ながら一回から数回、茎の先端を指で摘んで取り除きます。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みのメリット
- 種を作るエネルギーが、花に向かうため、花の数が増えたり、開花期間が伸びたり、株の寿命が伸びるなどします。
- 花にカビ(真菌)等がついて腐敗することを防ぐため、病気の予防に繋がります。
- 花がらはカビが生えたり、褐色になったり、乾燥して縮んだりして外観を悪くするため、花がら摘みを行うことで清潔感を保つことが出来ます。
花がら摘みのデメリット
- 種を採取できません。
- 時間と労力が必要になります。
花がら摘みのやり方
花がら摘みのやり方は、色褪せたり外観が崩れた花を一つずつ摘むか、花が一段落したタイミングで、切り戻し剪定をして一律に花がらを取り除くかを選択できます。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定を行う理由
- 剪定することで分枝が促されて、茎の数が増えたり花の数が増えたりします。
- 古い茎を剪定することで、生産性の高い新しい芽や茎にエネルギーが回り、より沢山の花を咲かせることが出来ます。
- 茎葉が暴れている場合は、切り戻し剪定を行うことで、株の大きさや形を制御して好みの形状にすることができます。
- 剪定をして茎や葉の量を減らすことで、風通りや日当たりが良くなり、多湿になりにくくなります。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 梅雨前
- 開花が一段落したタイミング
- その他
- 梅雨前の剪定方法
- 株の半分程度を目安にして、ドーム状の形状になるように一律に切り戻し剪定を行います。
- これを行うことで、日当たりと風通しが改善されて、多湿になりにくくなります。
- 開花が一段落したタイミング
- 株の全体の外観をドーム状に整えるように株の半分程度の大きさを目安にして切り戻し剪定をします。
- この剪定を行うことで、株が一定に成長するため外観が均一に整い、花も一斉に開花するため見栄えが良くなります。ただし花芽も切ってしまうため、剪定後は数週間花が見られません。
- その他
- 花を持続的に鑑賞したい場合は、一律の切り戻し剪定をせずに、期間をずらしながら順番に茎を剪定する事もできます。
- 株を観察して外観を乱してる茎を、毎週数本ずつ、茎の半分程度の長さで切り戻し剪定しましょう。
夏越しする方法
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)は、夏の暑さに強いため基本的には夏越し対策不要です。
ただし多湿は苦手です。長雨で水分が停滞すると、根腐れを引き起こし株が弱ったり枯れたりするリスクがあります。また雨によって泥はねすると、土壌の真菌や細菌が茎や葉から侵入して腐敗等の病気を引き起こすリスクがあります。また当然、雨に当たると花は傷みます。
そのため、適切な夏越し対策を行った方が良いでしょう。
夏越しで重要なポイント
- 長雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 日向または半日影で育てましょう。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかり行い排水性を高めましょう。
- 土壌改良を行っても、周りから水が集まる場所だと意味がありません。苗をレイズベットやロックガーデン等の周りより高い場所に植えたり、傾斜地に植えると、水が下に流れやすくなり、排水性が高まります。
- 泥はねをさせない
- 泥はねを防ぐためにマルチング資材を活用しましょう。
- マルチング資材はバークチップやココピート等がよく利用されます。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:10~11
ペチュニア(さくらさくら・シリーズ)は、一般的に冬に枯れる一年草として扱われています。
基本的に霜の降りる地域では、対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。そのため冬越しさせたい場合は、冬越し対策が必要です。
- 鉢植えで育てている場合
- 屋内にいれて日当りのよい環境で管理しましょう。
- 暖地などの暖かい地域であればカバーを被せるなどの、霜対策を行うだけでも越冬出来る場合があります。ただし株は寒さでボロボロになる事が多いです。
- 地植えしている場合
- 株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理します。
- 株の掘り起こしが難しい場合は、支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、カバーをかけてミニ温室を作って上げるのもひとつの対策になります。
- 挿し木をとり、屋内で冬越しさせた後に植え直される事もあります。
挿し木や株分けで増やす
ペチュニアは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 挿し木する時期は発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土には切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土を容器に入れて事前に水をかけて湿らせておきます。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程をいれます。
- 管理
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ペチュニアの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20度~25度
発芽日数:約7日
発芽条件:好光性種子
- 種まきの時期
- 3月~5月
- 土と容器の準備
- ペチュニアの種は微細なため、容器は育苗箱・浅鉢・ピートバン(培土付き)が適しますが、ポットでも問題ありません。
- 培養土は種まき専用の培養土などを準備しておくと失敗が減るでしょう。自作する場合はピートモス・バーミキュライト・赤玉土・くん炭を配合して使います。
- 自作の例:バーミキュライトとパーライトを等量で配合する。
- 種の撒き方
- 種は重ならないように、土の上にバラまき、または条まきします。
- 好光性種子の光が発芽を助けます。そのため、種を撒いたら、上から指で軽く押して鎮圧※するだけで、覆土しないか、乾燥しない程度にごく薄く覆土しましょう。
- 種まき後の管理
- 種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 子葉が展開
- 子葉が展開してきたら、間引きをかねて、密になっている部分の苗をピンセットで優しく抜いて、別の場所に移植しましょう。移植が不要な場合は、生育が一番いい苗を残して周りの苗を抜き取るか、ハサミで切りましょう。
- 移植
- 本葉が2~3枚出てきたらポットに移植しましょう。
- 種からの養分が切れるため、週に一度の頻度で液肥を与え始めます。液肥は規定された分量よりも薄めに希釈して利用しましょう。
- 定植
- 本葉が5~6枚以上になるか、ポットを触った時に土にある程度の一体感があり根が回っているのを感じたら定植を行います。定植が遅れると根鉢をつくり、移植後の生育が悪くなるため、定植が遅れすぎないように注意しましょう。
※鎮圧とは、種を撒いた後に手・足・鎮圧ローラーなどを利用して、種の上から軽く加圧を加えて、種と土の密着度を上げる事です。鎮圧を行う事で土の中の水分が種に吸収されやすくなり、発芽率が格段に向上します。