- 原産:北アメリカ/メキシコ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:グレギー(Salvia greggii)/ミクロフィラ(Salvia microphylla)/ヤメンシス(Salvia × jamensis)
- 流通名:チェリーセージ(cherry sage)
- 品種:ブルーノート(Salvia greggii ‘bluenote’)
- 開花時期:4月~11月
- 花の色:濃い青色・濃い青紫色
- 葉の色:緑色
- 香り:茎・葉・萼
- 生活形:常緑低木
- 草丈:約50cm
- 株張り:約
- バイオーム:乾燥性灌木地 など
- 誕生花:10月5日/11月5日/12月18日
- 花言葉:知恵/尊敬/家族愛/良い家族/燃える思い
- 用途:用途:開花期間長い/カラーリーフ/生垣/香りが良い
- 購入方法:チェリーセージ(ブルーノート)を楽天で購入
■チェリーセージ(ブルーノート)の特徴
学名:Salvia greggii ‘bluenote’
花の色:濃い青色・濃い青紫色
葉の色:緑色
樹高:約50cm
備考:花の色は濃い青色・濃い青紫色の範囲であり、深い闇を見てるよようなミステリアスな雰囲気を感じさせる品種です。
■チェリーセージとは!?


チェリーセージとは、サルビア・グレギー(Salvia greggii)とサルビア・ミクロフィラ(Salvia microphylla)の2種と、近縁でよく交雑している上記の2種の交雑種であるサルビア・ヤメンシス(Salvia × jamensis)と、それらの改良品種を含めたサルビアの総称です。
■チェリーセージの語源(由来)
- 属名のSalviaはラテン語で「賢人」を意味しており、またSalviaはラテン語で「安全」「安心」「健康」を意味する「salvus」に由来します。
- 種小名のgreggiiは、この植物を発見した探検家で博物学者のメキシコ人のJosiah Gregg (1806-1850)への献名です。
- 種小名のmicrophyllaは、ラテン語で「非常に小さな葉をもつ」を意味します。
- チェリーセージの名前の由来はチェリーに似た香りがあることからきています。
■チェリーセージの特徴(魅力)
- 近縁種との比較:チェリーセージは他の近縁のサルビアの種と比べて様々な個性的な特徴をもちます。例えば、枝葉が擦れるだけで心地よい香りが周囲に広がる所、開花期間がとても長くて冬をのぞいて一年を通して花が見られる所、花が密集せずに疎らに咲くため控えめで楚々とした印象を感じさせる所、樹形は叢生して細い枝がドーム状に広がる所などにあります。
- 樹形の特徴:樹形は叢生型になり、地際から茎が何本も出る。茎は細く華奢な見た目をしており、基本的に分枝をせず直立に伸びる。そのため、野暮ったい印象を感じさせにくく、ボリューム感のある樹形になる。
- 開花期:春から晩秋にかけて殆ど休まずに花を咲かせ続けます。そのため、花を長く楽しみたい人に好まれます。
- 花の特徴:花序は総状花序または輪散花序、多くの場合は総状花序になり花軸の節ごとに2個の花柄が出て花柄の先に一個の花が咲きます。花軸の節間は広いため、花同士の間隔が開く傾向にある。花は唇形花冠になり、下唇部分がかなり花冠筒部に対して垂れ下がり、面積がかなり広いため、舌を出しているように見える。
- 花の装飾性:花穂は花が疎らに咲く傾向があるため控えめで楚々とした印象を感じさせやすいです。また細い花軸と大きめの花の対比が繊細で洗練された印象を感じさせます。花の色は赤色・桃色・橙色・紫色・青色・白色であるため、お庭の中につくりたい雰囲気に合わせて花色を選べる所も魅力です。
- 葉の装飾性:葉のサイズは約1~2.5cmと小さくて目立たないため、藪の中のような野暮ったい印象を感じさせにくく、緻密で繊細な印象を感じさせやすいです。また品種により緑色の他に黄色・白色の葉色があるため、品種を選べがカラーリーフとして楽しむことも出来ます。
- 香り:茎・葉・萼には腺毛があり、触ると腺毛が潰れてチェリーなどの果物を想像させる甘い香りが周囲に広がります。そのため、テーブルや椅子を並べたガーデンファニチャーの傍などに植物を植えて、リラックスしながらチェリーセージの香りを楽しむとよいかもしれません。
- 生垣:チェリーセージは叢生型になり地際から沢山の枝が出て、ふんわりと広がります。そのため、土地の境界をわける目的などで、境界線を引くように植物を並べて、自然風の生垣を作ることが出来ます。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂や蝶々などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
■チェリーセージの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 樹高:約30~130cm
- 株張り:約30~130cm
- 生育型:叢生型で地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)する。
- 茎の種類:直立茎・斜上茎
- 直立茎:茎がほとんど垂直に伸びる。
- 斜上茎:茎は斜めに伸びる。
- 分枝の数:基部で分枝が多く、上部では分枝が殆どない。
- 茎の色:緑色・暗紫色・赤紫色・淡褐色・灰褐色
- 茎の毛:有毛
●葉の形態
- 葉序:対生葉序
- 葉柄:有柄
- 葉身の長さ:約1~2.5cm
- 葉身の概形:卵形・披針形・楕円形
- 葉の縁部分:鋸歯
- 葉脈:網状脈
- 葉の色:緑色・黄緑色・白色
- 葉表面:光沢がある
●花の形態


- 花序:総状花序・輪散花序※多くの場合は総状花序です。
- 総状花序:花軸の節ごとに花柄を2個出して、花柄の先に花を一個咲かせる。
- 輪散花序:花軸の節ごとに花梗と花柄が短い集散花序をつける。
- 花軸の色:緑色・暗紫色・赤紫色
- 花軸の毛:有毛
- 苞:花梗の基部にある。
- 花:花托・萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 萼:萼筒、萼筒の形は鐘形、萼の色は緑色・暗紫色・赤紫色、有毛です。
- 花冠:唇形花冠、唇形花冠の長さは約0.8~2.5cm、唇形花冠は上下に2深裂しており、上唇は花冠筒部に沿って伸びて形は管状で有毛、下唇の向きは花冠筒部から下に垂れて形は側面・先端に浅い切れ込みが入る、色は赤色・桃色・橙色・紫色・青色・白色の範囲です。
- 雄蕊:2本
- 雌蕊:1本
●果実の形態
- 果実の分類:分離果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■チェリーセージの園芸品種を紹介
ソークール・シリーズ

学名:Salvi greggii ‘so cool’
花の色:青色・紫色・桃色・白色
葉の色:緑色・クリーム色・白色
樹高:40~70cm
樹高:40~100cm
備考:非常にコンパクトに成長して行儀よく枝が密集するため、スモールガーデンや鉢植えの中でも楽しみやすい。また枝が密集するため、開花期の特に春は豪華な花姿が楽しめる。シリーズの中には班入り品種もあるため、カラーリーフとしても楽しめる。
ソークール・シリーズの品種
- スノープリンセス:葉の色は緑色・白色(クリーム色)の2色からなり、葉縁部な覆輪が入る。花の色は紫色の単色、そのため、上品さを感じさせる品種です。樹高は約50~70cmになる。
- ペールブルー:花の色はやや明度の高い青紫色をしていて、透明感のある涼し気な花色が楽しめる。樹高は約40~60cm、株張りは約40~60cmになる。
バリエガータ
学名:Salvi microphylla ‘variegated’
花の色:赤色
葉の色:緑色・白色
樹高:約40~60cm
備考:葉の色は緑色・白色の2色からなり、葉の縁部分に細い白色の覆輪が入る。そのため、光の反射で葉が輝いているようにも見え気品を感じさせる。花の色は濃い赤色で、大人の女性の上品さを感じさせる品種となります。
ムーンライトオーバー
学名:Salvia × jamensis ‘Moonlight over Ashwood’
花の色:白色・サーモンピンク色
葉の色:緑色・黄緑色・黄色
樹高:約60~90cm
備考:葉の色緑色・黄緑色・黄色の範囲であり環境や季節などの変化で色がかわります。花の色も白色からサーモンピンク色の範囲で変化がある。
アイシングシュガー

学名:Salvia greggii ‘icing sugar’
花の色:桃色・濃い赤ピンク色
葉の色:緑色
樹高:約50~70cm
株張り:約50~70cm
備考:花の色が桃色・濃い赤ピンク色の2色からなり、下唇裂片が桃色をしている。そのため、女性が化粧をしているような可愛らしさと華やかさがある品種です。
ダンシングドール

学名:Salvi × jamensis ‘dancing dolls’
花の色:赤桃色・薄い桃色
葉の色:緑色
樹高:約40~60cm
備考:花の色が薄い桃色・赤桃色の2色からなり、下唇裂片が薄い桃色をしている。そのため、女性が化粧をしているような可愛らしさと華ヤカさがある品種です。
アメジストリップス
学名:Salvia microphylla ‘amethyst lips’
花の色:紫色・白色
葉の色:緑色
樹高:約50~100cm
株張り:約50~100cm
備考:ホットリップの色違い品種になり、花の色が鮮やかな紫色・白色の2色からなり、清潔感や上品さを感じさせる品種になる。そのため、開花期にはお庭の雰囲気をエレガントに彩ことが出来る。
ストロベリーアンドクリーム
学名:Salvia greggii ‘Strawberries and Cream’
花の色:桃色・クリーム色
葉の色:緑色
樹高:約60~75cm
備考:花の色が桃色・クリーム色の2色からなり、下唇裂片がクリーム色をしている。そのため、子供っぽい可愛らしさを感じさせる品種です。
サンゴールド
育て方・楽天で購入
学名:Salvia greggii ‘sungold’
花の色:黄色・白色
葉の色:緑色
樹高:約30~50cm
備考:花の色が黄色から白色になり、海岸の砂浜をみているような明るさや元気の良さを感じさせる品種です。
サーモンイエロー
学名:Salvia greggii ‘Sierra San Antonio’
花の色: サーモンピンク色・クリーム色
葉の色:緑色
樹高:約50~75cm
株張り:約50~75cm
備考:花の色がサーモンピンク色・クリーム色の2色からなり、下唇裂片がクリーム色をしている。そのため、子供っぽい可愛らしさを感じさせる品種です。
ピンクブラッシュ
学名:Salvia microphylla ‘Pink Blush’
花の色:濃い桃色
葉の色:緑色
樹高:約50~100cm
株張り:約50~100cm
備考:花の色は濃い桃色の単色になり、発行しているような美しい蛍光カラーをしています。そのため、色をテーマにするカラーガーデンや、可愛いをテーマにするお庭などにおすすめです。
パールピンク
学名:Salvia microphylla ‘Pearl Pink’
花の色:薄い桃色
葉の色:緑色
樹高:約50~70cm
備考:花の色は薄い桃色になり、女性的な可愛らしい雰囲気をつくる品種です。
パープルローズ

学名:Salvia ‘purple rose’
花の色:赤桃色・暗紫色
葉の色:緑色
樹高:約50cm
備考:花の色は花弁が赤桃色、花軸と萼の色が暗紫色をしています。そのため、女性的な可愛らしさと高級感を感じさせる品種です。
ゴールデンガール
学名:Salvi × jamensis ‘golden girl’
花の色:バターイエロー・薄い橙色
葉の色:緑色
樹高:約30~50cm
備考:花の色がバターイエロー・薄い橙色の2色からなり、下唇裂片の色はバタークリーム色をしている。
フラメン
学名:Salvi × jamensis ‘Flammen’
花の色:朱色
葉の色:緑色
樹高:約80cm
株張り:約60cm:
備考:花の色は朱色の単色になり、発行しているような美しい蛍光カラーをしています。そのため、色をテーマにするカラーガーデンなどにおすすめです。
シグナルレッド
学名:Salvia greggii ‘Signal red’
花の色:黄色・白色
葉の色:緑色
樹高:約50~80cm
備考:花の色は赤色の単色になり、派手さを感じさせる品種です。
レッドコーラス
学名:Salvia × jamensis cv.
花の色:赤色・赤桃色
葉の色:緑色
樹高:約30~50cm
備考:花の色は赤色・赤桃色の範囲にあり、可愛らしさを感じさせる品種です。
■サルビア(アキギリ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■チェリーセージの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
チェリーセージのバイオームは、乾燥性灌木地などにあります。
このバイオームは、気温が年間を通して暖かであり、降水量は少ないですが砂漠ほどは乾燥しておらず、植生の範囲は狭く、硬葉樹や乾性植物などの一部の植物が自生している、土壌は砂・礫が多く通気性・排水性に優れている傾向にある。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
チェリーセージは、日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。
基本的には日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため、日向で育てることが理想です。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌に適応します。そのため土質は砂壌土・壌土あたりにした方が良いでしょう。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。堆肥を入れる事で土壌の物理性・生物性などを改善する働きがあり植物の成長を促進します。そのため、土壌の色などをみて肥沃さが足りないと感じる場合は堆肥をいれましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
チェリーセージは、日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。
基本的には日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため、日向で育てることが理想です。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性・保水性のバランスを考えた用土の構成にする。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
- 鉢植えを移動する場合を考えて比重の軽い用土を利用したり、植物が倒れる可能性も考えて比重の重めの用土を選んだりする。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を利用したり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土 +元肥=7:3:適量
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト + バーミキュライト +ピートモス +元肥=2:3:2:3:適量
- 日向土(細粒・小粒)+ピートモス+くん炭 +元肥=6:3:1:適量
鉱石の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- バーク堆肥:バーク堆肥は、樹木の樹皮を発酵させて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:バーク堆肥は見た目が黒っぽく、断片が小さくなって、しっかりと発酵しているものを選びましょう。発酵が未熟なものは、株元にマルチして使用した方がよいでしょう。
- 特徴:バーク堆肥は繊維が多く土壌の膨軟性を高める効果が非常に高い、そのため空気の通りが良くなり根の成長を助けます。また土壌の保水性・保肥力を改善する効果も高めです。微量要素を多数含んでいるため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。C/N比が高くリグニンを含む難分解性有機物が含まれているため完全な分解まで時間がかかる傾向があり膨軟効果が長く続く。PHは弱酸性から中性です。
- 注意点:C/N比が高いためバーク堆肥を大量に土壌に入れると分解時に微生物が窒素を余計に使い窒素飢餓を引き起こす事がある、そのためバーク堆肥の入れ過ぎには注意です。リグニンが発芽抑制・生育障害等を引き起こす原因になる事があります。
- 用途:土壌の膨軟性を長期間に渡り高めて、保水性・保肥力・通気性を改善する目的、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする目的で、花壇の土壌改良材として利用されたり、またコンテナ栽培の改良用土として利用されたりしています。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
チェリーセージは、耐乾性が高い植物のため、地植えで育てていれば降雨に任せて育てることが出来ます。
ただし、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時、鉢植えで育てている場合などには、水やりが必要になることがあります。水やりのタイミングなどは下記を参考にして下さい。
水やりのタイミング
春から秋にかけては生育旺盛でたくさんの水を必要とするため、土壌の表面または表層が乾燥したタイミングで水を与えます。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
チェリーセージは、土壌に十分な肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。
ただし、早春頃に芽出し肥を与える事で発芽を促して成長を促進することが出来ます。
また土壌の状態を見ながら、土壌の色が薄く痩せていると感じる場合、また鉢植えで育てている場合などは、堆肥を入れてあげるのもよいでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期:植付け時・早春
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中に入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料(BB肥料など)がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に当たるため、肥効が緩やかに出る肥料を選ぶ。例として緩効性肥料やBB肥料などです。
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
チェリーセージは剪定せずに育てる事も出来ますが、地際から伸びる枝の寿命は短めで、新しい茎の方が成長力が高いため剪定される事が多いです。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
剪定を行う理由
- コンパクト化:コンパクト化は、株のサイズを小さくコンパクトにする事で管理をしやすくする事です。株を剪定して小さくなる事で管理が楽になったり、株がギュッと詰まった見た目になりやすくなります。
- 形を整える:株は剪定しないと茎が徒長して外観が崩れることがあります。剪定をする事で、全体的な形が整い、また分枝する事で回復後はギュッと中身の詰まった株姿になります。
- 若返り:茎は古くなると生育が衰えて、花の数や葉の数が減る事があります。剪定する事で、新しい芽が出て株が若返ったり、また若い茎は生産性が高いため沢山の花を咲かせるようになったりします。
- 病害虫予防:花がらを残すと、灰色カビ病などの病気の発生源になる事もあります。そのため、病気にかかりやすい植物は花がら摘みが大切になります。
剪定方法
- 剪定の時期:晩冬から早春
- 枯れ枝の除去:株の中から枯れた茎を探して根元から剪定します。
- 若い茎の剪定:茎が伸びて一年から数年の茎は半分程度に剪定するか、地上部付近の節で出た芽の上から剪定するとよいでしょう。※株のサイズを大きくしたいか、コンパクトにしたいか、若い茎の勢いと開花を優先したいかなどを考えて剪定すると良いでしょう。
挿し木や株分けで増やす
チェリーセージは挿し木や株分けによって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度をいれます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- 株分け時期:早春・秋
- 株を観察:株を観察して地際から複数の茎が発生していて、株分けするのに十分な大きさの株になっている事を確認します。
- 株を掘りあげる:株をスコップで掘り起こして、軽く土を落とします。
- 株を分割する:株と株を解しながら、必要に応じてナイフやハサミ等も使い、株に出来るだけ根をつけながら分割しましょう。
- 株分け後:株分け後は根が乾燥する前に素早く植付けをおこないます。