- 原産:オーストラリア
- 科:キキョウ(Campanulaceae)
- 属:ロベリア(Lobelia)
- 種:ペドゥンクラータ(Lobelia pedunculata)
- 同義語:プラティア・ペドゥンクラータ(Pratia pedunculata)
- 別名:プラティア・ペドゥンクラータ/ロベリア・ペドゥンクラータ/トレーリング プラティア(trailing pratia)/ブルースター クリーパー(blue star creeper)
- 品種:カウンティパーク(Pratia pedunculata ‘county park’)
- 開花時期:4月~8月
- 花の色:青色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約5cm
- 誕生花:
- 花言葉:物事に動じない
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー
- 購入方法:プラティア(カウンティパーク)を楽天で購入
■プラティア(カウンティパーク)の特徴
- 学名:Pratia pedunculata ‘county park’
- 花の色:青色
- 葉の色:緑色
- 草丈:約5cm
- 備考:従来のプラティアと比べて花の色が濃い青色をしていて、より花の存在感を感じさせる品種です。
■プラティア・ペドゥンクラータとは!?
プラティア・ペドゥンクラータの現在の学名はLobelia pedunculataです。ただし以前はプラティア属に分類されていたため、同義語としてPratia pedunculataが一緒に表記されることもあり、一般的に流通している際の名称も「ロベリア」ではなく、ほとんどが「プラティア」として流通しています。また別名で「トレーリング プラティア(trailing pratia)」「ブルースター クリーパー(blue star creeper)」「ロベリア・ペドゥンクラータ」と呼ばれる事もある多年草です。
プラティア・ペドゥンクラータの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州/クイーンズランド州/南オーストラリア州/タスマニア州/ビクトリア州)で、自生地は林縁や草原、河川沿いなどの様々な場所で見られます。
■プラティア・ペドゥンクラータの特徴(魅力)
- プラティア・ペドゥンクラータの魅力:この植物の魅力は、絨毯のように地表を広がる草姿と、株を覆い尽くすように咲き誇る淡い青色の花にあります。株は生育旺盛で成長が早く、茎が匍匐して地表を覆うため地被植物として利用され、開花期には株一面が淡い青色の花で埋めつくされて花絨毯となり、美しい景観が楽しめます。
- 草姿:生育型は匍匐型になり、茎の種類は匍匐茎で、茎はよく分枝して、節から不定根を出して活着しながら、密なマット状に広がります。非常に生育旺盛で繁殖力も高いため、雑草化することもある。
- 葉の特徴:葉の概形は卵形・広卵形をしており、サイズは0.5~1.5cmほどと小振りです。そのため、茎葉が密に茂った場合も野暮ったさを感じさせにくく緻密な印象を与えます。
- 花の特徴:開花期は春から夏頃、花序は腋生で、株を覆うように非常にたくさんの淡い青色の花が咲きます。
- 地被植物:プラティア・ペドゥンクラータは、株が匍匐して地表をマット状に広がる性質があり、株分けなどもしながら株を容易に増やすことができます。そのため、主に地被植物(グランドカバー)として利用されています。開花期には花が株を覆うように咲くため花絨毯となり、特に広範囲をこの植物で覆うと美しい花が視界に広がるため景観植物にもなります。利用方法としては、踏石(ステップストーン)の間などに植栽される事が多いです。
■プラティア・ペドゥンクラータの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約5cm
- 生育型:匍匐型
- 匍匐型:地面を這うように茎が伸びるもの。
- 株の概形:マット状
- 茎の種類:匍匐茎
- 匍匐茎:茎が地表面を張って伸びるもので、節からは不定根が生じます。
- 茎の節:発根する
- 茎の色:緑色・赤紫色
●葉の形態
- 葉序:互生葉序
- 葉身の長さ:約0.5~1.5cm
- 葉身の幅:約0.1~1cm
- 葉身の概形:卵形・広卵形
- 葉の縁部分:鋸歯
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:腋生
- 苞:花梗の基部にある。
- 花:花托・萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 萼:合片萼
- 萼片の形:三角形
- 萼筒の色:緑色
- 花冠:合弁花冠で、花冠筒部は細長い筒状、花冠裂片は花冠筒部からほぼ水平に開出して、花冠裂片の数は5枚ある。
- 花冠裂片の形:楕円形
- 花冠の色:青色・淡い青色・白色
- 雄蕊:5本
- 雌蕊:1本
- 萼:合片萼
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■プラティア・ペドゥンクラータの園芸品種を紹介
ライトブルー
学名:Pratia pedunculata ‘light blue’
花の色:淡い青色
葉の色:緑色
草丈:約5cm
備考:透き通る湖の色を思わせるような、美しい淡い青色の花を咲かせる品種です。
■プラティア属とロベリア属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■プラティア・ペドゥンクラータの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
プラティア・ペドゥンクラータの原産地はオーストラリア(ニューサウスウェールズ州/クイーンズランド州/南オーストラリア州/タスマニア州/ビクトリア州)で、自生地は湿潤な森林、草原、河川沿いなどの多様な場所で見られます。主な気候は温帯に属し、気温は一年を通して比較的に温暖で、最も寒い月の平均気温でも-3℃以上あり、極端な低温になる事はほとんどない。降水量は場所により変わりますが、年平均降水量が乾燥限界以上あり比較的豊富です。また日本の降水量と比較しても同程度または多めになります。日照条件は日向から明るい日陰まで幅広く適応し、土壌は湿潤な状態を保ちながら水はけの良い場所を好みます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
プラティア・ペドゥンクラータは、日向・半日影・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。ただし、乾燥を苦手にしているため、湿潤な環境でない場合は日向を避けた方が良いでしょう。また、日当たりの悪い環境も茎・葉が疎らになってしまうため、避けた方がよいです。そのため、栽培するのに理想的な環境は西日の当たらない半日影となります。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:一定の保水性を保ちながら、通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は砂壌土から壌土が適します。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。堆肥を入れる事で土壌の物理性・生物性などを改善する働きがあり植物の成長を促進します。そのため、土壌の色などをみて肥沃さが足りないと感じる場合は堆肥をいれましょう。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
プラティア・ペドゥンクラータは、日向・半日影・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。ただし、乾燥を苦手にしているため、湿潤な環境でない場合は日向を避けた方が良いでしょう。また、日当たりの悪い環境も茎・葉が疎らになってしまうため、避けた方がよいです。そのため、栽培するのに理想的な環境は西日の当たらない半日影となります。
●培養土
プラティア・ペドゥンクラータの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が湿潤な森林、草原、河川沿いなどの多様な場所にあり適応能力は高いですが、基本的に湿潤で水はけの良い土壌を好みます。そのため、培養土は、保水性を高める土壌改良材を使用しながら、通気性と排水性も高める土壌改良材も用いると良いでしょう。またある程度の肥沃さがある方が成長がよくなるため、有機物の堆肥も入れると良いでしょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土や鹿沼土などの土壌改良材を6割~7割を目安に配合します。
- 土壌改良材(有機質):堆肥は3~4割を目安に培養土の中に配合します。堆肥は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+腐葉土4割+元肥適量
- 日向土(細粒・小粒)5割+ピートモス4割+くん炭1割+元肥適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
プラティア・ペドゥンクラータは、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。ある程度の乾燥に耐えることもできますが、生育が悪くなったり、葉が落ちるなどして見た目が悪くなりやすいです。そのため、栽培環境(日照条件・土質)によっては、地植でも定期的な水やりが必要になることがあります。
●水やりの方法
生育期間中の春から秋は、生育旺盛で沢山の水を必要とするため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えます。頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをおこないましょう。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
プラティア・ペドゥンクラータは、土壌が肥沃であれば肥料が無くても育てる事ができます。ただし、肥料を与えることで株の生育が促進されるため、早春に一度だけ株の周りに緩効性肥料を与えると良いでしょう。
●肥料の与え方
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
プラティア・ペドゥンクラータは剪定せずに育てる事も出来ますが、株の成長を制御したりコンパクトにしたりする目的などで剪定を行うことができます。
●剪定方法
- 剪定の時期:生育期間中
- 生育期間中の剪定:株を観察して決められた範囲から逸脱している匍匐茎を探します。逸脱している匍匐茎は剪定して取り除き、定着している株は掘り起こして株分けするか取り除きましょう。
夏越しする方法
プラティア・ペドゥンクラータの原産地はオーストラリアにあり、生息地の気候は温帯に属し、自生地が湿潤な森林、草原、河川沿い等にあります。こうした生息環境からも分かるように、基本的に夏の暑さには比較的強いです。ただし、強光や乾燥を苦手にしています。そのため、夏越しでは栽培環境に注意したり、水切れ対策などが必要になるでしょう。
●夏越し対策一覧
- 乾燥の改善:乾燥は水分が不足した状態や湿度が低い状態になることです。植物が乾燥して萎れやすいと感じる場合は、育てている環境や土壌の状態が悪い場合があります。乾燥対策は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 灌水をする:植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
- 強光:強光とは強い光です。植物界では一般的に光合成能力を超えるような強い光になります。このような強い光は、光阻害を引き起こして細胞・タンパク質を壊してしまい光合成能力を低下させたり活性酸素の生成を行い、過剰に蓄積された活性酸素が光合成装置を壊したり細胞死を引き起こしたりします。そのため、必要に応じた対策が必要です。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
挿し木や株分けで増やす
プラティア・ペドゥンクラータは株分けや挿し木によって増やす事ができます。
●株分けの方法
- 株分け時期:春・秋
- 株を観察:株を観察して匍匐茎から不定根が出て活着している部分を探します。
- 株を掘りあげる:匍匐茎から不定根が出て活着している部分の周りをスコップで掘り起こし、親株から茎を切り離します。
- 株分け後:株分け後は根が乾燥する前に素早く植付けをおこないます。
●挿し木の方法
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度をいれます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。