- 原産:アメリカ合衆国西部
- 科:ケシ(Papaveraceae)
- 属:ハナビシソウ(Eschscholzia)
- 種:ハナビシソウ(Eschscholzia californica)
- 別名:キンエイカ/カリフォルニアポピー(California poppy)/ゴールデンポピー(golden poppy)
- 品種:レッドチーフ(Eschscholzia californica ‘red chief’)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:赤橙色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草(短命)/一年草
- 草丈:約40cm
- 誕生花:3月11日/5月15日
- 花言葉:富/成功/希望の持てる愛/私を拒絶しないで
- 用途:景観植物/切り花/種から育てる植物/ロックガーデン
- 購入方法:ハナビシソウ(レッドチーフ)を楽天で購入
■ハナビシソウ(レッドチーフ)の特徴
- 学名:Eschscholzia californica ‘red chief’
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:赤橙色
- 葉の色:緑色
- 草丈:約40cm
- 備考:花の色は赤橙色をしているため、派手で華やかな印象を感じさせるお庭によく調和します。
■ハナビシソウとは!?

ハナビシソウ(学名: Eschscholzia californica)は、別名では「キンエイカ」「カリフォルニアポピー」「ゴールデンポピー(golden poppy)」とも呼ばれるケシ科ハナビシソウ属に分類される種で短命の多年草または一年草です。
ハナビシソウの原産地はアメリカ合衆国西部で、自生地は草原や沿岸砂地、人為的攪乱を受けた道端や荒れ地などに見られます。
■ハナビシソウの語源(由来)
- Eschscholziaの語源:バルト・ドイツ出身の医師で植物学者のJohann Friedrich von Eschscholtz(1793-1831)への献名です。
- californicaの語源:ラテン語で「カリフォルニアの」を意味しており、本種の自生地に由来します。
■ハナビシソウの特徴(魅力)

- 形態と生活形:草丈は約15~60cm、生育型は一時ロゼット型または叢生型で、秋に種からまたは休眠株から発芽しロゼットを形成し、冬も緩やかに成長し、春になると茎を何本も勢いよく伸長させ、夏になると地上部が完全に枯れるか休眠します。
- 花の魅力:花のサイズは品種などによって差異がありますが5~10cmと大きいため華やかで、また花弁に丸みがあり花全体がカップ状の外観となるため、可愛らしい印象を感じさせます。花の色は一般的に黄色から橙色ですが、品種によっては白色や桃色もあるため、明るさや元気の良さを演出したい場合は黄色・橙色を選んだり、可愛らしいお庭作りをしたい場合は桃色を選ぶのもよいでしょう。また開花前の蕾段階では、萼が三角帽子のように花弁を覆い、萼が外れていく様子も観察出来ます。
- 葉の魅力:本種の葉は羽状に細かく分裂し、裂片が小さく細いため、繊細な外観をしています。さらに、この葉は密生しますが、光と風を通し空気を含んだ綿のような見た目をしているため、ふわふわとした柔らかな質感を生み出し、可愛らしさやメルヘンチックな雰囲気を演出したいお庭によく調和します。
- クチクラ層:本種の茎・葉は白粉を帯びており白っぽい青緑色または灰緑色をしています。これは、植物の表皮細胞の外側に分泌されるワックス状(ロウ質)の層で、太陽光を反射して温度の上昇を抑制したり、水分の蒸発を抑制したり、病害虫の侵入を抑制する働きがあります。
- 苗の増殖:本種は、種子から簡単に増やすことができます。そのため、花壇の縁どりとして利用したり、丘陵地などに植栽し景観を作ってみたりできます。
- ロックガーデン:本種は自生地が乾燥帯の草原や沿岸砂地などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
■ハナビシソウの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:多年草(短命)/一年草
- ライフサイクル:秋に発芽または休眠から覚めてロゼットを展開します。冬は生育緩慢で緩やかに成長します。春は茎が勢いよく伸長し開花がはじまります。夏になると枯死するか地上部が枯れて休眠します。
- 草丈:約15~60cm
- 生育型:一時ロゼット型・叢生型
- 一時ロゼット型:ある期間をロゼットで過ごしますが、その後に茎が直立して根生葉が枯れるもの。
- 叢生型:地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するもの。
- 茎の種類:直立茎・斜上茎
- 直立茎:茎がほとんど垂直に伸びる。
- 斜上茎:茎は斜めに伸びる。
- 茎の色:灰緑色・青緑色
- 備考:茎は無毛で白粉を帯びます。
●葉の形態
- 葉の位置:根生葉・茎葉
- 葉序:束生(ロゼット葉)・互生葉序
- 葉柄:有柄
- 葉身の概形:3回羽状深裂
- 裂片の形:線形
- 裂片の縁部分:全縁
- 葉の色:灰緑色・青緑色
- 備考:葉は無毛で白粉を帯びます。
●花の形態
- 花序:単生
- 花柄:有柄
- 花:花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:形は倒円錐形で上部は皿状に広がり、萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えている。
- 萼:2枚の萼片が合着する合片萼です。この萼は開花が進むと外れ、花弁を覆う帽子のようになり落ちます。
- 花冠:花冠の直径は約5~10cm、形はカップ状・皿状で、花弁は4枚が離生する離弁花冠です。花弁の形は広倒卵形、花弁の色は一般的に黄色・橙色ですが品種の中には白色や桃色も見られます。
- 雄蕊:多数
- 雌蕊:1本
- 備考:花弁は夜間閉じて、昼に開く性質があります。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ハナビシソウの園芸品種を紹介
●アイボリーキャッスル

学名:Eschscholzia californica ‘ivory castle’
開花時期:5月~7月
花の色:白色
葉の色:緑色
草丈:約30~40cm
備考:花の色は白色をしています。そのため、明るさや清潔感を感じさせるお庭によく調和する品種です。
●アップルブロッサム

学名:Eschscholzia californica ‘apple blossom’
開花時期:5月~7月
花の色:赤桃色・クリーム色(白色)
葉の色:緑色
草丈:約30cm
備考:花の色は赤桃色とクリーム色(白色)の複色です。そのため、女性的で可愛らしさを感じさせるお庭によく調和する品種です。
●オレンジキング

学名:Eschscholzia californica ‘orange king’
開花時期:5月~7月
花の色:橙色
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の色は鮮やかな橙色を呈し、太陽を見てるような温かさがあり、カジュアルな雰囲気のお庭によく調和します。
●カーマインキング
学名:Eschscholzia californica ‘carmine king’
開花時期:5月~7月
花の色:桃色・白色(クリーム色)
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の色は桃色と白色(クリーム色)の複色で、花の模様の入り方は個体差が大きく、裏面だけ桃色だったり、内側にボカシ斑が入ったりします。
●コッパースワール
学名:Eschscholzia californica ‘copper swirl’
開花時期:5月~7月
花の色:赤橙色
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の形は半八重咲きで、花弁が波打つため、華やかさと優美さを感じさせます。花の色は赤橙色をしているため、派手で華やかな印象を感じさせるお庭によく調和します。
●レッドチーフ
学名:Eschscholzia californica ‘red chief’
開花時期:5月~7月
花の色:赤橙色
葉の色:緑色
草丈:約40cm
備考:花の色は赤橙色をしているため、派手で華やかな印象を感じさせるお庭によく調和します。
■ハナビシソウ属(エスコルチア属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ハナビシソウの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:地中海植生・乾燥性潅木地
- 原産地:アメリカ合衆国西部
- 自生地:草原や沿岸砂地、人為的攪乱を受けた道端や荒れ地などに見られます。
- 気候:主に地中海性気候・ステップ気候に属します。気温は夏に高温で、冬の最寒月の平均気温が-3℃以上と比較的温暖です。降水量は地域により変わり、地中海性気候では夏場は少なく乾燥しており、冬は比較的湿潤ですが、ステップ気候では年間の降水量よりも蒸発量が大幅に上回るため恒常的に水分が不足します。
- 日照:日向を好みます
- 土壌:レゴソル(母材が砂または非固結岩屑土からなり、風化が弱く層位の発達がほとんど見られない)やカンビソル(土壌形成の初期段階にあり土壌層の分化が弱い)やカルシソル(石灰が集積する土壌で、土壌中の水分が乾燥する際に、水に溶けていた炭酸カルシウムが特定の層で沈殿・集積します)がよく見られる。これらの土壌は砂礫質で、通気性・排水性が高く、肥沃さは低い傾向にあります。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ハナビシソウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:自生地では砂や礫が多くて、腐植質が少ない、栄養分の乏しい痩せた場所で生育しています。この事からも分かる通り、堆肥を大量に入れる必要がありません。逆に堆肥を入れ過ぎると、草姿が乱れたり、夏場に蒸れて根腐れを引き起こす原因になることもあるため注意が必要です。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
ハナビシソウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想です。
●培養土
ハナビシソウの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土よりも通気性・排水性を高めた培養土がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が乾燥した草原や沿岸砂地などの場所にあることからも分かる通り、基本的に砂礫質で有機物は少ないです。そのため、通気性・排水性が高く、比較的痩せた培養土を好みます。
- 土壌改良材(無機質):一般的な植物の培養土よりも、特に通気性と排水性を高める目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を8割~9割を目安にして多めに配合します。土壌改良材の土粒は小粒・中粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性が悪くなり植物の生育が悪くなる原因となるため避けてください。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥は、一般的な植物よりもかなり控えめに1~2割を目安にして培養土の中に配合します。腐葉土などの有機物は培養土の水分・養分を保持して、根の活着を助け、生育を促進する効果がありますが、本種の場合は堆肥を入れ過ぎると、草姿が乱れる原因になり、また夏場に蒸れて過湿状態になり根腐れを引き起こす原因ともなります。そのため、バランスを考えて必要量を入れる事が大切です。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)8割+腐葉土2割+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+硬質赤玉土(小粒)3割+ピートモス(調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土2割+元肥適量
水やりの仕方
ハナビシソウは、乾燥した気候帯に自生しており、高い耐乾性があります。その一方で、過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因になったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりの頻度には十分な注意が必要です。
地植えで栽培する場合は、基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、雨が全く降らずに土壌が乾燥している場合は水やりが必要となります。鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて乾燥がかなり早いため、定期的な水やりが必要です。培養土の状態を見ながら水やりをする必要があるでしょう。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 夏の水やり:自生地の気候は地中海性気候・ステップ気候で、この時期は降水量が少なく乾燥しており、日本の高温多湿を苦手にしています。また株は完全に枯れるか、休眠するため、乾燥気味に管理します。
- 秋の水やり:株の成長が始まる季節です。そのため、春と同様に多くの水を必要とします。土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 冬の水やり:生育が緩慢になる季節で、植物は水をそれほど必要としません。土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後に水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、季節によっては高温で水がお湯のようになり蒸れて根腐れを引き起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、植物が水分をあまり必要としない夜間にも水がたっぷり残り呼吸を邪魔するなどして根腐れを引き起こす原因になる事があります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいですが、植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ハナビシソウは多肥を好みません。腐葉土などの堆肥が配合された土壌であれば、生育に必要な一定の栄養が含まれており、肥料がなくても栽培することができます。適切な量の肥料には生育を促進する働きもありますが、過剰な栄養は、茎が徒長し草姿を乱す原因になったり、花数を減らす原因になったり、肥焼けを起こして根が傷み、根腐れを引き起こす原因になったりするため注意が必要です。肥料を与える場合は、植え付け時に1回だけ元肥を与えます。
剪定のやり方
ハナビシソウは剪定せずに育てる事も出来ますが、開花後に花がら摘みを行うことで、次の花芽に栄養が回り開花期間が延長されやすくなります。
●剪定方法
- 花がら摘みの方法:花がら摘みを行う時期は開花期間中です。株を観察して、花が咲き終わったタイミングで分枝している場所の上、または花の下にある葉の上で剪定します。これを行うことで、次の花芽に栄養が回り、次の花が咲きやすくなり開花期間が伸びます。
冬越しする方法

Hardiness:8~11
ハナビシソウは気候が温帯であれば屋外での越冬が可能です。ただし、冷帯では寒さで株が枯れる事もあるため、冬越し対策が必要です。
●冬越し対策一覧
- 軒下に移動する:植物を植えている鉢植えを軒下に移動する事で、霜を避けることができます。霜があまり降りない地域であれば、霜を避けるだけで冬越し出来ることもあります。
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
播種で増やす
ハナビシソウの種蒔の方法
- 播種時期:3月~5月・9月~10月
- 発芽適温:約15~20度
- 発芽日数:約7日~14日
- 備考:直根性
種まき手順
- 種まきの時期:温帯地域(暖地・中間地)では9月下旬~10月に種を撒きます。亜寒帯や寒帯地域では3月~5月頃に種を撒きます。
- 培養土の準備:直根性で基本的に移植を嫌うため直播きされる事が多いですが、根を傷めないよう移植できる場合は移植栽培も可能です。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。












