スミレ属(ビオラ属)を紹介しているページの続きです。前ページでは「パンジー(ビオラ)の園芸品種」を紹介していました。このページでは「それ以外の種と品種」を紹介しています。
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■目次
■スミレ属(ビオラ属)の主な種と園芸品種の紹介
ビオラ・ラブラドリカ

ビオラ・ラブラドリカとは!
ビオラ・ラブラドリカ(学名:Viola labradorica)は、別名では「黒葉ビオラ」「アルパイン・バイオレット(alpine violet)」「アメリカン・ドック・バイオレット(American dog violet)」「ラブラドール・バイオレット(Labrador violet)」とも呼ばれているスミレ科ビオラ属(スミレ属)の多年草です。
ビオラ・ラブラドリカの原産地はグリーンランド、カナダ、アメリカ合衆国で、自生地は森林や草原、湿地などで見られます。
ビオラ・ラブラドリカの特徴
- ビオラ・ラブラドリカの魅力:この植物の生育型は叢生型で、地中にある根茎が広がり、株元から複数の茎を伸ばし、高さ10~20cmのこんもりと広がる草姿を形成し、早春から初夏にかけてスミレ科特有の花を咲かせます。本種の際立つ魅力は、葉の形がハート形をしていて可愛らしい見た目をしている点、葉の色が黒色にもみえる濃緑色から暗紫色を呈すため重厚感のある印象を添えるカラーリーフになり、紫色の花との組み合わせが上品で美しい点等にあります。園芸では様々な用途で利用されており、例えば、花壇に並べて縁取りとして利用されたり、寄せ植え素材として利用されたり、耐陰性が高いためシェードガーデンで利用されたり、黒葉が重厚感あるカラーリーフになるため格式高い雰囲気のお庭で利用されたりします。本種は、日本と同様の気候帯に自生地があり栽培しやすい植物ですが、極端な高温や乾燥を苦手にしているため管理には注意が必要です。
- 草姿:草丈は約10~20cm、生育型は叢生型で、根茎が地中で広がり、根茎の節から茎を出し、 草姿はこんもりと茂り群生を形成します。
- 葉の特徴:茎の節間は株の根元ほど詰まり上部は節間が開く傾向にあるため、葉序は互生ですが生育初期は葉が密生してロゼットを形成しているように見えます。葉の概形は心形・腎形をしており、葉縁部は鋸歯があり、葉の色は緑色・濃緑色・暗紫色です。
- 花の特徴:開花期は3月~6月頃ですが、秋に返り咲くこともあります。花序は単生で、葉腋から伸びる花柄の先端に一個の花をつけます。本種は、花のサイズが1~2cmと小振りで、花冠はスミレ形花冠と呼ばれる独特な形状をしており、色は紫色または青紫色か青色です。
- 寄せ植え:ビオラ・ラブラドリカは、株にボリューム感がありながらコンパクトに成長します。そのため、他の植物と組み合わせがしやすく、重厚感ある濃緑色または暗紫色の葉が落ち着いた雰囲気を演出し、開花期には紫色の花が咲いて上品な雰囲気を演出します。寄せ植えの中では、ボリュームを出す素材となるため、高さのある植物や枝垂れるような植物と組み合わせると、寄せ植えに奥行ある立体感を出せるでしょう。
- 花壇の縁取り:ビオラ・ラブラドリカは株が基本的に暴れずにコンパクトに成長して、下部で葉が地面を上手く被覆し、上部で株を覆うように花が咲き誇ります。そのため、花壇の外縁に沿って並べることで、美しい花壇の縁どりをつくることができます。
- シェードガーデン:ビオラ・ラブラドリカは耐陰性があるため、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰で栽培が可能です。
ビオラ・ラブラドリカの園芸品種の紹介
ニオイスミレ



ニオイスミレとは!
ニオイスミレ(学名:Viola odorata)は、別名では「ビオラ・オドラータ」「ウッド・バイオレット(wood violet)」「スイート・バイオレット(sweet violet)」「イングリッシュ・バイオレット(English violet)」「コモン・バイオレット(common violet)」とも呼ばれているスミレ科ビオラ属(スミレ属)の多年草です。
ニオイスミレの原産地はヨーロッパ、北西アフリカ、アジア西部で、自生地は森林、人為的攪乱を受けた湿潤な草原や牧草地などで見られます。
ニオイスミレの特徴
- ニオイスミレの魅力:この植物の生育型は匍匐型またはロゼット型で、株は地表に葉を広げるロゼットを形成し、開花期になるとスミレ科特有の可憐な花を咲かせたり、また株が充実したら匍匐枝を伸ばして子株を増やし群生をつくります。本種の際立つ魅力は、香水やアルコール飲料の原料に使われるほどに強い花の香りにあります。この香りは、ふんわりとしたパウダリーで甘く、他の植物では殆ど嗅げない独特な香気があります。園芸では、紫花をエレガントなお庭の装飾として楽しんだり、この花を収穫してお部屋に飾り充満する香気を楽しんだり、また花や葉は食用としても利用できるため、花を砂糖漬けやシロップにして様々な用途で利用されたり、また花と若葉はサラダに入れてそのまま食べることもできます。
- 草姿:草丈は約5~15cm、生育型はロゼット型または匍匐型で、株は地表に葉を広げてロゼットを形成し、また株の基部から匍匐枝を伸ばして子株を作り、草姿は葉の広がる群生を形成します。
- 葉の特徴:葉序は束生したロゼットです。葉の概形は心形・腎形をしており、葉縁部は鋸歯があり、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は3月~5月頃、花序は単生で、葉腋から伸びる花柄の先端に一個の花をつけます。本種は、花のサイズが1~2.5cmと小振りで、花冠はスミレ形花冠と呼ばれる独特な形状をしており、色は一般的に紫色から青色ですが、個体差や品種により桃色や白色なども見られます。
- 香りの特徴:ニオイスミレの花は、周囲に漂うほどの強いパウダリーな甘い香りがあり、この芳香を生みだす主要な香気成分はバラの香り等にも寄与しているイオノン(β-Ionone、α-Ionone)です。この香りは人気が高いことから、現在でもニオイスミレから精油が抽出され香水や化粧品、アロマテラピーなどに利用されたり、またお菓子やシロップなどの香り付けに利用されたりしています。園芸では、花を収穫してお部屋に飾り充満する甘い香りを楽しんだり、花や葉を収穫して料理に利用したり、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩しながら香りが楽しめるようにされており、様々な方法で活用されています。
- 食用:花・若葉は生または調理して食べられます。例えば、花は砂糖漬けやシロップに加工して、お菓子作りやカクテルに加えられたり、また花や若葉をサラダに加えて生で食べられます。ただし、種子と根茎には有毒なアルカロイドが含まれているため食べないように注意してください。
- シェードガーデン:ニオイスミレは耐陰性があるため、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰で栽培が可能です。
ニオイスミレの園芸品種の紹介
●コルンバイン
学名:Viola odorata ‘Colombine’
花の色:薄い青紫色・白色・紫色
草丈:約5~15cm
備考:1991年にフランスのスミレ愛好家であるNathalie Casbasによって作出されました。花の色は薄い青紫色を基調として、筒部が白色を呈し、紫色の条線が入ります。
●アリス
学名:Viola odorata ‘Alice’
花の色:桃色・赤紫色
草丈:約5~15cm
備考:花の色が桃色または赤紫色をしていて、女性的な可愛らしさを感じさせる品種です。
●ガバナーヘリック
学名:Viola odorata cv.
花の色:紫色・濃紫色
草丈:約5~15cm
備考:花の色は紫色から濃紫色を呈し、貴族のお庭のような高貴な雰囲気を添える品種です。
●ジャックサンプソン
学名:Viola odorata cv.
花の色:赤紫色
草丈:約5~15cm
備考:早咲きの性質があるため花が早くから楽しめます。花は赤紫色を呈し、上品な雰囲気を感じさせる園芸品種です。
●トラベック
学名:Viola odorata cv.
花の色:紫色
草丈:約5~15cm
備考:花付きがよく、上品な印象を添える鮮やかな紫色の花を咲かせる。
スミレ

スミレとは!
スミレ(学名:Viola mandshurica)は、別名では「スモウトリグサ(相撲取草)」とも呼ばれているスミレ科ビオラ属(スミレ属)の多年草です。
スミレの原産地は日本を含む東アジアで、自生地は林縁や草原、人為的攪乱を受けた道端や牧草地などで見られます。
スミレの特徴
- スミレの魅力:この植物は、日本に自生し道端やアスファルトの隙間などでも見られる植物です。生育型はロゼット型または叢生型で、株は地表に葉を広げるロゼットを形成し、春になるとスミレ科特有の可憐な花を咲かせ、地中では根茎が広がり、株を増やして群生を形成します。本種の魅力は、細長い矢尻のようなシャープな見た目をしている葉の形と、上品な印象を与える紫花になります。このような見た目をしているため、上品で洗練されたお庭によく調和します。また花や若葉は食用として利用されることもあり、軽く茹でお浸しにするなどにして食べられます。
- 草姿:草丈は約5~10cm、生育型はロゼット型または叢生型で、株は地表に葉を広げてロゼットを形成し、地中で根茎を伸ばし新たな株を形成しながら群生をつくります。
- 葉の特徴:葉序は束生したロゼットです。葉の長さ約5~9cm、葉の概形は披針形・線状披針形・三角形をしており、葉縁部は鋸歯があり、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は3月~5月頃、花序は単生で、葉腋から伸びる花柄の先端に一個の花をつけます。本種は、花のサイズが約2cmと小振りで、花冠はスミレ形花冠と呼ばれる独特な形状をしており、色は一般的に紫色から青色で、下唇の花芯部に白色の斑が入り、紫色の条線が入ります。また個体や品種によっては桃色や白色の花色も見られます。
スミレの園芸品種の紹介
●コモロスミレ(小諸菫)

学名:Viola mandshurica f. plena
花の色:紫色
草丈:約5~10cm
備考:その名前が示す通り、小諸市で発見されたスミレです。花弁の数は安定しませんが、花の形は八重咲きするため、華やかな花姿が楽しめる品種で、紫色の花色が上品さを感じさせます。
●白花コモロスミレ
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:白色・紫色
草丈:約5~10cm
備考:花弁の数は安定しませんが、花の形は八重咲きするため、華やかな花姿が楽しめる品種です。花の色は白色を基調として、紫色の脈斑がはいるため、上品さを感じさせます。
●ミョウジンスミレ(明神菫)
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:紫色・黒色
草丈:約5~10cm
備考:花の色は紫色・黒色の複色で、紫色を基調として、花芯部が黒色になります。そのため、深い闇をみてるようなミステリアスな雰囲気を感じさせる品種です。
●ニシキスミレ(錦菫)
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:紫色・白色
草丈:約5~10cm
備考:葉の色は緑色を基調として、白色またはクリーム色の斑が入り、カラーリーフとして楽しめる品種です。花の色は紫色を基調として、唇弁に白色のブロッチがはいります。
●ニショクアツバスミレ(二色厚葉菫)
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:白色・紫色
草丈:約5~10cm
備考:葉は照葉で光沢がある。花の色は白色を基調として、側弁と唇弁の全体が紫色に染まります。そのため、清潔感の中に上品さを感じさせる品種です。
●シロガネスミレ(白金菫)
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:白色・紫色
草丈:約5~10cm
備考:花の色は白色を基調として、紫色の条線がはいる品種です。そのため、明るさの中に上品さを感じさせます。
●アツバアナマスミレ
学名:Viola mandshurica var.triangularis f.bicolor
花の色:紫色・白色
草丈:約5~10cm
備考:花の色は紫色・白色の複色で、上側と下側の花弁で色が違いバイカラーの配色となる品種です。
●紅花アツバスミレ
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:紫色・白色
草丈:約5~10cm
備考:葉は照葉で光沢がある。花の色は紫色・白色の複色で上品さを感じさせる品種です。
●タイリンスミレ
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:紫色
草丈:約5~10cm
備考:基本種よりも大きな花が咲く品種です。花の色は紫色で、上品な見た目をしています。
●ひむれ
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:濃赤色
草丈:約5~10cm
備考:花の色が濃赤色をしていて、赤ワインや絨毯を想像させる、高級感を感じさせる品種です。
●ゆうぎり
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:紫色・淡い紫色・白色
草丈:約5~10cm
備考:花の色が紫色・淡い紫色・白色の3色で、透明感を感じさせるような色彩をしています。
●フジミョウジン(富士明神)
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:紫色・黒色
草丈:約5~10cm
備考:花の色は紫色・黒色の複色で、花芯が最も暗い黒色をしており、外側に向かうに連れてグラデーションのように明るい紫色へと変わります。そのため、ミステリアスな雰囲気を感じさせる品種です。
●彩雲
学名:Viola mandshurica cv.
花の色:淡い紫色
草丈:約5~10cm
備考:花の色は透明感を感じさせるような淡い紫色をしています。そのため、上品な印象を感じさせる品種です。
アメリカスミレサイシン

アメリカスミレサイシンとは!
アメリカスミレサイシン(学名:Viola sororia)は、別名では「ビオラ・ソロリア」「コモン・ブルーバイオレット(common blue violet)」「ウーリーブルー・バイオレット(woolly blue violet)」とも呼ばれているスミレ科ビオラ属(スミレ属)の多年草です。
アメリカスミレサイシンの原産地はアメリカ合衆国、カナダ、メキシコで、自生地は森林、湿潤な草原や牧草地などで見られます。
アメリカスミレサイシンの特徴
- アメリカスミレサイシンの魅力:この植物の生育型はロゼット型または叢生型で、株は地表に葉を広げるロゼットを形成し、春になるとスミレ科特有の可憐な花を咲かせ、地中では根茎が広がり、株を増やして群生を形成します。本種の魅力は、ハート形をした可愛らしい見た目の葉と、上品な印象を与える紫花、群生を形成し葉が地表を覆う姿にあります。そのため、園芸ではこの可愛らしさの中に上品さも兼ね備えた姿を鑑賞する目的、若葉や花は食用にできるため食べる目的、地被植物として利用する目的などで栽培されます。
- 草姿:草丈は約10~25cm、生育型はロゼット型または叢生型で、株は地表に葉を広げてロゼットを形成し、地中で根茎を伸ばし新たな株を形成しながら群生をつくります。
- 葉の特徴:葉序は根生葉が束生しロゼットを形成します。葉の長さ約2~5cm、葉の概形は心形をしており、葉縁部は鋸歯があり、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は3月~6月頃、花序は単生で、葉腋から伸びる花柄の先端に一個の花をつけます。本種は、花のサイズが約2~3cmと小振りで、花冠はスミレ形花冠と呼ばれる独特な形状をしており、色は一般的に紫色から青色で、下唇の花芯部に白色の斑が入り、紫色の条線が入ります。また個体や品種によっては桃色や白色の花色も見られます。
アメリカスミレサイシンの園芸品種の紹介
●アリスウィター
学名:Viola sororia ‘Alice Witter’
花の色:白色・赤紫色
草丈:約10~25cm
備考:花の色は白色を基調として、赤紫色のブロッチがはいります。そのため、上品な雰囲気のお庭によく調和する品種です。
●フレックルス
学名:Viola sororia ‘freckles’
花の色:白色・紫色
草丈:約10~25cm
備考:品種名のfrecklesはソバカスを意味しており、白色の花弁に紫色の小さな斑点がはいる所が、この品種の特徴です。
●レッド ジャイアント
学名:Viola sororia ‘red giant’
花の色:紫色
草丈:約10~25cm
備考:花の色は鮮やかな紫色を呈し、上品な印象を感じさせる品種です。
パルマスミレ
パルマスミレとは!
パルマスミレ(Parma violet)は、16世紀または19世紀のイタリアで初めて登場した起源が不明のスミレ属の植物です。遺伝的にビオラ・アルバ(Viola alba Besser)に属する変種と考えられており、花の見た目や香りが酷似しているニオイスミレ(Viola odorata)との関連は否定されています。ただし、現在も別名としてニオイスミレの名称で流通することも多いようです。
パルマスミレの特徴
- パルマスミレの魅力:この植物の生育型は匍匐型またはロゼット型で、株は地表に葉を広げるロゼットを形成し、開花期になるとスミレ科特有の可憐な花を咲かせたり、また株が充実したら匍匐枝を伸ばして子株を増やし群生をつくります。本種の際立つ魅力は、花の形が八重咲きで華やかな見た目をしており、またニオイスミレのようなパウダリーで甘い香りが楽しめる点です。園芸では、この華やかな花をエレガントなお庭の装飾として楽しんだり、また花を収穫してお部屋に飾り充満する香りを楽しんだりされています。
- 草姿:草丈は約5~20cm、生育型はロゼット型または匍匐型で、株は地表に葉を広げてロゼットを形成し、また株の基部から匍匐枝を伸ばして子株を作り、草姿は葉の広がる群生を形成します。
- 葉の特徴:葉序は束生したロゼットです。葉の概形は心形・腎形をしており、葉縁部は鋸歯があり、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は11月~4月頃、花序は単生で、節から伸びる花柄の先端に一個の花をつけます。本種は、花の形は八重咲きで、色は紫色・青色・桃色・白色などが見られ、花には甘くパウダリーな香りがあります。
- シェードガーデン:ニオイスミレは耐陰性があるため、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰で栽培が可能です。
パルマスミレの園芸品種の紹介
●スワンホワイト

学名:Viola cv.
花の色:白色
草丈:約5~20cm
備考:花の形は八重咲きで、花弁の並びに規則性を感じさせず、ティッシュをクシャッと丸めたような個性的な外観をしています。花の色は白色で、明るさと清潔感を感じさせる品種です。
●オーロラ
学名:Viola cv.
花の色:青紫色
草丈:約5~20cm
備考:花の形は八重咲きで、花弁の並びに規則性を感じさせず、ティッシュをクシャッと丸めたような個性的な外観をしています。花の色は青紫色をしてて、落ち着いた雰囲気を感じさせます。
サンシキスミレ

サンシキスミレとは!
サンシキスミレ(学名:Viola tricolor)は、別名では「サンショクスミレ」「ビオラ・トリカラー」「ワイルドパンジー(wild pansy)」「ジョニー・ジャンプ・アップ(Johnny Jump up)」「ハートシーズ(heartsease)」とも呼ばれているスミレ科ビオラ属(スミレ属)の一年草または短命の多年草です。
サンシキスミレの原産地はヨーロッパとアジア西部で、自生地は草原や牧草地、開けた潅木地や海岸砂浜などで見られます。
サンシキスミレの特徴
- サンシキスミレの魅力:本種は栽培種のパンジーの親種の一つとして知られています。パンジーと比べると、開花期間が春から夏頃で冬に咲くことは基本的になく、茎が長く伸びて倒れたり匍匐しやすい傾向があり、また花径も1~3cm程と小さめですが、花の色は紫色・白色・黄色の3色で構成されていてパンジーに負けないくらいにカラフルで魅力的です。そのため、観賞用として栽培されたり、また食用や薬用として利用されることもあります。
- 草姿:草丈は約10~40cm、生育型は分枝型または匍匐型で、茎は直立したり、倒れて匍匐したりします。
- 葉の特徴:茎の節間は株の根元ほど詰まり上部は節間が開く傾向にあるため、葉序は互生ですが生育初期は葉が密生してロゼットを形成しているように見えます。葉の概形は卵形・披針形をしており、葉縁部は鋸歯があり、葉の色は緑色です。
- 花の特徴:開花期は3月~7月頃、花序は単生で、葉腋から伸びる花柄の先端に一個の花をつけます。本種は、花のサイズが1~3cmと小振りで、花冠はスミレ形花冠と呼ばれる独特な形状をしており、花の色は紫色・白色・黄色の複色です。



