- 原産:アルゼンチン/ブラジル/パラグアイ/ウルグアイ
- 科:クマツヅラ(Verbenaceae)
- 属:バーベナ(Verbena)
- 種:ヒメビジョザクラ(Verbena tenera)
- 同義語:グランデュラリア・テネラ(Glandularia tenera)
- 別名:バーベナ・テネラ/宿根バーベナ
- 品種:ローズ(Glandularia tenera cv.)
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:レッドピンク
- 葉の色:緑色
- 生活形:多年草
- 草丈:約10~25cm
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/カラーリーフ/種から育てる植物
- 購入方法:バーベナ・テネラ(ローズ)を楽天で購入
■バーベナ・テネラ(ローズ)の特徴
- 学名:Glandularia tenera cv.
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:レッドピンク
- 葉の色:緑色
- 草丈:約10~25cm
- 色彩効果:濃桃色は派手さがあり元気な印象を与えたり、また女性的な可愛らしさを感じさせます。そのため、複数の鮮やかな色を組み合わせたカラーガーデンや、可愛いをテーマにするお庭などにおすすめです。
■ヒメビジョザクラとは!?

ヒメビジョザクラ(学名: Glandularia tenera)は、同義語でバーベナ・テネラ(Verbena tenera)としても扱われており、別名で「グランデュラリア・テネラ」「宿根バーベナ」とも呼ばれるクマツヅラ科グランデュラリア属、以前はバーベナ属に分類されていた種の多年草です。
ヒメビジョザクラの原産地は南アメリカ(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)で、自生地は日当たりの良い疎林や草原、岩場や荒地などです。
■ヒメビジョザクラの語源(由来)
- Verbenaの語源:ラテン語で宗教的な儀式で使用される神聖な植物の「葉」または「小枝」を意味しており、またインド・ヨーロッパ祖語で「回す」「曲げる」を意味する「werb」に由来します。
- teneraの語源:ラテン語で「繊細」「優しい」「細い」などを意味しており、本種の細く裂けた葉や華奢な茎が繊細で柔らかな印象を与える所に由来します。
■ヒメビジョザクラの特徴(魅力)
- 形態:草丈は約10~25cm、生育型は匍匐型で茎は地表を這うように広がります。葉序は対生、葉の形は羽状全裂・2回羽状全裂で、裂片は細い線形をしています。花序は穂状花序、花序の形は初期は半球形ですが、開花が進むと花軸が延び細長くなります。ただし、下の部分の花の花弁は落ちて、上部に花が集まるため、開花部は半球形の見た目を保つ傾向にあります。
- ライフサイクル:生活形は多年草です。
- 春:冬越しした地際の茎から萌芽し新しい茎が伸長して葉を展開し、開花も始まります。
- 夏:茎が伸長したり分枝しながら開花が続きます。
- 秋:生育と開花が続きます。
- 冬:霜が降りると地上部の多くが枯れて地際の茎が残ります。
- 近縁種との比較:本種は多くの近縁種と違って、生育型が匍匐型で地表を覆うように茎が拡がります。また葉は羽状全裂し裂片が細く裂けているため繊細な見た目をしています。
- 開花期間:開花期間は5月~11月、連続開花性も比較的に優れており花が咲き続けます。そのため、花を長く楽しみたい人に人気がある植物です。
- 花の魅力:本種は、小花が半球形に集まり咲くレースのような見た目をした上品な花姿、紫色や桃色や白色の鮮やかな花色が魅力の植物です。 また花は地表を覆うように咲くため、開花期には花絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すこともできます。
- カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、品種により黄色の葉色も見られます。そのため、品種を選べば明るさを感じさせるカラーリーフを楽しむこともできます。
- 地被植物:本種は、生育型が匍匐型で地表をマット状に広がる性質から優れた地被植物として利用する事ができます。本種の魅力は株を覆うように咲く美しい花にあるため、開花期になると花が株を覆い花絨毯の美しい景観を作り出します。
■ヒメビジョザクラの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:多年草
- ライフサイクル:春は冬越しした地際の茎から萌芽し茎が伸長して葉を展開し、開花も見られます。夏は茎が伸長したり分枝しながら開花も続きます。秋は生育と開花が続きます。冬は霜が降りると地上部の多くが枯れて地際の茎が残ります。
- ラウンケルの生活形:半地中植物
- 草丈:約10~25cm
- 生育型:茎が地表を匍匐して広がる匍匐型です。
- 茎の種類:匍匐茎・傾状茎
- 匍匐茎:茎が地表面を這って伸びるもので、節からは不定根が生じます。
- 傾状茎:茎は横に張って伸びて途中で先端が立ち上がります。
- 茎の断面:四角形
- 茎の毛:有毛
- 茎の色:一般的に緑色ですが、アントシアニンの影響で紫色・赤紫色になることもあります。
●葉の形態
- 葉序:対生葉序
- 葉柄:無柄・有柄(極短い)
- 葉身の概形:羽状全裂・2回羽状全裂
- 裂片の形:線形
- 葉の毛:有毛
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:穂状花序で、花は花軸が伸びながら下から上に開花していきます。花序の形は初期は半球形ですが、開花が進むと花軸が延び細長くなります。ただし、下の部分の花の花弁は落ちて、上部に花が集まるため、開花部は半球形の見た目を保つ傾向にあります。
- 苞:小花の基部にあります。
- 花:花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えています。
- 萼:合片萼で、裂片は5個、色は緑色・紫色・赤紫色、有毛です。
- 花冠:高杯形花冠です。花冠筒部は細長い筒状、花冠裂片は開出して平開しており、花冠裂片の数は5枚、裂片の形は倒心形で、色は紫色・桃色・白色です。
- 雄蕊:4本(二強雄しべ)
- 雌蕊:1本
●果実・種子の形態
- 果実の分類:分離果で、果実が熟すと心皮ごとに縦に分離し、4個の分果となります。
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ヒメビジョザクラの園芸品種を紹介
●オーレア
学名:Glandularia tenera ‘aurea’
開花時期:5月~11月
花の色:白色
葉の色:黄緑色・黄色
草丈:約10~25cm
カラーリーフ:葉の色は黄色または黄緑色をしています。黄色は子供っぽく元気な印象を与えたり、また太陽のように明るい印象を与えるため、子供が好むような明るいお庭や、色をテーマにしたカラフルなお庭などによく調和します。
●パープルストライプ
学名:Glandularia tenera ‘purple stripe’
開花時期:5月~11月
花の色:紫色・白色
葉の色:緑色
草丈:約10~25cm
色彩効果:紫色を基調として、白色のアイ模様が入ります。紫色と白色は、高貴さと純真さ、洗練された印象を与えるため、格調高いエレガントなお庭を演出したり、神秘的で秘密の花園のようなミステリアスなお庭を演出するのにおすすめです。
●レッド
学名:Glandularia tenera cv.
開花時期:5月~11月
花の色:赤色
葉の色:緑色
草丈:約10~25cm
色彩効果:鮮やかな赤色は、高級な「赤ワイン」や「絨毯」の色を想像させたり、また心理的には「情熱」を抱かせます。そのため、高級感を感じさせるラグジュアリーなお庭や、情熱的な愛を彷彿させるロマンチックなお庭、また派手で視線を引きつける働きがあるためフォーカルポイントとして働かせたり、他の鮮やかな原色と組み合わせるとカラフルでポップなお庭に演出することもできます。
■バーベナ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ヒメビジョザクラの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:温帯草原・ステップ・サバンナ等
- 原産地:南アメリカ(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)
- 自生地:日当たりの良い疎林や草原、岩場や荒地など
- 気候:主に温暖湿潤気候・サバナ気候・ステップ気候に属します。夏の気温は高温になり、冬の気温は比較的温暖です。降水量は温暖湿潤気候では中程度ですが、サバナ気候やステップ気候では乾季が長く乾燥気味です。
- 日照:日向・半日陰
- 土壌:主にアクリソル(Acrisol)・アリソル(Alisol)・ニチソル(Nitisol)・フェオゼム(Phaeozem)・フェラルソル(Ferralsols)・リキシソル(Lixisols)・ルビソル(Luvisols)などが分布します。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ヒメビジョザクラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂壌土または壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(腐葉土など)を用土全体の2割を目安に混ぜ込むとよいでしょう。堆肥を入れることで土壌の通気性・排水性・保水性が改善され、根の活着を高め根張りをよくしたり、堆肥に含有する有機物が微生物の働きを促進して土質を改善したり、さらに植物の栄養補給にも寄与します。
- pH:pHは6.0~7.0の弱酸性~中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は痩せ地にも自生しており、栄養の乏しい土壌で問題なく育ちます。栄養(窒素)の多い土壌では徒長し葉が茂り、花の数が少なくなる傾向があります。一方で、持続的な開花を促すのに、リン酸が多く入る肥料は有益です。そのため、リン酸が多めに入る元肥を入れると良いでしょう。
- 植え付け:苗は浅植え・深植えせずに、標準植えします。標準植えは、根鉢の肩の部分と地面を水平に合わせて、植物の根っこが完全に土に覆われるように植え付けます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
ヒメビジョザクラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想ですが、半日陰までで育てることが可能です。
●培養土
ヒメビジョザクラの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土よりも少し通気性・排水性を高めた培養土がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地はステップ気候の草原などにあり、肥沃な土壌から栄養の乏しい砂質の土壌まで幅広く適応します。そのため、培養土を作成する場合は、通気性・排水性・保水性・保肥力のバランスを良くし、腐葉土のしっかり入る一般的な草花の培養土より少し通気性・排水性を高めた培養土を作成すると良いでしょう。また弱酸性から中性の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 土壌改良材(無機質):本種は通気性と排水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を7割~8割を目安にして多めに配合します。土壌改良材の土粒は小粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性も悪くなり植物の生育が悪くなる原因となるため避けてください。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の2割~3割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
- 元肥:本種は痩せ地にも自生しており、栄養の乏しい土壌で問題なく育ちます。栄養の多い土壌では徒長し葉が茂り、花の数が少なくなる傾向があり、野趣溢れる見た目になるため、肥料は規定より控えめにした方がよいです。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(小粒)4割+硬質赤玉土(小粒)3割+ピートモス(調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土2割+元肥適量
水やりの仕方
ヒメビジョザクラは、自生地がステップ気候の草原などにあり比較的耐乾性が高い植物です。一方で、乾燥し過ぎると成長が抑制されたり、過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因となったり、根の呼吸を妨げて根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりの頻度には注意が必要です。
●栽培環境
- 地植え:基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、夏の季節は高温や強光で乾燥しやすいため水切れしやすく、また雨が降らず土壌が乾燥していたり、土壌が砂質で乾燥しやすい状態にあったり、日向などの乾燥しやすい場所で育てたりしている場合は水やりが必要となります。
- 鉢植え:地植えと比べて、土の容量が限られるため乾燥がかなり早いです。そのため、定期的な水やりが必要となります。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。朝の涼しい時間帯に土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えることが基本ですが、夏場は乾燥が早く、水切れして株が弱りやすいため、土壌や株の状態を見ながら、必要に応じて夕方にも水を与えましょう。ただし、真昼の高温時に水やりを行うと、土の中で水がお湯になり根を傷めることがあるため避けてください。
- 秋の水やり:生育がやや緩慢になりますが、生育期間中です。土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 冬の水やり:休眠期は殆ど水分を吸収しないため、この時期に水分が多いと根腐れを引き起こす原因になります。ただし、土壌が完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後を目安に、必要に応じて水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、季節によっては高温で水がお湯のようになり蒸れて根腐れを引き起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、植物が水分をあまり必要としない夜間にも水がたっぷり残り呼吸を邪魔するなどして根腐れを引き起こす原因になる事があります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいですが、植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ヒメビジョザクラは栄養の少ない痩せた土壌にも生育しています。そのため、腐葉土などの堆肥が配合された土壌であれば、生育に必要な一定の栄養が含まれており、肥料がなくても栽培する事ができます。栄養の多い土壌では徒長し葉が茂り、花の数が少なくなる傾向があり、野趣溢れる見た目になるため、肥料は控えた方がよいです。
剪定のやり方
ヒメビジョザクラは、株の蒸れを抑制したり、草姿の乱れを抑制する目的などで剪定を行うこともできます。
●剪定方法
- 剪定の時期:梅雨前・生育期間中
- 梅雨前の剪定:梅雨前に草姿が乱れた際に、株全体の2分の1から3分の1程度で刈り込みます。これにより通気性が良くなり、新しい脇芽が出て花数が増えます。
- 生育期間中の剪定:株を観察して決められた範囲から逸脱している匍匐茎を探します。逸脱している匍匐茎は剪定して取り除き、定着している株は掘り起こして株分けするか取り除きましょう。
冬越しする方法

Hardiness:7~11
ヒメビジョザクラは、気候が温帯であれば屋外での越冬が可能です。ただし、冷帯では寒さで株が枯れる事もあるため、冬越し対策が必要です。
●冬越し対策一覧
- 軒下に移動する:植物を植えている鉢植えを軒下に移動する事で、霜を避けることができます。霜があまり降りない地域であれば、霜を避けるだけで冬越し出来ることもあります。
マルチング:株の周囲にマルチング資材を入れて株元と根を保護する。根を凍結や霜から守ったり、乾燥対策になったりします。- 方法:霜が降りる前の11月頃に行います。バーク堆肥や藁などのマルチング資材を準備します。育てている植物の周りに、マルチング資材を5~8cmほどの厚みになるように入れます。
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中に入れる方法です。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たりにくくなるため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ヒメビジョザクラは挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
- 播種時期:3月~5月・9月~10月
- 発芽適温:約20度
- 発芽日数:14日以上
- 備考:低温湿層処理・嫌光性種子
種まき手順
発芽促進処理
- 低温湿層処理:自然採種した種は、胚に生理的な成長阻害機構を持ち、発芽が妨げられている状態にあります。そのため、この種子は冬の寒さを自然に経験させるか、または低温湿層処理を行い発芽促進処理を行う必要があります。
- 準備:袋・バーミキュライト・完熟した種を準備する。
- 種子を入れる:袋の中に、軽く湿らせたバーミキュライトを入れて、その中に種を入れる。
- 保管:袋の中の湿潤を保った状態で冷蔵庫(約0~10度)の中に入れて2ヶ月程度保管します。
- 種まき:種まき時期になったら、冷蔵庫から種を取り出して種を撒きます。
- 種まきの時期:3月~5月・9月~10月
- 培土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:嫌光性種子のため、種を撒いたら必ず、光が当たらない程度に覆土します。種は比較的大きいため、撒き方は「点撒き」または「すじ撒き」が良いでしょう。
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでいる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。









