- 原産:地中海沿岸
- 科:キツネノマゴ(Acanthaceae)
- 属:アカンサス(Acanthus)
- 種:モリス(Acanthus mollis)
- 別名:ハアザミ(葉薊)/ベアーズ・ブリーチズ(bear’s breeches)/シードックプラント(sea dock plant)/ベアーズフットプラント(bear’s foot plant)
- 品種:モーニングキャンドル(Acanthus mollis ‘morning candle’)
- 開花時期:6月~8月
- 花の色:紫色・白色・淡い桃色
- 葉の色:緑色・白色
- 分類:多年草
- 草丈:約70~80cm
- 誕生花:6月10日・7月11日
- 花言葉:芸術・技巧・建築・不死
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/背が高い花
- 購入方法:アカンサス(モーニングキャンドル)を楽天で購入
■アカンサス(モーニングキャンドル)の特徴
- 学名:Acanthus mollis ‘morning candle’
- 草姿:叢生
- 花の色:紫色(萼)・白色・淡い桃色
- 葉の色:緑色
- 草丈:約70~80cm
- 備考:モーニングキャンドルは従来のアカンサス・モリスと比べて花付きが抜群によく、沢山の花を咲かせる品種です。
■アカンサス・モリスとは!?
アカンサス・モリスの学名は Acanthus mollis 、別名では「ハアザミ(葉薊)」「ベアーズ・ブリーチズ(bear’s breeches)」「シードックプラント(sea dock plant)」「ベアーズフットプラント(bear’s foot plant)」などとも呼ばれる多年草です。
アカンサス・モリスの原産地は地中海沿岸にあり、自生地は岩の多い丘陵地や森林の中、荒れ地などにあります。
■アカンサス・モリスの語源(由来)
- 属名のAcanthusは、古代ギリシア語で「棘」を意味する「ἀκή (akḗ)」と、古代ギリシア語で「花」を意味する「ἄνθος (ánthos)」の二語で構成されています。
- 種小名のmollisは、ラテン語で「柔らかい」「柔軟」を意味しており、恐らく他のアカンサスの種と比べて、葉の質感または葉の棘が少なかった事に由来します。
■アカンサス・モリスの特徴(魅力)
- アカンサス・モリスの伝承
- アカンサス・モリスの葉は、古代ギリシアの建築家で彫刻家のカリマコス(Callimachus)に影響を与えた事で、コリント式の柱頭のモデルとなり人気を博しました。古代ギリシア以降も建築物や内装の意匠としてアカンサスの葉のモデルとして利用されており、現代でも古典主義の建築物の柱などではアカンサスの葉が見られる事があります。
- 主な特徴と魅力
- アカンサス・モリスの特徴は、草姿が叢生で根茎でゆっくりと広がりながら群生をつくる所、葉は地際から出て地面を覆うように広がるため地被植物となる所、葉のサイズは約50cmと巨大なため強い存在感があり、葉縁部分が羽状に裂けてギザギザとしているためお洒落なファンシーリーフとして楽しめる所、開花は初夏から晩夏頃、最大200cmまで伸びる茎に、大きな花(約4.5cm)が何十個と連なるため豪華な花穂となる所、紫色の萼片と白色の花弁が上品さや気品を感じさせる所などにあります。
- アカンサス・モリスは、高さと立体感を出す草姿・豪華でボリュームのある花・古典主義建築の装飾を想像させるお洒落な葉を鑑賞する目的で栽培されています。用途としては、古代ギリシアをテーマにするギリシャ庭園をつくる時に利用したり、背が高く豪華な花を咲かせるため庭園などの広いお庭などでフォーカルポイントとして利用したり、幾つかの品種は葉の色が白色やクリーム色をしているためカラーリーフとして利用したり、葉が地面を覆うように広がるため地被植物として利用して楽しまれたりします。
- 外観の特徴
- 地面の下に地下茎の中の一種である根茎をもっており、成長するに従って根茎が広がり叢生する。
- 草姿は叢生、草丈は約100~200cm、茎の向きは直立茎、茎の色は緑色・赤紫色・赤褐色です。
- 葉序は根生葉、葉柄は長さ約20~30cm、葉身の長さ約50cm、葉身の幅は約30cm、葉身の形は卵形、葉縁部分は浅裂・中裂・深裂、裂片の形は楕円形、葉の表面には光沢があり、葉の色は緑色です。
- 花序は穂状花序、花の向きは斜上、花は総苞・萼片・花弁・雄蕊・雌蕊で構成される。
- 総苞:総苞は花の基部にある特殊化した葉です。総苞の形状は卵形、縁部分は棘があり、色は緑色をしている。
- 萼:萼は花の最も外側に位置しており、開花前の花を保護する役割を持っていて、葉的な要素を残しています。萼の長さは約3~4cm、萼は萼片が二枚あり上唇と下唇の役割をする、萼片の形状は楕円形・卵形、萼片の色は緑色・紫色・赤紫色です。
- 花冠:花冠は花弁の集合体です。花冠の長さは約4~4.5cm、花冠は花弁が三枚合着しており、先端が浅く裂けて裂片が三個ある、花弁の色は白色・淡い紫色・淡い桃色、花弁の先端部や花脈が淡い紫色になる事がある。
- 雄蕊:雄蕊は花糸と葯で構成されており、葯の中で花粉を形成して放出する働きがあります。雄蕊の数は四本、雄蕊の葯の形は楕円形で色は茶色、葯には白色の毛が生える。
- 雌蕊:雌蕊は子房・花柱・柱頭で構成されており、花粉を受け入れて受粉する器官です。雌蕊の数は一本、雌蕊の色は緑色です。
- 主な用途
- アカンサス・モリスは古代ギリシアの建築物や装飾などのモデルとして利用されており、現代でも古典主義建築の柱のモデルとしてアカンサスの葉が利用されたりします。そのため、ギリシャ庭園などによく合う植物の一つとなります。
- アカンサス・モリスは、茎が垂直に最大200cmまで成長するため庭園などの中で高さや立体感を出したり背景として利用する事ができます。
- アカンサス・モリスは葉の色が緑色の他にも品種によっては白色があったりします。そのため、明るさや神聖さを感じさせるカラーリーフとして楽しむこともできます。
■アカンサス・モリスの園芸品種を紹介
アカンサス・モリス
育て方・楽天で購入
アカンサス・モリスの学名は Acanthus mollis 、別名では「ハアザミ(葉薊)」「ベアーズ・ブリーチズ(bear’s breeches)」「シードックプラント(sea dock plant)」「ベアーズフットプラント(bear’s foot plant)」などとも呼ばれる多年草です。
ハアザミ(葉薊)
育て方・楽天で購入
ハアザミ(葉薊)の学名は Acanthus mollis 、別名では「アカンサス・モリス」「ベアーズ・ブリーチズ(bear’s breeches)」「シードックプラント(sea dock plant)」「ベアーズフットプラント(bear’s foot plant)」などとも呼ばれる多年草です。
タスマニアエンジェル
学名:Acanthus mollis ‘tasmanian angel’
草姿:叢生
花の色:白色・桃色
葉の色:緑色・白色
草丈:約50~100cm
備考:タスマニアエンジェルはホワイトウォーターよりも、白色の班がよくはいります。桃色の花と白色の葉は上品さや可愛らしさを感じさせるため、可愛いをテーマにするお庭や、上品さを感じさせるお庭などによくあいます。
ホワイトウォーター
学名:Acanthus mollis ‘whitewater’
草姿:叢生
花の色:白色・桃色
葉の色:緑色・白色
草丈:50~100cm
備考:葉の中に白色の班が入るため、明るさや上品さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる。開花期は桃色と白色の複色の花が咲くため可愛らしさも感じさせる品種です。
モーニングキャンドル
学名:Acanthus mollis ‘morning candle’
草姿:叢生
花の色:紫色(萼)・白色・淡い桃色
葉の色:緑色
草丈:約70~80cm
備考:モーニングキャンドルは従来のアカンサス・モリスと比べて花付きが抜群によく、沢山の花を咲かせる品種です。
■アカンサスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■アカンサス・モリスの育て方
花壇の土づくり
環境
アカンサス・モリスは、自生地が岩の多い丘陵地や森林の中、荒れ地などにあります。
日当り
アカンサス・モリスは、日光のよく当たる場所で最もよく成長します。ただし夏場の乾燥等により株が弱る事もあるため環境に合わせた場所で育てる事も大切です。
そのため基本的には日向または午後から日陰になる半日影で育てる方が良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
アカンサス・モリスは、基本的に乾燥に強く、幅広い土壌に適応することが出来ます。
ただし、ほんのりと湿り気のある肥沃な土壌で最もよく成長するため、植え付けを行う前に、土壌診断を行い、土質を壌土付近に調節して、堆肥もしっかり入れて肥沃な土壌に改良した方がよいでしょう。
注意することは水捌けの悪い場所で育てたり、粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあるため注意が必要です。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アカンサス・モリスは、日光のよく当たる場所で最もよく成長します。ただし夏場の乾燥等により株が弱る事もあるため環境に合わせた場所で育てる事も大切です。
そのため基本的には日向または午後から日陰になる半日影で育てる方が良いでしょう。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性・保水性のバランスを考えた用土の構成にする。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を利用したり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 日向土(細粒・小粒)+ピートモス+くん炭=5:4:1
培養土は基本用土を単体で使うか、または基本用土をベースにしながら改良用土を組み合わせて作ります。
植物の育ってきた環境、水やりの頻度、用土の費用などを考えて培養土を作ると良いでしょう。
基本用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
アカンサス・モリスは、一度根付いてしまえば乾燥に強くなるため、殆ど水やりをしなくてよくなります。
ただし、鉢植えで育てている場合は土壌の乾燥が早くなるため定期的に水やりをする必要があります。また水やりの効果で株も大きく成長しやすいため、生育期間中はしっかり水やりをしてあげる方が良いでしょう
注意する事は、極端に過湿状態にしてしまうことです。過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりする頻度などには注意が必要となります。
水やりの与え方
土の表土が乾いたタイミングで水を与えます。特に、成長期に水を与える事で、株がしっかりと成長します。
水やりのタイミング
- 表土の乾いたタイミング
- 土の表土(表面)の色が、濡れているなら黒っぽく、乾いたら白っぽくなるため、目視で乾いたのを確認する。
- 目視で確認が難しい場合は、表土を触って乾燥を確認する。
- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
鉢内または表層が乾いたタイミング透明な鉢植えで育てると土の色の変化が分かるため、目視で確認する。鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、持ち上げてみて土の乾きを判断する。割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串を色と湿り気を見て確認する。サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
肥料の与え方
アカンサス・モリスは、土壌に十分な肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。
早春に一度だけ株の周りに堆肥を入れて上げたり、有機肥料や緩効性肥料を入れて上げるとよいでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期
- 植え付け時、または晩冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方
- 地植えの場合は土壌改良を行い堆肥(腐葉土や牛糞堆肥等)をいれて混和するか、株の上に堆肥を盛るか、周囲に穴を掘り堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替え時に牛糞や腐葉土のしっかり入る新しい培養土を使うか、古い土を再利用する場合は、古い土の中に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用しましょう。
- 肥料を与える時期
- 晩冬から早春
- 肥料の選び方
- 肥沃な土壌を好むため有機肥料や配合肥料などがおすすめですが、使い勝手の良い緩効性肥料もおすすめです。
- 肥料の与え方
- 有機肥料を与える場合は、規定された分量を規定された場所に与えます。有機肥料を土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を埋めるとよいでしょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を規定された場所に与えます。基本的には株から少し離れた場所に根があるため、肥料は株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。
剪定のやり方
アカンサス・モリスは剪定をしなくても問題ないですが、開花後に花を茎の下から剪定すると健康な葉の成長を促すことが出来ます。また早春頃に枯れた葉や古い葉を取り除く事で、新しい葉に光がしっかりと当たり成長しやすくなります。
夏越しする方法
アカンサス・モリスは、夏の暑さに耐えますが、強い日差しが当たると葉焼けを引き起こすことがあります。
そのため、夏場は、西日の当たらない半日影で育てた方が、株が弱りにくいでしょう。
冬越しする方法
Hardiness:7~9
アカンサス・モリスは耐寒性が高いため、平地や暖地であれば基本的に冬越しの準備をする必要はありません。
- 地植えしている場合
- 土壌の表面を腐葉土・バーク堆肥・寒冷紗等で覆いマルチングする事で、根を乾燥・寒さ・霜から守り冬越しがしやすくなります。
- 株の周りに支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、ミニ温室を作って上げる事で寒さや霜から植物を守る事ができます。
- 鉢植えで管理している場合
- 寒さの厳しい地域であれば、日当たりの良い屋内や、温室に移動して管理しましょう。
挿し木や株分けで増やす
アカンサス・モリスは挿し木によって増やす事ができます。
株分けの方法
- 株分けに適する時期
- 早春または晩秋が最適です。
- 株を掘りあげる
- 株をスコップで掘りおこし、土を軽く落として根茎の広がりと茎(芽)の位置を確認します。
- 株を分割する
- 根茎に数個の芽を付けて、手またはナイフなどを使って株を二つに分割しましょう。
- 株分け後の管理
- 切り離した株は、そのまま土壌に植え付けるか、植え付け時期まで適切に保管しておきましょう。
根挿しの方法
- 根挿しに適する時期
- 根挿しに適した時期は秋から冬です。
- 株を掘りあげる
- スコップで株を掘り上げて太い根を10cm前後で切り取ります。
- 植え付ける
- 無菌の培養土を準備して少し湿らせておきます。
- 培養土の中に切り分けた根を横向きにして埋めましょう。
- 根挿し後の管理
- 芽が出るまで培養土を湿らせ管理します。
播種で増やす
アカンサス・モリスの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アカンサス・モリスの病気
アカンサス・モリスの害虫