ラベンダーは属の中に約47種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、イングリッシュラベンダーは葡萄のような可愛らしい花の形と果物を思わせるような甘い香りで古くから愛されており、またフレンチラベンダーは花の苞葉が他のラベンダーと比較して大きく発達しているため花の形が兎の耳のような可愛らしい外観をしています。
上記の他にも、このページでは様々な種や園芸品種を紹介しています。育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらも合わせてご活用下さい。
目次
ラベンダーの簡易比較
ラベンダーは、花や葉を観賞する目的・香りを楽しむ目的・花材に利用する目的等の様々な用途で利用されます。ここでは、園芸でよく利用されるラベンダーを用途に合わせて簡易比較しています。
ここで、自分に合うラベンダーを見つけて、そこから好みの品種を探して見てください。
名称 | 開花の長さ | 香り | カラーリーフ | 花材 |
---|---|---|---|---|
イングリッシュラベンダー | △○ | ◎ | △ | ◎ |
ラバンディン | △ | ◎ | △ | ◎ |
フレンチラベンダー | △ | △ | ○ | ○ |
デンタータ | ◎ | ○ | ○ | △ |
レースラベンダー | ◎ | ○ | ○ | △ |
ラベンダーの主な原種と園芸品種の紹介
- イングリッシュラベンダー
- ラバンディン
- フレンチラベンダー
- ラベンダー・デンタータ
- レースラベンダー
- ラベンダー・ムルチフィダ
- ラベンダー・ピナータ
- ラベンダー・アラルディ
- ラベンダー・チャイトリアエ
- スパイク・ラベンダー
- カナリー・ラベンダー
- ラベンダー・ビリディス
イングリッシュラベンダー
イングリッシュラベンダーの学名はLavandula angustifoliaまたは同義語でLavandula officinalis、一般的にラベンダーと呼ぶ場合はこの種をさしている事が多く、また別名では「コモン・ラベンダー(common lavender)」や「ラベンダー・アングスティフォリア」とも呼ばれています。
イングリッシュラベンダーの原産地は地中海沿岸にあり、岩の多い乾燥した場所や牧草地などに自生しています。
イングリッシュラベンダーの特徴は、花の香りが他のラベンダーと比べて甘くフルーティな所、花の下にある苞が他のラベンダーと比べて目立たないため花の蕾の形が際立ち、花全体が果物のブドウのような可愛らしい見た目をしている所、葉の形が線形で細くシャープな見た目をしている所等にあります。
イングリッシュラベンダーは、紫色の上品な花を鑑賞する目的・香りを楽しむ目的・花材として楽しむ目的・料理に使用する目的等で栽培されており、非常に人気の高い植物です。
イングリッシュラベンダーの園芸品種の紹介
四季咲き品種
フォーエバーブルー
- ラベンダー(フォーエバーブルー)は、夏の間も花を咲かせ続ける耐暑性を兼ね備えたラベンダーです。そのため、晩春から夏を越えて秋まで花が開花し続ける事があります。
- 花の色は蕾が非常に濃い青紫色をしていて、蕾から明るいラベンダー色の花を咲かせます。そのため、上品で落ち着いた雰囲気のお庭などによくあいます。
- 花茎は少し長くなる傾向があり、分岐がよく樹形がブッシュ状になるため、地植えするとボリュームのよい見た目となります。
- 株の樹高は約30~80cmになります。
センティヴィア ブルー
- ラベンダー(センティヴィア ブルー)は、四季咲きの性質があるため、春の開花後にしっかり切り戻す事で、秋にも花が楽しめます。そのため、何度もラベンダーの花を楽しみたい人におすすめの品種です。
- 花の色は蕾が濃い紫色で、蕾から明度の高い薄い紫色の花が咲きます。そのため、落ち着いた雰囲気と上品な雰囲気を感じさせるエレガントなお庭などによく合う品種です。
- 株は基部でよく枝分かれるする性質がある事からフサフサとしたボリュームのある樹形になりやすいです。
- 樹形はブッシュ状、株は樹高が約50cm、幅が約30cmになります。
長崎ラベンダー
- 長崎ラベンダーは、1998年に長崎県率大村城南高校で他とは違う性質を持ったラベンダーが発見された事で育成プロジェクトが発足して生産・研究がされているラベンダーのシリーズです。
- 長崎ラベンダーは、高い耐熱性があるため夏越しがしやすい所が魅力です。
- 四季咲きの性質があるため、春の開花後にしっかり切り戻す事で、秋にも花が楽しめます。そのため、何度もラベンダーの花を楽しみたい人におすすめの品種です。
- 長崎ラベンダー・シリーズの品種
- しずか:早咲き性があるため長崎ラベンダーの中で最も早く開花が始まります。株の分枝が良く、次々と花を咲かせる多花性の性質があるため開花期はボリュームのある花姿が楽しめる事はもちろん、四季咲き性があるため普通のラベンダーよりも長く花を楽しめます。
- しおり:開花は初夏と秋にあり、花は花穂が大きいためボリュームがあり、鮮やかな紫花が上品さを感じさせる園芸品種です。優れた耐熱性があるため、夏越しがしやすくなっています。
- ナイトブルー:長崎ラベンダーの中で最も濃い濃紫色の花色が特徴の園芸品種です。返り咲き性があるため、初夏と秋に二回花を楽しめます。また暑さに強いため夏越しが普通のイングリッシュラベンダーよりも楽になります。
- リトルマミーは、城南一号に続く改良品種です。城南一号と比べて、草丈が低いため鉢植え等でも育てやすく、また早咲き性があるため早くから開花が楽しめます。花の色は紫色、四季咲き性があるため何度も花が楽しめて、また優れた耐熱性があるため夏越しが楽になります。
- 城南一号は、大村城南高校で育種された品種です。四季咲き性と優れた耐熱性が特徴で、爽やかな印象を与える薄い紫色の花を咲かせます。
カラーリーフの品種
香りが良い品種
おかむらさき
- ラベンダー(おかむらさき)は、オカムラサキから抽出された精油は、フランスで開催されたラベンダーオイル品評会で最高賞を受賞した事からも分かる通り、非常に良い香りがあります。
- そのため、ガーデンファニチャーの傍や、エントランスガーデンなどの人がよく通る場所等で育てながら香りを楽しんだり、収穫してドライフラワーやポプリにするとよいかもしれません。
- 花穂が長いため花材として利用しやすかったり、長く花の香りが楽しめたりします。
- 花の色は蕾が濃い紫色で、蕾から明度の高い薄い紫色の花が咲きます。そのため、落ち着いた雰囲気と上品な雰囲気を感じさせるエレガントなお庭などによく合う品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は樹高が約60~80cmまで成長します。
ロングセラー
その他
- 開花長い
- スイート・ロマンス
- エレガンスパープル
- 花の色の変化
- カノンスター
- ココナッツアイス
- 白花
- ナナアルバ
- ブルーマウンテン・ホワイト
- 桃花
- ミスキャサリン
- ナナロゼア
- シャインピンク
- ピンクパフューム
- 矮性品種
- アヴィニョン アーリーブルー
- シャインブルー
- スーパーブルー
- ブルースピア
- ブルークッション
- ドワーフブルー
- ブルーリバー
- ブルーセントアーリー
- 香りが良い
- リトルロッティー
- ラバンスディープパープル
- 生垣
- インペリアム ジェム
- ブルーマウンテン
- その他
- エレガンス・シリーズ
- オックスフォードゼム
- カシオペア
- しほ
- 濃紫早咲き3号
- バイオレットメモリー
- ピーターパン
- ビーチウッドブルー
- フォーボーストーム
- 富良野ブルー
- ブルーアイス
- ホルゲイト
- メリッサライラック
- ロドンピンク
ラバンディン
ラベンダー(ラバンディン)は学名Lavandula × Intermedia、別名では「ラベンダー・インターメディア」や「ハイブリッド・ラベンダー(Hybrid Lavender)」等とも呼ばれる常緑低木です。
ラベンダー(ラバンディン)は野生に自生している原種ではなく、イングリッシュ・ラベンダー(L. angustifolia)とスパイク・ラベンダー(L. latifolia)の交雑種になります。
ラベンダー(ラバンディン)の特徴は、イングリッシュラベンダーと比べて花数が多く、茎が分枝して沢山の花穂を作ったり花穂が長かったりする所、イングリッシュラベンダーと比べて精油の採れる量が多くて数倍から十倍程度まである所、精油には基本的に樟脳が含まれているため薬品のようなシャープな香りがする所、樟脳が含まれているため料理用途にはあまり使われない所、イングリッシュラベンダーと比べると耐湿性や耐暑性が高めなため育てやすい所などにあります。
ラベンダー(ラバンディン)は、花の数が多くて精油も沢山とれて香りもよい事から、花材をとる目的で栽培されたり、商業的に精油をとる目的地で栽培されたりしています。また上品な紫花を鑑賞する目的、大株に成長する事から生垣として利用する目的等で栽培される事もあります。
ラバンディンの園芸品種の紹介
おすすめの品種
グロッソ
- ラベンダー(グロッソ)は、最も香りが強く香りが長続きするラベンダーの1つとして知られており、香りは樟脳特有のスッキリした薬品のような香りが混ざります。
- 非常に高品質の精油が取れる事から、商業的に広く栽培されており、精油は香水の原料だったりアロマオイルだったりに幅広く活用されています。
- グロッソは花の生産量が多いため、ドライフラワーやポプリなどの花材をとる目的で栽培するのにも向いています。
- 花穂の長さは15cm程度に達する事もあり、花の色は蕾が灰色で、蕾から紫色の花が咲きます。そのため、シャープなカッコ良さや上品さを感じさせることができます。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約60~90cm、幅は約60~90cmまで成長します。
おすすめの品種
フレンチラベンダー
フレンチラベンダーの学名はLavandula stoechas、別名では「ラベンダー・ストエカス」や「スパニッシュ・ラベンダー(Spanish lavender)」等とも呼ばれる常緑低木です。
フレンチラベンダーの原産地は地中海沿岸(南ヨーロッパ・北西アフリカ)にあり、開けた森林の中や岩の多い乾燥した荒地や牧草地などに自生しています。
フレンチラベンダーの特徴は、花頂部に長い苞葉があり花の形が「天使の羽根」や「うさぎの耳」のように見える所、花は他のラベンダーと比べて苞葉が大きく発達しているため本物の花が目立たない所、花の色が豊富にあり赤花も楽しめる所、葉に薬品を思わせるようなスッキリした匂いがある所、葉の形が線形で細くシャープな見た目をしている所、葉の色が白色を帯びておりシルバーリーフにもなる所等にあります。
フレンチラベンダーは、一般的にユニークな見た目の花や美しいシルバーリーフを鑑賞する目的で育てられており、また花を収穫して花材として利用する目的で栽培される事もあります。
フレンチラベンダーの園芸品種の紹介
シルバーリーフ
シルバーアヌーク
- フレンチラベンダー(シルバーアヌーク)は、従来のフレンチラベンダーよりも葉の色がより白くて長持ちするため、殆ど一年を通してシルバーリーフとして楽しめる園芸品種です。
- シルバーリーフは他の色との協調性がとても高く、周囲の色を引き立てる優れた働きがあります。また紫花との相性がとても良いため、上品さや高級感を感じさせるためラグジュアリーなお庭やエレガントなお庭などによくあいます。
- 花の色は、側面の苞葉が灰色・頂部の苞葉が紫色・花の色が濃い紫色です。そのため、上品さや優雅さをテーマにするエレガントガーデン等にピッタリな品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約50cm、幅は約40cmになります。
プリンセス・ゴースト
- フレンチラベンダー(プリンセス・ゴースト)は、オーストラリアのウォンガ・パークで新しく育種された園芸品種です。
- プリンセス・ゴーストの特徴は従来のフレンチラベンダーと比べて遥かに白く美しい白銀色のシルバーリーフと可愛らしさを感じさせる桃花にあります。
- シルバーリーフと桃花の組み合わさは、女性が好むジュエリーのような可愛らしさと美しさがあります。そのため、高級感のあるラグジュアリーなお庭や、可愛いをテーマにするお庭などによく合う園芸品種です。
- 花の色は、側面の苞葉が暗紫色・頂部の苞葉が桃色・花の色が明度の高い紫色です。そのため、可愛らしさや上品さを感じさせるお庭等にピッタリな品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約30~40cm、幅は約30~40cmになります。
花が個性的な品種
マグナムスターパープル
- フレンチラベンダー(マグナムスターパープル)は、小林花卉さんイクシュのオリジナル品種です
- マグナムスターパープルの特徴は従来のフレンチラベンダーと比べて花穂がとても大きく、また長い苞葉が側面からも出るため、八重咲き花のような豪華な花姿が楽しめる所にあります。
- 花の色は、側面の苞葉が緑色・頂部の苞葉が薄い紫色・花の色が濃い紫色に白色の覆輪が入ります。そのため、上品さや優雅さをテーマにするエレガントガーデン等にピッタリな品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約40~55cmになります。
金魚の舞
- フレンチラベンダー(金魚の舞)は、ジャパンフラワーセレクション(2019-2020)の鉢物部門でジャパンフラワーセレクション入賞をした品種です。
- 金魚の舞の特徴は、花穂の側面からも長い苞葉がでるため八重咲き花のような豪華な花姿が楽しめる所、長い苞葉の色が1ヶ月程度経過すると紫色から桃色へと変化する所などにあります。
- 花の色は、側面の小さな苞葉が緑色から灰紫色・頂部と側面の長い苞葉が紫色から桃色・花の色が濃い紫色です。そのため、上品さや優雅さをテーマにするエレガントガーデン等にピッタリな品種になります。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約20~60cmになります。
開花期間が長めの品種
プリマベーラ
- フレンチラベンダー(プリマベーラ)は、花の大きさが咲き進むにつれて大きくなる所、開花期間がとても長く秋の終わり頃まで花が咲くこともある所などにあります。
- 花の色は、側面の苞葉が灰紫色・頂部の苞葉が鮮やかな紫色・花の色が濃い紫色です。そのため、格式高く高貴な印象を与えるお庭や、深い闇や魔法などの神秘性を感じさせるテーマガーデンなどにおすすめです。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約30~50cm、幅は約30~50cmに成長します。
園芸シリーズ
クラウン・シリーズ
- フレンチラベンダー(クラウン・シリーズ)は、小林花卉さんオリジナルのストエカス種の園芸シリーズです。
- クラウン・シリーズは従来のフレンチラベンダーと比べて花のサイズが大きく、王冠を思わせるような巨大輪の花を咲かせる園芸シリーズです。
- 花の色は、シリーズの中の品種によって変わり、鮮やかなピンク色が魅力的な「ガーネット」や、白色の苞葉とパールピンクの花が優しい雰囲気をつくる「ピンクパール」などがあります。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約30~60cm、幅は約40~50cmに成長します。
ラビノバ・シリーズ
- フレンチラベンダー(ラビノバ・シリーズ)は、従来のフレンチラベンダーと比べて耐湿性があるため育てやすく、また開花期間が長めな所が魅力の園芸シリーズです。
- 花の色は、シリーズの中の品種によって変わります。
- ライトピンク:側面の苞葉は緑色・頂部の苞葉は薄い桃色・花の色が薄い桃色です。薄い桃色は女性的な印象や優しい印象を与えるため、可愛いお庭などにピッタリな品種です。
- ホットピンク:側面の苞葉は緑色または暗色・頂部の苞葉は薄い赤ピンク色・花の色が濃い赤ピンク色です。赤ピンク色は元気の良さや可愛らしさ、華やかさ印象を感じさせるため、可愛いをテーマにするお庭や複数の原色を組み合わせた明るくカラフルなお庭などにピッタリな品種です。
- パープル:側面の苞葉は暗紫色または暗色・頂部の苞葉は紫色・花の色が濃い紫色です。そのため、高貴さを感じさせる格式高いお庭や、上品さや優雅さをテーマにするエレガントなお庭などにピッタリな品種です。
- ホワイト:側面の苞葉は緑色・頂部の苞葉は白色・花の色が白色です。そのため、明るさや神聖さを感じさせるお庭などによくあいます。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約40~50cmに成長します。
シフォン・シリーズ
- フレンチラベンダー(シフォン・シリーズ)は、矮性でコンパクトに成長する性質があり、株の根元での分枝がよく株を覆うようにたくさんの花を次々と咲かせる園芸シリーズです。
- 花の色は、シリーズの中の品種によって変わります。
- パープルウイング:花の色は側面の苞葉が暗紫色・頂部の苞葉は暗紫色・花の色が紫色です。そのため、高貴さを感じさせる格式高いお庭や、上品さや優雅さをテーマにするエレガントなお庭などにピッタリな品種です。
- ディープローズ:花の色は側面の苞葉が緑色または暗色・頂部の苞葉は桃色・花の色が濃い桃色です。そのため、可愛いをテーマにするお庭等にピッタリな品種です。
- ホワイトフロスト:花の色は側面の苞葉が緑色・頂部の苞葉は白色・花の色が紫色です。そのため、上品さを感じさせるような園芸品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約30cmに成長します。
ラヴェアンナ・シリーズ
- フレンチラベンダー(ラヴェアンナ・シリーズ)は、一般的なフレンチラベンダーよりも早く開花が始まる早咲き性があり、株の根元での分枝がよく茎は直立に成長するためボリューム感と行儀の良さを感じさせる園芸シリーズです。
- 花の色は、シリーズの中の品種によって変わります。
- ロリポップ:花の色は側面の苞葉が灰色・頂部の苞葉は桃色・花の色が桃色です。そのため、可愛いをテーマにするお庭等にピッタリな品種です。
- ホワイトフロスト:花の色は側面の苞葉が緑色・頂部の苞葉は白色・花の色が紫色です。そのため、上品さを感じさせるような園芸品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約30~40cm、幅は約30~40cmに成長します。
シフォン・シリーズ
- フレンチラベンダー(ラベラ・シリーズ)は、株の根元からの分枝がよく、茎は直立に成長するためボリューム感と行儀の良さを感じさせる園芸品種です。
- 花の色は、シリーズの中の品種によって変わります。
- ピュアホワイト:花の色は側面の苞葉が緑色・頂部の苞葉は白色・花の色が白色です。そのため、明るさや清潔感を感じさせるお庭や、神聖さを感じさせるギリシャ庭園などによくあいます。
- ディープピンク:花の色は側面の苞葉が灰紫色・頂部の苞葉は明るい桃色・花の色が濃い桃色です。そのため、可愛いをテーマにするお庭や恋心をくすぐるようなロマンチックなお庭などによく合う園芸品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は高さ約20~60cmに成長します。
その他
ラベンダー・デンタータ
ラベンダー・デンタータの学名はLavandula dentata、別名では「フリンジ・ラベンダー(fringed lavender)」や「フレンチ・ラベンダー(French lavender)」等とも呼ばれる常緑低木です。
ラベンダー・デンタータの原産地は地中海沿岸およびアラビア半島にあり、石灰岩で形成された岩の多い乾燥した丘や開けた森などに自生しています。
ラベンダー・デンタータの特徴は、葉の形が細長くシャープで縁部分に鋸のようなギザギザした切れ込みが入る所、植物全体に芳香がありユーカリや薬品の匂いが楽しめる所、開花が長く理想的な環境では花が周年見られる所、フレンチラベンダー(ストエカス種)と比べると上部の苞葉は短く側面の苞葉も不揃いな傾向にある所等にあります。
ラベンダー・デンタータは、四季を通じて楽しめるお洒落な花や葉を鑑賞する目的、植物全体から香る爽やかな芳香を楽しむ目的で育てられます。全体的にお洒落な見た目をしている事から、エレガントなお庭などによく合う植物です。
ラベンダー・デンタータの園芸品種の紹介
モネ
- ラベンダー(モネ)は、一般的なデンタータ種よりも葉の色が濃い緑色をしていて、四季咲き性が強く一年を通して花が見られる事があり、また植物全体(特に葉)から魅力的な芳香が漂う魅力的な植物です。
- 花の色は、側面の苞葉が灰色または暗紫色・頂部の苞葉が明るい紫色・花の色が明るい紫色です。そのため、上品さや優雅さをテーマにするエレガントガーデン等にピッタリな品種です。
- 樹形はブッシュ状、株は樹高が約50~100cm、幅が約50~100cmになります。
レースラベンダー
レースラベンダーとは、葉の形が羽状に裂けていて透かし模様が入るレースのような見た目をしているラベンダーの一般名です。主にラベンダー・ピナータ(Lavandula pinnata)とラベンダー・ムルチフィダ(Lavandula multifida)の二種、およびその園芸品種が含まれます。
レースラベンダーの特徴は、葉の形が羽状に裂けているためレース模様のようなお洒落な見た目をしている所、葉は下部に集まりふんわりとしたドーム状の樹形をつくり、花軸が長く伸びて花を咲かせる所、開花期間が長く理想的な環境では一年を通して花が見られる所、花穂が茎の上部に1個または3個つく所、花は花穂の下から上に順に咲くためユニークな花姿をしている所、 植物全体に芳香がありオレガノや木の香りなどを想像させるスパイシーな匂いがする所等にあります。
レースラベンダーは、四季を通じて楽しめるお洒落な花や葉を鑑賞する目的、植物全体から香るオレガノを思わせるスパイシーな芳香を楽しむ目的で育てられます。全体的にお洒落な見た目をしている事から、エレガントなお庭などによく合う植物です。
レースラベンダーの園芸品種の紹介
ラベンダー・ムルチフィダ
ラベンダー・ピナータ
スターマイン・アルバ
- レースラベンダー(スターマイン・アルバ)は福井園芸さん育種のピナータの枝変わり品種です。
- スターマインは花の苞葉が白色を帯びていて、花の色が純白をしています。そのため、明るさや神聖さを感じさせるようなお庭によく合う園芸品種です。
- 葉はシダ植物のように細かく裂けているため透かしの入るレースのような上品な見た目をしており、また葉の色が白緑色のため柔らかな印象やお洒落な印象をあたえます。
- 樹形はブッシュ状、株の高さは約30~60cmに成長します。
その他
エンジェルホワイト
- レースラベンダー(エンジェルホワイト)は、花の苞葉や萼が白緑色をしているため優しい雰囲気があり、花の色が白色と紫色の二色で構成されているため、明るさと上品さを感じさせる園芸品種です。
- 花の色は蕾が白緑色、花が白色と紫色で、筒部と下唇に紫色の班が入ります。そのため、落ち着きや上品さをテーマにするエレガントなお庭等にピッタリな品種です。
- 葉の形はシダ植物のように細かく裂けており、葉の色が白緑色をしているため、柔らかな質感とお洒落な雰囲気があります。また葉には他のムルチフィダ種と同様にオレガノを思わせるような強い芳香があります。
- 樹形はブッシュ状、株の高さは約60~80cmに成長します。
ゆずき
- レースラベンダー(ゆずき)は福井園芸さん育種の園芸品種です。
- ゆづきの特徴は、花の苞葉が白色を帯びていて、花の色が紫色に白色の覆輪が入ります。 そのため、明るさや上品さを感じさせるエレガントなお庭によく合う園芸品種です。
- 葉の形はシダ植物のように細かく裂けており、葉の色が白緑色をしているため、柔らかな質感とお洒落な雰囲気があります。また葉には他のムルチフィダ種と同様にオレガノを思わせるような強い芳香があります。
- 樹形はブッシュ状、株の高さは約30~60cmに成長します。
ラベンダー・アラルディ
ラベンダー・アラルディの学名はLavandula × allardii、英名では「アラルディ・ラベンダー(Allard’s Lavender)」とも呼ばれる常緑低木です。
ラベンダー・アラルディは野生に自生している原種ではなく、スパイク・ラベンダー(L. latifolia)とフリンジラベンダー(L. dentata)の交雑種になります。
ラベンダー・アラルディの特徴は、葉に樟脳を想像させる薬品のような香りがある所、葉の縁部分にギザギザとした鋸葉がある所、植物全体に芳香があり樟脳を思わせる薬品のようなスッキリした香りがある所、花は苞葉よりも小花が目立ち粒粒とした見た目をしている所等にあります。
ラベンダー・アラルディは、主に葉にクリーム色の覆輪が入る園芸品種の「ラベンダー・メルロー」が栽培されています。そのため、一般的にはクリーム色と白緑色の優しい雰囲気をつくる葉を鑑賞する目的、樟脳のスッキリした香りを楽しむ目的で育てられる事が多いです。
ラベンダー・アラルディの園芸品種の紹介
ラベンダー(メルロー)
- ラベンダー(メルロー)は、2011年にニュージーランドのワイウク(Waiuku)で、アラルディ種の中から偶然発見された園芸品種です。
- メルローは、葉の色が白緑色とクリーム色の二色で構成されていて、葉の縁部分にはクリーム色の覆輪が入ります。全体的にパステル調で、明るく柔らかな雰囲気をつくるため、可愛いをテーマにしたお庭や幻想的でメルヘンチックなお庭などによくあいます。
- 植物全体からは樟脳特有の薬品のようなスッキリとした香りあります。そのため、ガーデンファニチャーの近くや小道の近くなどの香りを楽しみやすい場所で管理すると良いかもしれません。
- 花の色は、紫色の蕾から、鮮やかな紫色の花が咲きます。そのため、上品なお庭等によくあいます。
- 樹形はブッシュ状、樹高は約60~90cm、株の横幅は約60~90cmになります。
ラベンダー・チャイトリアエ
ラベンダー・チャイトリアエの学名はLavandula × chaytoriae、野生に自生している原種ではなく、イングリッシュ・ラベンダー(L. angustifolia)とウーリー・ラベンダー(L.lanata)の交雑種の常緑低木です。
ラベンダー・チャイトリアエの特徴は、ウーリーラベンダーのように茎・葉が白色の毛で覆われているため、白色または白緑色の美しいカラーリーフとして楽しめる所、花の下にある苞が目立たず蕾の形が際立つため、イングリッシュラベンダーのような粒粒とした可愛らしい花姿が楽しめる所、茎・葉・萼にはラベンダー特有の心地よい香りがある所などにあります。
ラベンダー・チャイトリアエは、紫色の上品な花を鑑賞する目的・香りを楽しむ目的・カラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されています。
ラベンダー・チャイトリアエの園芸品種の紹介
ソーヤーズ
- ラベンダー(ソーヤーズ)は、花の形が粒粒としていて濃い紫色をしている所、茎や葉が強く白色を帯びているためシルバーリーフとして楽しめる所が魅力の園芸品種です。
- 紫花とシルバーリーフは相性がとてもよく、ジュエリーのような高級感を感じさせるためラグジュアリーなお庭などにおすすめです。
- 花の色は蕾が白紫色、花が濃い紫色をしています。そのため、上品さや優雅さをテーマにするエレガントガーデン等にピッタリな品種です。
- 樹形はブッシュ状、樹高は約30~60cm、株の幅は約30~60cmになります。
スパイク・ラベンダー
スパイク・ラベンダーの学名はLavandula latifolia、別名では「ヒロハ・ラベンダー」や「ラベンダー・ラティフォリア」等とも呼ばれる常緑低木です。
スパイク・ラベンダーの原産地は地中海西部(ポルトガル・スペイン・フランス・イタリア)にあり、石灰岩で形成された岩の多い乾燥した丘や開けた森などに自生しています。
スパイク・ラベンダーの特徴は、花は茎の上部でよく分岐して同時に複数の花穂をつくる傾向にある所、イングリッシュラベンダーと比べて香りが強い所、香りは樟脳が多く含まれているため薬品のような香りがする所、花の形はイングリッシュラベンダーと似ており花の下にある苞が目立たないため花の蕾の形が際立つ所、葉の形が線形またはやや幅広い所等にあります。
スパイク・ラベンダーは、紫色の上品な花を鑑賞する目的・香りを楽しむ目的・花材として楽しむ目的などで栽培される植物です。
スパイク・ラベンダーの園芸品種の紹介
カナリー・ラベンダー
カナリー・ラベンダーは学名Lavandula canariensis、別名では「ラベンダー・カナリエンシス」とも呼ばれるカナリア諸島原産の常緑低木です。
カナリー・ラベンダーの特徴は、葉の形が羽状に裂けているためレース模様のようなお洒落な見た目をしている所、花軸が長く伸びて集散状に複数の花穂をつける所、花穂は非常に長くて鉛筆のように細い所、花は花穂の下から上に順に咲くためユニークな花姿をしている所、 植物全体に芳香がありオレガノや木の香りなどを想像させるスパイシーな匂いがする所等にあります。
カナリー・ラベンダーは、四季を通じて楽しめるお洒落な花や葉を鑑賞する目的、植物全体から香るオレガノを思わせるスパイシーな芳香を楽しむ目的で育てられます。
ラベンダー・ビリディス
ラベンダー・ビリディスは学名Lavandula viridis、別名では「グリーン・ラベンダー(green lavender)」や「イエロー・ラベンダー(yellow lavender)」等とも呼ばれるスペインおよびポルトガル原産の常緑低木です。
ラベンダー・ビリディスの特徴は、花の苞葉が他のラベンダーと比べて大きく発達している所、花の苞葉が緑色をしており種小名の由来にもなっている所、花の小花の色は白色で直ぐに枯れて褐色になりやすい所、花頂部に長めの苞葉がある所、茎や葉には精油が豊富に含まれているため触った時に粘着質な質感がある所、葉にレモンを思わせるような爽やかな香りがある所、葉の形が線形で細くシャープな見た目をしている所等にあります。
ラベンダー・ビリディスは、植物では珍しい緑花を楽しむ目的で栽培される事が多く、またユニークな見た目の花の形や、レモンを想像させるような爽やかな香りも楽しまれます。