
- 原産:フランス/イタリア
- 科:サクラソウ(Primulaceae)
- 属:サクラソウ/プリムラ(primula)
- 種:マルギナータ(Primula marginata)
- 別名:シルバーエッジド・プリムローズ(silver-edged primrose)
- 開花時期:2月~5月
- 花の色:青色・紫色・白色
- 葉の色:緑色・白緑色・灰緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約10~15cm
- 用途:カラーリーフ/観葉植物/種から育てる植物/日陰植物
- 購入方法:プリムラ・マルギナータを楽天で購入
■プリムラ・マルギナータとは!?
プリムラ・マルギナータ(学名: Primula marginata)は、別名では「シルバーエッジド・プリムローズ(silver-edged primrose)」とも呼ばれるサクラソウ科プリムラ属(サクラソウ属)に分類される多年草です。
プリムラ・マルギナータの原産地はフランスとイタリアで、自生地は南西アルプス山脈の山岳地帯の岩の割れ目や砂礫地などに見られます。
■プリムラ・マルギナータの語源(由来)
- Primulaの語源:ラテン語で「最初」「早い」を意味する「primus」から来ており、プリムラ属の開花が早く春一番に咲くことに因んで、植物学者のCarl von Linnaeus (1707-1778)が命名しました。
- marginataの語源:ラテン語で「外班」や「縁どり」を意味しています。
■プリムラ・マルギナータの特徴(魅力)
- 形態:草丈は10~15cm、生育型はロゼット型で、地際から放射状に葉を広げて、株の中心部から花茎を伸ばし、散形花序に花を咲かせます。
- 花の魅力:開花期の早春頃になるとロゼット中央から複数の花茎が伸び、花茎の先端に散形花序を呈し最大20個の花が密生し、半球状の花房を形成します。花は細長い花冠筒部と5枚の裂片からなり、色は紫色から青色を呈し、花冠喉部と花冠筒部の内側に白粉(ファリナ)が乗ります。そのため、上品なお庭によく調和する植物です。
- 葉の魅力:本種の葉は肉厚で白粉(ファリナ)が乗ります。そのため、灰緑色を基調として葉の縁部分や表面に白っぽい粉がついており、独特な色彩と質感を感じさせるカラーリーフとして楽しめます。ただし、この白粉は水で流れやすいため、水やりをする際は植物に水がかからないように注意が必要です。
- ロックガーデン:本種は自生地が山岳地帯の割れ目などにあり、ロックガーデンに最適な植物のひとつです。ただし、同時に冷涼な環境で生育しており、日本の夏の高温・多湿・乾燥を非常に苦手にしています。そのため、日本の多くの地域(温帯湿潤気候)の屋外で栽培するのは難しいでしょう。
- 育てやすさ:本種は園芸植物の中でも栽培がやや難しい上級者向けの植物です。基本的に夏場の高温・強光・多湿・乾燥を苦手にしており、特に白粉が多く乗る品種では雨に当たることも嫌います。そのため、夏場は特に屋外での栽培は難しく冷房の効いた部屋で栽培した方が良いでしょう。
■プリムラ・マルギナータの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:多年草
- ライフサイクル:晩冬から春に新しい葉がロゼットを展開しながら開花し、夏と秋も生育が続き、冬はロゼットを残し休眠または生育緩慢期になります。ただし、日本で栽培する場合は夏の高温で株が弱り枯れたり、株が衰退し半休眠状態になることが多いです。
- 草丈:約10~15cm
- 生育型:ロゼット型
- ロゼット型:地際から出る根生葉がロゼットを形成する。
- 茎の種類:根茎・花茎
- 根茎:基本的に地中にある茎で、見た目が根に似ており、本種の根茎は成熟すると木質化します。※地表に見られる場合もあります。
- 花茎:葉を付けず花のみをつける茎です。
- 茎の色:緑色・淡褐色
- 備考:白粉を帯びます。
●葉の形態
- 葉の位置:根生葉
- 葉序:束生(ロゼット)
- 葉身の長さ:約1~7cm
- 葉身の概形:ヘラ形・倒卵形・倒披針形
- 葉の先端:鈍角・円形
- 葉の縁部分:不規則で粗い鋸歯
- 葉の色:緑色・灰緑色
- 備考:葉は肉厚で、葉の縁部分や表面は白粉を帯びます。
●花の形態
- 花序:散形花序で、花軸は節間が殆ど伸長せず長さが極短いため花柄が密生して放射状に広がり、最大20個の花が半球状の花房を形成します。
- 苞:花梗の付け根にあり、形は披針形・狭披針形、色は灰緑色で白粉を帯びます。
- 花:花冠の直径は約3~4cm、花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えている。
- 萼:5枚の萼片の基部が合着する合片萼で、裂片は披針形または狭披針形になります。
- 花冠:5枚の花弁が合着する合弁花冠です。花冠筒部は筒状または漏斗状になります。花冠裂片は皿状に開き、裂片の数は5枚、裂片の形は倒心形です。花冠の色は青色・紫色で、花冠喉部と筒部内側に白色の白粉が乗ります。
- 雄蕊:5本で、花冠筒部に着生します。
- 雌蕊:1本
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■プリムラ・マルギナータの園芸品種を紹介
●プリチャーズバー
学名:Primula marginata ‘pritchard’s Variety’
花の色:青紫色・白色
葉の色:灰緑色・白色
草丈:約10~15cm
備考:葉は幅広で色は灰緑色に白粉を帯び白色を呈します。花の色は青紫色を基調として、花喉部に円環状の白粉が乗ります。
●ナポレオン
学名:Primula marginata ‘Napoleon’
花の色:薄い青紫色・白色
葉の色:灰緑色・白色
草丈:約10~15cm
備考:花の色が薄い青紫色で、花冠筒部に疎らに白色の白粉が乗ります。
●ストラッドブルック・チャーマー
学名:Primula marginata ‘Stradbrook Charmer’
花の色:紫色・白色
葉の色:灰緑色・白色
草丈:約10~15cm
備考:花の色が明るい紫色で、花冠筒部に疎らに白色の白粉が乗ります。
●ウェイスマンズ・バー
学名:Primula marginata ‘Waithmans Variety’
花の色:淡い青紫色・白色
葉の色:灰緑色・白色
草丈:約10~15cm
備考:花の色は淡い紫色を基調にして、花冠筒部に疎らに白色の白粉が乗ります。
●カエルレア
学名:Primula marginata ‘Caerulea’
花の色:青紫色・白色
葉の色:灰緑色・白色
草丈:約10~15cm
備考:花の色は青紫色で、白粉は目立たず、香りがあります。
●クリアーズバー
学名:Primula marginata ‘Clear’s Variety’
花の色:淡い桃色(淡い紫色)・白色
葉の色:灰緑色・白色
草丈:約10~15cm
備考:花の色は淡い桃色から淡い紫色を呈し、花冠喉部に白粉がしっかりと乗ります。
●ホールデン・クロウ
学名:Primula marginata ‘Holden Clough’
花の色:薄い青紫色・白色
葉の色:灰緑色・白色
草丈:約10~15cm
備考:花の色が薄い青紫色で、花冠筒部に白色の白粉が乗ります。
■プリムラ属(サクラソウ属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■プリムラ・マルギナータの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:高山ツンドラ
- 原産地:フランス・イタリア
- 自生地:南西アルプス山脈の山岳地帯の岩の割れ目や砂礫地などに見られます。
- 気候:主に高山気候(H)で見られます。 気温は標高の高い場所に多いことから夏場は比較的冷涼で、冬場は氷点下を大きく下回る地域で見られます。降水量は夏場が多く湿潤で、冬場も降雪により乾燥は防がれます。
- 日照:半日影から明るい日陰を好みます。
- 土壌:基本的に砂質で通気性・排水性が高く、比較的痩せた場所にあり、また石灰岩を母材とした土壌にあるため中性から弱アルカリ性土壌によく見られます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
プリムラ・マルギナータは、西日の当たらない半日陰・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。冬の季節は日向も許容しますが、夏場の西日は高温と強光が重なり、植物に強いストレスを与えるため、日向は避けた方がよいでしょう。理想的な環境は、落葉樹の下で、夏場の高温期に明るい日陰に入り、冬の低温期は落葉した樹木の下で柔らかな日差しをしっかり浴びる環境です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂土・砂壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:過度な肥沃さは必要ありません。土壌の状態を見ながら、痩せていると感じる場合は適度に堆肥を入れるとよいでしょう。肥沃すぎる土壌は、特に夏場に蒸れやすく、根腐れの原因となるため注意が必要です。
- pH:pHは6.0~7.5の中性~弱アルカリ性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
プリムラ・マルギナータは、西日の当たらない半日陰・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。冬の季節は日向も許容しますが、夏場の西日は高温と強光が重なり、植物に強いストレスを与えるため、日向は避けた方がよいでしょう。
屋内で栽培する場合の必要光量
- 屋内環境:窓際で西日が当たらない場所、もしくは観葉植物までは太陽光が直接届かないが、太陽の反射光などで十分に明るい場所です。
- 光量の目安:5000~20000Lux※1/92.5~370μmol/m2・s※2
- 注意点:屋内で栽培時に光量が足らないと光合成の活動が低下して細胞の生成が滞り、生育不良になったり、葉色が悪くなったり、花数が少なくなったりします。また逆に光量が強いと葉焼けを引き起こすリスクや乾燥が早まる可能性があるため避けてください。特に夏場の強光は強いストレスとなるため注意が必要です。
※1:Luxは物体の表面を照らす明るさの単位です。一般的に人間が感じる明るさを元に利用されていますが、植物の世界でも、植物が健康に成長するのに必要な明るさの目安、またはギリギリ生存が可能な明るさの目安として、一般的に屋内で植物を栽培される際に利用されています。
※2:μmol/m2・sはPPFDの単位です。これは植物が光合成に使用出来る400~700nmの波長域の光の強さを数値で示したものとなります。この値が大きいほどに植物の光合成が活発に行われたり、またこれが強すぎる場合は葉焼けなどを引き起こしたりします。Luxとは違い、光合成光量子束密度(PPFD)は植物に必要な光量を正確に評価する事が出来ます。
植物育成ライト
太陽光が全く当たらない場所で栽培する場合は、植物育成ライトが基本的に必要です。一般的なライトは人間が快適に過ごすため、部屋を明るくする目的で使わており、植物の成長に必要な赤色光や青色光といった波長が不足している場合が多いからです。
植物育成ライトを購入する場合はPPFDや色温度などが重要になります。詳しくは観葉植物の種類のページをご覧下さい。
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●培養土
プリムラ・マルギナータの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土よりも通気性・排水性を高めた山野草の土のような培養土がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が山岳地帯の岩の隙間などにある事からも分かる通り、基本的に砂礫質で有機物は少ないです。そのため、通気性・排水性が高く、比較的痩せた培養土を好みます。それに加えて、土壌を構成する母材が石灰岩であることが多いため本種は中性から弱アルカリ性の土壌を好みます。そのため、酸性に傾く土壌改良材は控えた方が良いでしょう。
- 土壌改良材(無機質):一般的な植物の培養土よりも、特に通気性と排水性を高める目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を7割~9割を目安にして多めに配合します。注意点として、pHが低い土壌改良材(鹿沼土)は、培養土を酸性に傾けてしまうため、利用を控えた方が良いことです。また土粒のサイズでも通気性・排水性が改善されますが、大き過ぎると空隙が大きくなり、根の活着が悪くなったり、保水性も著しく落ちたりして生育不良になるため、培養土全体のバランスを考えながら小粒から中粒を利用すると良いでしょう。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥は、一般的な植物よりもかなり控えめに1~3割を目安にして培養土の中に配合します。腐葉土などの有機物は培養土の水分・養分を保持して、根の活着を助け、生育を促進する効果がありますが、本種の場合は堆肥を入れ過ぎると、夏場に蒸れて過湿状態になり根腐れを引き起こす原因ともなります。そのため、バランスを考えて必要量を入れる事が大切です。加えて、本種は中性から弱アルカリ性の土壌を好むため、pHを下げる性質があるピートモスなどは利用を控えた方がよいでしょう。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)8割+腐葉土2割+苦土石灰適量+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+硬質赤玉土(小粒)3割+腐葉土2割+くん炭1割+元肥適量
- 排水性高め:日向土(小粒・中粒)4割+硬質赤玉土(小粒・中粒)3割+赤玉土(小粒・中粒)2割+腐葉土1割+ゼオライト適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)5割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土1割+苦土石灰適量+元肥適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- 牛糞堆肥:牛糞堆肥は、牛糞を主原料にして、籾殻・藁・オガクズなどを加えて、微生物の力で発酵さて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:牛糞堆肥は見た目が黒っぽく、悪臭がない、しっかりと発酵しているものを選びましょう。
- 特徴:牛糞堆肥には少量ですが窒素・リン・カリの肥料成分を含んでおり、また中量要素や微量要素の養分も含まれているため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌に団粒構造を作り肥沃な土壌を作り出す助けとなります。また土に混ぜるだけでも通気性・保水性・保肥力を高める効果があり植物が育ちやすい環境となります。
- 注意:牛糞堆肥は塩分濃度が高めで、分解も早いため、土量に制限のあるコンテナ栽培(プランター)ではあまり利用されません。
- 用途:培養土の中にひと握りほどの少量の牛糞を入れて肥沃さを高められることがある。土壌の保水性・保肥力・通気性を改善する目的、土の団粒化や土壌の肥沃化を促す目的で土壌改良で使用される事が多いです。
水やりの仕方
プリムラ・マルギナータは、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。ただし休眠期に水分が多かったり、過湿が続いたりすると、病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりの頻度には十分な注意が必要です。
地植えで栽培する場合は、基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、雨が全く降らずに土壌が乾燥していたり、極端な暑さで乾燥が早くなっている場合は水やりが必要となります。一方で、鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて乾燥がかなり早いため、定期的な水やりが必要です。培養土の状態を見ながら水やりをする必要があるでしょう。水やりの方法は下記を参考にしてください。
●水やりの方法
- 春・秋の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 夏の水やり:この時期は、高温で株は衰弱し休眠に近い状態になります。そのため、水やりは控えめにする方が株にストレスを与えません。一方で、この季節は乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向にもあります。基本的には、多湿にならないよう注意しながら、朝の涼しい時間帯に土壌の表面または表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 冬の水やり:休眠期は殆ど水分を吸収しないため、本種は水やりの必要性は殆どなく、この時期に水分が多いと根腐れを引き起こす原因になります。ただし、土壌が完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後を目安に、必要に応じて水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、季節によっては高温で水がお湯のようになり蒸れて根腐れを引き起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、植物が水分をあまり必要としない夜間にも水がたっぷり残り呼吸を邪魔するなどして根腐れを引き起こす原因になる事があります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいですが、植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
- 白粉:一部の品種は葉や花に白粉が乗っており、これに高い鑑賞価値があります。この白粉は水に当たると流れて消えるため、必ず植物に水がかからないように、株元から少し離れた場所に水を注ぎましょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
プリムラ・マルギナータは、土壌が適度に肥沃であれば肥料が無くても育てる事ができます。ただし、肥料を与えることで株の生育が促進され、花の数も増えるため、適切な量の元肥と追肥を与えて育てた方が良いでしょう。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えで変わります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥を入れて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または株元の古い土を少し取り除き、堆肥を混ぜた新しい培養土を少し入れます。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中に入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:基本的には窒素・リン酸・カリの内、リンが多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料(BB肥料など)がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る肥料を選ぶ。例として緩効性肥料やBB肥料などです。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を入れる事で補います。
- 肥料を与える時期:成長の兆しが見える晩冬頃から春に追肥を施します。注意点は株が休眠または半休眠する夏に肥料を残さないことです。
- 肥料の成分:基本的には窒素・リン酸・カリの内、リンが多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥は規定された分量の半分ほどを使い、水で薄めに希釈します。液肥の回数は約10~14日に1度の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量の半分を目安に、規定された頻度、規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
プリムラ・マルギナータは剪定せずに育てる事も出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。例えば、花がら摘みをすることで、種作りを防ぎ株の消耗を抑えます。また古葉取りを行うことで病害虫予防や健康な葉に光が当たりやすくなるため生育の促進も期待できます。
●剪定方法
- 花がら摘みの方法:花がら摘みを行う時期は春の開花期間中です。株を観察して、花が萎れ鑑賞価値が落ちたタイミングで剪定します。剪定する場所は、花茎根元から切り取ります。これを行うことで、次の花が咲きやすくなり開花期間が伸びます。
- 古葉取り:株を観察して、枯れてしまった葉、変色したり傷んでいて不要と感じる葉を探します。これらの不要な葉を根元付近でハサミなどを使いカットして取り除きましょう。これを行うことで、株元に太陽光が届き過湿を防ぎ、風通りが良くなり病害虫の発生を抑制します。また栄養が若い芽や葉に集中するため生産性も高まります。
夏越しする方法
プリムラ・マルギナータは、山岳地帯の冷涼な場所に自生する植物です。そのため、日本の高温多湿や乾燥を苦手にしており、基本的に耐えるのは難しいです。夏越ししたい場合は、 高温・多湿・過湿・乾燥・強光の対策が必要になるでしょう。
●夏越し対策一覧
- 屋内に取り込む:この対策は高温・強光・多湿・病気対策になります。鉢植えで育てている場合は、冷房が効いていて、風通しがよく、適度な光量(5000~20000Lux)がある屋内に移動しましょう。
- 日差しを避ける:この対策法は高温・強光・乾燥対策になります。鉢植えで育てている場合は、直射日光が当たらない軒下などに移動しましょう。地植えする場合は、夏に栽培する事も考えて適切な場所に植えて下さい。
- 日除けをつくる:この対策法は高温・強光・乾燥対策になります。植物と太陽の間に遮光ネットを張り強光を遮ります。
- 打ち水:この対策法は高温・乾燥対策になります。鉢植えをコンクリートの上などに置いている場合は、コンクリートの地面などに水を撒きます。これを行うことで、水が蒸発する時に気化熱を奪い、地面や大気の温度を下げることができます。
- 雑草の除去:この対策法は多湿対策になります。周囲の雑草は風の流れや太陽光を遮り、育てている植物の成長を妨げたり、多湿を生み出す原因になったりします。そのため、不要な雑草は抜きましょう。ただし、土壌が剥き出しになることで乾燥が早まる場合もあります。
- 排水性の改善:この対策法は多湿対策になります。雨水などが周囲から集まりやすい環境にあったり、硬盤があったりすると排水が上手くいかない場合があります。対策として排水溝を作ったり、縦穴暗渠(縦穴排水)をつくり雨水が外に流れる仕組みをつくりましょう。
- 花壇を高くする:この対策法は多湿対策になります。花壇をレイズドベットにしたり、岩を並べてロックガーデンなどにしたりして、植物を植える環境を周囲よりも高くすることで排水性が改善されます。
- 雨避けをつくる:この対策法は多湿・病気対策になります。植物の上に雨が当たらないように雨避けを張り、雨から植物を守ります。
- 土壌の改善:この対策法は乾燥・多湿対策になります。土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 灌水をする:この対策法は乾燥対策になります。植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- マルチング:この対策法は乾燥・病気対策になります。地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
播種で増やす
プリムラ・マルギナータの種蒔の方法
- 播種時期:11月~4月
- 発芽適温:約15~20度
- 備考:好光性種子
種まき手順
- 種まきの時期:11月~4月
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。