- 原産:メキシコ
- 科:ツユクサ(Commelinaceae)
- 属:ムラサキツユクサ/トラデスカンチア(Tradescantia)
- 種:ムラサキゴテン/パリダ(Tradescantia pallida)
- 別名:ムラサキオオツユクサ/セトクレアセア/トラデスカンチア・パリダ/パープル・セトクレアセア(purple secretia)/パープルハート(purple-heart)
- 開花時期:6月~10月
- 花の色:紫色●桃色●
- 葉の色:紫色●
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約30~45cm
- 誕生花:6月30日
- 花言葉:誠実・優しい愛情・変わらぬ愛
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/観葉植物
- 購入方法:ムラサキゴテンを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ムラサキゴテンとは!?
ムラサキゴテンの学名はTradescantia pallida、別名では「ムラサキオオツユクサ」や「セトクレアセア」等とも呼ばれるメキシコが原産の多年草です。
ムラサキゴテンの語源(由来)
- 属名のTradescantiaは植物学者で収集家のJohn Tradescant the Elderと植物学者のJohn Tradescant the Youngerへの献名です。
- 種小名のpallidaはラテン語で「青白い」「淡い」を意味しています。
- ムラサキゴテンの由来は、雄蕊の葯を除いて葉・茎・花に至るまで、全部が紫色をしている所からきています。
ムラサキゴテンの特徴(魅力)
- ムラサキゴテンの特徴は、地上部の殆どが紫色をしており上品さを感じさせる所、草姿がほふく性で、茎は横に移動したり下垂したりするため、園芸では地被植物やハンギング仕立てにされる所、ファイトレメディエーションにより空気を浄化する働きをもっている所等にあります。
- 園芸では、茎が横に広がったり下垂する性質がある事から、地被植物として利用されたり、またハンギング仕立てにされたりして楽しまれます。
- 草姿はほふく性、茎は横に移動したり下垂したりするため、園芸では地被植物やハンギング仕立てにされる事が多いです。
- 茎は多肉質で脆く、衝撃や踏圧に弱いため、人通りの多いところの地被植物には向きません。
- 葉の色は鮮やかな紫色をしており、表面に白色の毛が生えているため白粉を帯びたような色合いをしています。そのため、上品さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる植物です。
- 開花時期は初夏から秋、花は茎の頂部につき、桃色から紫色の小さな花を咲かせます。
- ただし、開花した茎は長く伸びるため、一般的には花が咲かないように、摘芯を繰り返して花を咲かせないようされます。※摘芯に関しては育て方の欄の剪定をご覧下さい。
- ムラサキゴテンの樹液は、皮膚に触れると人によっては炎症を引き起こすことがあります。そのため、植物を扱う際は長袖を着て、手袋をしておくと安心です。
ムラサキゴテンの草丈は約30~45cm、草姿はほふく性、茎は直立・匍匐・傾伏・下垂しながら広がる傾向にあり、茎の質感は多肉質、茎の色は紫色です。
葉序は互生葉序、葉鞘は茎を抱き、葉身の長さ約7~15cm、葉身の幅は約1.5~3cm、葉身の形は長楕円形、葉は白色の毛が生えており、葉の色は紫色で表面が白みを帯びます。
花径は約1~2cm、花の形は花弁が3個、花弁の形は卵形、花弁の色は紫色または桃色、雄蕊は6個、雄蕊の色は黄色です。果実は蒴果、成熟すると裂開して種子を放出します。
ムラサキゴテンの園芸品種の紹介
班入りムラサキゴテン(Tradescantia pallida ‘variegata’)は、葉の中に桃色の縞班がはいる事から、上品さと可愛らしさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
ムラサキツユクサ(トラデスカンチア)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ムラサキゴテンの育て方
花壇の土づくり
日当り
ムラサキゴテンは、日向から明るい日陰まで幅広い環境に適応します。
ただし、夏の暑さが厳しい地域では強い日差しが葉焼けを引き起こす事もあるため、夏場は日向を避けた方が良いでしょう。また日当りが悪い環境で育てる事も、葉の色が緑色になる原因ともなるため、日当たりが良い所で育てる事も大切です。
そのため、基本的には西日の当たらない半日影で育てる事が理想になります。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
ムラサキゴテンは、基本的には通気性と排水性の高い土壌を好み、適度な肥沃さを求めます。
注意することは水捌けの悪い場所で育てたり、粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌診断の結果に従って、土壌改良材を入れて通気性・排水性の高い土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ムラサキゴテンは、日向から明るい日陰まで幅広い環境に適応します。
屋内で育てる場合は、管理する場所の照度のレベルを調べて、最低でも中程度の照度になる場所で管理してあげると良いでしょう。植物に当たる光が少ないと葉色が悪くなったり、生育が非常に遅くなったり、生育不良で枯れる事もあるため十分な光がある場所で育ててあげて下さい。
管理場所は基本的に明るい窓辺が理想です。ただし南向きの窓から当たる直射日光は、想定以上の強光となる事があり、葉焼けを引き起こす原因になる事があります。そのため、管理する場所の照度を調べて、必要に応じて光が強すぎる場合はカーテン越しにしてあげたり、窓から少し離す等の工夫をしてみてください。
照度のレベル
- 弱い照度:500~2500lux
- 中程度の照度:2500~10000lux
- 高程度の照度:10000~20000lux
- 強い直射日光:20000~100000lux
培養土
ムラサキゴテンの培養土は、一般的な観葉植物の培養土で育てられます。
培養土を自作する場合は、通気性・保水性の良さに気をつけたり、鉢を移動することも考えて軽めの用土を使ったり、微生物(カビや細菌等)がわかないように無菌で栄養の少ない土(ピートモス等)を使ったりすると良いでしょう。ただし、軽すぎる培養土をつくると植物を支えられなくなる事もあるため注意してください。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(調整済)+ゼオライト(or 珪酸塩白土)=5:5:適量
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
ムラサキゴテンは、比較的に乾燥に強く、一般的な植物と同様に乾燥と湿潤の繰り返しを好みます。
一方でジメジメした過湿が続くと根腐れを引き起こす事があるため、注意が必要でしょう。
地植え
地植えしている場合は、基本的に水やり不要です。ただし、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時には必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため、通常は定期的な水やりが必要です。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面から数cmが乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
剪定のやり方
ムラサキゴテンは必要に応じて「摘芯」と「切り戻し剪定」が行われます。
定期的に摘芯を行い、茎数を増やしてコンパクトな形状を維持したり、長く伸びた茎を切り戻し剪定して見た目を改善します。
注意点:茎葉が傷ついた時に出る樹液は、人によっては炎症を引き起こすことがあります。そのため、長袖や軍手を身につけて作業した方が良いでしょう。
摘芯とは!?
摘芯とは、成長の早い段階で、植物の成長点を指で摘むかハサミを使い切り取って頂芽の成長を止めて、脇芽の成長を促し分枝を促す方法です。
摘芯のやり方
摘芯のやり方は、株の成長を見ながら、定期的に茎の先端をハサミで剪定して取り除きます。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 生育期間中であれば何時でも行えます。
- 剪定方法
- 徒長していて邪魔と感じる茎をハサミを使い剪定して取り除きます。
冬越しする方法
Hardiness:7~10
ムラサキゴテンは、耐寒性が高いため、暖地や平地であれば地植えで越冬させる事が可能です。※地上部は枯れます。
ただし寒さの厳しい地域や寒冷地では枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、寒さが厳しくなる前に不織布などを被せます。
- また必要に応じて株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ムラサキゴテンは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 挿し木する時期は発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土には切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土を容器に入れて事前に水をかけて湿らせておきます。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを10~15cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程をいれます。
- 管理
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。