- 原産:オーストラリア
- 科:フトモモ(Myrtaceae)
- 属:ユーカリ(eucalyptus)
- 種:グロブルス(globulus)
別名:サザンブルーガム(southern blue gum)/ブルーガム(blue gum) - 開花時期:春・夏
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑高木
- 草丈:約4500~10000cm
- 誕生花:11月7日/11月18日
- 花言葉:新生/再生/思い出
- 用途:香りが良い
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ユーカリ(グロブルス)とは!?
ユーカリ(グロブルス)は学名eucalyptus globulus、別名「サザンブルーガム(southern blue gum)」や「ブルーガム(blue gum)」等とも呼ばれるオーストラリアが原産の常緑高木です。
ユーカリ(グロブルス)の語源(由来)
- 属名のeucalyptusの由来はギリシャ語で「よい」を意味する「eu」とギリシャ語で「覆う」を意味する「kalyptos」の2語からきていて、小蓋と萼片が合着して、帽子の様に小蓋が花を覆っている姿に由来しています。
- 種小名のglobulusはラテン語で「球形の」や「小球体の」を意味しており、果実の形に由来しています。
ユーカリ(グロブルス)の特徴(魅力)
- ユーカリ(グロブルス)は、木材をとる目的や精油を抽出する目的で、商業的に最も広く栽培されるユーカリの1つです。
- グロブルス種は理想的な環境では高さが10000cmに達すると言われており、成長速度も非常に早いです。
- 樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)で、ふつうは4500cmまで理想的な環境では10000cmに達します。
- 樹皮はふつう滑らか(古い樹皮が残る事もある)で、白色をしており、樹皮が剥がれると白色と薄桃色(~淡褐色)のまだら模様が作られる事があります。
- ユーカリ(グロブルス)の成熟した茎葉の葉の形は細長い披針形で「柳の葉」のような垂れ下がる外観をしています。
- 他のユーカリと比べると葉の鑑賞価値は低めです。
- 葉には「レモン」を思わせる爽やかな香りがあり、精油を抽出する目的で商業的にも栽培されています。
- ユーカリ(グロブルス)に含まれる主な精油はシネオール(約50~70%)で、他にα-ピネンやp-シメン等が含まれています。
- シネオールは「ユーカリ」や「レモン」等に例えられるスッキリとした爽やかな香りがあり、精油は食品の香料や化粧品等に使用されます。シネオールが含まれる主な植物はユーカリや月桂樹などで、精油の効能には集中力を高め記憶力を上げる効果があるとされています。
- α-ピネンの香りは「針葉樹(松・檜など)」「薬品」等に例えられる爽やかな香りがあり、精油は香水等に利用されています。α-ピネンが含まれる主な植物はユーカリやローマンカモミール等で、精油の効果には「抗炎症作用」「抗菌作用」「鎮静作用」等があります。
- p-シメンは「薬品」などに例えられる爽やかな香りがあり、精油は石鹸等の香料に使用されます。植物ではタイムやクミン等に精油が含まれており、精油の効果は抗菌作用(殺菌作用)があるとされます。
- ユーカリ(グロブルス)に含まれる主な精油はシネオール(約50~70%)で、他にα-ピネンやp-シメン等が含まれています。
- ユーカリ(グロブルス)の花は植物の葉腋から花柄が出て、普通は1個の花を単生、もしくは3~7個の花が散形花序につけます。
- 花(蕾)の形は菱形もしくは球形で、帽子の様な半球状の小蓋と萼が合着しており、小蓋が外れると中から多数の白色の雄蕊が突出します。
- ユーカリ(グロブルス)は地際付近にリグノチューバ(炭水化物などの栄養分を蓄えており休眠中の芽を保持する木質の腫れ)をもっているため、山火事や伐採などによって地上部がなくなっても、再生する事が可能です。
ユーカリ(グロブルス)の樹高は約4500(~10000)cm、株元にリグノチューバがあります。幹は単幹(根元から上部まで幹が1本)で、枝は水平もしくは斜上に伸びます。茎は木質、樹皮の色は白色もしくは薄桃色か淡褐色、樹皮はふつう滑らかですが繊維状の古い樹皮が残る事もあり、樹皮が剥がれると白色と薄桃色(~淡褐色)のまだら模様が現れます。
葉序は対生葉序もしくは互生葉序、若い成長の茎葉はふつう対生葉序で互生葉序になる事もあり、成熟した茎葉は互生葉序です。葉色は緑色です。葉身の形は若い茎葉と成熟した茎葉でことなり、若い茎葉は葉柄が無く、葉身の長さ約4(~15)cm・幅は約2(~10)cmで、葉身の形は楕円形もしくは卵形です。成熟した茎葉は長さ約15(~30)cmの葉柄があり、葉身の長さ約10(~23)cm、幅は約1.7(~3)cmで、葉身の形は披針形です。
花序は腋性してふつう単生(花が1個)でしばしば3(~7)個が散形花序につきます。蕾の形は球状もしくは菱形でゴツゴツした凹凸があり、蕾の大きさは長さ約1.4(~2.5)cm幅約1.4(~2)cm、小蓋と萼が合着しており、小蓋は半球状です。蕾は小蓋が外れると雄蕊が多数突出して、雄蕊は白色もしくは薄黄色です。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。蒴果は木質で逆円錐型、大きさは長さ約1(~1.5)cm幅約1.4(~2.7)cm、色は白粉を帯びた緑色もしくは褐色です。
ユーカリ(グロブルス)の園芸品種の紹介
ユーカリの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ユーカリの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ユーカリ(グロブルス)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ユーカリ(グロブルス)は多くの日光(光)を必要とします。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
作土層
ユーカリ(グロブルス)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。苗(根鉢)の1.5~3倍(深さ30~40cm)の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ユーカリ(グロブルス)は通気性がよく有機物が適度に入る肥沃な土壌を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、雨の後もジメジメした状態が続く排水性の悪い土壌は生育不良を引き起こす原因となるため、水捌けの悪い粘土質な土壌は避けましょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、水捌けのよい砂壌土から壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ユーカリ(グロブルス)は多くの日光(光)を必要とします。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。また屋内で育てる場合は、窓際などの日当たりの良い場所で管理しましょう。
培養土
ユーカリ(グロブルス)は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ユーカリ(グロブルス)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ユーカリ(グロブルス)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ユーカリ(グロブルス)は、ある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。基本的には地植えで育てる場合は、肥料は不要です。ただし栄養の乏しい土壌で育てる場合、鉢植えで育てる場合などは栄養が足りなくなる事があるため毎年晩冬もしくは早春に肥料(寒肥)を与えましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
剪定のやり方
ユーカリ(グロブルス)は剪定せずに自然樹形で楽しむ事も出来ますが、高木になるため園芸では一般的に幼木の頃から剪定して整った樹形をつくります。幼木のうちから剪定して形をつくっておく事で、成熟後の剪定量も減り、高さも抑えられ葉の収穫等もやりやすくなります。
ユーカリの低木樹形をつくる方法
- 1年目は剪定せずに育てます。
- 2年目は晩冬から早春(2月~3月)に剪定を行います。
- 剪定のやり方は主幹(幹)を地面から高さ約8cmの場所で剪定しましょう。剪定する事で分枝が促され複数の枝が伸びます。
- 3年目は晩冬から早春(2月~3月)に剪定を行います。
- 剪定のやり方は3~4本の健康な枝を株全体のバランスを見ながら残し、残りの枝を根元から剪定して取り除きましょう。
- 4年目以降は枯れ枝や損傷した枝(折れた枝)や病枝を根元から剪定して取り除きましょう。
- また必要に応じて交差枝や下がり枝等の不要枝を剪定して樹形を整えましょう。
おすすめの剪定鋏
おすすめのノコギリ
夏越しする方法
ユーカリ(グロブルス)は、殆どのユーカリと同様に乾燥に比較的に強い一方で多湿をとても苦手にしています。そのため多湿環境にならないように、必要に応じて夏越し対策が必要です。
夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うためやや乾燥気味の環境で管理しましょう。
- 長雨に当たらない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 長雨に当たらない場所
冬越しする方法
Hardiness:9a~11b
ユーカリ(グロブルス)は軽い霜であれば耐えられる可能性がありますが、基本的に霜が降りると枯れてしまうため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
ユーカリ(グロブルス)の冬越し対策
- 霜の降りる地域であれば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ユーカリ(グロブルス)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は夏から秋が適します。
- 挿し穂は、根の出にくい成熟した茎は避けて、今年成長した茎を利用しましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂を水に入れたコップに30分ほど入れて水揚げを行います。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 水揚げの終わった挿し穂をコップから取り出して、切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ユーカリ(グロブルス)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ユーカリ(グロブルス)の病気
- うどんこ病
- 斑点病
- 炭素病
- 根頭癌腫病
- 枝枯病
ユーカリ(グロブルス)の害虫
- ハダニ