

- 原産:東南アジア/オセアニア
- 科:トウダイグサ(Euphorbiaceae)
- 属:クロトンノキ(Codiaeum)
- 種:ヘンヨウボク(Codiaeum variegatum)
- 別名:ファイヤー・クロトン(fire croton)/ガーデン・クロトン(garden croton)/バリエガータ・クロトン(variegated croton)
- 開花時期:春・夏
- 花の色:赤色・白色
- 葉の色:緑色・赤色・桃色・橙色・黄色・黒色
- 香り:
- 生活形:常緑低木
- 樹高:約100~300cm
- 誕生花:2月21日/8月20日/11月1日
- 花言葉:妖艶/嬌艶
- 用途:カラーリーフ/観葉植物/ 日陰植物
- 購入方法:ヘンヨウボクを楽天で購入
■ヘンヨウボクとは!?
ヘンヨウボク(学名: Codiaeum variegatum)は、別名では「ファイヤー・クロトン(fire croton)」「ガーデン・クロトン(garden croton)」「バリエガータ・クロトン(variegated croton)」とも呼ばれるトウダイグサ科クロトンノキ属の常緑低木です。
ヘンヨウボクの原産地は東南アジアとオセアニアで、熱帯・亜熱帯の森林や潅木地帯にあります。
■ヘンヨウボクの語源(由来)
- Codiaeumの由来:ラテン語でインドネシアの「テルナテ島(Ternate)」を意味する「kodiho」から来ており自生地に由来します。
- variegatumの由来:ラテン語で「斑入りの」を意味しており、ヘンヨウボクの葉の色が多彩で斑が入ることに由来します。
- ヘンヨウボク(変葉木)の由来:葉の色や形の変容の多さからきています。
■ヘンヨウボクの特徴(魅力)
- ヘンヨウボクの魅力:この植物の魅力は、南国を想像させるようなカラフルな葉色にあります。葉は長さ5~40cmほどと大きく存在感があり、葉の色は緑色・赤色・桃色・橙色・黄色・黒色などがあり、葉脈や縁部分に斑が入ったり、葉全体の色が変化する事もあり、多様な色彩が見られます。このような魅力があるため、一般的に南国をイメージさせるカラーリーフとして楽しまれます。また生育型が直立型で、樹形がまとまり行儀よく真上に成長するため、高さを演出しやすいです。原産地は東南アジアとオセアニアで熱帯・亜熱帯の森林に自生しており、基本的に寒さに弱いです。そのため、日本では一般的にインテリアグリーンとして屋内で栽培されています。
- 樹形:樹高は約100~300cm、生育型は直立型もしくは叢生型で、茎は主軸がハッキリとしていて直立しており、またこの茎は地際から複数出て叢生する事もあります。
- 葉の特徴:葉の質感は革質、葉のサイズは約5~40cm、葉の概形は固体により大きな差異があり、楕円形・狭楕円形・線形をしている。葉の色は緑色・赤色・桃色・橙色・黄色・黒色などがあり、単色または複色で斑が入る。斑は脈斑、覆輪、星斑、葉全体の一時的な色の変化などがある。
- カラーリーフ:ヘンヨウボクは、葉の色が品種により緑色・赤色・桃色・橙色・黄色・黒色などがあり、全体的に色鮮やかな色彩をしています。そのため、インテリアとしてお部屋に飾ると南国の雰囲気を添えるカラーリーフとして楽しめます。
- シェードガーデン:ヘンヨウボクは高い耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。ただし、基本的に寒さに弱いため熱帯地域以外での屋外での越冬は厳しいかもしれません。
- インドアグリーン:ヘンヨウボクは高い耐陰性があるため、太陽光が直接届かないような、窓際の明るい屋内でも栽培する事ができます。ただし、完全に太陽光が当たらない暗い環境で栽培するのは厳しいため、栽培環境のLuxがどの程度あるか計測して置き場を決めるとよいでしょう。基本的に照度が5000~20000Luxあれば、株が充実して美しい葉を展開しながら健康な成長を促す事が可能となります。完全に太陽光が届かない場所であれば、植物育成ライトを使用して栽培する事も可能です。
■ヘンヨウボクの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 樹高:約100~300cm
- 生育型:直立型・叢生型
- 直立型:主軸がハッキリとして直立している。
- 叢生型:地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するもの。
- 茎の種類:直立茎
- 直立茎:茎がほとんど垂直に伸びる。
- 茎の色:若い時は緑色で、成熟すると淡い褐色から灰褐色になる。
●葉の形態
- 葉序:互生葉序
- 葉柄:約1~2.5cm
- 葉身の長さ:約5~40cm
- 葉身の幅:約0.5~10cm
- 葉身の概形:楕円形・狭楕円形・線形
- 葉の先端:突形
- 葉の基部:くさび形
- 葉の質感:革質
- 葉の光沢:有り
- 葉の色:緑色・赤色・桃色・橙色・黄色・黒色
●花の形態
- 花序:総状花序
- 総状花序の長さ:約5~30cm
- 花柄:約0.5~1.5cm
- 苞:花梗の基部にある。
- 雄花:花托・萼・花弁・雄蕊で構成されています。
- 萼:花弁の外側にあり、長さ0.3cmほど、色は淡い赤色をしている。
- 花弁:花弁は皿状または平開し、花弁の数は5枚、花弁の色は白色です。
- 雄蕊:約20~30本
- 雌蕊:花托・萼・雌蕊で構成されています。
- 萼:花弁の外側にあり、長さ0.1cmほど、色は赤色・淡い赤色をしている。
- 雌蕊:1本で先端の柱頭は3個あり、柱頭は反り返る。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ヘンヨウボクの園芸品種を紹介
ゴールドダスト

学名:Codiaeum variegatum ‘gold dust’
葉の形:楕円形・狭楕円形・線形
葉の色:緑色・黄色
樹高:約100~200cm
備考:葉の色は緑色を基調として、黄色の点々とした星斑が入ります。そのため、明るくフレッシュな印象を添えるカラーリーフとして楽しめます。
タマラ

学名:Codiaeum variegatum ‘tamara’
葉の形:楕円形・狭楕円形
葉の色:緑色・クリーム色
樹高:約100~200cm
備考:葉の色は緑色を基調として、縁部分に覆輪が入ったり、葉全体がクリーム色になったりします。そのため、明るく柔らかな印象を添えるカラーリーフとして楽しめる品種です。
ブッシュ&ファイヤー
学名:Codiaeum variegatum ‘bush on fire’
葉の形:狭楕円形・線形
葉の色:濃緑色・黄色・橙色
樹高:約100~300cm
備考:葉の形は全体的に細くシャープな見た目をしています。葉の色は濃緑色を基調として、橙色または黄色の斑が入ります。
■クロトンノキ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ヘンヨウボクの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
ヘンヨウボクが生息する主なバイオームは熱帯雨林です。本種の原産地は東南アジアとオセアニアの一部で、自生地は森林や開けた潅木地帯にあります。主な気候は熱帯雨林気候に属し、気温は一年を通して温暖で、最も寒い月でも平均気温が18度以上ある。年間を通して月の降水量が60mm以上あり、高湿度な環境です。日照は半日影から明るい日陰を好み、土壌は肥沃で保水性・通気性・排水性のバランスがよい場所を好みます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ヘンヨウボクは、明るい日陰で育てる事が理想ですが、西日の当たらない半日影で育てることも可能です。基本的に、西日は高温と強光が重なり、植物に強いストレスを与えます。この強いストレスは、葉焼けを引き起こし、さらに酷くなると株を弱らせて生育不良を引き起こし、最悪の場合は枯れる原因をつくります。そのため、適した生育環境で栽培する事が大切です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌に適応しますが、特に砂壌土や壌土で栽培するのが理想です。土壌が砂質で極端に水捌けが良いと乾燥が早まって萎れたり葉が落ちやすくなったり、栄養が極端に少ない土壌では生育が悪くなることがあります。また粘土質で硬い土壌は根張りが悪くなり、ジメジメとした過湿が続く土壌は根腐れを引き起こす可能性があるため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(腐葉土など)を用土全体の2割を目安に混ぜ込むとよいでしょう。堆肥を入れることで土壌の通気性・排水性・保水性が改善され、根の活着を高め根張りをよくしたり、堆肥に含有する栄養素が微生物の働きを促進して土質を改善したり、さらに植物の栄養補給にも寄与します。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
ヘンヨウボクは、明るい日陰で育てる事が理想ですが、西日の当たらない半日影で育てることも可能です。基本的に、西日は高温と強光が重なり、植物に強いストレスを与えます。この強いストレスは、葉焼けを引き起こし、さらに酷くなると株を弱らせて生育不良を引き起こし、最悪の場合は枯れる原因をつくります。そのため、適した生育環境で栽培する事が大切です。
屋内で栽培する場合の必要光量
- 屋内環境:観葉植物までは太陽光が直接届かないが、太陽の反射光などで十分に明るい場所です。
- 光量の目安:5000~20000Lux※1/92.5~370μmol/m2・s※2
- 注意点:屋内で栽培時に光量が足らないと光合成の活動が低下して細胞の生成が滞り、生育不良になったり、茎が徒長したり、葉色が悪くなります。また逆に光量が強いと葉焼けを引き起こすリスクや乾燥が早まる可能性があるため避けてください。特に夏場の強光は強いストレスとなるため注意が必要です。
※1:Luxは物体の表面を照らす明るさの単位です。一般的に人間が感じる明るさを元に利用されていますが、植物の世界でも、植物が健康に成長するのに必要な明るさの目安、またはギリギリ生存が可能な明るさの目安として、一般的に屋内で植物を栽培される際に利用されています。
※2:μmol/m2・sはPPFDの単位です。これは植物が光合成に使用出来る400~700nmの波長域の光の強さを数値で示したものとなります。この値が大きいほどに植物の光合成が活発に行われたり、またこれが強すぎる場合は葉焼けなどを引き起こしたりします。Luxとは違い、光合成光量子束密度(PPFD)は植物に必要な光量を正確に評価する事が出来ます。
植物育成ライト
太陽光が全く当たらない場所で栽培する場合は、植物育成ライトが基本的に必要です。一般的なライトは人間が快適に過ごすため、部屋を明るくする目的で使わており、植物の成長に必要な赤色光や青色光といった波長が不足している場合が多いからです。
植物育成ライトを購入する場合はPPFDや色温度などが重要になります。詳しくは観葉植物の種類のページをご覧下さい。
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●培養土
培養土を購入する場合は、一般的な観葉植物の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が熱帯・亜熱帯の森林地帯で、基本的に湿潤な環境にあります。土壌は基本的に通気性・排水性が高いものを好みますが、湿潤を維持するために、保水性も高めた方がよいでしょう。またある程度の肥沃さがある方が成長がよくなります。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土や鹿沼土などの土壌改良材を全体の6割~7割を目安に配合します。土粒が大きいと、空隙ができすぎてしまい根が安定せず成長が悪くなったり、保水性も著く落ちて生育が悪くなる原因となるため、土粒は小粒を選んだ方がよいでしょう。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥は全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合します。堆肥は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、堆肥を入れる事で植物の成長が促進されやすくなります。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+腐葉土4割+元肥適量
- 赤玉土(小粒)7割+ピートモス(調整済)3割+ゼオライト適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- バーク堆肥:バーク堆肥は、樹木の樹皮を発酵させて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:バーク堆肥は見た目が黒っぽく、断片が小さくなって、しっかりと発酵しているものを選びましょう。発酵が未熟なものは、株元にマルチして使用した方がよいでしょう。
- 特徴:バーク堆肥は繊維が多く土壌の膨軟性を高める効果が非常に高い、そのため空気の通りが良くなり根の成長を助けます。また土壌の保水性・保肥力を改善する効果も高めです。微量要素を多数含んでいるため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。C/N比が高くリグニンを含む難分解性有機物が含まれているため完全な分解まで時間がかかる傾向があり膨軟効果が長く続く。PHは弱酸性から中性です。
- 注意点:C/N比が高いためバーク堆肥を大量に土壌に入れると分解時に微生物が窒素を余計に使い窒素飢餓を引き起こす事がある、そのためバーク堆肥の入れ過ぎには注意です。リグニンが発芽抑制・生育障害等を引き起こす原因になる事があります。
- 用途:土壌の膨軟性を長期間に渡り高めて、保水性・保肥力・通気性を改善する目的、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする目的で、花壇の土壌改良材として利用されたり、またコンテナ栽培の改良用土として利用されたりしています。
水やりの仕方
ヘンヨウボクは、自生地が熱帯雨林の日陰の森林の中にあり、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。栽培する場所は、基本的に日陰にあるため乾燥しにくいですが、乾燥しやすい土壌などで栽培する場合は水やりの頻度が多くなる場合もあります。
●水やりの方法
生育期間中の春から秋は、生育旺盛で沢山の水を必要とするため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えます。頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをおこないましょう。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ヘンヨウボクは、肥料を与えることで株の生育が促進されます。そのため、生育期間中は定期的に追肥を施してあげる方がよいでしょう。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
●肥料の与え方
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を入れる事で補います。
- 肥料を与える時期:春から秋の生育期間中に行う。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが右下がりに比率が減っていく右下がり型、または窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約10~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の回りにかけて、土全体を湿らせるように与えましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
ヘンヨウボクは剪定せずに育てる事も出来ますが、株の高さを抑える目的などで剪定されることもあります。
●剪定方法
- 剪定の時期:早春の3月~4月頃に行うことが最適です。早春に行う事で、春からの力強い成長の恩恵を受けて株は素早く回復できます。その他の生育期間中も剪定が出来ますが、株への負担が大きくなり、回復も遅れてしまうため、基本的には古い葉や枯葉などを取り除く程度にするとよいでしょう。
- 切り戻し:切り戻しは早春頃に行います。茎が長く伸びて管理が出来ないと感じる場合などに、株の3分の1程度を目安にして好みの高さで剪定するといいでしょう。ただし、強剪定をすると株への負担が高まり生育不良になる事もあるため、3分の1以上の剪定は推奨されません。
夏越しする方法
ヘンヨウボクの原産地はマダガスカルの熱帯にあり、基本的に暑さ・多湿には強いです。ただし、強光や乾燥は少し苦手にしています。例えば、強光は光合成を阻害して生育不良を引き起こしたり、細胞を破壊して葉焼けを引き起こしたりします。また乾燥は萎れや深刻だと枯れを招きます。そのため、夏越し対策として強光・乾燥の予防が必要になってくるでしょう。
●夏越し対策一覧
- 乾燥の改善:乾燥は水分が不足した状態や湿度が低い状態になることです。植物が乾燥して萎れやすいと感じる場合は、育てている環境や土壌の状態が悪い場合があります。乾燥対策は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 灌水をする:植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
- 強光:強光とは強い光です。植物界では一般的に光合成能力を超えるような強い光になります。このような強い光は、光阻害を引き起こして細胞・タンパク質を壊してしまい光合成能力を低下させたり活性酸素の生成を行い、過剰に蓄積された活性酸素が光合成装置を壊したり細胞死を引き起こしたりします。そのため、必要に応じた対策が必要です。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
冬越しする方法

Hardiness:11~12
ヘンヨウボクは熱帯・亜熱帯の気候の地域に自生している植物です。基本的に冬の低温を苦手にしており、気温が10度を下回ると株が弱る可能性があり、氷点下を下回る環境では枯れてしまいます。そのため、熱帯・亜熱帯地域に住んでいる場合を除いて、しっかりと冬越し対策をしてあげる必要があるでしょう。
●冬越しの条件
- 温度:最低10度以上で18度以上の環境が理想です。
- 光量の目安:5000~20000Lux/92.5~370μmol/m2・s
- 水やり頻度:冬場は生育が緩慢になるため、水やりの頻度は少なめで、土壌の表層が乾燥したタイミングで水を与えます。
●冬越し対策一覧
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。
- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
- 球根の保管:球根の保管とは、休眠中の球根を、過酷な環境から保護して、植付け時期まで適切な場所で保管する事です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中に入れる方法です。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たりにくくなるため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ヘンヨウボクは挿し木や取り木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを10~15cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度をいれます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
●取り木の方法
- 取り木の時期:植物の生育が旺盛な春から初夏の季節が取り木に最適な季節となります。
- 枝の選定:取り木を行う枝は、前年もしくは当年成長した、充実した枝の中から選定します。その枝の先端から下に30cmほどあり、鉛筆以上の太さのある良さげな枝を選びましょう。
- 加工:本種は木質化するため、加工方法は樹皮を剥がす環状剥離法で行います。取り木する場所の枝の表皮を、部分的に完全に剥がすために、茎を一周するようにリング状に、刃物で浅く切れ込みを入れます。同様に、最初の切れ込みの3~5cmほど下にも切れ込みをいれます。茎に切れ込みを入れたら、切れ込みを入れた間の表皮を指で剥がすか、刃物を使用して薄く剥がしましょう。
- 傷口の保護:傷口を覆うように、湿らせた水苔を巻き付けます。水苔を巻いたら、上からビニールで覆い、ビニールの上下を紐で固定する。
- 定植:水苔から根が現れて、側面から沢山の根が観察出来るようになったら、根が生えている箇所のすぐ下からカットして、根が乾く前に植えたい箇所に直ぐに植え付けます。