
- 原産:ソロモン諸島
- 科:サトイモ(Araceae)
- 属:ハブカズラ(Epipremnum)
- 種:オウゴンカズラ(Epipremnum aureum)
- 同義語:Pothos aureus
- 英名:ポトス(Pothos)
- 別名:オウゴンカズラ/ハブカズラ・オーレウム/エピプレムヌム・アウレウム/ゴールデン・ポトス(golden pothos)/セイロン・クリーパー(Ceylon creeper)/アイビー・アラム(ivy arum)/デビルズ・バイン(devil’s vine)/デビルズ・アイビー(devil’s ivy)
- 品種:マーブルクィーン(Epipremnum ‘marble queen’)
- 開花時期:自然開花は稀
- 花の色:白色・黄色
- 葉の色:緑色・白色(クリーム色)
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約100~300cm
- 誕生花:4月17日
- 花言葉:長い幸/永遠の富/華やかな明るさ
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/枝垂れる植物/ツル植物/切り花/観葉植物/日陰植物
- 購入方法:ポトス(マーブルクィーン)を楽天で購入
■ポトス(マーブルクィーン)の特徴
- 学名:Epipremnum ‘marble queen’
- 葉の色:緑色・白色(クリーム色)
- 草丈:約100~300cm
- 備考:葉の色は緑色と白色(クリーム色)の複色で、葉の中に散斑が入ります。そのため、明るさや清潔感などを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
■ポトスとは!?


ポトス(学名: Epipremnum aureum)は、または同義語でPothos aureus、別名では「オウゴンカズラ」「ハブカズラ・オーレウム」「エピプレムヌム・アウレウム」「ゴールデン・ポトス(golden pothos)」「セイロン・クリーパー(Ceylon creeper)」「アイビー・アラム(ivy arum)」「デビルズ・バイン(devil’s vine)」「デビルズ・アイビー(devil’s ivy)」とも呼ばれるサトイモ科ハブカズラ属の多年草です。
ポトスの原産地はソロモン諸島と言われています。ただし、野生での採取がないため、正確なところは分かっていません。
■ポトスの語源(由来)
- Epipremnumの由来:ギリシャ語で「上に」を意味する「epi」と、「茎」を意味する「premnom」の2語の造語になり、ツル性に成長することに由来しています。
- aureumの由来:ラテン語で「黄金」を意味しており、葉の色が黄金の様に見える事に由来しています。
- ポトスの由来:本種は元々ポトス属に分類されていましたが、1962年に観察かれた花から、ハブカズラ属の花との類似性とポトス属の花との構造的な違いが確認されて、1964年にハブカズラ属に移動されました。ただし、元々はポトス・オーレウム(学名: Pothos aureus)に分類されており、また広く一般的に知られていたため、現在でも同義語として扱われており、ポトスの名称で広く流通しています。
■ポトスの特徴(魅力)
- ポトスの魅力:この植物は、 熱帯雨林の林床で地表を這ったり、樹木に着生して登攀して成長したりしています。このような特性を持っている事から、栽培される際も屋内で台の上を這わせたり、ツル性の茎を枝垂れさせたり、誘引資材を準備してツルを誘引して壁面などを這わせたり、様々な方法で仕立てられ楽しまれています。また葉の色と模様も多彩なためカラーリーフとして楽しまれており、非常に耐陰性が高くLuxが500ほどの屋内でも栽培が可能となってます。そのため、日本では観葉植物の中でも一際高い人気がある植物です。
- 草姿:生育型はツル型になり、茎は柔軟で他物がない場合は地表を這い、樹木などがある場合は茎から発生する気根のうち付着根を他物に付着させて支えにしながら上へと成長します。茎は非常に長く伸び、草丈は最大2000cmまでになると言われます。
- 葉の特徴:ポトスの葉は幼葉と成葉がありますが、一般的に観葉植物として屋内で栽培され観察されるのは幼葉になります。幼葉はサイズが5~20cm、単葉で概形は心形をしており、葉の色は緑色・黄色・白色で、斑の入り方は散班・掃け込み斑・切斑があります。その一方で、熱帯雨林などに自生しているポトスは成葉も見られ、これは葉のサイズが100cmに達することがあり、分裂葉で羽状深裂していたり、モンステラのように葉の中に穴が空いていたりすることもあるようです。
- 枝垂れ植物:ポトスは、茎が非常に柔軟で地表を張ったり、壁面から真っ直ぐ下に下垂する性質があります。そのため、ハンギング鉢などに植えると鉢縁から滝のように枝垂れる草姿が鑑賞できます。
- ツル植物:ポトスは生育型がツル型で、他物を支えながら成長する植物です。ツル植物の中でも、節から発生する気根(付着根)を他物に付着させて、自らを支えながら成長する植物となります。そのため、園芸でツル植物として仕立て栽培する場合はヘゴ支柱・ココスティック・パネルなどを準備して、これに誘引しながら栽培するとよいでしょう。
- フラワーアレンジメント:ポトスは茎・葉を葉物として切り花やアレンジメントの素材に利用する事ができます。ポトスの茎・葉は水挿しで増やす事ができる事からも分かる通り、切り花にして適切に水換えをすれば非常に長くその美しさを楽しめて、また花瓶の中で根を張る事も多いため、水に挿したたままインテリアとして成長過程を観察することも可能です。さらに、アレンジメントの中にこの植物を加えると、花の美しさを自然に引き立てたり、また茎が枝垂れる姿が優美な流れをうみだします。
- インドアグリーン:ポトスは、熱帯雨林の林床や樹木の上に自生しており、この生育環境から非常に高い耐陰性があります。そのため、屋内の太陽の間接光しか届かない場所でも栽培する事が可能です。また太陽の光が当たらないような環境でも、最低500Luxあれば枯らさずに栽培可能になり、また2500~10000Luxあれば健康な成長を促し育てる事が可能となります。適切な範囲の光量の元で育てる事で、茎が徒長して葉が疎らになったり、葉色が薄くなったり、ストレスで斑が消えるなどのリスクを減らす事ができます。
- 空気清浄効果:ポトスは密閉された空間の中で、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの有害物質を除去する事が幾つかの研究で報告されています。これらの物質はシックハウス症候群(目のチカチカ・鼻水・喉の痛みや咳)を引き起こす事で知られているため、観葉植物と栽培すると健康な生活にも寄与するでしょう
■ポトスの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約300~2000cm
- 生育型:ツル型
- ツル型:ツルを他物に巻き付けて成長するもの。
- 茎の種類:ツル
- ツル:茎は基本的に柔軟で自立せずに、他物を支えにしながら伸びる。また他物がない場合は地面を張って広がる。
- ツルの分類:よじ登り茎で、ツルに生じる気根の一種で付着根を他物に付けて伸びます。
- ツル:茎は基本的に柔軟で自立せずに、他物を支えにしながら伸びる。また他物がない場合は地面を張って広がる。
- 茎の色:緑色・黄色
●葉の形態
- 葉序:互生葉序
- 葉柄:有柄
- 葉身の長さ:約5~20cm※成葉は100cmに達する事がある。
- 葉身の概形:心形(幼葉)・羽状全裂(成葉)
- 葉の先端:鋭突形
- 葉の基部:心形
- 葉の縁部分:全縁
- 葉の光沢:有り
- 葉の色:緑色・黄色・白色
●花の形態
- 花序:肉穂花序で、花序軸の形状は太く多肉質な棍棒状になり、花序軸に無柄の花が密集して、花序の基部にはサトイモ科特有の仏炎苞がある。
- 仏炎苞:花序の基部に位置し、向きは直立しており、形状は楕円形で、中心線の部分で緩く内側に湾曲して肉穂花序の後側半分程度を包みます。色は白色からクリーム色です。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:液果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ハブカズラ(ポトス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ポトスの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
ポトスが生息する主なバイオームは熱帯雨林で、原産地はソロモン諸島と考えられ、自生地は森林地帯の林床で這うように成長したり、また樹木に着生して登攀したりしています。本種が生息している場所の気候は熱帯雨林気候に属し、気温は一年を通して温かで、最も寒い月でも平均気温が18度ある。年間降水量は日本の平均よりかなり多めです。土壌は基本的に有機物が多い肥沃な場所を好みますが、湿潤な環境であれば幅広い土壌に適応します。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日当り
ポトスは、耐陰性が非常に高く、西日が当たらない半日影・明るい日陰・暗い日陰の範囲で育てることが出来ます。特に真夏の乾燥や強い日差しは、葉焼けや萎れなどの生育不良を引き起こし、最悪の場合枯れてしまうこともあるため、直射日光の当たらない明るい環境で育てる事が理想となります。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:ポトスは自生地が熱帯雨林の湿潤な環境にあるため、基本的に土壌は一定の湿潤を保てる保水性がありながら、高い通気性・排水性を保つ環境を好みます。そのため、砂壌土・壌土の土質で栽培するのが理想です。※土壌の診断と改善方法は下記の土壌診断と改善の行い方で紹介しています。
- 肥沃さ:基本的には肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(腐葉土など)を入れて土壌の物理性・生物性・化学性などを改善してあげるとよいでしょう。堆肥を入れる事で物理性が上がり通気性・排水性・保水性が改善されて根の活着を高め根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日当り
ポトスは、耐陰性が非常に高く、西日が当たらない半日影・明るい日陰・暗い日陰の範囲で育てることが出来ます。特に真夏の乾燥や強い日差しは、葉焼けや萎れなどの生育不良を引き起こし、最悪の場合枯れてしまうこともあるため、直射日光の当たらない明るい環境で育てる事が理想となります。
屋内で栽培する場合の必要光量
- 屋内環境:観葉植物までは太陽光が直接届かないが、太陽の反射光などで十分に明るい場所です。
- 光量の目安:2500~10000Lux/※1/46.25~185μmol/m2・s※2 ※500Luxでも生存可能ですが健康な成長を促す場合は2500Lux以上必要です。
- 注意点:屋内で栽培時に光量が足らないと光合成の活動が低下して細胞の生成が滞り、生育不良になったり、茎が徒長したり、葉色が悪くなります。また逆に光量が強いと葉焼けを引き起こすリスクや乾燥が早まる可能性があるため避けてください。特に夏場の強光は強いストレスとなるため注意が必要です。
※1:Luxは物体の表面を照らす明るさの単位です。一般的に人間が感じる明るさを元に利用されていますが、植物の世界でも、植物が健康に成長するのに必要な明るさの目安、またはギリギリ生存が可能な明るさの目安として、一般的に屋内で植物を栽培される際に利用されています。
※2:μmol/m2・sはPPFDの単位です。これは植物が光合成に使用出来る400~700nmの波長域の光の強さを数値で示したものとなります。この値が大きいほどに植物の光合成が活発に行われたり、またこれが強すぎる場合は葉焼けなどを引き起こしたりします。Luxとは違い、光合成光量子束密度(PPFD)は植物に必要な光量を正確に評価する事が出来ます。
植物育成ライト
太陽光が全く当たらない場所で栽培する場合は、植物育成ライトが基本的に必要です。一般的なライトは人間が快適に過ごすため、部屋を明るくする目的で使わており、植物の成長に必要な赤色光や青色光といった波長が不足している場合が多いからです。
植物育成ライトを購入する場合はPPFDや色温度などが重要になります。詳しくは観葉植物の種類のページをご覧下さい。
\下記はおすすめの植物育成ライトです/
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●培養土
培養土を購入する場合は、一般的な観葉植物の培養土で良いでしょう。またべラボンなどの樹木の着生植物によく利用される培養土もおすすめです。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が熱帯の森林地帯にあり、基本的に湿潤な環境です。土質は湿潤で通気性の高い土壌を好み、有機物もしっかり入る肥沃な土壌を好みます。そのため、通気性・排水性・保水性をバランスよく整えて、堆肥をしっかり入れた培養土を作りましょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土や鹿沼土などの土壌改良材を全体の6割~7割を目安に配合します。土粒が大きいと、空隙ができすぎてしまい根の活着が悪くなったり、保水性も著く落ちて生育が悪くなる原因となるため、土粒は小粒や細粒を選んだ方がよいでしょう。
- 土壌改良材(有機質):堆肥は全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合します。堆肥は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、堆肥を入れる事で植物の成長が促進されやすくなります。
培養土の配合例
- べラボン 10割
- 赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥 適量
- 赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+腐葉土 4割+元肥 適量
- 日向土(細粒・小粒)6割+ピートモス3割+くん炭 1割+元肥 適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
ポトスは、自生地が熱帯雨林の日陰の森林の中にあり、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。栽培する場所は、基本的に日陰にあるため乾燥しにくいですが、乾燥しやすい土壌などで栽培する場合は水やりの頻度が多くなる場合もあります。
●水やりのタイミング
生育期間中の春から秋は、生育旺盛で沢山の水を必要とするため、土壌の表面または表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えます。頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをおこないましょう。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ポトスは、肥料を与えることで株の生育が促進されます。そのため、生育期間中は定期的に追肥を施してあげる方がよいでしょう。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
●肥料の与え方
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を入れる事で補います。
- 肥料を与える時期:春から初秋の生育期間中※肥料をあたえる頻度は製品によりかわります。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが右下がりに比率が減っていく右下がり型、または窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約10~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の回りにかけて、土全体を湿らせるように与えましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
ポトスは基本的に剪定せずに育てる事も出来ますが、株のサイズや形を制御する目的で切り戻し剪定が行われる事もあります。
●剪定方法
- 剪定の時期:早春の3月~4月頃が最適です。早春に行う事で、春からの力強い成長の恩恵を受けて株は素早く回復できます。また生育期間中であれば何時でも剪定が出来ますが、回復が遅れてしまうため、他の時期に剪定をする場合は軽い剪定に留めましょう。
- 生育期間中の剪定:株全体を観察して、茎が非常に長く成長して邪魔と感じる場合、茎が全体の流れを崩していると感じる場合などに剪定しましょう。剪定する時は、茎の中間あたりで剪定してしまうと、そこから分枝して流れが悪くなるため、基本的には側枝の根元または2節程度を残して、節の0.5cmほど上で剪定しましょう。
夏越しする方法
ポトスの気候は熱帯に属し、日陰の森林地帯に自生しています。そのため、基本的に暑さ・多湿には強いです。ただし、強光や乾燥は苦手にしています。例えば、強光は光合成を阻害して生育不良を引き起こしたり、細胞を破壊して葉焼けを引き起こしたりします。また乾燥は萎れや深刻だと枯れを招きます。そのため、夏越し対策として強光・乾燥の予防が必要になってくるでしょう。
●夏越し対策一覧
- 乾燥の改善:乾燥は水分が不足した状態や湿度が低い状態になることです。植物が乾燥して萎れやすいと感じる場合は、育てている環境や土壌の状態が悪い場合があります。乾燥対策は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 灌水をする:植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
- 強光:強光とは強い光です。植物界では一般的に光合成能力を超えるような強い光になります。このような強い光は、光阻害を引き起こして細胞・タンパク質を壊してしまい光合成能力を低下させたり活性酸素の生成を行い、過剰に蓄積された活性酸素が光合成装置を壊したり細胞死を引き起こしたりします。そのため、必要に応じた対策が必要です。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
冬越しする方法

Hardiness:10~11
ポトスは、最も寒い月でも平均気温が18度ある熱帯に自生している植物です。そのため、基本的に冬の低温に耐えられず、気温が10度を下回ると葉色が変色したり葉が落ちて株が衰弱したり、さらに氷点下を下回る環境では簡単に枯れてしまいます。そのため、熱帯地域に住んでいる場合を除いて、基本的には冬越し対策が必要となります。
●冬越し条件
- 温度:最低10度以上で18度以上の環境が理想です。
- 光量の目安:2500~10000Lux/46.25~185μmol/m2・s ※500Luxでも生存可能ですが健康な成長を促す場合は2500Lux以上必要です。
- 水やり頻度:冬場は生育が緩慢になるため、水やりの頻度は少なめで、土壌の表層が乾燥したタイミングで水を与えます。
●冬越し対策一覧
挿し木や株分けで増やす
ポトスは挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度をいれます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。