- 原産:ヨーロッパ/西アジア
- 科:ウコギ(Araliaceae)
- 属:ヘデラ(Hedera)
- 種:セイヨウキヅタ/ヘリックス(helix)
- 同義語:Hedera acuta/Hedera arborea
- 英名:アイビー(ivy)
- 別名:ヘデラ・ヘリックス/コモン・アイビー(common ivy)/イングリッシュ・アイビー(English ivy)/ヨーロピアン・アイビー(European ivy)
- 品種:ミニ・エスター(hedera helix ‘mini esther’)
- 開花時期:8月~11月
- 果実時期:9月~翌3月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●白色〇
- 分類:常緑つる性木本
- 登攀方法:気根(付着根)
- 草丈:50cm以上
- 誕生花:1月21日
- 花言葉:永遠の愛/友情/信頼/不滅/結婚
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/壁面緑化/日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヘデラ(ミニ・エスター)とは!?
ヘデラ(ミニ・エスター)は、葉のふち部分を中心に光が当たったような白色の覆輪が入るため、明るく輝くような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。葉はふち部分が深く裂け裂片が3個から5個あり、葉の色は緑色と白色の2色です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
ヘデラ(アイビー)とは!?
ヘデラ(アイビー)は学名がHedera helix、別名では「セイヨウキヅタ」や「イングリッシュ・アイビー」等とも呼ばれるヨーロッパおよび西アジアが原産の常緑つる性木本です。
ヘデラ(アイビー)の語源(由来)
- 属名のHederaは古ラテン語で「ツタ」を意味しており、ツル状に成長する習慣に由来します。
- 種小名のhelixはラテン語で「螺旋状の」を意味しており、ツタが木等に絡む様子に由来しています。
ヘデラ(アイビー)の特徴(魅力)
- ヘデラ(アイビー)は、茎が柔軟なため壁面から枝垂れたり構造物を登り成長したりする習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。そのため様々な仕立て方で楽しまれます。
- また葉は掌状にふち部分が鋭利に裂けるため、洗練された印象を与える葉の形をしており、葉には様々な班が入るためカラーリーフとしても楽しめます。
- 茎はツル性、多くの場合は匍匐するように茎が広がり地面や斜面を覆いますが、気根(付着根)を他の植物や物体に接着して自らの茎を固定して登る事も可能です。
- 気根(付着根)とは、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付く事が出来るため、岩壁や木造の構造物などを登る事が出来ます。
- そのため園芸では、気根の付着しやすいヘゴ支柱やココスティック(トーテムポール)等を準備したり、岩壁や木壁等に這わせて育てられます。気根が出て定着するまでに時間がかかる場合があるため、ある程度の誘引とサポートが必要です。
- 気根(付着根)とは、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付く事が出来るため、岩壁や木造の構造物などを登る事が出来ます。
- 開花時期は晩夏から秋、花は小花に球状に集まり、球状の花の集まりが茎の上部で総状(房状)に集まりボリュームある花姿をつくります。
- 花は緑色で目立たず、また小さいため装飾的な価値は殆どありません。
- 開花期になると花蜜や花粉を求めて蜜蜂が集まるため、花の周りを元気に飛び回る蜜蜂の姿や、花に乗り蜜を集める可愛らしい蜜蜂の姿を観察する事が出来ます。
- 果実は鳥の食べ物が少なくなる冬に実るため、野鳥にとって貴重な食料源となります。
- 葉はふち部分が掌状に3~5回裂け先端が鋭利に尖るため、洗練された印象を与えやすく、エレガントな雰囲気をつくります。
- また多くの場合で、葉に白色や黄色の班が入るため、明るく輝くような印象や、開放的な印象を与える、カラーリーフとしても楽しめます。
- ヘデラ(アイビー)は全草、特に果実と葉に有毒な量のサポニンを含有しているため、基本的に食べる事は出来ません。
- また人だけではなく猫や犬にとっても有毒なため、誤って食べないように注意する必要があります。
- ヘデラ(アイビー)の仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「壁面緑化」「ハンギングバスケット」「トピアリー」等があります。
- ヘデラ(アイビー)は被覆植物(グランドカバー)として利用出来ます。茎は柔軟なため立ち上がることなく、地面を匍匐して不定根を定着させながら無制限に広がります。そのため地面を被覆したい場所にアイビーを植えるだけで地被植物になり、また花壇の縁部分に植えると縁部分を枝葉がナチュラルに覆うため自然な印象を与えます。
- ヘデラ(アイビー)は壁面緑化に利用されます。アイビーは茎からでる気根(付着根)を岩壁や木造の壁に浸透もしくは接着する事で壁面を登る事が出来ます。アイビーに覆われた壁面は人工物と自然の境界が曖昧になるため美しい景観がつくられ、また優れた断熱効果があり急激な温度変化を抑制するため夏場の冷房費などを節約する事が出来ます。
- ただし気根(付着根)は壁面に浸透したり接着するため、それだけでも壁面を劣化させる可能性があり、またその欠陥をツルが隠すため修理が出来なかったり、また剥がす時は壁面が壊れたり根が残ってしまい汚れる事が予想されます。そのため、永続的に這わせる場合を除きワイヤーやパネル(登ハンマット)等を利用して壁面を保護して上げる方が良いかも知れません。
- アイビーを剥がす前に事前にツルを根元から切って置くと徐々に気根(付着根)が劣化するため、壁面より剥がしやすくなります。
- ヘデラ(アイビー)はハンギングバスケットや鉢植え等に植えられて、ツルが側面から下垂する優雅な樹形を鑑賞する目的で育てられたりします。
- ヘデラ(アイビー)はトピアリー仕立てとして利用される事もあります。トピアリー仕立てとは、植物を幾何学模様や動物などの形に形成して楽しむ方法です。
- ヘデラ(アイビー)でトピアリーを楽しむ場合はトピアリーフレームと呼ばれる金属の枠または金属と水苔の枠が必要です。
- ヘデラ(アイビー)は耐陰性が強いため屋内の観葉植物として育てられたり、日陰の庭(シェードガーデン)に利用されたりします。
- ヘデラ(アイビー)は光量が300luxほどの場所でも生き残り、3000lux~10000luxの場所で活発に成長します。
- ヘデラ(アイビー)は非常に丈夫で育てやすい植物ですが、ツルが旺盛に広がり様々な場所に侵入して除去が難しくなったり、管理場所から逸出して地面を覆い在来種を追いやる可能性があります。
- そのためオーストラリアや北アメリカの1部の州では輸入や販売が禁止されており、有害な雑草として扱われていることがあります。
- ヘデラ(アイビー)は有害な雑草として見られる事もありますが、園芸品種では侵襲性がかなり抑えられている事が多く、基本的には育てやすいです。
ヘデラ(アイビー)の樹形はツル性(気根)、茎の長さ約100(~3000)cm、茎の色は緑色、茎が成熟すると木質化して赤褐色または灰褐色になります。
※気根(付着根)は、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付き体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色または黄色か白色、葉柄は長さ約1.5(~11)cm、葉身の直径および幅は約3(~10)cm、葉身の形は心形もしくは三角形、葉のふち部分は全縁または掌状に浅裂または中裂しており3(~5)裂します。※成葉になると葉のふち部分の裂けがなくなる傾向にあります。
花序は散形総状花序、散形総状花序は総状に散形花序が並び、散形花序は直径約3(~5)cm、花(小花)が多数集まり球状の外観をつくります。花(小花)は直径約0.5(~0.7)cm、花弁の数は5個、花弁の色は緑色または黄色、雄蕊は5個あります。
果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、核果は球形、直径は約0.6(~0.8)cm、色は黒色または濃い黒紫色をしています。
ヘデラ(アイビー)の園芸品種の紹介
- ゴールデンチャイルド(Hedera helix ‘golden child’)は、葉のふち部分に鋭利な裂片が5個あるため「星の形」等を連想させるような装飾的な葉の形をしており、また葉のふち部分にはバターイエローの非常に目立つ班(覆輪)が入るため、明るく開放的な印象を与えるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ約100cmまで成長します。
- グレーシャー(hedera helix ‘glacier’)は、葉のふち部分に鋭利な裂片が3個まれに5個あるため、洗練された印象を与えるかっこいい葉の形をしています。また葉のふち部分には白色の覆輪が入り、葉全体にも薄い黄色の班が不規則に入るため明るい印象のカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ約200cmに成長します。
- サーク(hedera helix ‘Sark’)、葉の形がハート形をしているため、可愛らしい印象を与えたり、ロマンチックな雰囲気を作ったりする魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- 白雪姫は、葉のふち部分が大きく裂けるため「トライデント」のような個性的でかっこいい葉の形をしており、また葉の殆どがクリーム色(薄い黄色)の柔らかな葉色をしているため、可愛らしい印象やロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- こぐまの足音の特徴は、葉の中に凹凸があり、ふにゃふにゃとしたユニークな外観をしている所や、葉の縁部分に切れ込みが入る所等にあります。また他のヘデラと同様にツル性の成長習慣があるため、様々な仕立て方をすることが出来ます。
- ゴールデンファイヤー(hedera helix ‘golden Fire’)は、葉のふち部分が大きく裂けないため葉の形が殆ど三角形をしており、ふち部分を中心に幅広く黄色の覆輪が入る園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ピュアフレンチ(hedera helix ‘pure french’)は、葉の色が成熟するに連れてライムグリーンから緑色へと徐々に変化していくため、一株の中で緑のグラデーションのような色調が作られる園芸品種です。ライムグリーンの明るい葉色は、瑞々しくフレッシュな印象を与えるため明るく開放的なお庭などによく合うでしょう。樹形はツル性、長さやく50cm以上に成長します。
- セシリア(hedera helix ‘Caecilia’)は、葉のふち部分がフリルドレスのように波打つため優雅な印象を与える葉の形をしており、また他のアイビーと同様に裂片が3個から5個あり、裂片の先端が尖るため洗練された雰囲気をつくります。葉はふち部分に白色または薄い黄色の覆輪が入ります。そのため明るい印象を与えるカラーリーフとしても楽しめます。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ホワイトワンダー(hedera helix ‘white wonder’)は、一般的なアイビーと比較して葉がとても小さいため子供の葉のような可愛らしい外観をしており、また葉のふち部分に白色の覆輪が入るため明るい印象を与えるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ約50~500cmに成長します。
- ダックフット(hedera helix ‘duckfoot’)は、その名前からも分かる通り、アヒルの足を連想させる個性的な葉の形が特徴の園芸品種です。葉は上部のふち部分が浅く裂けて裂片が3個あり、葉の色は濃い緑色です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- キプロスの特徴は、葉の色が青緑色と白色の二色で構成されていて、葉脈にそって白色の班が入るため、大理石を想像させるような高級感ある色合いをつくる所や、葉が三角形をしていてシャープでかっこいい見た目をしている所などにあります。また他のヘデラと同様にツル性の成長習慣があるため、様々な仕立て方をすることが出来る所も魅力です。
- 翠雲(すいうん)は、季節の殆どをアイビー特有の裂片が3~5個ある葉の形で過ごしていますが、冬になり気温が下がると葉のふち部分が強く縮れてチリチリとした個性的な外観をつくる園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- 雪の踊子は、葉の色が冬になると殆ど白くなり、また葉は不規則にカールして動きのある葉の形になるため、明るく輝くような印象や優雅な雰囲気が楽しめます。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- タイニーブッシュは、一般的なアイビーよりも葉が小さく、また葉が非常に細くシャープな外観をしているため可愛らしい印象や洗練された印象を与える園芸品種です。葉はふち部分が深く裂け裂片が3個から5個あり、葉の色は濃い緑色をしています。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- タイニーフェザーは、葉の形が「羽根」を連想させるような細くシャープな外観をしており、また葉のふち部分には白色の覆輪が入るため明るい印象や洗練された印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はツル性ら長さ50cm以上に成長します。
- グリーンチュチュは、葉のふち部分が強く波打ち、また葉全体が不規則に捻れるため、動きのある外観をつくり、優雅な印象を与える葉姿が楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- バースデーハート(hedera helix birthdayheart)は、その名前からも分かる通り、葉の形がハートの形をしていて可愛らしい雰囲気をつくます。また一般的なアイビーよりも葉が小さいためより可愛らしく、濃い緑色の葉色が落ち着いた印象を与える魅力的な園芸品種です。
- ライトフィンガー(hedera helix ‘light finger’)は、葉が細くシャープな外観をしているため洗練された雰囲気があり、また葉の色がライムグリーンなため明るく開放的な印象を与える園芸品種です。葉はふち部分が深く裂け裂片が3~5個あり、葉の色は黄色または黄緑色をしています。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- コックルシェル(hedera helix ‘cockle shell’)は、葉の形が「貝」を思わせるような外観をしており、アイビーとは思えないような円形または半円形の葉の形をしています。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ハロー(hedera helix ‘hallo’)は、一般的なアイビーの葉と比べて、葉が小さく、また不規則に葉のふち部分が裂けています。葉は裂片がない全縁または裂片が3個~5個あり、葉の色は濃い緑色です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ホワイトリップル(hedera helix ‘white ripple’)は、葉のふち部分が深く裂け先端が鋭利に尖るため、シャープな印象や洗練された雰囲気をつくる葉の形をしており、また葉のふち部分に白色の覆輪が入るため、明るく輝くような印象や清潔感を感じさせる園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ハーレキン(hedera helix ‘harlekijn’)は、葉のふち部分を中心に白色の班が不規則に入るため明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。葉はふち部分が浅く裂け裂片が5個あり、葉の色は緑色と白色の2色です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ミニ・エスター(hedera helix ‘mini esther’)は、葉のふち部分を中心に光が当たったような白色の覆輪が入るため、明るく輝くような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。葉はふち部分が深く裂け裂片が3個から5個あり、葉の色は緑色と白色の2色です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- 小雪は、葉のふち部分を中心に白色の覆輪が入るため明るく輝くような印象を与えるカラーリーフとなり、また葉の中に丸葉がまざるため可愛らしい印象を与える園芸品種です。葉は裂片が普通3個あり、葉の色は緑色、ふち部分が白色をしています。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ウィリー(hedera helix ‘willy’)は、一般的なアイビーの葉と比べて、葉が小さくふち部分の裂けが小さいため「子供の手のひら」のような可愛らしい外観をしており、また葉のふち部分に白色の班が入るため明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- ジェイク(hedera helix ‘Jake’)は、葉全体の色が黄色またはライムグリーンの明るい葉色をしているため、開放的で明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
- きららの森
- 雪ほたるは、雪の結晶を連想させるような可愛らしい葉の形が特徴の園芸品種です。葉はふち部分が浅く5裂して全体的に丸みを帯びており、葉の色は緑色、ふち部分を中心に幅広い白色(薄い黄色)の覆輪と少し掃込み斑も入ります。樹形はツル性、長さ約50cm以上に成長します。
- 雪の妖精は、普通のヘデラと比べて、葉が非常に細長く線形をしており、葉のふち部分の切れ込みが深く全裂しているためシャープな印象を与える葉の形をしており、また不規則に捻れるため動きのある葉姿が楽しめます。葉の色は緑色と黄色、新芽と若葉を中心に明るい黄色の班が入ります。
- 雪の華は、葉全体の色素が抜けたような薄い黄色をした柔らかな葉色をしており、優しい印象を与えたり明るく輝くような雰囲気をつくり、また葉のふち部分が全裂して葉が完全に分かれる事がある所が特徴の園芸品種です。葉はふち部分が浅く裂けるか全裂する事があり、裂片が3~5個あり、葉全体が薄い黄色、所々に濃い緑色が残ります。樹形はツル性、長さ50cm以上に成長します。
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アイビー(ヘデラ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヘデラ(ミニ・エスター)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ヘデラ(ミニ・エスター)を管理する場所は西日の当たらない半日影または間接光が当たる明るい日陰が理想です。光量では3000ルクス(lux)~10000ルクス(lux)ほどの場所で管理しましょう。強い日差しは苦手にしていますが、ある程度までは光量が多いほど成長が良くなります。
ヘデラ(ミニ・エスター)は、直射日光による強い日差しを苦手にしています。何故なら強い日差しは、乾燥を招くため葉を落としやすくなったり、強光が光合成能力を超えるため葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしやすくなるためです。そのため、直射日光が6時間以上当たる日向や、西日の当たる場所は避けた方が良いかもしれません。
逆に光が少ない暗い場所で管理すると、葉色が悪くなり班が失われたり、生育が非常に遅くなったり、生育不良になり枯れる可能性もあります。成長ではなく、株を生き残らせる目的なら最低でも300ルクス(Lux)以上の場所で育てましょう。
光量は携帯のアプリを使って簡易的に調べる事が出来ます。また照度計を利用するとより正確に分かるため、必要に応じて利用してみましょう。
土壌の土質
ヘデラ(ミニ・エスター)は、通気性と保水性のバランスがよく、適度に肥沃な土壌を好みます。やや湿り気のある土壌でよく育ちますが、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こすことがあるため注意が必要です。土壌診断を行い、通気性や保水性が悪かったら、土壌改善を行ってから植え付けを行いましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ヘデラ(ミニ・エスター)を管理する場所は西日の当たらない半日影または間接光が当たる明るい日陰が理想です。光量では3000ルクス(lux)~10000ルクス(lux)ほどの場所で管理しましょう。光量が300ルクス(Lux)の場所で株が生き残る事も可能ですが、成長が遅くなる事もあるため注意が必要です。
培養土
ヘデラ(ミニ・エスター)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は部屋に入れる事も考えて、腐葉土のかわりに無菌のピートモスなどを利用すると良いかもしれません。培養土は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
水やりのやり方
ヘデラ(ミニ・エスター)は、浸水したり水分が停滞する様なジメジメした環境を嫌いますが、やや湿り気のある土壌を好みます。そのため定期的に水やりを行い、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
湿度の管理
ヘデラ(ミニ・エスター)は湿度が40~60%の高い環境を好みます。乾燥が続くと葉先が褐色になったり、葉が落ちたりする事があるため注意が必要です。特に乾燥した室内や、日向で管理する場合は注意が必要です。
乾燥対策
- 屋内
- 週に1度の頻度で霧吹きを使い葉水する
- 受け皿に水をためる
- 鉢底が水で浸からないように置物等を噛ませておきます。
- 加湿器を使い湿度を高める
- 屋外
- 直射日光が長時間当たる日向は避ける
肥料の与え方
ヘデラ(ミニ・エスター)は茎葉をしっかり成長させるために定期的に肥料を与える必要があります。肥料は植え付け時に元肥を入れて、生育期間中(春・夏・秋)も定期的に追肥を与えましょう。
元肥の与え方
- 元肥は苗の植え付け時に与える肥料の事です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料を選び、成分は水平型肥料(成分が均一)を選びましょう。
- 元肥の与え方は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥で行ます。
追肥の与え方
- 追肥は春から秋の生育期間中に与えます。
- 追肥は窒素成分が多めの液肥、もしくは肥効が長く続く固形肥料を選びましょう。
- 化成肥料や緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
- 液体肥料で与える場合は、規定された分量で希釈して約14日に1回のペースで水やりの際に一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
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剪定のやり方
ヘデラ(ミニ・エスター)は定期的な剪定をする必要はありません。ただしツルが一本間延びして外観を崩すような場合、ツルが本来あるべき場所から逸出して維持管理を難しくするような場合などはしっかり剪定しましょう。また剪定を行う事で茎の枝分かれが促される事があります。そのため、ふさふさとした樹形をつくりたい場合などは枝分かれさせたい場所で切り戻しするのも良いでしょう。
ヘデラの剪定方法
- ヘデラの剪定は生育期間中であれば何時でも行えますが、早春から春が最も適します。
- 何故なら早春から春に剪定しても、春から強く成長するため素早い回復が見込めるからです。また夏から秋も剪定出来ますが、回復力は春に比べると劣るため、剪定する場合も軽い剪定に留めておいた方が良いでしょう。
- ヘデラの剪定は定期的に行うのではなくツルの数を増やしてフサフサとした外観を作りたい、邪魔な茎を短くしたい等の目的に合わせて行われます。
- ツルは枝分かれさせたい部分の節の上で剪定すると良いでしょう。ハンギングバスケット等で枝垂れる樹形を楽しんでいる場合は、茎の途中から剪定すると、その部分から枝分かれしてしまい雑多な印象を与える事もあるため注意が必要です。
ツル誘引の目的と方法
ヘデラの茎はツル性で柔軟性が高く、基本的には自立する事なく地面を匍匐して広がるか、他の植物や物体に気根(付着根)を伸ばし接着して体を固定しながら上に登ります。
ヘデラは岩壁や木造の構造物を登る事ができます。ただし気根が出て定着するまでに時間がかかる場合があるため、ある程度の誘引とサポートが必要です。構造物などに気根を伸ばし定着するまでは、支柱や麻紐等で固定してあげると良いでしょう。また気根の付着しやすいヘゴ支柱やココスティック(トーテムポール)等を利用するとより早く根が定着するため、ツルが登る姿を早く楽しむ事が出来ます。
資材:ネット/トレリス/バーゴラ/オベリスク/トピアリーフレーム/壁面ワイヤー/フェンス/ヘゴ支柱/ココスティック(トーテムポール)/パネル(登ハンマット)
夏越しする方法
ヘデラ(ミニ・エスター)は夏の暑さに強いため基本的には夏越し対策不要です。
ただし強い日差しや乾燥により葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり、葉が落ちたりする事があります。そのため直射日光が当たる場所を避けたり、土壌が乾燥している場合はしっかり水やりを行う等の管理が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~10a
ヘデラ(ミニ・エスター)は、冬の寒さに強く耐寒性が高いため、基本的に冬越し対策不要です。
挿し木や株分けで増やす
ヘデラは挿し木や、株分けによって増やす事が出来ます。
ヘデラの挿し木の方法
- 挿し木時期は晩春から夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 節の部分からよく発根するため節の直ぐ下の部分でカットします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
ヘデラの株分けの方法
ヘデラは地面に伸びた茎の節から根を出して定着するため、その部分を親株から切り離し植え直す事で株分けする事ができます
播種で増やす
ヘデラの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- 自家採取した種子は発芽の為に寒さの経験が必要なため、秋に種を撒いて冬の寒さを経験させるか、低温処理した後で種を撒き発芽を揃えます。
- 発芽を揃えたい場合は、やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜポリ袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で約4週間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ぬるま湯に種を一晩つけます。
- ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 次に種が隠れるように薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ヘデラの病気
- すす病
- 斑点病
- 炭そ病
ヘデラの害虫
- アブラムシ
- カイガラムシ