- 原産:メキシコ
- 科:クワ(Moraceae)
- 属:フィカス/イチジク(Ficus)
- 種:ペティオラリス(Ficus petiolaris)
- 別名:ペティオレート・フィグ(petiolate fig)/ロックフィグ(rock fig)
- 開花時期:周年
- 花の色:緑色・赤色
- 葉の色:緑色・赤色(葉脈)
- 香り:
- 生活形:落葉高木
- 樹高:約1~15m
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ/インドアグリーン/日陰植物
- 購入方法:フィカス・ペティオラリスを楽天で購入
■フィカス・ペティオラリスとは!?
フィカス・ペティオラリス(学名: Ficus petiolaris)は、別名「ペティオレート・フィグ(petiolate fig)」「ロックフィグ(rock fig)」とも呼ばれるクワ科フィカス属(イチジク属)に分類される落葉高木です。
フィカス・ペティオラリスの原産地はメキシコで、自生地は岩場や崖、サバナなどにあり、生育環境は地生・岩生・岩隙・半着生です。
■フィカス・ペティオラリスの語源(由来)
- Ficusの語源:古典ラテン語で植物の「イチジク」を示します。
- petiolarisの語源:ラテン語で「葉柄の」を意味しており、本種の葉柄が非常に長いことに由来します。
■フィカス・ペティオラリスの特徴(魅力)
- 形態:樹高は約1~15m、生育型は通常【直立型】【分枝型】です。幹は基本【単幹】で垂直に伸びますが、幹から発生する気根が岩を覆ったり、また地面に伸び【支柱根】を形成することで叢生しているようにも見えることがあります。葉序は互生、葉柄の長さ約10~20cm、葉身の長さ約5~20cm、葉身は心形で、葉先は尖頭です。花序は隠頭花序で、花軸の部分が球形に多肉化(花托)し、内部の空洞に多数の花が咲きます。
- ライフサイクル:生活形は落葉高木になります。
- 春:暖かくなってくると代謝が活発になり、新芽が展開し、茎も生育旺盛に伸長し、理想的環境では開花も見られます。
- 夏:高温期も生育旺盛にぐんぐん成長し、茎を伸長させながら、新しい葉も展開させ、理想的環境では開花も見られます。
- 秋:この時期も生育期間中で開花も続きますが、気温が低くなり始めると生育がやや鈍り、理想的環境では開花も見られます。
- 冬:自生地では乾季になり、この時期は落葉して休眠期にはいります。
- 近縁種との比較:近縁種と比べて、本種は乾季に落葉し休眠する性質があります。また実生株では地際に茎が塊状に太くなった【コーデックス】があり、葉柄や葉脈が赤色を帯びる傾向があります。また自生地は岩場や崖などにあり、他種と比べて乾燥にとても強いです。
- ユニークな株姿:本種の実生株は地際付近の茎が球状に肥大しコーデックスを形成します。そのため、この個性的な外観を楽しむ目的で栽培されることが多い植物です。
- 葉の魅力:本種の葉はハート型をしており、また葉柄や葉脈が赤色を帯びるため、可愛らしい見た目をしているリーフとして楽しめます。
- ロックガーデン:本種は自生地が岩場などにもあり、乾燥気味の環境にも比較的適応します。ただし、約10度を下回る環境では成長が停止して葉が変色して落ちるなど株が弱るため、熱帯・亜熱帯以外での屋外での年間を通じた栽培は難しいです。
- 空気清浄効果:本種は密閉された空間の中で、シックハウス症候群の原因になる有害物質(ホルムアルデヒド、ベンゼン、トリクロロエチレン、キシレン、トルエン)などを吸収し、分解(植物や土壌微生物など)するなどして空気を綺麗にする効果が期待できます。そのため、観葉植物として栽培すると健康な生活にも寄与するでしょう。
■フィカス・ペティオラリスの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:落葉高木
- 生活場所:地生・岩生・岩隙・半着生
- 樹高:約1~15m
- 生育型:生育初期は、主軸が明瞭な【直立型】ですが、生育が進むと主軸が不明瞭な【分枝型】となることもあります。
- 幹:初期は単幹で垂直に伸びます。
- 側枝:発生初期は斜上に伸びますが、成熟するに連れて水平に広がります。
- 樹皮:色は黄緑色・淡褐色・灰褐色・灰白色で、質感は滑らかです。
- 備考:地際付近に茎が塊状に太くなっている【コーデックス】があります。高湿度の環境では幹や側枝から気根が発生することがあり、気根は地上に向かって伸び、地面に到達すると、地中では普通根、地上部の露出部は支柱根となります。また気根が幹と癒合することで、独特な外観となる傾向があります。
●葉の形態
- 葉序:互生
- 葉柄の長さ:約10~20cm
- 葉身の長さ:約5~20cm
- 葉身の幅:約10~25cm
- 葉身の概形:心形
- 葉先:尖頭
- 葉縁:全縁
- 葉脈:羽状脈
- 葉の毛:無毛
- 葉の質感:革質
- 葉の色:緑色・青緑色
- 備考:葉柄や葉脈の色が赤色を帯びるか黄緑色をしています。クチクラ層とワックス層が発達しており、水を弾き、環境ストレスに耐性があります。
●花の形態
- 花序:花軸の部分が球形に多肉化(花托)し、内部の空洞に多数の花が咲く【隠頭花序】です。これは赤色・緑色をしています。
- 苞:基部に3枚あります。
- 花:雌雄同株で、雌花(花被・雌蕊)と雄花(花被・雄蕊)があります。
- 花被:花被片は3~4枚、それぞれ離生します。
- 雄蕊:1本
- 雌蕊:1本
●果実・種子の形態
- 果実の分類:陰頭花序の壺形をした花軸の内部に沢山の花(雌蕊)があり、それぞれの花(雌蕊)が痩果となり、ひとつの果実のようにみえる【イチジク状果(syconium)】です。
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■フィカス・ペティオラリスの園芸品種を紹介
■フィカス属(イチジク属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■フィカス・ペティオラリスの育て方
花壇の土づくり

●バイオームと植生
- 主なバイオームと植生:モンスーン林・亜熱帯乾燥林・サバナ・有刺林・露頭など
- モンスーン林(monsoon forest):熱帯の中で長い雨季と明瞭な乾季(数ヶ月)がある森林のバイオームです。熱帯雨林と違い、乾季があるため落葉する樹木が見られ、一時的に林内が開け明るくなる時期があります。またサバンナと違い樹木が生い茂り森林を形成します。
- 亜熱帯乾燥林(tropical and subtropical dry broadleaf forest):熱帯および亜熱帯の緯度に位置しており、明瞭な雨季と乾季があります。この乾季は数ヶ月と長いため、熱帯雨林や亜熱帯湿林と比べて乾季に葉を落とす落葉樹が多く見られます。
- サバナ(savanna):明確な雨季と乾季があり、特に乾季は長く続くこともあるため、森林は発達せず、疎林または草原が広がるバイオームです。
- 露頭(Rocky Outcrops):表層堆積物や土壌、植生に覆われることなく地表に直接露出している基盤岩です。土壌と呼べるものはほぼ存在せず、厳しい環境下(乾燥、強風、激しい温度変化、極端な貧栄養状態)に置かれており、ここに自生する植物は独自の適応を遂げています。
- 原産地:メキシコで、自生地は岩場や崖、サバナなどにあり、生育環境は地生・岩生・岩隙・半着生です。
- 自生地:岩場・崖・サバナなど
- 生態環境:地生・岩生・岩隙・半着生
- 気候:主に熱帯モンスーン気候・サバナなどに属します。
- 日照:日向・半日陰・明るい日陰
- 土壌:アレノソル(Arenosols)・レゴソル(Regosol)・レプトソル(Leptosol)など
- アレノソル: 下層まで砂質の土壌で、非常に水はけが良く、養分を保持する力が極めて弱いのが特徴です。有機物が少なく保肥力・保水性ともに低いです。
- レゴソル:母材が砂または非固結岩屑土からなり、風化が弱く層位の発達がほとんど見られない。土壌は基本的に砂礫質であるため通気性・排水性は非常に高いです。一方で、水を留める力がないため保水性が極めて低いです。有機物も少なく、保肥力・肥沃度ともに低いです。
- レプトソル:連続した岩石の上にある非常に浅い土壌の層で深さ25cm未満です。土壌は岩と砂礫質が主体のため通気性・排水性は非常に高いです。砂礫は水を留める力が弱く、さらに土層も薄いため保水性は皆無に等しいです。有機物も少なく、保肥力・肥沃度ともに低いです。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
フィカス・ペティオラリスは【日向・半日陰(西日無し)・明るい日陰】の範囲で育てることができます。基本的には日当たりを好みますが、夏場の西日が、植物に強いストレスを与えて、葉焼けを引き起こしたり、株を弱らせて生育不良にさせることがあるため、西日を避けた半日陰で栽培した方が綺麗な葉を維持しやすいです。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。主として全方位に遮蔽物がない、または遮蔽物を背にして開けた空が南向き・西向き(午後から日向)にある場所です。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所ですが、西日の当たる半日陰は夏場の強光と地温の上昇が日向と変わらないため、一般的に午前中に日が当たる場所が半日陰と考えます。主として遮蔽物を背にして開けた空が東向きにある場所、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が2時間程度当たる場所、または間接光だけが当たる比較的明るい場所です。主として、遮蔽物を背にして開けた空が北向きにある場所、または樹木から木漏れ日が当たる場所や周囲が開けているが太陽が当たらない場所などになります。
- 暗い日陰:直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。主に高い建物に囲まれているような、深い森の中にいるような場所になります。
●土壌の土質
- 概要:自生地は崖や岩場等にあり、土壌(Regosol・Arenosolsなど)は砂礫質で水捌けがよく肥沃度は低い傾向があります。日本で栽培する場合も、水捌けが悪いと根腐れを引き起こすリスクが高まるため、通気性・排水性を重視した、高い気相率(粒子が粗め)を重視した土壌作りをした方が良いでしょう。
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。日照条件・周囲の水捌け具合などを考慮して、土質は水捌けのよい【砂壌土から砂土】に調節すると良いでしょう。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は適さず、根腐れを引き起こすため避けて下さい。
- 肥沃さ:基本的に砂や礫が多くて、腐植質が少ない、栄養分の乏しい痩せた場所に自生しています。過度に肥沃な土壌は、夏場に有機物の分解による発酵熱で土壌が高温・酸欠状態になり、根腐れを引き起こす原因になったり、また保水性が高まり過ぎて蒸れる原因になったりします。そのため、土壌の状態にもよりますが、土壌診断を通じて肥沃さが足りないと感じたら、未熟な堆肥は使用せず【完熟腐葉土】を1~2割程度を目安にして混ぜ込みましょう。
- pH:pHは6.0~6.5の弱酸性から中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
土壌診断と改善の行い方(参考)

- 排水性の診断:診断したい場所に深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘ります。一度穴を水で満たし、完全に排水されるまで待ちます。再度、穴の中を水で完全に満たし、一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になり、それ以下またはそれ以上である場合は排水が不良、または排水が過剰すぎる可能性があります。
- 排水性の改善:環境に合う植物を栽培するか、レイズドベッド(背の高い花壇)やロックガーデンを作るか、縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる方法などがあります。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を垂直に押し込み、ほとんど抵抗なく入る深さが20~30cm(樹木50cm)前後あれば、一般的な園芸植物が根を張るのに十分な作土層があります。それ以下であれば通常改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って必要な深さまで掘り起こして土を解します。また石や異物がある場合は【土ふるい】等を使用して取り除きましょう。
- 土性の診断:土壌の通気性・排水性・保水性・保肥力を知るために、土壌の土性を【砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土】に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。診断法は適度に湿らせた土を触った時の感触と、こねた時の様子から判断します。
- 砂土:排水性と通気性が非常に高く乾燥しやすい土壌です。土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触があり、手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れます。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く比較的乾燥しやすい土壌です。土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触があり、手のひらや指で捏ねると、緩く土を固めることが出来ますが、簡単に土塊は崩れます。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高い土壌です。土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触があり、手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来ます。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しいです。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい土壌です。土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じます。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが可能で、緩く曲げることも可能です。
- 埴土:保水性・保肥力が非常に高い乾燥しにくい土壌です。土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触のみがあり、手のひらや指で捏ねて伸ばすと、コヨリ程度の太さまで伸ばすことが可能で、輪っかに曲げても殆ど切れません。
- 土性の改善:土性の診断をしたら、栽培する園芸植物に合わせて土性を改善します。
- 通気性・排水性の改善:植物の自生地の環境に適した通気性・排水性を向上させる園芸用土(硬質赤玉土・硬質鹿沼土・パーライト・日向土・川砂・軽石・ゼオライト・腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・くん炭・木炭・籾殻)を土壌の状態に合わせて必要量(1~3割程度またはそれ以上)の土壌改良材を入れて、スコップを使い作土層の部分を混和します。
- 保水性の改善:植物の自生地の環境に適した保水性を向上させる土壌改良用土(赤玉土・バーミキュライト・荒木田土・ゼオライト・腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を土壌の状態に合わせて必要量(1~3割程度またはそれ以上)の土壌改良材を入れて、スコップを使い作土層の部分を混和します。
- pHの診断:土壌のpHを【土壌酸度計・pH試験紙・ペーハー測定器・アースチェック液】などを利用して診断します。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご確認ください。
- pHの改善:pHを診断後に植物の適正なpHに合わせて、土壌改良材を入れてpHの改善をおこないます。
- pHを酸性に改善:酸度未調整のピートモスを使用する場合はpHを約1下げるために、一般的に1㎡あたり約10L~15L(乾燥重量で約1〜2kg)を入れて、よく混和します。
- pHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してpHを約1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて、よく混和します。
- 肥沃度の診断:肥沃度は【土壌の色・触感・香り・団粒構造の有無】によりある程度診断できます。土壌の色は黒色や茶色の場合は腐植が多く肥沃度が高い傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃度が低い傾向があります。また触るとふわふわとした質感がありますが、肥沃でない土壌は粘土質で乾いているとガチガチに硬かったり、砂質でザラザラとして握っても固まらない質感があります。また土粒を観察すると小さな団子のように団粒構造を形成している場合は土粒を観察すると粘土や腐植がくっつき小さな団子のようになっておりコロコロとしています。
- 肥沃度の改善:診断を元にして、栽培する植物の生育環境に合わせた土壌改良を行います。
- 痩せ地を好む植物:土壌に有機物が多く肥沃な場合は、土壌を取り除き新しい通気性・排水性が高い土壌で栽培するか、鉱物系の通気性の高い園芸資材(硬質赤玉土・硬質鹿沼土・パーライト・日向土・川砂・軽石・ゼオライト)を混和します。
- 肥沃な土壌を好む植物:土壌に有機物が少なく痩せている場合は、土壌に有機質資材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・牛糞堆肥・馬糞堆肥・黒土・くん炭・木炭(竹炭)・籾殻等)を1~3割程度混ぜて混和します。堆肥を入れる量は、通気性を好む植物であれば程々に1割程度、湿潤を好む植物であれば2~3割程度を目安に入れて混和しましょう。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢の培養土づくり

●日照条件
フィカス・ペティオラリスは【日向・半日陰(西日無し)・明るい日陰】の範囲で育てることができます。基本的には日当たりを好みますが、夏場の西日が、植物に強いストレスを与えて、葉焼けを引き起こしたり、株を弱らせて生育不良にさせることがあるため、西日を避けた半日陰で栽培した方が綺麗な葉を維持しやすいです。
インドアグリーンの光環境

- 屋内環境:窓越しに直射日光が届く範囲から、太陽光が直接届きませんが太陽の反射光などで十分に明るい場所までで栽培が可能です。窓から離れていて間接光が全く当たらない場所で栽培したい場合は【植物育成ライト】の導入を検討しましょう。
- 生存ライン:5000Lux/92.5μmol/m2・s
- Lux※1:10000~20000Lux
- PPFD※2:185~370μmol/m2・s
- DLI※3:8~16mol·m⁻²·d⁻¹
- 注意点:植物が求める光は基本的には光飽和点を目安にしながら、これを超えない光強度の範囲で、適切な時間を確保して栽培するのが最適(暗い時間も重要)となります。ただ生き残るためであれば光補償点を上回る程度の光の強さでも栽培可能ですが、光が足りないと日照不足で植物の外観が悪くなることもあるため適切な光を知っておくことが大切です。
【日照積算量(DLI)の照射時間の算出】
※1 Lux:人間の目が感じる明るさに基づいて数値化された単位です。照度では人間の目が最も明るいと感じる緑色(555nm)の光を最も高く評価しており、植物が光合成で必要とする赤色光(600~700nm)や青色光(400~500nm)はやや過小評価されています。そのため、照度(Lux)は光の量を測る手法として最も広く用いられていますが、植物の成長に必要な光の質(光合成有効放射)と量を厳密に測る手法としては不十分と言えます。
※2 PPFD:植物の光合成に有効な波長域である【光合成有効放射(PAR):400~700nm】の光の量(密度)を測定した指標です。この単位は【μmol/m2・s】で示されており、この値が大きいほど植物に供給する光の量が多いことを示します。
※3 DLI:植物が1日で受け取る光合成有効放射(PAR)の総量で、これは光合成光量子束密度(PPFD)と時間(照射時間)の累積値です。植物を健康に栽培する上での最も重要な指標になり、これを活用してPPFDの値と照射時間を調整することもできます。
植物育成ライト
室内で十分な光を確保出来ない場合は植物育成ライトの購入を検討しましょう。植物育成ライトでは、PPFDが指標として使われているため、光合成に必要な赤色光(600~700nm)や青色光(400~500nm)といった波長の強さが分かり、植物に必要な光の量を十分に確保・調整することができます。
植物育成ライトを購入する場合はPPFDや色温度などが重要になります。詳しくは観葉植物のページをご覧下さい。
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比較的お手頃価格でPPFDの測定や赤色光・青色光の測定ができます!
安心の日本ブランド!PPFDの値が高いため、屋外で栽培するような植物を栽培したかったり、光源を離して沢山の植物を栽培したかったり、大きい植物を栽培したい人などにおすすめの植物育成ライトです!
●培養土
培養土を購入する場合は多肉・サボテン用の培養土または、通常の観葉植物の培養土より排水性が高めのものを購入すると良いでしょう。
自作する場合は、pHは弱酸性~中性、通気性・排水性を重視しながら、保水性も保ったバランスの良い配合にしましょう。また屋内で栽培する場合は清潔(無機質・難分解性有機物・CEC適正)で雑菌や害虫の発生しにくい用土を重視し、屋外で栽培する場合は成長を促進させるため肥沃度を向上させる用土(有機物)を重視すると良いでしょう。
培養土の配合例
- 基本の配合:硬質赤玉土(小粒)5割+軽石3+ピートモス(酸度調節済)2割+元肥適量
- 培養土が長持ちする配合:硬質赤玉土(中粒・小粒)3割+日向土(小粒)2割+ベラボン2割+ピートモス(酸度調節済)1割+軽石2割+元肥適量
- CECの高い配合: 硬質赤玉土(小粒)6割+腐葉土1割+ピートモス(酸度調節済)2割+ゼオライト1割+元肥少量
水やりの方法

フィカス・ペティオラリスは、基本的に日当たりと水はけの良い、やや乾燥気味の環境を好み、耐乾性も比較的高いです。
過湿は許容せず、ジメジメした状態が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因となったり、根の呼吸を妨げて根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりの頻度には十分な注意が必要となります。
●水やりの方法
- 生育期(春・夏・秋):株は生育期で十分な水を必要としますが、多肉質で水分を蓄えているため、頻繁な水やりは不要です。基本的には、土壌全体が乾燥したタイミングで、土中の古い空気(ガス)も全て押し出し空気を入れ替えるイメージで水をたっぷり与えましょう。
- 冬の水やり:冬の低温環境下では代謝が下がり生育が緩慢または休眠するため、水をほぼ必要としなくなります。そのため、断水気味に管理しましょう。ただし、十分な温度(15度以上)と光環境がある場合は、春夏秋と同様の水やりを行いましょう。
土壌の乾燥の確認方法

- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥していることです。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cmが乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm程度の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中にさしてみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方

フィカス・ペティオラリスは生育期に必要とする肥料の量は少ないです。また根の浸透圧の調整能力が低いため、高濃度の肥料に晒されると肥料焼けを引き起こし根腐れすることもあります。そのため、過剰な施肥を避けて【控えめの肥料】を心がけましょう。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植え付け前または植え付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料がおすすめです。
- 施し方:植物を植え付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和します。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春から秋に追肥を施します。冬は低温になり代謝が落ちて生育が緩慢になるため肥料を止めます。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または葉の展開を促すために窒素が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥は専用の液肥ではない場合は、規定された分量の4分の1程度を使い、水で薄めに希釈します。液肥の回数は2週間に1度程度の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定方法

フィカス・ペティオラリスは剪定せずに育てることも出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。例えば、剪定により、茎の分枝が促されてボリューム感のある株に仕立てる事が出来ます。また株の概形が整えられて洗練された見た目になります。
●剪定方法
- 自然樹形に仕立てる:本種は樹冠が卵形・傘形になる傾向があります。そのため、この自然な雰囲気を崩さないように剪定することが基本です。
- 剪定時期:強い剪定をする場合は、春に剪定するのが最適です。春に剪定すると、その後に力強く成長するため回復も早いです。また樹形を整える剪定は、夏から初秋も可能です。
- 枯れ枝の除去:株を観察し、枯れた枝を根元から剪定して取り除きます。
- 樹形を整える:株を観察して、樹形を著しく乱す忌み枝(徒長枝・立ち枝・逆さ枝・下がり枝)を探します。株全体を見て、この不要な枝を剪定した時に、樹形のバランスを崩さないと判断できる時は根元から間引き剪定しましょう。次に、株全体を見て枝が混みあっている場所を探します。ここにある忌み枝(混み枝・絡み枝・平行枝・車枝)を、株全体のバランスを見ながら透かすように、根元から間引き剪定します。また必要に応じ、樹勢が弱く成長する見込みが殆どない枝(懐枝など)を根元から剪定し取り除きます。
- 芯止め剪定:本種は上に伸びる幹や枝を剪定しないと、高木に成長することがあります。そのため、必要に応じ木の上部の成長点を剪定して、上への成長を抑制しましょう。剪定方法は、まず株全体を観察して、芯止めした後に、一年でどの程度成長するか考えながら、芯止めする高さを決めます。剪定する高さを決めたら、芯止め後の成長を考えて、形がよい側枝の近くで剪定します。切り口には腐朽菌が入る可能性があるため、必要に応じ癒合剤を塗ると良いでしょう。
夏越し方法

フィカス・ペティオラリスは、それほど夏越しが難しい植物ではありません。基本的な育て方に従えば夏越し対策を特段行う必要はありません。
夏は強光で葉焼けをしやすいため、西日の当たらない場所で管理し、土壌は乾燥しやすいため定期的に土の観察をして表面が乾燥したら水を与えるようにしましょう。
冬越し方法


Hardiness:10~12
フィカス・ペティオラリスは熱帯・亜熱帯の気候の地域に自生しており冬の低温に弱い植物です。本種は基本的に、気温が10度を下回ると成長が停止して葉が変色して落ちるなど株が弱る可能性があり、5度を下回ると致命的な低温障害を引き起こし枯死する恐れがあります。そのため、熱帯・亜熱帯気候で栽培していない場合は、鉢植えで管理し、屋内管理で冬越しした方が無難でしょう。
●冬越しの条件
- 屋内環境:植物を育てるのに十分な光量があり、生育に必要な温度を十分に保てる場所です。
- 温度:理想的な温度は15度以上です。
- 光量の目安:5000~20000Lux/92.5~370μmol/m2・s ※光量を確保できない場所で栽培したい場合は、植物育成ライトが基本的に必要となります。
- 水やり頻度:気温が下がると代謝が下がり生育が緩慢になります。植物は水をそれほど必要としなくなるため、土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、乾燥が続くと枯れてしまうため、土壌が乾燥して数日後(2~3日)に水を与えると良いでしょう。
●冬越し対策一覧
栄養繁殖方法

フィカス・ペティオラリスは挿し木や取り木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
●取り木の方法
- 取り木の時期:植物の生育が旺盛な春から初夏の季節が取り木に最適な季節となります。
- 枝の選定:取り木を行う枝は、前年もしくは当年成長した、充実した枝の中から選定します。その枝の先端から下に30cmほどあり、鉛筆以上の太さのある良さげな枝を選びましょう。
- 加工:本種は木質化するため、加工方法は樹皮を剥がす環状剥離法で行います。取り木する場所の枝の表皮を、部分的に完全に剥がすために、茎を一周するようにリング状に、刃物で浅く切れ込みを入れます。同様に、最初の切れ込みの3~5cmほど下にも切れ込みをいれます。茎に切れ込みを入れたら、切れ込みを入れた間の表皮を指で剥がすか、刃物を使用して薄く剥がしましょう。
- 傷口の保護:傷口を覆うように、湿らせた水苔を巻き付けます。水苔を巻いたら、上からビニールで覆い、ビニールの上下を紐で固定する。
- 定植:水苔から根が現れて、側面から沢山の根が観察出来るようになったら、根が生えている箇所のすぐ下からカットして、根が乾く前に植えたい箇所に直ぐに植え付けます。





