- 原産:熱帯アメリカ
- 科:サトイモ(Araceae)
- 属:スパティフィラム(Spathiphyllum)
- 別名:ササウチワ(笹団扇)/ピースリリィ(peace lily)
- 品種:いせ姫(Spathiphyllum ‘Isehime’)
- 開花時期:周年(主に5月~11月)
- 花の色:黄色・白色
- 葉の色:緑色・クリーム色
- 香り:
- 生活形:常緑多年草
- 草丈:30cm以上
- 誕生花:8月30日/9月1日
- 花言葉:爽快/清純な心/上品な淑女/包み込む愛/清々しい日々
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/景観植物/インドアグリーン/日陰植物
- 購入方法:スパティフィラム(いせ姫)を楽天で購入
■スパティフィラム(いせ姫)とは!?
- 学名:Spathiphyllum ‘Isehime’
- 育種:中世古園芸
- 開花時期:周年(主に5月~11月)
- 花の色:黄色・白色
- 葉の形:長楕円形・披針形
- 葉の色:緑色・クリーム色
- 草丈:30cm以上
- カラーリーフ:葉の色は緑色を基調として、クリーム色の掃け込み斑の模様が入ります。この配色は、降り注ぐ木漏れ日を見ているようで、明るさを感じさせたり、心身を深くリラックスさせる効果があります。
- インドアグリーン:非常に高い耐陰性があり、インドアグリーンとして栽培することが出来ます。
- 空気清浄効果:スパティフィラムは密閉された空間の中で、シックハウス症候群の原因になる有害物質(ホルムアルデヒド、ベンゼン、トリクロロエチレン、アンモニア、アセトン)を吸収し、分解(植物や土壌微生物など)するなどして空気を綺麗にする効果が研究(NASA空気清浄研究)で確認されています。
■スパティフィラムの不調の原因

| 原因 | クロロシス (葉の白化・黄化) | ネクロシス (部分的な壊死等) | モザイク (葉に濃淡模様) |
|---|---|---|---|
| 強光 | 〇 | 〇 | |
| 光不足 | |||
| 水不足 | 〇 | ||
| 過湿 | 〇 | 〇 | |
| 湿度不足 | 〇 | ||
| 低温 | 〇 | 〇 | |
| 欠乏症 | 〇 | ||
| 肥焼け | 〇 | ||
| 老化 | 〇 |
| 原因 | 落葉・脱落 (葉が落ちる) | 徒長 (茎の間延び) | 萎凋 (全体・一部の萎れ) |
|---|---|---|---|
| 強光 | |||
| 光不足 | 〇 | ||
| 水不足 | 〇 | 〇 | |
| 過湿 | 〇 | 〇 | |
| 湿度不足 | |||
| 低温 | 〇 | 〇 | |
| 欠乏症 | |||
| 肥焼け | 〇 | ||
| 老化 | 〇 |
■スパティフィラムの原種比較
| 原種 | 草丈 | 備考 |
|---|---|---|
| スパティフィラム・カンニフォリウム | 約20~60cm | 株が比較的大きくなり、カンナに似た比較的巨大な葉を広げます。 |
| スパティフィラム・コクレアリスパトゥム | 約100~180cm | 株が非常に大きくなり草丈180cmまでに成長し、葉も巨大で80cm程度までなります。また仏炎苞はスプーン状に湾曲し、花は薬品を想像させるような爽やかな香りがします。 |
| スパティフィラム・フロリバンダム | 約30~80cm | 株が小型から中型で、葉も10~25cm程度と小ぶりです。 |
| スパティフィラム・ワリシー | 約30~50cm | 株が比較的小型で、葉の概形がほそながくなる傾向があります。 |
■スパティフィラム属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■スパティフィラム(いせ姫)の育て方
花壇の土づくり

●日照条件
スパティフィラム(いせ姫)は【日向・半日陰・明るい日陰】の範囲で育てることができます。ただし、夏は強光・乾燥ストレスで葉焼けや落葉を引き起こしやすいため日向は避けたほうが無難です。また日陰での栽培もできますが、光量が少ないと花数が減ってしまいます。そのため、栽培に理想的な環境は午前中に日光が当たり午後から日陰になる半日陰になります。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。主として全方位に遮蔽物がない、または遮蔽物を背にして開けた空が南向き・西向き(午後から日向)にある場所です。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所ですが、西日の当たる半日陰は夏場の強光と地温の上昇が日向と変わらないため、一般的に午前中に日が当たる場所が半日陰と考えます。主として遮蔽物を背にして開けた空が東向きにある場所、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が2時間程度当たる場所、または間接光だけが当たる比較的明るい場所です。主として、遮蔽物を背にして開けた空が北向きにある場所、または樹木から木漏れ日が当たる場所や周囲が開けているが太陽が当たらない場所などになります。
- 暗い日陰:直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。主に高い建物に囲まれているような、深い森の中にいるような場所になります。
●土壌の土質
- 概要:自生地は陸域と水域の移行帯(エコトーン)の湿地などで、湿生植物または中生植物として自生しています。この地域の代表的な土壌(WRB)はグライソル(gleysol)・フルヴィソル(fluvisol)などで、基本的に粘土質の土壌となっています。
- 中生植物:極端な乾燥地・湿地ではない場所に自生する植物です。土壌は通気性・排水性・保水性・肥沃度のバランスを考えながら土作りしましょう。
- 土質:基本的に一定の湿潤環境を好むため、土壌が直ぐに乾くような砂質の土壌は避けた方が良いでしょう。日照条件・周囲の水捌け具合などを考慮して、土質は【壌土から埴壌土】に調節すると良いでしょう。
- 肥沃さ:有機物をしっかりと含む肥沃な土壌を好みます。腐葉土などの有機物を入れることで、土壌の団粒化が促されて物理性(通気性・排水性・保水性)が向上したり、陽イオン交換容量が高くなり保肥力が向上したり、植物が必要とする栄養分を含有するため成長を補助したりする効果が期待出来ます。そのため、土壌の状態にもよりますが土壌診断を通じて肥沃さが足りないと感じたら【腐葉土・完熟牛糞堆肥】などを2~3割程度を目安に混ぜこみましょう。
- 湿生植物:植物体の根元が水に浸かる程度または水を多く含んでいる土壌を好む植物です。土壌に湿り気があれば問題なく育つことが出来るため、基本的には土壌を水で覆う必要はありません。ただし湿潤環境を好むため保水性が高い土壌にする必要があります。そのため【荒木田土】や【黒土】などを土台にして【腐葉土】や【ピートモス】を混ぜて通気性・排水性・保水性のバランスを取ると良いでしょう。
- 植え付け:基本的に根茎が隠れる程度の浅めで、成長点(クラウン)を地上に出します。
- ⚠️注意点⚠️:熱帯・亜熱帯植物のため、寒さに非常に弱いです。沖縄などの亜熱帯気候を除いて、日本のほぼ全域で冬季の屋外での栽培が非常に難しいです。そのため、基本は屋内(温室など)での管理した方が良いでしょう。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢の培養土づくり

●日照条件
スパティフィラム(いせ姫)は【日向・半日陰・明るい日陰】の範囲で育てることができます。ただし、夏は強光・乾燥ストレスで葉焼けや落葉を引き起こしやすいため日向は避けたほうが無難です。また日陰での栽培もできますが、光量が少ないと花数が減ってしまいます。そのため、栽培に理想的な環境は午前中に日光が当たり午後から日陰になる半日陰になります。
インドアグリーンの光環境

- 屋内環境:窓際から1m以内のレース越しに太陽光が届く場所から、太陽光が直接届きませんが太陽の反射光などで十分に明るい場所までで栽培が可能です。窓から離れていて間接光が全く当たらない場所で栽培したい場合は【植物育成ライト】の導入を検討しましょう。
- 生存ライン:1000Lux/18.5μmol/m2・s
- Lux※1:2000~15000Lux
- PPFD※2:37.0~277.5μmol/m2・s
- DLI※3:2~2mol·m⁻²·d⁻¹
- 注意点:植物が求める光は基本的には光飽和点を目安にしながら、これを超えない光強度の範囲で、適切な時間を確保して栽培するのが最適(暗い時間も重要)となります。ただ生き残るためであれば光補償点を上回る程度の光の強さでも栽培可能ですが、光が足りないと日照不足で植物の外観が悪くなることもあるため適切な光を知っておくことが大切です。
【日照積算量(DLI)の照射時間の算出】
※1 Lux:人間の目が感じる明るさに基づいて数値化された単位です。照度では人間の目が最も明るいと感じる緑色(555nm)の光を最も高く評価しており、植物が光合成で必要とする赤色光(600~700nm)や青色光(400~500nm)はやや過小評価されています。そのため、照度(Lux)は光の量を測る手法として最も広く用いられていますが、植物の成長に必要な光の質(光合成有効放射)と量を厳密に測る手法としては不十分と言えます。
※2 PPFD:植物の光合成に有効な波長域である【光合成有効放射(PAR):400~700nm】の光の量(密度)を測定した指標です。この単位は【μmol/m2・s】で示されており、この値が大きいほど植物に供給する光の量が多いことを示します。
※3 DLI:植物が1日で受け取る光合成有効放射(PAR)の総量で、これは光合成光量子束密度(PPFD)と時間(照射時間)の累積値です。植物を健康に栽培する上での最も重要な指標になり、これを活用してPPFDの値と照射時間を調整することもできます。
植物育成ライト
室内で十分な光を確保出来ない場合は植物育成ライトの購入を検討しましょう。植物育成ライトでは、PPFDが指標として使われているため、光合成に必要な赤色光(600~700nm)や青色光(400~500nm)といった波長の強さが分かり、植物に必要な光の量を十分に確保・調整することができます。
植物育成ライトを購入する場合はPPFDや色温度などが重要になります。詳しくは観葉植物のページをご覧下さい。
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●培養土
- 概要:自生地は陸域と水域の移行帯(エコトーン)の湿地などで、湿生植物または中生植物として自生しています。そのため、原種や品種、栽培環境に合わせて、培養土を購入したり作成しましょう。
- 中生植物:極端な乾燥地・湿地ではない場所に自生する植物です。土壌は通気性・排水性・保水性・肥沃度のバランスを考えながら土作りしましょう。培養土を購入する場合は一般的な草花の培養土よりも保水性が高めな物を選ぶと良いでしょう。
- 湿生植物:植物体の根元が水に浸かる程度または水を多く含んでいる土壌を好む植物です。土壌に湿り気があれば問題なく育つことが出来るため、基本的には土壌を水で覆う必要はありません。培養土を購入する場合は一般的な草花の培養土よりも保水性が高めのものを選ぶと管理が楽になります。また自作する場合は、保水性を重視しながら通気性・排水性も兼ね備えた培養土を作ると良いでしょう。
- 植え付け:基本的に根茎が隠れる程度の浅めで、成長点(クラウン)を地上に出します。
培養土の配合例
- 基本の培養土:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 肥沃な培養土:赤玉土5割+ 腐葉土3割+完熟牛糞堆肥1割+ゼオライト1割+元肥適量
水やりの方法

スパティフィラム(いせ姫)は、自生地が日陰の森林の中にあり、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。そのため、土壌が完全に乾燥しないように水やりを行い管理します。
●水やりの方法
- 生育期(春・夏・秋):株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで、土中の古い空気(ガス)も全て押し出し空気を入れ替えるイメージで水をたっぷり与えましょう。
- 冬の水やり:気温が下がると代謝が下がり生育が緩慢になります。植物は水をそれほど必要としなくなるため、土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、完全に乾燥すると枯れてしまうため、土壌が乾燥して数日後に水を与えると良いでしょう。
肥料の与え方

スパティフィラム(いせ姫)は開花期にしっかり花を咲かせるため、生育期に充分な肥料を与える必要があります。そのため、肥料を定期的に与えることが大切です。ただし、過剰な肥料が肥焼けを招くため、適切な施肥を心がけましょう。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植え付け前または植え付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または開花を促進するためリン・カリが多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:植物を植え付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和します。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春から秋に追肥を施します。冬は低温になり代謝が落ちて生育が緩慢になるため肥料を止めます。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または開花を促進するためリン・カリが多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約14日に1回の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定方法

スパティフィラム(いせ姫)は剪定せずに育てることも出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。例えば、花がら摘みを行うことで開花期間の花数が増えます。また古葉を取ることで病気予防や外観的に清潔感を保ちます。
⚠️注意点⚠️本種は全草に有毒なシュウ酸カルシウムの針状結晶を含有しており、特に樹液は皮膚に付くと炎症を引き起こす可能性があります。さらに粘膜に付くと激しい痛みを伴います。そのため、誤って樹液に触れないように手袋や長袖で作業すると安心です。
●剪定方法
- 概要:剪定の方法は「花がら摘み」「古葉取り」があります。剪定の要否は、株の状態や栽培目的に応じて判断しましょう。
- 花がら摘み:花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした花を摘みとることです。これを行うことで、花が種作りをすることを防ぎ、次の花芽に栄養が回り咲きやすくなります。
- 花がら摘みの時期:開花期間中
- 花がら摘みの方法:株を観察して仏炎苞が変色していたり、肉穂花序が萎れている花を探します。これらの花を見つけたら、花茎の根元からハサミを使い剪定しましょう。
- 古葉取り:老化したり寿命を迎えるなどした葉を取り除くことです。これを行うことで、風通りが良くなり病害虫の発生を抑制し、栄養が若い芽や葉に集中するため生産性も高まり、外観も綺麗に保ち清潔感を保ちます。
- 古葉取りの時期:春から秋にかけてです。
- 古葉取りの方法:株を観察して【枯れた葉】【変色した葉】【病気にかかっている葉】を探して、これらの不要な葉を根元付近で殺菌済みのハサミなどを使いカットして取り除きましょう。
夏越し方法

スパティフィラム(いせ姫)は、それほど夏越しが難しい植物ではありません。基本的な育て方に従えば夏越し対策を特段行う必要はありません。
夏は強光で葉焼けをしやすいため、西日の当たらない場所で管理し、土壌は乾燥しやすいため定期的に土の観察をして表面が乾燥したら水を与えるようにしましょう。
冬越し方法


Hardiness:10~12
スパティフィラム(いせ姫)は熱帯・亜熱帯の気候の地域に自生しており冬の低温に弱い植物です。本種は基本的に、気温が15度を下回ると成長が停止して葉が変色して落ちるなど株が弱る可能性があり、10度を下回ると致命的な低温障害を引き起こし枯死する恐れがあります。そのため、熱帯・亜熱帯気候で栽培していない場合は、鉢植えで管理し、屋内管理で冬越しした方が無難でしょう。
●冬越しの条件
- 屋内環境:植物を育てるのに十分な光量があり、生育に必要な温度を十分に保てる場所です。
- 温度:理想的な温度は15度以上です。
- 光量の目安:2000~15000Lux/37.0~277.5μmol/m2・s ※光量を確保できない場所で栽培したい場合は、植物育成ライトが基本的に必要となります。
- 水やり頻度:気温が下がると代謝が下がり生育が緩慢になります。植物は水をそれほど必要としなくなるため、土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、完全に乾燥すると枯れてしまうため、土壌が乾燥して数日後に水を与えると良いでしょう。
●冬越し対策一覧
栄養繁殖方法

スパティフィラム(いせ姫)は株分けによって増やす事ができます。
●株分けの方法
- 株分け時期:春頃に行うのが最適です。
- 株を観察:本種は根茎から短縮茎を伸ばし新たな株を作り繁殖します。新しい株が出来ており株分け可能と判断したら株分けしましょう。
- 根茎の株分け:根を出来るだけ傷めないように、株元から離れた場所にスコップを入れ周囲の土ごと掘り起こすか、鉢植えから株を抜きます。根に付いている土や腐った根を優しく取り除きます。ただし、根はデリケートなため根鉢を完全に崩しきる必要はありません。株同士は太い根茎で繋がっているため、それぞれの根茎に茎または芽(葉)と根を、それぞれ3芽以上付けるようにして、根茎を清潔なナイフで切断し分割しましょう。
- 株分け後:株分けした新しい株は、根が乾燥する前に新しい場所に素早く植え付けましょう。植付け後はしばらく養生しながら管理します。






