- 原産:日本
- 科:イネ(Poaceae)
- 属:ウラハグサ(Hakonechloa)
- 種:ウラハグサ(Hakonechloa macra)
- 流通名:フウチソウ
- 別名:ウラハグサ/ハコネグラス(Hakone Grass)/ジャパニーズ・フォレスト・グラス(Japanese Forest Grass)
- 品種:五色風知草(Hakonechloa macra cv.)
- 開花時期:8月~10月
- 花の色:緑色・黄色
- 葉の色:緑色・黄色(クリーム色)・赤色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約30~45cm
- 誕生花:7月23日
- 花言葉:未来
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/日陰植物/ロックガーデン
- 購入方法:五色風知草を楽天で購入
■五色風知草の特徴
- 学名:Hakonechloa macra cv.
- 葉の色:緑色・黄色(クリーム色)・赤色
- 草丈:約30~45cm
- 備考:葉の色は緑色を基調として黄色またはクリーム色の縞斑が入り、赤色が乗る事がある品種です。そのため、カラフルな印象を添えるカラーリーフとして楽しめます。
■フウチソウとは!?


フウチソウ(学名: Hakonechloa macra)は、別名では「ウラハグサ」「ハコネグラス(Hakone Grass)」「ジャパニーズ・フォレスト・グラス(Japanese Forest Grass)」とも呼ばれるイネ科ウラハグサ属の多年草です。
フウチソウは日本の固有種で、本州(神奈川県~和歌山県)の太平洋沿岸に分布し、山地の湿潤な岩場や崖地などに見られます。
■フウチソウの語源(由来)
- Hakonechloaの由来:この植物が多く自生している日本の「箱根(hakone)」と、古代ギリシア語で「草」を意味する「χλόη(khlóē)」の2語で構成されており、牧野富太郎により命名されました。
- macraの由来:古代ギリシア語で「長い」を意味する「μακρός(makrós)」からきています。
- フウチソウ(風知草)の由来:繊細な葉が微かな風でそよぎ揺れて、風の動きを教えてくれる姿から名付けられています。
- ウラハグサの由来:葉の付け根が捻れて表裏が逆になり、本来であれば裏面にあるはずの葉裏が表面に出ている姿から名付けられています。
■フウチソウの特徴(魅力)
- フウチソウの魅力:本種は日本の固有種で、本州(神奈川県~和歌山県)の太平洋沿岸に分布しています。一般的なイネ科と違い、稈(茎)が外側へと弧状に湾曲しながら垂れ下がるように広がる傾向があり、笹の葉のような美しい葉をつけます。そのため、株の外観は泉から水が湧き出ているような優美な姿を呈し、園芸では主に地被植物として利用されています。またこの稈と葉は、風が吹くとさざ波のように揺れ動き、さらにシャカシャカという音も立てるため、視覚的・聴覚的にも楽しませてくれます。葉の色は緑色の他、品種により黄色もありカラーリーフとしても楽しめます。本種は比較的強健で園芸初心者でも栽培がしやすく、また耐陰性も高い事から、シェードガーデンなどで栽培出来る点も魅力となります。
- 草姿:草丈は約30~70cm、生育型は叢生型で、株は根茎で緩やかに広がりながら群生をつくります。根茎から発生する茎(稈)は、弧状に湾曲しながら、斜上もしくは枝垂れるように広がります。
- 葉の特徴:葉は茎(稈)に互生につき、葉鞘と葉身が接した部分で捻れ葉裏面が上側を向きます。葉の概形は線状披針形で、長さは約10~25cmあり、見た目は笹の葉のような外観を呈します。葉の色は一般的に緑色ですが、品種を選べば黄色を呈すものがあり、また秋に紅葉すると橙色や赤色へと変化します。そのため、カラーリーフとして栽培される事も多いです。
- 地被植物:フウチソウは、株が叢生し稈と細長い葉が放射状に広がり地表を覆うため、優美な印象を添える地被植物として利用できます。日本固有種で、風情のある雰囲気を作り出すことから、日本庭園の小道の縁取りなどによく合います。またその優美な外観からエレガントな雰囲気のお庭などにもよく合うでしょう。ただし、冬になると地上部が枯れてしまうため地表が露わになり、また耐踏圧性があまりないため人通りが少ない場所で利用する必要があります。
- シェードガーデン:フウチソウは耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。
- ロックガーデン:フウチソウは、自生地が山地の湿った岩場や崖地などにあるため、日陰で湿潤な環境にあるロックガーデンでの利用に適します。この植物は草姿が叢生型で、細くしなやかな稈や葉が地表を覆うように放射状に広がり枝垂れるため、岩肌を優美に覆う姿を楽しむ事が出来るでしょう。
■フウチソウの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約30~70cm
- 生育型:叢生型
- 叢生型:地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するもの。
- 茎の種類:直立茎
- 根茎:普通の根っこのように見える地面下にある茎です。
- 稈・カン:茎の節以外の内部が中空になっていて、外側が比較的に硬い茎です。
- 稈の長さ:約40~70cm
- 稈の向き:斜上・匍匐
●葉の形態
- 葉序:互生葉序
- 葉鞘:葉の基部にあり、茎を包むように付着しており、葉鞘と葉身の接した部分が捻れて葉身の表裏を逆にしている。
- 葉の向き:基本的に斜上し、葉は弧状に湾曲して広がる。
- 葉身の長さ:約10~25cm
- 葉身の幅:約0.5~1cm
- 葉身の概形:線上披針形
- 葉の色:緑色・黄色(品種)・橙色(紅葉)・赤色(紅葉)
●花の形態
- 花序:円錐花序で、多数の小穂が疎らにつきます。
- 円錐花序の長さ:約10cm
●果実・種子の形態
- 果実の分類:穎果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ウラハグサ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■フウチソウの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
フウチソウが生息する主なバイオームは温帯広葉樹林です。本種の原産地は日本、自生地は山地の湿潤な岩場や崖地などにあります。主な気候は温帯気候に属し、気温は一年を通して比較的に温暖で、最も寒い月の平均気温が-3℃以上で18℃未満になる。年平均降水量が乾燥限界以上あり、年間を通し一定の降水量がある。日照は明るい日陰を好み、土壌は基本的に通気性・排水性が高い場所を好み、肥沃な場所から栄養の乏しい場所まで幅広く適応します。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
フウチソウは、明るい日陰で育てる事が理想ですが、西日の当たらない半日影で育てることも可能です。基本的に、西日は高温と強光が重なり、植物に強いストレスを与えます。この強いストレスは、葉焼けを引き起こし、さらに酷くなると株を弱らせて生育不良を引き起こし、最悪の場合は枯れる原因をつくります。そのため、適した生育環境で栽培する事が大切です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂壌土から壌土が適します。水分が停滞して過湿になりやすい粘土質の土質は適さず、根腐れを引き起こす原因になるため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(腐葉土など)を用土全体の2割を目安に混ぜ込むとよいでしょう。堆肥を入れることで土壌の通気性・排水性・保水性が改善され、根の活着を高め根張りをよくしたり、堆肥に含有する栄養素が微生物の働きを促進して土質を改善したり、さらに植物の栄養補給にも寄与します。
- PH:PHは6.0~7.0の弱酸性から中性を好みます。土壌のPHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてPHを調整しましょう。PHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
フウチソウは、明るい日陰で育てる事が理想ですが、西日の当たらない半日影で育てることも可能です。基本的に、西日は高温と強光が重なり、植物に強いストレスを与えます。この強いストレスは、葉焼けを引き起こし、さらに酷くなると株を弱らせて生育不良を引き起こし、最悪の場合は枯れる原因をつくります。そのため、適した生育環境で栽培する事が大切です。
屋内で栽培する場合の必要光量
- 屋内環境:窓際で西日が当たらない場所、もしくは観葉植物までは太陽光が直接届かないが、太陽の反射光などで十分に明るい場所です。
- 光量の目安:2500~10000Lux※1/46.25~185μmol/m2・s※2
- 注意点:屋内で栽培時に光量が足らないと光合成の活動が低下して細胞の生成が滞り、生育不良になったり、茎が徒長したり、葉色が悪くなります。また逆に光量が強いと葉焼けを引き起こすリスクや乾燥が早まる可能性があるため避けてください。特に夏場の強光は強いストレスとなるため注意が必要です。
※1:Luxは物体の表面を照らす明るさの単位です。一般的に人間が感じる明るさを元に利用されていますが、植物の世界でも、植物が健康に成長するのに必要な明るさの目安、またはギリギリ生存が可能な明るさの目安として、一般的に屋内で植物を栽培される際に利用されています。
※2:μmol/m2・sはPPFDの単位です。これは植物が光合成に使用出来る400~700nmの波長域の光の強さを数値で示したものとなります。この値が大きいほどに植物の光合成が活発に行われたり、またこれが強すぎる場合は葉焼けなどを引き起こしたりします。Luxとは違い、光合成光量子束密度(PPFD)は植物に必要な光量を正確に評価する事が出来ます。
植物育成ライト
太陽光が全く当たらない場所で栽培する場合は、植物育成ライトが基本的に必要です。一般的なライトは人間が快適に過ごすため、部屋を明るくする目的で使わており、植物の成長に必要な赤色光や青色光といった波長が不足している場合が多いからです。
植物育成ライトを購入する場合はPPFDや色温度などが重要になります。詳しくは観葉植物の種類のページをご覧下さい。
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●培養土
フウチソウの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が山地の岩場などにあります。そのため、培養土を作成する場合は、通気性・排水性を重視しながら、水やりの頻度も考えて適度な保水性も確保することが大切です。また堆肥も適度に入れる事で植物の成長がよくなります。
- 土壌改良材(無機質):一般的な植物の培養土よりも、特に通気性と排水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を7割~8割を目安にして多めに配合します。ただし、通気性・排水性を高めるために、大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に空隙ができすぎてしまい根の活着が悪くなったり、保水性も著しく落ちて生育が悪くなる原因となるため避けた方が良いでしょう。基本的には小粒を使用しましょう。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の2割~3割を目安に培養土の中に配合します。堆肥は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。ただし、堆肥の入れすぎは、夏場に蒸れて過湿状態になり、根腐れを引き起こす原因ともなるため注意が必要です。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が長持ちの配合:日向土(細粒・小粒)4割+硬質赤玉土(小粒)3割+ピートモス(調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土2割+元肥適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
フウチソウは、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。栽培する場所は、基本的に日陰にあるため乾燥しにくいですが、乾燥しやすい土壌などで栽培する場合は水やりの頻度が多くなる場合もあります。
●水やりの方法
- 春~秋:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。ただし、頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをして下さい。また受皿を利用している場合は、基本的には溜まった水を捨てるようにしましょう。根腐れの原因になります。
- 冬:生育が緩慢になる季節で、植物は水をそれほど必要としません。土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層または表面が乾燥した数日後に水を与えると良いでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
フウチソウは、自生地が山地の岩場などにあり、基本的に栄養の少ない土壌に生育しています。そのため、腐葉土などの堆肥が配合された土壌であれば、生育に必要な一定の栄養が含まれており、肥料がなくても栽培できます。また栄養の多すぎる土壌では、稈(茎)が徒長して草姿を乱す事も多いため、多肥は避けた方が良いでしょう。一方で、肥料には生育を促進する働きもあるため、必要に応じて早春頃に芽出し肥を与えることはおすすめです。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
●肥料の与え方
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
フウチソウは、基本的に剪定不要ですが、より健康で美しい株を維持するために剪定することも出来ます。
剪定は、晩冬から早春頃に行います。冬の間に枯れこんだ稈(茎)や葉を刈り込み、新芽の成長を促進します。
挿し木や株分けで増やす
フウチソウは株分けによって増やす事ができます。
●株分けの方法
- 株分け時期:春・秋
- 株を観察:株がを観察し、株分け出来る程度に株が大きく成長して、株が充実している事を確認しましょう。
- 株を掘りあげる:出来るだけ根を傷めないように、株を掘り起こします。
- 株を分割する:株どうしは短い根茎で繋がり、基本的に固まっているため、これを解すように、手またはナイフを使用して分割しましょう。
- 株分け後:株分け後は根が乾燥する前に素早く植付けをおこないます。