オランダカイウ(カラー)は属の中に約8種がありますが、一般に園芸では湿地に自生しており非常に大きく成長するオランダカイウや交雑された園芸品種等が親しまれています。
オランダカイウ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
オランダカイウ(カラー)の主な種の目次
![]() 開花時期:4月~7月 | ②その他の種や園芸品種 |
オランダカイウの特徴や園芸品種

原産:南アフリカ
学名:Zantedeschia aethiopica
草丈:約50~100cm
分類:多年草
開花時期:4月~7月
花色:赤色●桃色●橙色●紫色●黒色●白色〇
葉色:緑色●黄色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:12月15日
花言葉:清浄/愛情/歓喜/壮大な美/夢のような恋/すばらしい美/乙女の清らかさ/夢のように美しい/乙女のしとやかさ
用途:カラーリーフ/切り花
オランダカイウとは!?
オランダカイウは学名Zantedeschia aethiopica、別名「湿地性カラー」や「カラー」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草(宿根草)です。野生では主に川や池の辺等の湿地に自生しています。
オランダカイウの語源(由来)
- 属名のZantedeschiaはイタリアの医師で植物学者のGiovanni Zantedeschiへの献名です。
- 種小名のaethiopicaは「エチオピアの」「エチオピア人」を意味しています、
- オランダカイウの由来は、江戸時代後期に当時国交のあったオランダから渡来した事からきており、海芋(カイウ)は海外の芋と言う意味があります。
- カラーは元がヒメカイウ(Calla)属にあった事から現在もこの名前で呼ばれています。
- ↳カラーの由来は花の形が修道女の襟(collar)を連想させる所からきています。
オランダカイウの特徴(魅力)
- オランダカイウは地面下に塊根をもちます。
- ↳理想的な環境では塊根が増えて年々広がり群生をつくります。
- 基本的に茎はなく花が咲く花茎と葉がつく葉柄が垂直に伸びています。
- ↳花茎と葉柄の長さは同程度で最大100cmまで伸びます。
- 花の様に見える白色の漏斗形をした部分は仏炎苞と呼ばれる葉が変化したものです。
- 実際の花は仏炎苞の中央にある棒状の部分に黄色の小花が多数ついています。
- オランダカイウは個性的な花の形から切り花やフラワーアレンジメントの花材として非常に高い人気があります。
- 切り花としては管理の仕方にも左右されますが約7~10日の日持ちがあります。
- 葉は最大100cmまで伸びる葉柄の先に長さ50cmまでの大きな葉をつけます。
- ↳葉の形は矢じり形で縁部分がフリルの様に波打つため優雅な雰囲気をつくります。
- オランダカイウは花壇でも育てられますが水生植物としても育てられます。
- ↳水生植物として育てる場合は水深10~20cm(限界30cm)の間で育てましょう。
オランダカイウは地面下に球状(長球状)の塊根を多数生成して群生をつくります。葉は根生、葉柄は直立して長さ約40(~100)cmあり、葉色は緑色で光沢があり、葉身の大きさは長さ約13(~50)cm幅約8(~25)cm、葉身の形は矢じり形です。花茎は高さ100cmまで、花序を包むように漏斗形に白色の仏炎苞があり、中央に肉穂花序の花が咲きます。花後に出来る果実は直径約1cmの液果で緑色から黄色(~橙色)へと熟します。
開花時期は春から夏、花は仏炎苞と肉穂花序で構成されており、花色は仏炎苞では白色や緑色、赤色や桃色、紫色や黒色があり、肉穂花序は黄色です。草姿は塊根から直立する葉や花茎を直立に伸ばし高さ約50(100)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色で品種により白色(~黄色)の班が入り、葉身は矢尻形です。
オランダカイウの切り花の楽しみ方
- オランダカイウの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- オランダカイウの収穫は花が開いてるものを選び花茎の根元から収穫しましょう。
- 収穫したら水に漬けた状態で水切りを行います。
- 水切りしたら浅水の花瓶の中に生けて楽しみましょう。
- ↳日持ちは7~10日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
浅水
浅水とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。浅水のメリットは、水に浸かる茎の面積を減らし茎の腐敗リスクを低減することです。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で利用されます。
オランダカイウの毒性(既知の危険性)
オランダカイウは高いレベルのシュウ酸カルシウムを含有しています。そのため生で食べたり、多く食べると健康被害を引き起こす可能性が高いです。摂取した場合、口内が荒れたり、腎臓で結石をつくったり、腎臓の機能障害を引き起こしたり、尿路結石になる等のリスクが高まります。
オランダカイウの栽培方法
園芸では、オランダカイウの優雅に広がる葉や、個性的で上品な花を楽しむ目的で育てられる事が多く、またその花を切り花として花瓶に生けて楽しまれたりします。地植えで育てる場合は大きく成長して年々塊根が増え群生する様になるため十分なスペースが必要です。
オランダカイウを育てる際に注意する事は「強い乾燥」です。何故ならオランダカイウは野生では湿地に自生しており、乾燥を苦手にしているからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは日向を避けて西日の当たらない半日影等に植えてあげる方が管理が楽になるでしょう。
オランダカイウの主な園芸品種
その他の種や園芸品種
カラー(レッドアラート)は学名Zantedeschia ‘red alert’、炎を思わせる様な赤色(~赤橙色)の花色と揺らめく様な花の形、白色の斑点がはいる矢じり形をした葉が魅力の園芸品種です。
カラー(ピカソ)は学名Zantedeschia ‘picasso’、上品な雰囲気をつくる紫色と白色の2色の花色(仏炎苞)と、白色(黄色)の斑点がはいる矢じり形をした葉が魅力の園芸品種です。
開花時期は春から夏、花は仏炎苞と肉穂花序で構成されており、花色は仏炎苞では紫色に白色の覆輪が入り、肉穂花序は黄色です。草姿は塊根から直立する葉や花茎を直立に伸ばし高さ約30(60)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色で白色(~黄色)の班が入り、葉身は矢尻形です。