原産:南アフリカ
科:サトイモ(Araceae)
属:オランダカイウ/ザンテデスキア(Zantedeschia)
種:オランダカイウ/エチオピカ(aethiopica)
別名:カラー/湿地性カラー/ザンテデスキア・エチオピカ
英名:calla lily/arum lily
開花時期:4月~7月
花の色:赤色●桃色●黄色●橙色●紫色●白色〇黒色●
葉色:緑色●黄色●白色〇
分類:多年草
草丈:約50~100cm
誕生花:12月15日
花言葉:「清浄」「愛情」「歓喜」「壮大な美」「夢のような恋」「すばらしい美」「乙女の清らかさ」「夢のように美しい」「乙女のしとやかさ」
用途:カラーリーフ/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オランダカイウとは!?
オランダカイウは学名Zantedeschia aethiopica、別名「湿地性カラー」や「カラー」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草(宿根草)です。野生では主に川や池の辺等の湿地に自生しています。
オランダカイウの語源(由来)
- 属名のZantedeschiaはイタリアの医師で植物学者のGiovanni Zantedeschiへの献名です。
- 種小名のaethiopicaは「エチオピアの」「エチオピア人」を意味しています、
- オランダカイウの由来は、江戸時代後期に当時国交のあったオランダから渡来した事からきており、海芋(カイウ)は海外の芋と言う意味があります。
- カラーは元がヒメカイウ(Calla)属にあった事から現在もこの名前で呼ばれています。
- ↳カラーの由来は花の形が修道女の襟(collar)を連想させる所からきています。
オランダカイウの特徴(魅力)
- オランダカイウは地面下に塊茎をもちます。
- ↳理想的な環境では塊茎が増えて年々広がり群生をつくります。
- 基本的に茎はなく花が咲く花茎と葉がつく葉柄が垂直に伸びています。
- ↳花茎と葉柄の長さは同程度で最大100cmまで伸びます。
- 花の様に見える白色の漏斗形をした部分は仏炎苞と呼ばれる葉が変化したものです。
- 実際の花は仏炎苞の中央にある棒状の部分に黄色の小花が多数ついています。
- オランダカイウは個性的な花の形から切り花やフラワーアレンジメントの花材として非常に高い人気があります。
- 切り花としては管理の仕方にも左右されますが約7~10日の日持ちがあります。
- 葉は最大100cmまで伸びる葉柄の先に長さ50cmまでの大きな葉をつけます。
- ↳葉の形は矢じり形で縁部分がフリルの様に波打つため優雅な雰囲気をつくります。
- オランダカイウは花壇でも育てられますが水生植物としても育てられます。
- ↳水生植物として育てる場合は水深10~20cm(限界30cm)の間で育てましょう。
オランダカイウは地面下に球状(長球状)の塊茎を多数生成して群生をつくります。葉は根生、葉柄は直立して長さ約40(~100)cmあり、葉色は緑色で光沢があり、葉身の大きさは長さ約13(~50)cm幅約8(~25)cm、葉身の形は矢じり形です。花茎は高さ100cmまで、花序を包むように漏斗形に白色の仏炎苞があり、中央に肉穂花序の花が咲きます。花後に出来る果実は直径約1cmの液果で緑色から黄色(~橙色)へと熟します。
開花時期は春から夏、花は仏炎苞と肉穂花序で構成されており、花色は仏炎苞では白色や緑色、赤色や桃色、紫色や黒色があり、肉穂花序は黄色です。草姿は塊根から直立する葉や花茎を直立に伸ばし高さ約50(100)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色で品種により白色(~黄色)の班が入り、葉身は矢尻形です。
オランダカイウの切り花の楽しみ方
- オランダカイウの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- オランダカイウの収穫は花が開いてるものを選び花茎の根元から収穫しましょう。
- 収穫したら水に漬けた状態で水切りを行います。
- 水切りしたら浅水の花瓶の中に生けて楽しみましょう。
- ↳日持ちは7~10日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
浅水
浅水とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。浅水のメリットは、水に浸かる茎の面積を減らし茎の腐敗リスクを低減することです。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で利用されます。
オランダカイウの毒性(既知の危険性)
オランダカイウは高いレベルのシュウ酸カルシウムを含有しています。そのため生で食べたり、多く食べると健康被害を引き起こす可能性が高いです。摂取した場合、口内が荒れたり、腎臓で結石をつくったり、腎臓の機能障害を引き起こしたり、尿路結石になる等のリスクが高まります。
オランダカイウの栽培方法
園芸では、オランダカイウの優雅に広がる葉や、個性的で上品な花を楽しむ目的で育てられる事が多く、またその花を切り花として花瓶に生けて楽しまれたりします。地植えで育てる場合は大きく成長して年々塊根が増え群生する様になるため十分なスペースが必要です。
オランダカイウを育てる際に注意する事は「強い乾燥」です。何故ならオランダカイウは野生では湿地に自生しており、乾燥を苦手にしているからです。そのため有機物のしっかり入る保水性ある土壌に植えてあげる必要があり、また暑さの厳しい地域などでは日向を避けて西日の当たらない半日影等に植えてあげる方が管理が楽になるでしょう。
オランダカイウ(カラー)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
オランダカイウ(カラー)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
オランダカイウの育て方
花壇の土づくり
日当り
オランダカイウは直射日光が6時間以上あたる日向から、間接光のみがあたる明るい日陰迄で育てる事が出来ます。ただし日当たりが悪い場所で育てると花付きが悪くなったり、日当たりのよい場所では乾燥しやすくなり管理が難しくなるため注意が必要です。
土壌の土質
オランダカイウは湿地に自生しており、やや湿り気の保たれる土壌を好みます。そのため花壇で育てる場合は、通気性と保水性のバランスが良い土壌を作りましょう。また有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好むため、土色が薄い場合等は腐葉土等をいれて土壌を改善する必要があります。
植付け前に土壌診断を行い、土壌を掘る時に土が硬かったり、濡らした土を握った時に塊が崩れない等する場合は、必要に応じて通気性を高める川砂やパーライト等を入れます。また濡らした土が握った時にバラバラと崩れる場合は必要に応じて保水性を高める田土や黒土を入れましょう。その他にも肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土や黒土を入れたりして土壌改善を行いましょう。
水生植物
水生植物として池等で育てる場合は水深10~20cm(限界30cm)の間で育てられます。水につけるため通気性等はあまり関係ありません。必要に応じて肥沃さを高める荒木田土や黒土等を入れるといいでしょう。
植付け時
オランダカイウの塊根は大きさに合わせて約7~10cmの深さに植えましょう。
鉢土づくり
日当り
オランダカイウは直射日光が6時間以上あたる日向から、間接光のみがあたる明るい日陰迄で育てる事が出来ます。置きたい場所や、季節環境に合わせて移動しながら管理するといいでしょう。
培養土
培養土は保水性の高い草花や野菜培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 黒土+腐葉土+パーライト(極小粒)=5:3:2
- 赤玉土+腐葉土+バーミキュライト=5:3:2
水やりの仕方
オランダカイウは均一に湿り気が保たれた土壌を好みます。基本的には乾燥に耐えられないため、土が乾燥してきたらしっかり水やりを行いましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
水やり時の注意
オランダカイウは湿り気のある土壌を好みますが、過剰な水やりや浸水により葉の黄変や基部の腐敗等を招くことがあります。そのため土壌の状態をしっかり見ながら水やりをおこないましょう。
肥料の与え方
オランダカイウは肥沃な土壌であれば、基本的に肥料を必要としません。ただし鉢植えで育てていている場合は栄養が足りなくなる事があります。その場合は必要に応じて追肥を与えましょう。
オランダカイウの肥料は、成長が活発な春(3月~5月)の間だけ行います。肥料はリン酸やカリが多めに入る液肥を選びましょう。2週間に一度の頻度で水やりの際に液肥を与えましょう。
剪定のやり方
オランダカイウの剪定は葉が枯れる晩秋頃に「間引き剪定」を行います。
間引き剪定
オランダカイウの間引き剪定は、葉が黄色くなり枯れていく晩秋に行います。間引き剪定のやり方は、葉を根元付近で強く間引き取り除くだけです。
夏越しする方法
オランダカイウは夏の暑さに耐えますが、乾燥を苦手にしています。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
オランダカイウの夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、乾燥対策として、西日の当たらない半日影や間接光のみがあたる明るい日陰に移動するといいでしょう。
- 地植えした株でも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:8a~10b
オランダカイウは軽い霜であれば、地面下の塊茎が残り春に芽を出して冬越し出来ます。ただし基本的には寒さに弱いため管理に注意が必要です。
冬越しが難しい地域の対策方法
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株を掘り起こして鉢植えに植え直し室内か温室に入れます。
- それも難しい場合は株元に腐葉土を盛り不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
オランダカイウは株分けは休眠中の早春に行いましょう。株を掘り起こして、塊茎を個々に切り離します。
切り離した塊茎は、直ぐに植えずに1日程度乾燥させて傷口にカルスを形成させてから植え直しましょう。
播種で増やす
オランダカイウの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
オランダカイウの病気
- 灰色カビ病
- 軟腐病
- 白絹病
- 疫病
オランダカイウの害虫
- コガネムシ