オランダカイウ(カラー)は属の中に約8種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページではハイブリッド(交雑種)・オランダカイウ(湿地性カラー)・モモイロカイウ等と、その園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方へのリンクや購入方法のリンクなども用意しているため、そちらもよければご活用下さい。
■目次
■オランダカイウ(カラー)の特徴や園芸品種
- 原産:南アフリカ
- 学名:Zantedeschia
- 草丈:約30~120cm
- 分類:多年草
- 開花時期(湿地性):4月~6月頃
- 開花時期(畑地性):5月~7月頃
- 花色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●緑色●黒色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 誕生花:5月31日・6月27日
- 花言葉:清浄・愛情・歓喜・壮大な美・夢のような恋・すばらしい美・乙女の清らかさ・夢のように美しい・乙女のしとやかさ
- 用途:カラーリーフ/切り花/球根植物
- 購入方法:オランダカイウ(カラー)を楽天で購入
- 育て方:オランダカイウ(カラー)の育て方
オランダカイウ(カラー)とは!?
オランダカイウ(カラー)の学名はZantedeschia、 一般的には単に「カラー」と呼ばれて流通しており、別名では「カラー・リリー(calla lily)」や「アルム・リリー(arum lily)」とも呼ばれる多年草です。
オランダカイウ(カラー)は属の中に8種あり、原産地は南アフリカにあります。自生地は、種によって変わり、湿地などの湿潤した場所または、岩の多い乾燥気味の丘稜地などにあります。
園芸では、オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)・モモイロカイウ(Zantedeschia rehmannii)・キバナカイウ(zantedeschia elliottiana)などの種や品種、交雑種(ハイブリッド)とその品種などが栽培されています。また栽培する際の参考として使うために、種・交雑種・品種などは通常はGroup ⅠとGroup Ⅱにグループ分けがされています。
オランダカイウ(カラー)の語源(由来)
- 属名のZantedeschiaはイタリアの医師で植物学者のGiovanni Zantedeschiへの献名です。
- オランダカイウは「オランダ」と「カイウ(海芋)」の二語で構成されており、オランダカイウが江戸時代後期に当時国交のあったオランダから渡来した、海外の芋(海芋)である所から名前の由来がきています。
オランダカイウ(カラー)の特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- オランダカイウ(カラー)の特徴は、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしていて、スタイリッシュさとお洒落さを感じさせる所、花の色が多彩なため好みの色を探せる所、葉が大胆に大きく広がるため優雅な印象を感じさせる所、地面の下に地下茎(根茎・塊茎)があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
- オランダカイウ(カラー)は、独特なフォルムをもつお洒落な花を鑑賞する目的・花を収穫して花材として楽しむ目的・葉の中に水玉模様がはいる品種ではカラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されており、人気の高い植物です。
- 外観の特徴
- 地面の下に地下茎をもっており、地下茎は種によって根茎または塊茎があります。※根茎は地下部を分枝しながら広がり、塊茎は茎が塊状に肥大化して球根になっているものです。
- 草丈は約30~120cm、草姿は叢生して群生をつくることがあり、茎は直立して伸びる。
- 葉は基部が鞘状になり抱茎する、葉柄は長さ約15~150cm、葉柄の向きは直立または斜上に伸びる、葉身の長さは約15~60cm、葉身の形は腎形(心形)・矢尻形・卵形・披針形・長楕円形の範囲であり、葉の質感は革質、葉の色は緑色の単色または黄色・白色の班が入る。
- 花は仏炎苞と肉穂花序で構成されており、オランダカイウの仏炎苞は肉穂花序をロール状に包むため、通常は上から覗かないと見えない状態にある。
- 仏炎苞:仏炎苞とはサトイモ科でよく見られる、花序を包んでいる苞の一種です。オランダカイウの仏炎苞の形状は漏斗形または筒形をしており、仏炎苞の側面の重なりの長さには個体差がある、色は赤色・桃色・橙色・黄色・紫色・緑色・茶色・白色・黒色と多彩です。
- 肉穂花序:肉穂花序とは花軸が多肉化した穂状花序で、花に花柄がなく花軸の表面に沢山の花が直接ついています。オランダカイウは雌雄同株で、同株の中に雄花と雌花が別々に咲きます。肉穂花序のサイズは小さくて鉛筆のように細い傾向があり、仏炎苞の中に隠れる事が多いため目立ちません。色は黄色・橙色・クリーム色・白色の範囲であります。
- オランダカイウ(カラー)の主な用途
- オランダカイウ(カラー)は、花を鑑賞する目的で利用されることが多いです。花の色は多彩で他の植物では見られないような黒色の花もありシックで高級感ある印象を感じさせます。また包装紙でプレゼントをくるんだような独特なフォルムをしているため、お洒落でカッコイイ見た目をしている所も魅力です。
- オランダカイウ(カラー)は花が咲いた後に収穫して、切り花にして楽しむことが出来ます。詳しくは切り花の楽しみ方をご覧下さい。
- オランダカイウ(カラー)の栽培時の注意点
- オランダカイウ(カラー)を栽培する際に注意する事は、栽培するカラーがGroup Ⅰの湿地性なのか、GroupⅡの畑地性なのかを知っておく事です。交雑種の品種などもあり、分かりづらい事もありますが、出来るだけ調べて知っておいた方が失敗なく育てられます。
オランダカイウ(カラー)の切り花の楽しみ方
- 収穫タイミング
- 朝の涼しい時間帯もしくは夕方に収穫すると花に十分な水分が含まれており水揚げしやすくなります。
- 水揚げ
- 水揚げの方法は水切りを行います。
- 花瓶に生ける
- 花瓶に入れる水は浅水にします。
- 水揚げがよくて、水に浸った茎が雑菌で腐敗する事もあるため浅水が良いでしょう。
- 管理
- 直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
浅水法
浅水法とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。
浅水は、水に浸かる茎の面積が減るため、腐敗のリスクを低減することが出来ます。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で行われます。
オランダカイウ(カラー)の園芸分類
Group ⅠとGroupⅡによる分類
Group Ⅰ
- 種類:オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)・ザンテデスキア・オドラタ(Zantedeschia odorata)・上記の園芸品種や近縁の交雑種
- 分類:湿地性
- 開花時期:4月~6月頃
- 冬の葉:冬に葉が残る※夏場や冬に乾期のある場所では葉を落とす事もある
GroupⅡ
- 種類:Group Ⅰを除いた種
- 分類:畑地性
- 開花時期:5月~7月頃
- 冬の葉:葉が落ちる
耐寒性
耐寒性強い
オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)とザンテデスキア・ペントランディ(Zantedeschia pentlandii)と、その近縁の交配種は、Hardiness zone 6(-23度以下)の気温で生存する可能性があり、Hardiness zone 7で栽培可能です。
耐寒性弱い
キバナカイウ( Zantedeschia elliottiana)やモモイロカイウ(Zantedeschia rehmannii)の園芸品種や、近縁の交雑種、シラボシカイウ(Zantedeschia albomaculata)やザンテデスキア・ジュクンダ(Zantedeschia jucunda)は、Hardiness zone 8(-12度)迄しか耐えられない。そのため、寒さの厳しい地域では球根を掘りあげて保存するか、鉢植えにして屋内で管理する必要があります。
葉の特徴
フリンジ
葉の縁部分が上下に波打ち、フリンジする。
スポット
葉の中に丸い斑点が入り、葉の中に水玉模様が出来る。
掃け込み班
葉の中央脈から外側に向かって掃け込み状の班が入る。
オランダカイウ(カラー)の主な種と園芸品種の紹介
ハイブリッド(交雑種)
ハイブリッド(交雑種)は同種または異なる種を交配して作出される植物です。カラーの交雑種は、従来のカラーよりも色の範囲が豊富にあり、コンパクトに成長して育てやすい所などが魅力です。
ハイブリッド(交雑種)の園芸品種の紹介
- クリスタルブラッシュ(花の色:白色・桃色/葉の色:緑色・白色/草丈:約40~60cm)
- ゴールドラベル(花の色:黄色/葉の色:緑色・白色/草丈:約30~40cm)
- ★トーキョー(花の色:赤色・赤黒色/葉の色:緑色・白色/草丈:約30~60cm)
- ★ピカソ(花の色:紫色・白色/葉の色:緑色・白色/草丈:約60cm)
- フローレックスゴールド(花の色:黄色/葉の色:緑色・白色/草丈:約30~50cm)
- モーツァルト(花の色:桃色・クリーム色/葉の色:緑色・黄色/草丈:約40~60cm)
- モンテカルロ(花の色:黄色/葉の色:緑色・黄色/草丈:約30~50cm)
- レッドアラート(花の色:赤色~赤橙色・黄色/葉の色:緑色・白色/草丈:約60cm)
- レッドソックス(花の色:赤色/葉の色:緑色・白色/草丈:約30~50cm)
ハイブリッド(交雑種)のおすすめ品種の紹介
トーキョー
- 花の形:漏斗形
- 花の色(仏炎苞):赤色と赤黒色の複色、側面(裏側)が赤黒色をしている。
- 花の色(肉穂花序):黄色
- 葉の形:楕円形
- 葉の色:緑色と白色の複色、葉の中に白色の斑点が入る。
- 株のサイズ:約30~60cm
- 備考:葉の中に白色の水玉模様のような斑点が入るため、カラーリーフとしても楽しめる。花は表面に光沢があるため、高級感がありラグジュアリーな見た目をしており、赤色と赤黒色の花が高級感を感じさせたり、チャーミングで魅惑的な雰囲気を感じさせたりします。
オランダカイウ(湿地性カラー)
オランダカイウ(湿地性カラー)の学名はZantedeschia aethiopica、別名では「カラー(calla)」や「アルム・リリー(arum lily)」や「ザンテデスキア・エチオピカ」とも呼ばれ、Group Ⅰまたは湿地性カラーとして分類されている多年草です。
オランダカイウ(湿地性カラー)の原産地は南アフリカ、自生地は、湿地や荒れ地などの湿潤した場所にあります。
オランダカイウ(湿地性カラー)の特徴は、自生地が湿地などにあり湿潤環境を好む所、株は大株になり高さ200cmまで成長する事がある所、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしていて、スタイリッシュさとお洒落さを感じさせる所、葉が大胆に大きく広がるため優雅な印象を感じさせる所、地面の下に根茎があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
オランダカイウ(湿地性カラー)は、独特なフォルムをもつお洒落な花を鑑賞する目的・花を収穫して花材として楽しむ目的・葉の中に白色や黄色の班がはいる品種をカラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されています。
オランダカイウ(湿地性カラー)の園芸品種の紹介
- アフリカンゴールド(花の色:白色/葉の色:緑色・黄色/草丈:約60~120cm)
- グリーンゴッデス(花の色:白色・緑色/葉の色:緑色/草丈:約120cm)
- ヘラクレス(花の色:白色/葉の色:緑色・白色/草丈:約150~200cm/備考:巨大)
- ホワイトジャイアント(花の色:白色/葉の色:緑色・白色/草丈:約150~200cm/備考:巨大)
モモイロカイウ
モモイロカイウの学名はZantedeschia rehmannii、別名では「ピンク・カラー(pink calla)」や「ピンクアルム・リリー(pink arum lily)」とも呼ばれ、Group Ⅱまたは畑地性カラーとして分類されている多年草です。
モモイロカイウの原産地は南アフリカ、自生地は丘陵地の草原や岩の間、林縁などにあります。
モモイロカイウの特徴は、花の色が桃色をしていて可愛らしさを感じさせる所、仏炎苞は一般的なカラーよりも強めに巻く傾向があり、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしていてお洒落さを感じさせる所、葉の形状は細長い披針形をしていてシャープさを感じさせる所、地面の下に塊茎があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
モモイロカイウは、独特なフォルムをもつお洒落な花を鑑賞する目的・花を収穫して花材として楽しむ目的・葉の中に白色や黄色の班がはいる品種をカラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されています。
シラボシカイウ
シラボシカイウの学名はZantedeschia albomaculata、別名では「スポッテッドカラー・リリー(spotted calla lily)」や「ホワイトスポッテッド・アルム・リリー(white spotted arum)」とも呼ばれ、Group Ⅱまたは畑地性カラーとして分類されている多年草です。
シラボシカイウの原産地は南アフリカ、自生地は丘陵地の小川のそばの湿地や、やや乾燥気味か草原や林縁などにあります。
シラボシカイウの特徴は、葉の中に水玉模様のような白色の斑点が入り、葉の向きが直立する所、花の色が白色をしていて明るさと清潔感を感じさせる所、仏炎苞は一般的なカラーよりも強めに巻く傾向があり、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしていてお洒落さを感じさせる所、葉のなハート形をしていて可愛らしさがある所、葉の色は複色で緑色に白色の班が入る所、地面の下に塊茎があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
シラボシカイウは、独特なフォルムをもつお洒落な花を鑑賞する目的・花を収穫して花材として楽しむ目的・葉の中に白色や黄色の班がはいる品種をカラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されています。
キバナカイウ
キバナカイウの学名はZantedeschia elliottiana、別名では「ピンク・カラー(pink calla)」や「ピンクアルム・リリー(pink arum lily)」とも呼ばれ、Group Ⅱまたは畑地性カラーとして分類されている多年草です。
キバナカイウの原産地は南アフリカのムプマランガにあると言われています。
キバナカイウの特徴は、花の色が黄色をしていて明るさや元気のよさを感じさせる所、仏炎苞は一般的なカラーよりも強めに巻く傾向があり、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしていてお洒落さを感じさせる所、葉の形状はやや幅広なハート形をしていて可愛らしさがある所、葉の色は複色で緑色に黄色・白色・桃色の範囲で班が入る所、地面の下に塊茎があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
キバナカイウは、独特なフォルムをもつお洒落な花を鑑賞する目的・花を収穫して花材として楽しむ目的・葉の中に白色や黄色の班がはいる品種をカラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されています。
ザンテデスキア・オドラタ
ザンテデスキア・オドラタの学名はZantedeschia odorata、別名では「ボッカフェルド・アルム(Bokkeveld arum)」や「センテッド・アルム(scented arum)」とも呼ばれ、Group Ⅰまたは湿地性カラーとして分類されている多年草です。
ザンテデスキア・オドラタの原産地は南アフリカのボッカフェルトにあり、自生地は湿地や小川沿いなどの湿潤した場所にあります。
ザンテデスキア・オドラタの特徴は、学名が示すとおり花にはフリージアを思わせる香りがある所、自生地が湿地などにあり湿潤環境を好む所、株は大株になり高さ100cmまで成長する事がある所、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしているる所、葉が大胆に大きく広がるため優雅な印象を感じさせる所、地面の下に塊茎があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
ザンテデスキア・ジュクンダ
ザンテデスキア・ジュクンダの学名はZantedeschia jucunda、別名では「ハイベルトゴールデン・アルム(Highveld Golden Arum)」とも呼ばれ、Group Ⅱまたは畑地性カラーとして分類されている多年草です。
ザンテデスキア・ジュクンダの原産地は南アフリカ、自生地はセククネランド山脈(Sekhukuneland mountains)にあります。
ザンテデスキア・ジュクンダの特徴は、葉の中に水玉模様のような白色の斑点が入り、葉の向きが直立する所、花の色が黄色をしていて明るさや元気のよさを感じさせる所、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしていてお洒落さを感じさせる所、葉の形状は矢尻を想像させるようなシャープな外観をしている所、地面の下に塊茎があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
ザンテデスキア・ジュクンダは、独特なフォルムをもつお洒落な花を鑑賞する目的・花を収穫して花材として楽しむ目的・葉の中に入る白色の班をカラーリーフとして楽しむ目的等で栽培されています。