- 原産:日本/東アジア/東南アジア
- 科:サトイモ(Araceae)
- 属:クワズイモ/アロカシア(Alocasia)
- 種:クワズイモ(Alocasia odora)
- 別名:アロカシア・オドラ/ナイト・センテッドリリィ(night-scented lily)/アジアンタロ(Asian taro)/ジャイアント・アップライト・エレファントイイヤー(giant upright elephant ear)
- 開花時期:5月~8月
- 花の色:緑色●黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●白色〇
- 香り:
- 分類:多年草
- 被覆方法:叢生
- 草丈:約50~150cm
- 誕生花:7月26日
- 花言葉:復縁・仲直り
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/観葉植物/日陰植物/切り花/シェードガーデン
- 購入方法:クワズイモを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クワズイモとは!?
クワズイモは学名Alocasia odora、別名では「ナイト・センテッドリリィ(night-scented lily)」や「アジアンタロ(Asian taro)」等とも呼ばれる日本および東アジア、東南アジアが原産の多年草です。
クワズイモの語源(由来)
- 属名のAlocasiaは、否定を意味する接頭語の「a」と、サトイモ属をいみする「Colocasia」の2語で構成されており、サトイモ属の植物と違うことを意味します。
- 種小名のodoraはラテン語で「香り」「匂い」を意味しています。
- クワズイモの由来は、サトイモと似ていますが食べられない所からきています。
クワズイモの特徴(魅力)
- クワズイモは、サトイモと似た外観をしていながら、食べると中毒症状を引き起こし食べられない事からクワズイモと呼ばれている植物です。
- クワズイモの特徴は、強い存在感を示す巨大な葉と、フリルドレスのような優雅な雰囲気を演出する葉縁部分の波打ち、可愛らしい印象を与えるハートの形をした葉っぱにあり、またサトイモと違い根茎が棒状に長く伸びる所も特徴のひとつになります。
- 草姿は叢生、根茎は棒状で分枝しながら広がり先端で立ち上がります。先端部には数個の葉がついて株をつくります。
- そのため、増やすときは株と株の間の根茎を切り分けて株分けが行われます。
- 葉柄は長さが50~150cmと非常に長く、葉柄は直立または斜上に広がります。そのため、植物全体に動きが出てダイナミックさを演出することが出来たりします。
- 葉は長さが60~130cmに達する事もあり非常に巨大で存在感があります。また葉の形はハート形で葉縁部分が波打つため、可愛らしさや優雅さを感じさせることも可能です。
- 葉っぱは、葉物の切り花として利用されることもあります。
- 開花は晩春頃から夏、花はサトイモ科でよく見られる仏炎苞に包まれる肉穂花序、ただし仏炎苞は緑色のためあまり装飾性はありません。
- クワズイモはシュウ酸カルシウムの針状結晶を含有しているため、毒性があり食べる事は出来ません。
- クワズイモを摂取すると、シュウ酸カルシウムの針状結晶が原因で口内が炎症して荒れたり、嘔吐を引き起こしたり、尿路結石になる等のリスクが生じる可能性があります。また肌に樹液に触れた場合もシュウ酸カルシウムの針状結晶が原因で炎症を引き起こす事があります。
- また人だけではなく猫や犬にとっても有毒なため、誤って食べないように注意する必要があります。
- 園芸では、耐陰性の高さからシェードガーデンの地被植物として利用されたり、またインドアガーデンで観葉植物としてお部屋に飾られたりします。
- クワズイモは葉が巨大で株は大きく広がるため、お部屋の空間が緑で満たされてリラックスした雰囲気を演出する事が出来ます。また南国や熱帯を想像させる姿をしているためエキゾチックな雰囲気を演出するのに一役買うことができます。
- クワズイモは花言葉に「復縁」「仲直り」と人との関係性を深める縁起のよい言葉が並びます。そのため、大切な人にプレゼントとして贈るのもよいかもしれません。
クワズイモの草丈は約50(~250)cm、草姿は叢生、根茎は棒状、根茎は分枝しながら地面を這い途中で立ち上がる。
葉は根茎の先端部に集まり、葉柄は長さ約50(~150)cm、葉身の長さ約60(~130)cm、葉身の形は心形または矢尻形、葉縁部分には波状縁がある。
花序は肉穂花序、肉穂花序は長さ約4(~8)cm、多肉質な花軸に花柄のない小さな花が多数密生するようについており、肉穂花序を包む様に外周には仏炎苞があります。肉穂花序の色は白色から薄い黄色、仏炎苞の色は緑色をしています。
果実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)、液果の形は球形、液果の色は赤色です。
クワズイモのよくある不調の原因
- 葉が黄色くなる原因
- 葉が古い順番で落ちてる場合があります。ライフサイクルの一環のため心配はありません。
- 根腐れを引き起こしてる可能性があります。水をやり過ぎていたり、土壌の状態が悪い可能性があります。
- 日光に十分当たっていない可能性があります。照度(lux)が足りない、または光合成に向かない人工照明で育てている可能性があります。
- 葉が茶色になる原因
- 直射日光に当たり葉焼けを引き起こしてる可能性があります。特に気温が高くなる午後からの直射日光には要注意です。
- 乾燥で葉が枯れている可能性があります。水のやり忘れ、または湿度が低いなどが原因として考えられます。
- 葉が垂れる原因
- 日光に十分当たっていない可能性があります。照度(lux)が足りない、または光合成に向かない人工照明で育てている可能性があります。
- 乾燥で元気がなくなっている可能性があります。水のやり忘れ、または湿度が低いなどが原因として考えられます。
クワズイモの園芸品種の紹介
楽天で購入 オキナワシルバー(alocasia odora ‘okinawa silver)は、葉の色が緑色と白色、葉の中に綺麗な境界で分かれる真っ白な切班が入る所が特徴です。そのため、清潔感や上品さを感じさせることが出来る園芸品種です。 | 楽天で購入 班入りクワズイモ(alocasia odora ‘variegated’)は、葉の色が緑色と黄色または白色、葉の中に班が入る品種の総称です。そのため、明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめます。 |
アロカシア(クワズイモ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
クワズイモの育て方
花壇の土づくり
日当り
クワズイモは、間接光のみが当たる明るい日陰、または午前中のみ日が当たる半日影までで育てる事が出来ます。※強い日差しは光合成能力を超えてしまい葉焼けなどを引き起こして株が弱る原因となるため避けた方が良いでしょう。理想的な環境は気温や湿度などにも左右されます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
クワズイモは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質や、水捌けの悪い土壌を避けることです。ある程度の水分を保った土壌で、最もよく成長しますが、水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
楽天で人気の高いおすすめの堆肥
鉢土づくり
日当り
クワズイモは、間接光のみが当たる明るい日陰、または午前中のみ日が当たる半日影までで育てる事が出来ます。※強い日差しは光合成能力を超えてしまい葉焼けなどを引き起こして株が弱る原因となるため避けた方が良いでしょう。理想的な環境は気温や湿度などにも左右されます。
屋内で管理する場合は、窓辺などの明るい場所に置くとよいでしょう。ただし南向きの窓などで育てる場合は、強い日差しが植物に当たり葉焼けする事もあるため注意が必要です。日差しが強く当たる場合はカーテンやブラインドで光を和らげたり、窓から少し離すと良いかもしれません。
屋内で育てた場合、植物に当たる光が少なくなる事があります。光量が少ないと葉色が悪くなったり、生育が非常に遅くなったり、生育不良で枯れる事があります。植物の健康な成長を促すために、屋内で育てる場合は中程度(5000lux)以上の光を目安にして管理して上げると良いでしょう。
光量のレベル
※照度(lux)を調べる方法は、携帯のアプリや照度計などがあります。携帯のアプリでも手軽に調べられますが、詳しく調べたい方は楽天に売ってある照度計を利用すると良いでしょう。
※照度が少ない場所で育てたい場合は楽天に売ってある植物育成ライトを利用してみるとよいかもしれません。植物育成ライト以外の人工的な照明の光には光合成に必要な波長が僅かにしか含まれない事があるため、十分の照度あると思っても植物がしっかり育たない事もあるため注意が必要です。
- 弱い光:500~2500lux
- 中程度の光:2500~10000lux
- 明るい間接光:10000~20000lux
- 直射日光:20000~100000lux
培養土
クワズイモは、一般的な観葉植物の培養土で育てられます。
培養土を自作する場合は、通気性・保水性の良さに気をつけたり、鉢を移動することも考えて軽めの用土を使ったり、微生物(カビや細菌等)がわかないように無菌で栄養の少ない土(ピートモス等)を使ったりすると良いでしょう。ただし、軽すぎる培養土をつくると植物を支えられなくなる事もあるため注意してください。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(調整済)+ゼオライト(or 珪酸塩白土)=5:5:適量
- 赤玉土(中粒・小粒)赤玉土(小粒・中粒)+バーミキュライト+ピートモス+バーク堆肥=3+3+3+1
楽天で人気の高い培養土を購入する
- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
植え替え
クワズイモは、定期的に植え替えを行う必要はありませんが、理想的な環境では数年(1年~3年)で根詰まりを起こす事があり、また培養土の質も悪くなります。
健康な成長を促す為にも、数年(1年~3年)に1度の頻度で植え替えを行って上げると良いでしょう。
植え替え方法
- 植え替えに適した時期
- 植え替えの適期は春です。春は活発に成長するため、植え替え後の回復が早いからです。
- 植え替え手順
- 植え替えの前日にはしっかり水やりをしておきます。
- 古い鉢よりも一回り大きな鉢を準備します。
- 古い鉢から株を取り出して、風雨で劣化したり、根の侵食で劣化した古い土を軽く落とします。
- 根はあまり傷つけないように、株の土を落とします。腐った根などの不要な根を軽く剪定して切り詰めましょう。
- 鉢の中に新しい培養土と株をいれて植え直します。
- 水を鉢底から溢れる位にたっぷりと与えます。
水やりの仕方
クワズイモは基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。
また基本的に高湿度を好む植物です。湿度が低い環境では葉が乾燥して損傷したり、葉が落ちる事があります。綺麗な葉を保つ為にも、高湿度を保つ事が重要になります。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。水やりは、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
湿度を高める方法一覧
- 霧吹きする
- 植物の葉に直接水を吹きかけることで湿度を上げることができます。週に1回程度の頻度で霧吹きすると良いでしょう。
- 受け皿に水をためる
- トレイの上に綺麗な小石などを置いて、鉢をその上に設置します。鉢に水が触れないようにトレイの中に水を入れましょう。
- 鉢(鉢土)に直接水が触れるとトレイから水を吸水して培養土が極端に湿ります。培養土がジメジメすると根腐れを引き起こす原因になる事があるため注意してください。
- トレイの水が蒸発することで周囲の湿度が上がる仕様です。
- 加湿器を使う
- 加湿器を使うことで簡単に空気中の湿度を調節することができます。
- 観葉植物をグルーピング
- 観葉植物をグルーピングして近くに置く事で、それぞれの植物が放出する蒸散作用で局所的に湿度が高まり周囲に微気候が形成されます。観葉植物を近くに置くだけのため、比較的に簡単に湿度を上げることが出来ます。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
冬越しする方法
Hardiness:9~11
クワズイモは軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば屋外で越冬出来る可能性がありますが、基本的に寒さに弱いため、十分な冬越し対策が必要です。
- 鉢植えで育てている場合は、室温が10度以上ある日当りのよい室内に入れて管理しましょう。
- 暖地などの暖かい地域であればカバーを被せるなどの、霜対策を行うだけでも越冬出来る可能性があります。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理します。それが難しい場合は、株元に腐葉土などを入れて霜から株元を守り、また株全体に寒冷紗等をかけて寒さや凍結から株を守ります。