- 原産:南アフリカ
- 科:サトイモ(Araceae)
- 属:オランダカイウ/ザンテデスキア(Zantedeschia)
- 種:オドラタ(Zantedeschia odorata)
- 別名:ボッカフェルド・アルム(Bokkeveld arum)/センテッド・アルム(scented arum)
- 開花時期(湿地性):4月~6月頃
- 花の色:黄色・白色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 分類:多年草
- 草丈:約75~100cm
- 誕生花:5月31日・6月27日
- 花言葉:清浄・愛情・歓喜・壮大な美・夢のような恋・すばらしい美・乙女の清らかさ・夢のように美しい・乙女のしとやかさ
- 用途:カラーリーフ/切り花/球根植物
- 購入方法:ザンテデスキア・オドラタを楽天で購入
目次
ザンテデスキア・オドラタとは!?
ザンテデスキア・オドラタの学名はZantedeschia odorata、別名では「ボッカフェルド・アルム(Bokkeveld arum)」や「センテッド・アルム(scented arum)」とも呼ばれ、Group Ⅰまたは湿地性カラーとして分類されている多年草です。
ザンテデスキア・オドラタの原産地は南アフリカのボッカフェルトにあり、自生地は湿地や小川沿いなどの湿潤した場所にあります。
ザンテデスキア・オドラタの語源(由来)
- 属名のZantedeschiaはイタリアの医師で植物学者のGiovanni Zantedeschiへの献名です。
- 種小名のodorataはラテン語で「香りが良い」「芳香を放つ」を意味しており、花の香りに由来します。
ザンテデスキア・オドラタの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- ザンテデスキア・オドラタの特徴は、学名が示すとおり花にはフリージアを思わせる香りがある所、自生地が湿地などにあり湿潤環境を好む所、株は大株になり高さ100cmまで成長する事がある所、花の形状がギフトの際に色紙でクルンと包装されたような独特なフォルムをしているる所、葉が大胆に大きく広がるため優雅な印象を感じさせる所、地面の下に塊茎があり、草姿は叢生して群生をつくる所などにあります。
- 外観の特徴
- 地面の下に地下茎の中の一種である塊茎をもっており、塊茎は茎が塊状に肥大化して球根になっているものです。
- 草丈は約75~100cm、草姿は叢生して群生をつくることがあり、茎は直立して伸びる。
- 葉は冬場は残り休眠期に落葉する、葉は基部が鞘状になり抱茎して5~6枚出る、葉柄は長く向きは直立または斜上に伸びる、葉身の形は矢尻形、葉の質感は革質、葉の色は緑色です。
- 花は仏炎苞と肉穂花序で構成されており、仏炎苞は肉穂花序をロール状に包み漏斗形になる。
- 仏炎苞:仏炎苞とはサトイモ科でよく見られる、花序を包んでいる苞の一種です。仏炎苞の形状は漏斗形をしており、仏炎苞の側面の重なりの長さには個体差があり、縁部分はウェーブする傾向にある、色は白色または黄色です。
- 肉穂花序:肉穂花序とは花軸が多肉化した穂状花序で、花に花柄がなく花軸の表面に沢山の花が直接ついています。オランダカイウは雌雄同株で、同株の中に雄花と雌花が別々に咲きます。肉穂花序のサイズは小さくて鉛筆のように細い傾向があり、近縁のオランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)より小振り、色は黄色または橙色です。
- ザンテデスキア・オドラタの主な用途
- ザンテデスキア・オドラタは、花を鑑賞する目的で利用されることが多いです。花は包装紙でプレゼントをくるんだような独特なフォルムをしているため、お洒落でカッコイイ見た目をしている所が魅力です。
- ザンテデスキア・オドラタは花が咲いた後に収穫して、切り花にして楽しむことが出来ます。詳しくは切り花の楽しみ方をご覧下さい。
- ザンテデスキア・オドラタの栽培時の注意点
- ザンテデスキア・オドラタを栽培する際に注意する事は、湿地性カラーのため、栽培環境を湿潤にすることです。
ザンテデスキア・オドラタの切り花の楽しみ方
- 収穫タイミング
- 朝の涼しい時間帯もしくは夕方に収穫すると花に十分な水分が含まれており水揚げしやすくなります。
- 水揚げ
- 水揚げの方法は水切りを行います。
- 花瓶に生ける
- 花瓶に入れる水は浅水にします。
- 水揚げがよくて、水に浸った茎が雑菌で腐敗する事もあるため浅水が良いでしょう。
- 管理
- 直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
浅水法
浅水法とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。
浅水は、水に浸かる茎の面積が減るため、腐敗のリスクを低減することが出来ます。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で行われます。
オランダカイウ(カラー)の園芸分類
Group ⅠとGroupⅡによる分類
※Group ⅠとGroupⅡは曖昧な部分もあり完璧ではありません。
Group Ⅰ
- 種類:オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)・ザンテデスキア・オドラタ(Zantedeschia odorata)・上記の園芸品種や近縁の交雑種
- 分類:湿地性
- 開花時期:4月~6月頃
- 冬の葉:冬に葉が残る※夏場や冬に乾期のある場所では葉を落とす事もある
GroupⅡ
- 種類:Group Ⅰを除いた種
- 分類:畑地性
- 開花時期:5月~7月頃
- 冬の葉:葉が落ちる
耐寒性
耐寒性強い
オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)とザンテデスキア・ペントランディ(Zantedeschia pentlandii)と、その近縁の交配種は、Hardiness zone 6(-23度以下)の気温で生存する可能性があり、Hardiness zone 7で栽培可能です。
耐寒性弱い
キバナカイウ( Zantedeschia elliottiana)やモモイロカイウ(Zantedeschia rehmannii)の園芸品種や、近縁の交雑種、シラボシカイウ(Zantedeschia albomaculata)やザンテデスキア・ジュクンダ(Zantedeschia jucunda)は、Hardiness zone 8(-12度)迄しか耐えられない。そのため、寒さの厳しい地域では球根を掘りあげて保存するか、鉢植えにして屋内で管理する必要があります。
葉の特徴
フリンジ
葉の縁部分が上下に波打ち、フリンジする。
スポット
葉の中に丸い斑点が入り、葉の中に水玉模様が出来る。
掃け込み班
葉の中央脈から外側に向かって掃け込み状の班が入る。
オランダカイウ(カラー)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ザンテデスキア・オドラタの育て方
花壇の土づくり
環境
ザンテデスキア・オドラタは、自生地が湿地や、川沿いなどにある湿性植物です。
湿性植物は植物体の根元が水に浸かる程度または水を多く含んでいる土壌を好みます。また根が水中でも呼吸出来る仕組みを持っているため、水位がある程度上がっても短期間であれば問題なく育ちます。逆に常に水に浸かっていなくても土壌に湿り気があれば問題なく育てる事が可能です。
そのため、植物体の水深が最大10cmまでの根元だけが水に浸かる水辺付近や、水が集まりやすく水分を多く含んでいる土壌で育ててあげると良いでしょう。
日当り
ザンテデスキア・オドラタは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
ザンテデスキア・オドラタは、田んぼのような粘土質な土での生育が良いため荒木田土がよく利用されます。
また赤玉土を混ぜたり、黒土を混ぜた保水性の良い土壌でも育てられます。
鉢土づくり
日当り
ザンテデスキア・オドラタは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事が出来ます。
培養土
ザンテデスキア・オドラタは、田んぼのような粘土質な土での生育が良いため荒木田土や赤玉土などがよく利用されます。
また赤玉土を混ぜたり、黒土を混ぜた保水性の良い培養土でも育てられます。
- 荒木田土+赤玉土=5:5(腰水で管理する場合)
- 荒木田土+黒土=7:3(腰水で管理する場合)
土を練る
湿地性カラーを粘土質の土で腰水で管理する場合は、一般的に粘土状にしてから植え付けが行われます。利用する培養土にもよりますが、普通は赤玉土や荒木田土などに水を加えて「耳たぶ程度の柔らかさ」までこねてから使用します。
- 道具を準備
- 培養土(荒木田土など)・容器(タライやトロ舟など)・水・混ぜる道具(スコップなど)
- 培養土をこねる
- 容器に培養土を入れる。
- 培養土に水を少しずつ入れてかき混ぜる。
- 水を一気に入れるとヘドロ状になり利用できなくなるため、必ず少量ずつ水を入れる。
- 培養土と水を何度もかき混ぜて、培養土の柔らかさが「白玉」や「耳たぶ」を思わせる程度になれば完成です。
腰水での管理
- 腰水する場合
- 鉢の大きさよりも幅が大きな容器を準備して、容器の中に植物を植えた鉢を置きます。
- 容器の中に水を入れて、鉢底から水を吸水できる状態にしましょう。水を入れる量は鉢の高さの半分程度を目安にします。
水やりの仕方
ザンテデスキア・オドラタの水やり方法は、植えている環境により変わります。
- 水辺
- 水辺で育てていて湿潤な環境であれば不要です。
- 鉢植え(腰水)
- 腰水で育てている場合は、定期的に容器の水を変えたり継ぎ足します。
- 普通の地植え
- 一般的な花壇の土などで育てている場合は、土壌が乾燥すると生育不良を引き起こしたり、また開花が上手くいかない事もあるため、湿潤環境を保つように定期的に水やりします。基本的には土の表面が乾いてきたら水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ザンテデスキア・オドラタは、土壌に十分な肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。
土質が悪いと感じる場合は晩冬から早春に堆肥を入れたり、植え替えによって土質を改善したり、有機肥料や緩効性肥料を入れて上げるとよいでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期
- 植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方
- 地植えの場合は土壌改良を行い堆肥(腐葉土や牛糞堆肥等)をいれて混和するか、株の上に堆肥を盛るか、周囲に穴を掘り堆肥を入れましょう。
- 鉢植えの場合は、植え替え時に牛糞や腐葉土のしっかり入る新しい培養土を使うか、古い土を再利用する場合は、古い土の中に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用しましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 肥料は春頃に与えます。
- 肥料の選び方
- 肥料は緩効性肥料の肥料がおすすめです。
- 肥料の与え方
- 肥料は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には肥料を株から少し離して、用土の中に押し込んで使いますが、製品に記載された通りに施肥するようにしましょう。
剪定のやり方
ザンテデスキア・オドラタの剪定は、花がら摘みと古葉取りを行います。
花がら摘み
花がら摘みとは、花色が悪くなったり花の外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みのやり方
花がら摘みのやり方は、色褪せたり外観が崩れた花を、花茎の根元からハサミで剪定して取り除きます。※葉は光合成を行いエネルギーを蓄えたり健康な成長を促す為に残します。
古葉とり
古葉取りとは、枯れた葉や古い葉などの不要な葉を、葉の根元から取り除く事です。
古葉とりの目的
- 新しい葉に栄養が優先的に回り、株が若返り生産性が高まります。
- 株元まで光が当たり、風通しが良くなることで多湿環境が改善されて病気や害虫の発生を抑制します。
- 抵抗力の落ちている古い葉を取り除くことで病気の発生を抑制できます。
古葉取りのやり方
古葉とりは、枯れた葉や古くボロボロとなった葉を、葉の根元から取り除きましょう。
夏越しする方法
ザンテデスキア・オドラタの夏越し対策は、基本的に普通の植物と同様の夏越し対策を行うと良いでしょう。
夏越しのポイント
- 夏場は、西日の当たらない半日影で育てた方が、株が弱りにくいでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 基本的に湿潤を好むため乾燥が続くと枯れたりする事があります。
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
- 腰水する際に容器に貯めている水が、お湯に変化して、根が痛むことがあります。
- 鉢植えを日陰に移動したり、遮光ネットを利用したりして温度が上がるのを防ぐ。
- 水を貯めておく容器を大きくする。
- 腰水管理をやめる。
冬越しする方法
Hardiness:8~10
ザンテデスキア・オドラタは、軽い霜に耐えられますが、個体によってはHardiness zone 8に耐えられずに枯れる事もあるため、霜対策を行って育てた方が無難でしょう。
冬越し対策
- 地植えしている場合
- 霜が降りる前に、球根の上に腐葉土を被せたり、不織布を被せて凍結対策をおこないます。※基本的に乾燥気味に管理しましょう。
- 根茎を掘りあげて凍結しない場所で湿潤貯蔵することも可能です。
- 鉢植えで管理している場合
- 鉢植えを霜の当たらない軒下に移動して、水を切り乾燥気味に管理する。
- 寒冷地であれば、屋内や温室に移動して、凍結しない場所で管理しましょう。
挿し木や株分けで増やす
ザンテデスキア・オドラタは株分けによって増やす事ができます。
株分けの方法
- 株分けに適する時期
- 株分け時期は早春が適しています。
- 株を掘りあげる
- 株をスコップで掘りおこし、土を軽く落として塊茎の位置を確認します。
- 株を分割する
- 株から塊茎を分割します。
- 株分け後の管理
- 切り離した塊茎は、そのまま土壌に植え付けましょう。
播種で増やす
ザンテデスキア・オドラタの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ザンテデスキア・オドラタの病気
- 灰色カビ病
- 軟腐病
- 白絹病
- 疫病
ザンテデスキア・オドラタの害虫
- コガネムシ