グランドカバー(地被植物)とは、草丈があまり高くならず地表面を覆う植物です。グランドカバー(地被植物)は「匍匐茎」や「地下茎」などの様々な方法で広がり、またグランドカバーの用途も、土壌の侵食を抑える目的、雑草を抑制する目的、景観を美しくする目的等で使われます。
ここでは、グランドカバー(地被植物)を利用する目的、地被植物の種類や特徴などを紹介していきます。曖昧だった利用目的を知る事で、必要な地被植物を絞込む事が出来て、また地被植物の種類や特徴を知る事で選択肢の幅も広がっていきます。良ければ最後までご覧下さい。
グランドカバーを使う目的
グランドカバーを使う目的は大きく分けて「土壌の侵食を抑える」「雑草を抑制する」「景観を美しくする」の三つの目的があります。それぞれの目的を理解する事で、必要なグランドカバーのタイプも探しやすくなります。
土壌の侵食を抑える

土壌の侵食とは降雨や風の影響で土壌の流失が起きる事です。土壌の流失が起こると、その場所から土が減ったり、荒廃して土壌の機能が失われてしまう事があります。また土壌が侵食される過程で土埃がたったり泥はねを引き起こす事があり、外壁などに泥が付いて汚れたり、病気の原因菌のついた泥が植物にかかり生育に悪影響を与える事があります。
グランドカバーを植える事で、斜面の土が根っこで支えれるため土が降雨で流れる事を防ぎます。また植物が風を抑えて土埃が舞うことを防ぐため壁面や窓が汚れたり植物が病気(斑点病など)になる事を防いだり、また植物が緩衝材となり雨が直接土に当たる事を防いでくれるため泥はねがおきにくくなり泥で汚れにくくなったり植物が病気になりにくくなります。
雑草を抑制する

グランドカバーは雑草を抑制する働きがあります。何故ならグランドカバーを植えると地面が茎葉で覆われるため、地面に光が届かず雑草の種の発芽やその後の育成を抑制するからです。また特にアレロパシーをもつ植物は種の発芽を強く抑制するため雑草が生えてくる事がほとんどなくなります。
アレロパシーとは、ある植物が他の植物(動物・微生物も含む)の生育を抑制する目的で放出される物質です。アレロパシー物質により土壌中の種の発芽や他の植物の生育が強く抑制されるため雑草が生えにくくなる等の効果があります。
景観を美しくする

グランドカバーは、剥き出しになっている地面を植物がカーペットのように覆い景観を美しくする働きがあります。例えば、芝生のように一定の高さで密に生えるグランドカバーは手入れが行き届いたお庭を印象付け洗練された雰囲気を作り出します。また花が咲くグランドカバーを選べば開花期になると花が絨毯のように地面を覆うため遠くからでも目を引くような華やかな景観をつくるはずです。
たくさんあるグランドカバー(地被植物)の中から植物を選ぶ事で、お庭の雰囲気に合った植物、または作りたいお庭の雰囲気に合わせた植物が選べるはずです。※グランドカバーの選び方については下記に記載しています。
グランドカバーを選ぶ際に気をつける点
グランドカバーを選ぶ際は「常緑性」「丈夫さ」「日照時間」「侵略的」の四点に気をつける必要があります。
常緑性
常緑性とは1年を通して葉がついている植物です。基本的にグランドカバーで利用される植物は、地面が剥き出しになるのを好まれないため、多くの場合で冬の間も地面を被覆する常緑性の多年草または低木が利用されます。
※ただし落葉性でも魅力的な植物はたくさんあります。季節の合間に葉が落ちるのを許容出来る場合は、自分のお庭に合った植物を選ぶのも良いかもしれません。
丈夫さ
丈夫さとは、冬の寒さや夏の暑さ等への耐性、病気や害虫などへの耐性、育てやすさなどを総合的に見た指標です。基本的にグランドカバーで使う植物は、枯れる心配が殆どなく、お世話がほとんどいらない低メンテナンスな植物が求められる事が多いです。何故ならグランドカバーは広範になる事が多いため枯れる度に植え替えすると大変になる事や、またお世話する場所も広範になりがちなためメンテナンスが大変になる事が多いからです。
もちろん丈夫ではない植物の中にも素敵な植物がたくさんあります。しっかりメンテナンスを行えるなら自分のお庭に合った植物を選ぶのも良いかもしれません。
日照時間
日照時間とは、一日のうちに直射日光が当たる時間をさしています。植物は適正な日照時間ないで管理されていないと、光合成が行えず全く育たなかったり、強光で葉が枯れるなど葉焼けを引き起こし生育不良になったりします。そのため植物を植える環境をしっかり確認してから植物を選びましょう。
- 日向
- 直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影
- 直射日光が3時間から5時間当たる場所です。また多くの場合で午前中のみ日が当たり午後から日陰になる、西日が当たらない場所が理想とされます。何故なら暑さと強光の複合ストレスで植物が弱りやすいからです。
- 日陰(500~10000lux)
- 日陰とは直射日光が当たらない、または短時間しか当たらない場所の事です。日陰と言っても間接光が当たる明るい日陰や暗めの日陰等がありますが、日陰が好きな植物も多くの場合は間接光が当たる明るい日陰の方が植物の育ちは良い傾向にあります。暗い日陰では植物の生育が遅くなり葉も疎らになる傾向にあります。
侵略的
侵略的とは、決められた範囲から逸出して広がる事を意味しています。生育旺盛な侵略的植物をグランドカバーとして利用した場合、制御不能に陥る事も多く、駆除が出来ず、大切な花壇の中や岩の隙間など、様々な場所に入り込み大変な事態に陥る事も考えられます。
そのため侵略的な傾向がある植物を取り入れる場合、きちんと植物の特性(広がり方など)を理解して制御出来るか考えて取り入れた方が良いです。
侵略的な地被植物の種類
- ドクダミ
グランドカバーの広がり方
グランドカバーの広がり方には「匍匐茎(ツル性含む)」「ランナー」「地下茎」「ロゼット(根生葉)」の五パターンがあります。植物の広がり方を知る事で、植える環境に合わせた植物を見つけやすくなります。
匍匐性(ツル性含む)

匍匐性とは、地上茎が殆ど立ち上がる事なく、匍匐するように横に広がる茎の事です。地被植物として最もスタンダードなタイプで、多くの場合、傾斜や垂直に落ちる壁面でも上手く適応して、茎が美しく枝垂れる優雅な草姿も楽しませてくれます。
ランナー(走出枝)

ランナー(走出枝)とは細長い茎が地表面を這うように伸びて、茎の先端に芽と根を出し子株をつくる茎です。子株をつくるため株分けがしやすく、容易に増やせる所が魅力です。
地下茎

地下茎とは、地中の中を横または下に伸びる茎です。地下茎は地上茎と同様に節があり、節からは芽(茎葉)を生じさせます。そのため根が届く範囲で新しい株をどんどん生み出します。地下茎タイプのグランドカバーは、根が少しでも残るとそこから新しい成長がうまれるため根絶が難しく、忌避される傾向が強いです。
ロゼット(根生葉)

ロゼット(根生葉)とは、葉が基部から放射状に広がり地面を覆う葉の付き方です。匍匐性に広がる茎と比べると、ロゼット(根生葉)は広範に広がるわけではないため、複数の株を必要とする場合があります。また地被植物としてはややボリュームのある草姿になる傾向にあります。ただし葉の付き方が優雅だったり、花が美しかったりする事も多いため、好みに合わせて地被植物を選ぶと良いでしょう。
グランドカバーに使える植物の種類
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名称:アークセトカ(ワタゲハナグルマ) | ![]()
名称:アジュガ |
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名称:アラビス | ![]()
名称:アリッサム |
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名称:イソトマ(フルヴィアティリス種) | ![]()
名称:イベリス(宿根イベリス) |
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名称:イワナズナ | 名称:ウラハグサ |
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名称:エゴポディウム | ![]()
名称:エピスシア |
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名称:エリゲロン(カルビンスキアヌス) | ![]()
名称:オトギリソウ(セイヨウキンシバイ) |
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名称:ガザニア | ![]()
名称:カスミソウ(レペンス) |
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名称:カモミール(ローマンカモミール) | ![]()
名称:カリブラコア |
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名称:カンパニュラ(ベルフラワー) | ![]()
名称:カンパニュラ(ホシギキョウ |
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名称:キャットテール | ![]()
名称:クローバー(シロツメクサ) |
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名称:コンボルブルス(ブルーカーペット) | |
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名称:サポナリア(ツルコザクラ) | ![]()
名称:サンビタリア(プロクムベンス種) |
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名称:シモツケ | |
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名称:シレネ(ユニフローラ種) | ![]()
名称:ジャノヒゲ |
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名称:ジャノヒゲ(オオバジャノヒゲ) | ![]()
名称:ジンチョウゲ(クネオルム) |
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名称:ダイアンサス(チェダーピンク) | |
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名称:ダイアンサス(ヒメナデシコ) | ![]()
名称:タイム(クリーピングタイム) |
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名称:タイム(コモンタイム) | ![]()
名称:タイム(ブロードリーフタイム) |
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名称:ノウゼンハレン(ナスタチウム) | ![]()
名称:テイカカズラ(ハツユキカズラ) |
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名称:チドメグサ | |
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名称:ツタバウンラン | ![]()
名称:ツタバウンラン(アエクイトリロバ) |
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名称:ツルニチニチソウ | ![]()
名称:ツルニチニチソウ(ヒメツルニチニチソウ) |
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名称:ニシキギ(ツルマサキ) | ![]()
名称:ニチニチソウ |
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名称:ネモフィラ | ![]()
名称:バーベナ(タピアン) |
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名称:バーベナ(リギダ種) | ![]()
名称:バーベナ(ハイブリッド種) |
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名称:バコパ | |
名称:ビャクシン 草丈:約10~50cm 開花時期:4月 分類:常緑低木 冬:強い 夏:普通 | ![]()
名称:プラティア |
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名称:ピレア | ![]()
名称:フロックス(芝桜) |
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名称:フロックス(ツルハナシノブ種) | ![]()
名称:ブラキカム |
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名称:ブルンネラ | |
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名称:ペチュニア | ![]()
名称:ベロニカ(ペドゥンクラリス種) |
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名称:ベロニカ(プロストラータ種) | ![]()
名称:ポーチュラカ(スベリヒユ) |
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名称:ポーチュラカ(マツバボタン) | |
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名称:ハブカズラ(ポトス) |
名称:ヘデラ |
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名称:ポリゴナム(ヒメツルソバ) | |
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名称:ポリゴナム(アフィネ種) | ![]()
名称:マツ(ハイマツ) |
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名称:ムラサキナズナ | ![]()
名称:メカルドニア |
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名称:ラミウム(マクラツム) | ![]()
名称:リシマキア(コンゲスティフローラ) |
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名称:リシマキア(ヌンムラリア) | 名称:リンドウ(チャボリンドウ) |
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名称:ルリハコベ | |
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名称:ルリハコベ(アカバナルリハコベ) | ![]()
名称:ローズマリー |
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名称:ロベリア(ルリミゾカクシ) | ![]()
名称:ワイヤープランツ(アキシラリス種) |
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名称:ワイヤープランツ(コンプレクサ種) |