

- 原産:
- 科:サトイモ(Araceae)
- 属:オランダカイウ/ザンテデスキア(Zantedeschia)
- 系統:湿地性カラー
- 開花時期:5月~8月
- 花の色:白色・クリーム色
- 葉の色:緑色・黄色・白色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約50~150cm
- 誕生花:5月31日/6月27日
- 花言葉:清浄/愛情/歓喜/壮大な美/夢のような恋/すばらしい美/乙女の清らかさ/夢のように美しい/乙女のしとやかさ
- 用途:カラーリーフ/切り花/球根植物/インドアグリーン/景観植物/ロックガーデン
- 購入方法:湿地性カラーを楽天で購入
■湿地性カラーとは!?
湿地性カラー(Group Ⅰ)は、オランダカイウ属の中でも湿地に自生している、または生育期に湿潤な環境を好む原種や品種の総称です。主に「オランダカイウ(学名: Zantedeschia aethiopica)」「ザンテデスキア・オドラタ(学名: Zantedeschia odorata)」などが該当します。
■湿地性カラーの特徴(魅力)
- 形態:草丈は約30~150cm、生育型は叢生型で地中の根茎の芽から短縮茎と葉を伸ばし叢生します。葉は根生・束生し、葉の概形は矢尻形・鉾形・心形・卵形、色は緑色(栽培品種は黄色や白色も見られる)です。花序は肉穂花序で、この花序を仏炎苞が漏斗形に包みます。
- ライフサイクル:生活形は半常緑多年草です。
- 春:暖かくなってくると代謝が活発になり、根茎から新芽が伸び、葉を形成し、早ければ晩春頃から開花が見られます。
- 夏:開花の最盛期で、湿地では生育旺盛に成長します。ただし栽培環境では極端な高温と水温の上昇で生育が衰えたり、乾燥で休眠することもあります。
- 秋:この時期も生育期間中ですが、気温が低くなり始めると代謝が落ちて生育がやや鈍ります。
- 冬:熱帯・亜熱帯の地域では常緑で成長を続けますが、寒さが厳しい地域では休眠し地上部が枯れて地中の根茎のみで過ごすこともあります。
- 湿地性カラーの特徴:この系統は自生地が湿地などの湿潤環境にあるため、乾燥による落葉が少なく常緑性の性質があり、地中に根茎があります。
- 花の魅力:肉穂花序を漏斗形の仏炎苞が包んでおり、まるで綺麗な包装紙でギフトを包んでいるようなお洒落な花姿が楽しめる植物です。この花(仏炎苞)は白色をしているため、明るさや清潔感のある雰囲気を演出するのに役立ちます。
- カラーリーフ:葉の色は緑色が一般的ですが、園芸品種(Zantedeschia aethiopica ‘African Gold’など)の中には黄色・白色の斑入りも見られます。そのため、品種を選べば花のない時期も、明るさや清潔感を感じさせるカラーリーフが楽しめます。
- フラワーアレンジメント:花は収穫して花瓶に生けて切り花として楽しんだり、ブーケなどのフラワーアレンジメントの素材としても活用できます。切り花とする場合は、 花瓶の中での寿命は管理の仕方でも変わりますが一般的に約7~10日ほどです。
- ビオトープ:この系統は抽水植物で、大株になると水深30cm程度の深さまでの水辺で栽培が可能です。
- インドアグリーン:この系統は基本的に日当たりを好みますが、インドアグリーンとして栽培することも可能です。ただし、基本的には多くの光を必要とするため管理場所には注意が必要です。本種を栽培するのに必要な光量の目安は15000~40000Luxまたは277.5~740μmol/m2・sで、生存ラインは5000Luxです。そのため、窓越しに直射日光が届く範囲から、太陽光が直接届きませんが太陽の反射光などで十分に明るい場所までで栽培が可能です。
■湿地性カラーの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:多年草
- 生活場所:湿生植物・抽水植物
- ラウンケルの生活形:地中植物
- 草丈:約30~150cm
- 生育型:地中の根茎の芽から短縮茎を伸ばし叢生する【叢生型】です。
- 茎の種類:根茎・短縮茎
- 根茎:見た目が根に似ている地中にある茎です。
- 短縮茎:節間が極端に短い茎です。根茎の節などから形成されます。
●葉の形態
- 葉の付き方:根生葉
- 葉序:短縮茎に束生します。
- 低出葉:葉柄の基部に位置し、芽(葉芽・花芽)を保護しています。
- 葉鞘:葉柄の基部が鞘状に変化したもので、内側の芽を包むように付着しています。
- 葉柄:生育初期は上向き、途中で斜上へと変化します
- 葉身の概形:矢尻形・鉾形・心形・卵形
- 葉先:鋭形・微突起
- 葉縁:全縁・波状
- 葉脈:羽状脈
- 質感:肉厚で光沢があります。
- 葉先の向き:上・斜上・水平・斜下
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:肉穂花序
- 肉穂花序の概要:花序軸は太く多肉質で、花序軸に多数の花被のない花をつけます。下部に雌花が集まり、上部に雄花が集まります。
- 肉穂花序の形状:細長い円柱形で、直立します。
- 仏炎苞:花序の基部に位置し、直立します。
- 苞の形:概形は漏斗形で、側面が重なり、向きは肉穂花序を包むように直立します。
- 苞の質感:蝋質の光沢があります。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:果皮が柔らかな多肉多汁な【液果】です。
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
湿地性カラーの切り花の楽しみ方
切り花の作り方

- 収穫:切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げ:葉は水揚げを悪くするため、必要な葉以外を全て取り除きます。茎の切り口は水切りを行います。
- 花を生ける:花瓶の中に浅く水(浅水法)を入れて花を生けます。
- 管理:直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。また徐々に水揚げが悪くなるため、必要に応じて水切りを再度して水換えをしましょう。管理の方法にも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
水切り法

水切り法とは、切り花の切り口を水中につけた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの切り花で行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切り法は、水中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切り法を行うことで茎が詰まっている原因(微生物・空気・樹液など)を取り除いて、切り口の状態を正常に戻す効果があります。
水切り法のやり方
- 準備:花材と水の入った容器を準備する
- 茎の切断:切り花の切り口を水中に漬けて、その中で切り口の根元から上に約1~5cmの場所で斜めにカットします。※斜めにカットする事で吸水部が増えて水揚げ効率がよくなります。
- 切り花を生ける:切り口を別の容器にいれて水揚げするか、花器に入れて飾ります。
浅水法

浅水法とは、花瓶などの花器に入れる水の量を少なくして、浅い水で花を生ける方法です。一般的に、茎が柔らかく水に浸かると腐敗しやすい植物において、水に浸かる面積を減らして腐敗リスクを下げるために行われます。
■湿地性カラーの園芸品種を紹介
主な原種
●オランダカイウ

原産地:南アフリカ
学名:Zantedeschia aethiopica
別名:カラー(calla)/カラー・リリー(calla lily)/アルム・リリー(arum lily)/湿地性カラー/ザンテデスキア・エチオピカ
開花時期:5月~8月
花の色:白色・クリーム色
葉の色:緑色・黄色・白色
生活形:半常緑多年草
草丈:約50~150cm
用途:カラーリーフ/切り花/球根植物/インドアグリーン/景観植物/ロックガーデン
形態:草丈は約50~150cm、生育型は叢生型で地中の根茎の芽から短縮茎と葉を伸ばし叢生します。葉は根生・束生し、葉の長さは約20~50cm、葉の概形は矢尻形・心形・卵形、色は緑色(栽培品種は黄色や白色も見られる)です。花序は肉穂花序で、この花序を仏炎苞が漏斗形に包みます。
近縁種との比較:花の色が白色(クリーム色)をしており、野生下で株は高さ150cmに達し大株に成長します。
●ザンテデスキア・オドラタ
育て方・楽天で購入
原産地:南アフリカ
学名:
別名:ボッカフェルド・アルム(Bokkeveld arum)/センテッド・アルム(scented arum)
開花時期:5月~8月
花の色:白色・クリーム色
葉の色:緑色・黄色・白色
生活形:多年草
草丈:約50~100cm
用途:切り花/球根植物
形態:草丈は約50~100cm、生育型は叢生型で地中の塊茎の芽から短縮茎と葉を伸ばし叢生します。葉は根生・束生し、葉の長さは約10~50cm、葉の概形は矢尻形・心形、色は緑色です。花序は肉穂花序で、この花序を仏炎苞が漏斗形に包みます。
近縁種との比較:本種は一般的な湿地性カラーと違い地中に根茎ではなく塊茎を持っており、乾季の夏に明確に地上部が枯れる落葉性となります。また開花期にはバニラを想像させる香りが花から漂います。
主な品種
●シルクロード
学名:Zantedeschia ‘Silk Road’
育種:吉村人志
園芸分類:湿地性カラー
開花時期:5月~8月(10月)
肉穂花序の色:黄色
仏炎苞の色:白色
葉の形:矢尻形・卵形
葉縁部:全縁
葉の色:緑色
生育型:叢生型
草丈:約50~80cm
四季咲き:この品種は別名で「四季咲きカイウ」とも呼ばれており、通常は春から夏に花が咲きますが、理想的な環境では、秋にも花が咲く能力があります。そのため、カラーの花を長く楽しみたい人に人気がある品種です。
切り花向き:比較的高性で大輪の花は切り花として重宝されます。
色彩効果:白色は、ウェディングに使われたり神様の色として使われたりしており、純粋無垢さや神聖さを感じさせる色です。そのため、清潔感があり明るさを感じさせるエントランスガーデン、洗練された気品を感じさせるエレガントなお庭などによく合います。
■オランダカイウ属(ザンテデスキア属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■湿地性カラーの育て方
花壇の土づくり

●バイオームと植生
- 主なバイオームと植生:フィンボス・湿地・河畔林・温帯草原など
- フィンボス(Fynbos):世界六大植物区のひとつで、南アフリカの西ケープ州から東ケープ州に位置し、世界で最も多様性に富んだ硬葉低木林(スクラブ)が見られる植生です。 ユネスコの世界自然遺産にも登録されており、高い固有種率(約70%以上)を誇る生物多様性のホットスポットです。
- 湿地(Wetland):陸域と水域の移行帯(エコトーン)で、季節的または恒久的に水で覆われるか、土壌が水で飽和している場所(湖、沼、湿原、干潟、マングローブ林)です。水と土壌の相互作用によって特有の生態系が形成されます。
- 河畔林(Riparian Forest):河川や湖沼などの水域に沿って帯状に分布する陸域で、移行帯(エコトーン)としての特性をもつ森林です。水面からの蒸発や植物の蒸散で、周囲の陸域より遥かに湿度が高く独自の【微気象】を形成し、高温・乾燥を抑制しています。そのため、湿潤を好む植生が多く見られます。
- 温帯草原:主に温帯または乾燥帯を中心に広がる草原の総称です。樹木が成長するのに十分な降水量が無いものの、砂漠化しない程度の十分な降水量があり、イネ科を中心とした草本類が優占します。
- 原産地:アフリカ
- 自生地:湿潤な草原や湿地、河畔林などにある地生植物または抽水植物です。
- 気候:主に温帯冬季少雨気候・温暖湿潤気候・地中海性気候などに属します。
- 日照:日向・半日陰
- 土壌:グライソル(gleysol)・フルヴィソル(fluvisol)など
- グライソル:地下水の強い影響を受け、土壌中の鉄やマンガンの還元で、青みがかった灰色のグライ層が形成されています。土壌は水分が過剰なため保水性は極めて高い反面、通気性は非常に悪いです。排水対策を行えば高い肥沃度を発揮することが多いです。
- フルヴィソル:沖積堆積物を由来とするフルビック物質(Fluvic material)をもつ土壌と定義されています。土性は様々ですが、肥沃度が高いことが多いです。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
湿地性カラーは【日向】から【半日陰】の範囲で育てることが出来ます。基本的に日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏場の暑さが厳しい地域では、西日が暑さ・強光・乾燥のストレスを増大させて、生育を悪くする可能性があるため、栽培環境によっては西日の当たらない半日陰で育てる方がよい場合もあります。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。主として全方位に遮蔽物がない、または遮蔽物を背にして開けた空が南向き・西向き(午後から日向)にある場所です。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所ですが、西日の当たる半日陰は夏場の強光と地温の上昇が日向と変わらないため、一般的に午前中に日が当たる場所が半日陰と考えます。主として遮蔽物を背にして開けた空が東向きにある場所、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が2時間程度当たる場所、または間接光だけが当たる比較的明るい場所です。主として、遮蔽物を背にして開けた空が北向きにある場所、または樹木から木漏れ日が当たる場所や周囲が開けているが太陽が当たらない場所などになります。
- 暗い日陰:直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。主に高い建物に囲まれているような、深い森の中にいるような場所になります。
●土壌の土質
- 栽培環境:湿地性カラーは湿潤な環境を好み、湿生植物または抽水植物として栽培出来ます。栽培する原種や品種、またお庭の状況に合わせて栽培環境を整えると良いでしょう。
- 湿生植物:植物体の根元が水に浸かる程度または水を多く含んでいる土壌を好む植物です。土壌に湿り気があれば問題なく育つことが出来るため、基本的には土壌を水で覆う必要はありません。ただし湿潤環境を好むため保水性が高い土壌にする必要があります。そのため【荒木田土】や【黒土】などを土台にして【腐葉土】や【ピートモス】を混ぜて通気性・排水性・保水性のバランスを取ると良いでしょう。
- 抽水植物:植物体の根と下部の茎葉が水面下にあり、茎および葉の一部が水面上に出て自生している植物です。水深は株の大きさで変わりますが5~10cm程度の水で覆うと良いでしょう。土壌は自生地に近い粘土の含有量が多い【埴壌土】から【埴土】が適します。基本的には荒木田土やけと土などをベースにして、必要に応じて完熟腐葉土やピートモスなどを入れるとよいでしょう。
- 練る工程:抽水植物として湿地に近い環境で栽培する場合で、【荒木田土】や【けと土】の培養土を使う場合は、一般的に事前に少量の水を加えながら、水と用土を混ぜて耳たぶ程度の硬さの泥にしてから用土を使用します。これをすることで重く密度の高い粘土となり、植物体をしっかり支える土台になり、保水性・保肥力が高まります。
- 植え付け:株(根茎)のサイズに合わせて深さ3~10cmの穴に植え付けます。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢の培養土づくり

●日照条件
湿地性カラーは【日向】から【半日陰】の範囲で育てることが出来ます。基本的に日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏場の暑さが厳しい地域では、西日が暑さ・強光・乾燥のストレスを増大させて、生育を悪くする可能性があるため、栽培環境によっては西日の当たらない半日陰で育てる方がよい場合もあります。
インドアグリーンの光環境

- 屋内環境:窓越しに直射日光が届く範囲から、窓際から1m以内のレース越しに太陽光が届く範囲までで栽培が可能です。窓から離れていて間接光が全く当たらない場所で栽培したい場合は【植物育成ライト】の導入を検討しましょう。
- 生存ライン:5000Lux/92.5μmol/m2・s
- Lux※1:15000~40000Lux
- PPFD※2:277.5~740μmol/m2・s
- DLI※3:12~30mol·m⁻²·d⁻¹
- 注意点:植物が求める光は基本的には光飽和点を目安にしながら、これを超えない光強度の範囲で、適切な時間を確保して栽培するのが最適(暗い時間も重要)となります。ただ生き残るためであれば光補償点を上回る程度の光の強さでも栽培可能ですが、光が足りないと日照不足で植物の外観が悪くなることもあるため適切な光を知っておくことが大切です。
【日照積算量(DLI)の照射時間の算出】
※1 Lux:人間の目が感じる明るさに基づいて数値化された単位です。照度では人間の目が最も明るいと感じる緑色(555nm)の光を最も高く評価しており、植物が光合成で必要とする赤色光(600~700nm)や青色光(400~500nm)はやや過小評価されています。そのため、照度(Lux)は光の量を測る手法として最も広く用いられていますが、植物の成長に必要な光の質(光合成有効放射)と量を厳密に測る手法としては不十分と言えます。
※2 PPFD:植物の光合成に有効な波長域である【光合成有効放射(PAR):400~700nm】の光の量(密度)を測定した指標です。この単位は【μmol/m2・s】で示されており、この値が大きいほど植物に供給する光の量が多いことを示します。
※3 DLI:植物が1日で受け取る光合成有効放射(PAR)の総量で、これは光合成光量子束密度(PPFD)と時間(照射時間)の累積値です。植物を健康に栽培する上での最も重要な指標になり、これを活用してPPFDの値と照射時間を調整することもできます。
植物育成ライト
室内で十分な光を確保出来ない場合は植物育成ライトの購入を検討しましょう。植物育成ライトでは、PPFDが指標として使われているため、光合成に必要な赤色光(600~700nm)や青色光(400~500nm)といった波長の強さが分かり、植物に必要な光の量を十分に確保・調整することができます。
植物育成ライトを購入する場合はPPFDや色温度などが重要になります。詳しくは観葉植物のページをご覧下さい。
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●培養土
- 概要:湿地性カラーは湿潤な環境を好みます。栽培する原種や品種、栽培環境に合わせて、湿生植物または抽水植物として栽培しましょう。
- 湿生植物:植物体の根元が水に浸かる程度または水を多く含んでいる土壌を好む植物です。土壌に湿り気があれば問題なく育つことが出来るため、基本的には土壌を水で覆う必要はありません。ただし湿潤環境を好むため保水性が高い土壌にする必要があります。培養土を購入する場合は一般的な草花の培養土よりも保水性が高めのものを選ぶと管理が楽になります。また自作する場合は、保水性を重視しながら通気性・排水性も兼ね備えた培養土を作ると良いでしょう。
- 抽水植物:植物体の根と下部の茎葉が水面下にあり、茎および葉の一部が水面上に出て自生している植物です。水深は株の大きさで変わりますが5~10cm程度の水で覆うと良いでしょう。培養土を購入する場合は睡蓮・ハスの土を選ぶと良いでしょう。自作する場合は、粘土質(荒木田土や赤玉土など)をベースにして、必要に応じて完熟腐葉土などを入れましょう。
- 練る工程:抽水植物として湿地に近い環境で栽培する場合で、【荒木田土】や【けと土】の培養土を使う場合は、一般的に事前に少量の水を加えながら、水と用土を混ぜて耳たぶ程度の硬さの泥にしてから用土を使用します。これをすることで重く密度の高い粘土となり、植物体をしっかり支える土台になり、保水性・保肥力が高まります。
- 植え付け:根茎のサイズに合わせて深さ3~5cmの穴に植え付けます。
培養土の配合例
- 湿生植物①:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 湿生植物②:赤玉土5割+ 腐葉土2割+完熟牛糞堆肥2割+ゼオライト1割+元肥適量
- 抽水植物①:荒木田土:10割+元肥適量(専用肥料)
- 抽水植物②:荒木田土6割+赤玉土3割+ゼオライト1割+元肥適量(専用肥料)
水やりの方法

湿地性カラーの水やり方法は【湿生植物】または【抽水植物】のどちらで管理するかで変わります。栽培環境に合わせた水やりを行いましょう。
●湿生植物の水やり方法
湿生植物は、植物体の根元が水に浸かる程度または水を多く含んでいる土壌を好む植物です。そのため、土壌が一定の湿潤を保つように水やりを行い管理します。
- 生育期(春・夏):株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾きそうになるタイミング(常に湿潤を保つ)で、土中の古い空気(ガス)も全て押し出し空気を入れ替えるイメージで水をたっぷり与えましょう。また鉢植えで栽培している場合は腰水による管理も水切れを防ぐ最適なアプローチとなります。朝に水やり後、受け皿に2cm程度の水を溜めておき乾燥対策しましょう。【注意点】ただし高温期は水が腐敗しやすいため、受け皿の水はこまめな交換が必要です。
- 秋の水やり:気温が下がってくると代謝が下がり生育が緩慢になります。冬の休眠に備えて水やりの頻度も減らしていきます。土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 冬の水やり:基本的に地上部が枯れて休眠します。休眠期は水分をあまり必要としないため乾燥気味に管理して問題ありません。ただし、完全に乾燥してしまうと枯死するため、土壌が完全に乾燥しない程度に水やりを行いましょう。※貯蔵方法は冬越しの方法で紹介しています。
●抽水植物の水やり方法
抽水植物は植物体の根と下部の茎葉が水面下にあり、茎および葉の一部が水面上に出て自生している植物です。
そのため、一般的な水やり管理は不要で、酸素を含む綺麗な水を張っておくことが大切です。水深は株の大きさで変わりますが5~10cm程度の水で土表面を覆うと良いでしょう。
肥料の与え方

湿地性カラーは大きな葉の展開維持と、花の開花を促すために、生育期に適量の肥料を必要とします。そのため、肥料を定期的に与えることが大切です。ただし、過剰な肥料が肥焼けを招くため、適切な施肥を心がけましょう。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植え付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:湿生植物として栽培する場合は緩効性肥料、抽水植物として栽培する場合は水生植物専用の肥料がおすすめです。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春と秋に追肥を施します。夏と冬は強いストレスで植物は弱っていることが多いため施肥を止めます。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または開花を促すためにリン酸の含有率が高い肥料を選びます。
- 肥料の製品:湿生植物として栽培する場合は緩効性肥料、抽水植物として栽培する場合は水生植物専用の肥料がおすすめです。
剪定方法

湿地性カラーは剪定せずに育てることも出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。例えば、花がら摘みを行うことで開花期間の花数が増えます。また古葉を取ることで病気予防や外観的に清潔感を保ちます。
⚠️注意点⚠️本種は全草に有毒なシュウ酸カルシウムの針状結晶を含有しており、特に樹液は皮膚に付くと炎症を引き起こす可能性があります。さらに粘膜に付くと激しい痛みを伴います。そのため、誤って樹液に触れないように手袋や長袖で作業すると安心です。
●剪定方法
- 花がら摘み:花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした花を摘みとることです。これを行うことで、花が種作りをすることを防ぎ、次の花芽に栄養が回り咲きやすくなります。花がら摘みの方法は、株を観察して仏炎苞が変色していたり、肉穂花序が萎れている花を探します。これらの花を見つけたら、株元から取り除きましょう。
- 古葉取り:古葉取りを行う時期は春から秋にかけてです。株を観察して、【枯れた葉】【変色した葉】【病気にかかっている葉】を探して、これらの不要な葉を見つけたら株元から取り除きましょう。これを行うことで、風通りが良くなり病害虫の発生を抑制し、栄養が若い芽や葉に集中するため生産性も高まり、外観も綺麗に保ち清潔感を保ちます。
冬越し方法


Hardiness:8~11
湿地性カラーは、気候が温帯であれば屋外で越冬することも可能です。ただし、土壌が0度を下回り凍結する環境では根茎が腐敗し枯れることもあるため、寒さが厳しい地域では、鉢植えを屋内に入れて管理するか、根茎を掘りあげて貯蔵するなどして冬越し対策をした方が無難でしょう。
●球根の貯蔵方法
- 掘りあげ時期:地上部が傷み始めたら、本格的な寒さが始まる前に掘り起こします。
- 根茎の掃除:根茎を掘りあげたら、土を手で優しく落とします。また根茎についている葉は雑菌の繁殖場所になり腐敗の原因となることがあるため根茎を傷めないよう整理しましょう。根茎は数時間程度風通しの良い日陰に置いて表面を乾燥させます。ただし、乾かしすぎに注意してください。
- 根茎の保管:通気性が良い容器(植木鉢・箱・袋など)にほんのりと湿らせた資材(バーミキュライト・おがくず・ピートモス等)を入れて、その中に根茎を入れて氷点下にならない冷暗所に保管します。
- 根茎の管理: 根茎の保管中は定期的に根茎の状態を確認します。根茎が腐敗している場合は、感染部位を取り除き、必要に応じて専用の殺菌剤で消毒しましょう。また乾燥により根茎に皺が寄っていることがあります。水分が過度に失われると、その後の生育に悪影響を与えるため、根茎を霧吹きで軽く湿らせて、資材の中にもう一度入れてください。
栄養繁殖方法

湿地性カラーは株分けによって増やす事ができます。
●株分け方法
- 株分け時期:早春または秋に行うのが最適です。
- 株を観察:本種は根茎の節から発根して新たな株を作り繁殖します。株を観察すると、根茎が伸びて地際から多数の芽または葉が発生しているため、これらの株は株分け可能と判断します。
- 株を掘りあげる:株が十分に大きく成長しているのを確認後、根を出来るだけ傷めないように、株元から離れた場所にスコップを入れて、周囲の土ごと掘り起こします。根に付いている土や腐った根を優しく取り除いて、太い根茎を確認し、 それぞれの根茎に1~2芽以上付けるようにして、根茎を清潔なナイフで切断し分割しましょう。
- 株分け後:株分けした新しい株は、根が乾燥する前に新しい場所に素早く植え付けましょう。植付け後はしばらく養生しながら管理します。
種まき方法

- 播種時期:4月~6月
- 発芽適温:約20~25度
- 備考:
種まき手順
- 種まきの時期:4月~6月
- 下準備:種は果実(液果)の中にあり、この果肉は発芽を抑制する物質(発芽抑制物質)のため洗浄処理が必要です。ゴム手袋を着用し、種子を取り出して、流水またはぬるま湯で果肉を完全に洗い流して下さい。
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:移植栽培をするため、容器(プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブン等)を準備し、その中に種まき用の培養土を入れます。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。



